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検索対象: 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡
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1. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

谷ッ 一 0 ・ 0X00 0 一 0- 0 ( 0 本書一三八段に相当する。中 ~ 呂定 子は、長徳元年 ( 発五 ) 九月十日故 関白道隆供養の法会を職の御曹司 において行われた。ここは供養の 後の酒宴の場面である全体はは ェックス ば x 形に区切られ明央な構図とい えよう。裳・唐衣姿で控える女房 たちに向い、束帯姿の四人の殿上 人が居並んでいる。酒杯を手にし た殿上人の前には、職の武官と思 われる人物が、片ロの銚子を持っ て対するのも見える左上の屏風 で囲われた部分が中宮の御座所で あろ、つか、そこに中宮の姿はな 中宮は障子を開いて左端の女 房の方にわすかに顔をのぞかせて

2. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

したよ。作者を自分側のものとし て中宮が道隆に対して儀礼上けな した。下文「まし」不審。 一三女房の名か。 さて八日九日のほどにまかづるを、「いますこし近うなして」など仰せらる一四中宮様は御覧にならないけれ ど、少納言は早速見て。 一五先の「泣きて : この作者の言を れど、出でぬ。いみじう常よりも照りたる昼つかた「花の心ひらけたりや。 一九 受ける。濡れた造花など花の不名 かが = = ロふ」とのたまはせたれば、「秋かうまだしく侍れど、夜にここのたびな誉だ、の意であろう。 一六それから八、九日のころに。 宅もう少し供養の日に近くなっ むのばる心地して侍る」など聞えさせたり。 てから里におりよ。 しだい のば 天「・ : 一夜魂九タビ升ル、二月 と出でさせたまひし夜、車の次第もなく、「まづ、まづ」と乗りさわぐがに ひら 東風来タリ、草拆ケテ花ノ心開ク、 くければ、さるべき人三人と、「なほこの車に乗りざまのいとさわがしく、祭君ヲ思ヒテ春日遅シ : ・」 ( 白氏文集 ・長想思 ) によって私が恋しいだろ うから早く帰参せよ、と言ったも のかへさなどのやうに倒れぬべくまどふ、いと見苦し。たださはれ、乗るべき の。 車なくてえまゐらずは、おのづから聞しめしつけて、給はせてむ」など笑ひあ一九一夜に九回も魂がのばるほど 恋しい気持でございます。前の詩 による。 段はせて立てる前より、押しこりて、まどひ乗り果てて、出でて、「かうか」と ニ 0 仮に「外」とみる。内裏から外 みやづかさ の二条宮に。以前の回想。 言ふに、「まだここに」といらふれば、宮司寄り来て、「たれだれかおはする」 ニ一ただもう、どうでもいし 第 一三このあたり不審。↓現代語訳。 と問ひ聞きて、「いとあやしかりける事かな。今はみな乗りたまひぬらむとこ うねめ ニ三御厨子所の女官。采女の中か とくせん そ思ひつれば。などてかくはおくれさせたまへる。今は得選を乗せむとしつるら三名選ばれるのでいう。 せなり』と言ひはべりつ」と申したまへば、いみじうねたがらせたまふもをか し。 ニ 0 ここち たふ きこ きこ ロ - 三

3. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

二八五見ならひするもの あくび 見ならひするもの欠伸。ちごども。なまけしからぬえせ者。 二八六うちとくまじきもの うちとくまじきものあしと人に一 = ロはるる人。さるは、よしと知られたるよ一四油断のならないもの。 一五そうではあるがしかし、良い 人だと知られている人よりは表裏 りは、うらなくぞ見ゆる。舟の道。 なく見える。 おもて 日のうららかなるに、海の面のいみじうのどかに、青緑打ちたるを引きわた一六以下「舟」のことのみを記す。 都の女性は海や舟に対する恐怖感 あこめはかま したるやうに見えて、いささかおそろしきけしきもなき、若き女の、衵、袴着が強い。作者の体験にもとづく記 述であろう。 ろ さぶらひ たる、侍の者の、わかやかなる、もろともに、櫓といふ物押して、歌をいみじ宅「けしきもなきに」の意とみる。 天表着の下に着る衣。 ううたひたる、いとをかしう、やんごとなき人にも見せたてまつらまほしう思 一九 あ ひ行くに、風いたう吹き、海の面の、ただ荒れになるに、物もおばえず、泊ま 一九停泊する予定の所。 第 るべき所に漕ぎ着くるほどに、舟に波のかけたるさまなるは、さばかり名残な = 0 余波さえもなかった海、の意 か。「なごり」は、風がやんだあと 静まらずにしばらく立ち続ける波。 かりつる海とも見えずかし。 一セ あをみどり なごり ニ 0 三見ていてまねをするもの。 一三いいかげんなつまらない者。 ( 現代語訳三三五ハー )

4. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 354 みやづか それをつらいことに思って、また別の方面に宮仕えして身 を立てようと思い立っこともなくて過したのに、しかるべ く親しく頼りにすることのできる人も、しだいに世を去っ 奥書 てしまって、子なども全く持っていなかったために、どう しようもなくて、年老いてしまったので、かたちを尼姿に 枕草子は、だれもが持っているけれども、ほんとうによ めのとご あわ い本は世に存在しにくい物である。これもそれほどよいと変えて、乳母子の縁故があって、阿波の国に行って、粗末 かやぶき な萱葺の家に住んだのだった。つづりという物を帽子にし いうのではないけれど、能因の本と聞くので、そう悪くは あるまいと思って、書き写してあるのですよ。草子の様子て、青菜という物を乾しに、外に出て帰るという時に、 のうしすがた 「昔の直衣姿こそ思い出されることだ」と言ったというの も、筆跡も劣っているけれど、これはあまり人などに貸さ こそ、やはり昔の気持が残っていたのだったかと、しみじ ないでおいていただきたい。一般に枕草子の伝本がたくさ みと心にしみる感じがする。だから、人の命の終りの、思 んある中で、まあ見られるものではあるけれども、やはり うようであることは、若い時に立派であることにも拠るも この本もたいへんすぐれているとも感じられません。先の いつばん のではないのだった、とこそ感じられる。 一条院の一品の宮の本、ということで見たのこそ、すばら もと しかった、と元の本に見えている。 どはず これを書いている清少納言は、度外れて優美な人であっ て、普通の人が、まじめに頼りにしてしまうべきことなど ゅうえん は語ってはいないで、優艶に情趣のあることをだけ思って 過ぎてしまったのだった。宮の御もとにも、御世が衰えて しまったのちには、いつも伺候していたわけではない。そ うしているうちに宮がお亡くなりになってしまったので、

5. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

ふたりひとり て、二人も一人も乗りて走らせて行くこそ、いと涼しげなれ。まして、琵琶弾 0 き鳴らし、笛の音聞ゆるは、過ぎていぬるもくちをしく、さやうなるほどに、 子 牛のしりがいも、知らぬにゃあらむ、香のあやしうかぎ知らぬさまなれど、を一『和名抄』に「鞦」を「之利加岐」 草 と読む。牛馬の後ろにからみつけ 枕かしきこそ物ぐるほしけれ。いと暗う、闇なるに、さきにともしたる松の煙のる革紐。「しりがひ」はその変化形 であろう。 いと一かし。 香の、車にかかりたるも、 ニこの一文三巻本になし。自分 が知らないからだろうか、の意か。 三異臭であるのにおもしろく思 われるのは奇妙なことだ。以上女 二〇六五日の菖蒲の、秋冬過ぐるまで 車に乗って男車とすれちがった折 の感想か。 しろか たいまっ 四車の前に供人がともす松明の 五日の菖蒲の、秋冬過ぐるまであるが、いみじう白み枯れてあやしきを、引 煙。ここは自分の車についてのこ レか き折りあげたる、そのをりの香残りてかかへたるも、いみじうをかし。 五五月五日の節日に飾りとして しようぶ くすだま 用いた菖蒲。一説、菖蒲の薬玉。 二〇七よくたきしめたる薫物の 六「あけたる」とも読める。 セあたりに漂っているのも。 たきもの きのふをととひけふ よくたきしめたる薫物の、昨日、一昨日、今日などは、うち過ぎたるに、衣 ^ そのままになって過ぎている をひきかづきたる中に、煙の残りたるは、ただいまのよりもめでたし。 九余香。 カ 六 き一うぶ ふえ きこ け九 やみ は けぶり きめ

6. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 342 逢坂は胸のみつねに走り井の見つくる人やあらむと思 ( 逢坂の関には走り井がありますが、こうしてお逢いしてい ると、見つける人があるのではないかと思うので、その走り 井の水のように、胸がいつも走り騒ぐのです ) 二九九唐衣は からめ きめえびぞめもえぎ 唐衣は赤い衣。葡萄染。萌黄。桜。すべて、薄い色の たぐい 類、がゞい _> 三〇〇裳は おおうみしびら 裳は大海。褶。 三〇一織物は 織物は紫。萌黄にかしわの葉を織ってあるの。紅梅も よいけれども、やはり見て飽きることが格別である。 三〇二紋は 紋は、葵 ~ かたばみ。 もん あふさか あお 三〇三夏のうは着は うわぎ 夏の表着は薄物がよい 片一方のゆきたけが長いのを着ている人こそにくらしい けれど、たくさん重ねて着ていると、一方に引かれて着に わた 綿など厚くはいったのは、胸なども合せ目があいて、 とても見苦しい。普通の着物とまぜて着るべきものではな いのだ。やはり昔から、かっこうよく着ているのこそよい のだ。左も右もゆきたけの長いのは、よい。それもやはり しようぞく きゅうくっ 女房の装束としては、場所をとって窮屈なように思われる。 男が片方のゆきたけの長いのをたくさん重ねて着るのも、 片一方の袴が重いことだろうよ。 うつくしく清らかな装束の織物、薄物など、今ではみな ゆきたけが長いようだ。当世風で、また様子のよいお方が、 こういう着物をくださるなら、それはひどく具合の悪いも のである。 三〇四かたちよき君達の、弾正にておはする びばうきんだち だんじよう 美貌の君達が、弾正でいらっしやるのは、たいへん見苦 しい。宮の中将などが、弾正であった折は、人々はがっか

7. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

一見る値打もないつまらないも 見るかひなきもの色くろくやせたるちごの瘡出でたる。ことなることなき っ 4 をのこい ニできもの。はれもの。 男の行く所おほかるが、ものむづかりする。にくげなるむすめ。 三通って行く先の女。 子 あをにびかりぎぬくろ ひたたれわた まづしげなるものあめの牛のやせたる。直垂の綿うすき。青鈍の狩衣。黒四機嫌を悪くする。主語は男と 草 解した。 ゑぶくろかうぞめき がいほねき 枕柿の骨に黄なる紙はりたる扇。ねずみに食らはれたる餌袋。香染の黄ばみたる = 飴色の毛色をした牛。立派な 牛とされた。 うすずみ ひたたれぶすまえり 六直垂衾。襟・袖がっき直垂の にあしき手を薄墨にかきたる。 形に似た夜具で、綿が厚く入って ほうしな あやきめ 本意なきもの綾の衣のわろき。みやたて人の中あしき。心と法師に成りた セ薄い青ねずみ色。 とくい ^ 柿の木の中心部の黒い縞が入 る人の、さはなくて清からぬ。思ふ人のかくしする。得意の上そしる。冬の雪 った部分。材質が堅く美しい 九携帯用の食料を入れる袋。 ふらぬ。 一 0 うすい紅色。丁字染。 = 下手な筆跡。 三心にかなわず残念なもの。思 ったとおりではなくて不快なもの。 一三宮を建てる大工をさすという。 一四僧としての品格や学問もなく て、の意とみるが、きれいなはず なのに、の意とも解せよう。作者 は法師の「顔」を大切なものとした。 三恋人が秘密を持っているの。 一六自分がひいきにして親しくし ている人を非難する、の意とみる。 て かみ きょ 四 あふぎ かさ う の。 かよ

8. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

やおしゃべりをし、人のうわさ話をしてほめたりけなした子をかわいいと思っているらしいのは、親だからこそであ ると、親の心がしみじみと身にしみて感じられる。 肪りなどしていると、夜居の僧の持っ数珠のすがりが、ふと 親にも、お仕えする方にも、総じて交際している人にも、 何げなく脇息などに当って音をたてたのこそ奥ゆかしく思 子 人によく思われよ , っことぐらいすばらしいことはあるまい われるものだ。 草 枕 一三男こそ、なほいとありがたく 一二世ノ中になほいと心憂きものは 男性というものこそは、やはり女性からみるとめったに この世の中で何といってもやはりとてもいやなものは、 人ににくまれよう事がそれにあたるようだ。一体どんな気ないほど奇妙な心を持ったものではある。とてもきれいな 違いが「自分は人ににくらしいと思われよう」とは思うだ女性を捨てて、にくらしげな女を妻として持っているのも、 もう全く理解できないことだ。宮中にいつも親しく出入り ろうか。そんな人はいないだろう。けれどもどうしても自 然に、お仕えしている所でも、親、兄弟姉妹の間でも、愛してお仕えしている男や、良家の子弟たちは、たくさんい る女性の中で美しい人をこそは選んでお愛しになればいし される愛されないといった違いがあるのはとても情けない ことだ。 のに。絶対に手が届きそうにもない身分の女をさえ、自分 がすばらしいと思う女性を死ぬぐらいにでも恋い焦れてほ 身分の高い方の御事はもちろんであるが、身分の程度が 低い者などの間でも、親などがかわいがっている子は、ど 人が大切にしている娘や、まだ見たこともない人などを うしても人から注目され、耳をたてられて、大切にすべき も、すばらしいと聞く女性をこそは、どうかして妻にした 子であるといった感じがする。その子が目をかけるかいが いとも、どうやら男性は考えるということだ。それなのに ある子である時は、親がかわいがるのは道理であって、ど 一方で、女性の目からみても劣っていると思われる女を愛 うしてこの子をかわいがらないでいられようかと思われる。 一方これといったことのない子である場合は、また、このするのは、一体どうしたことなのだろう。 ( 原文一一一七ハー ) じゅず

9. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

思って聞いたのに。だれがしたことなのか。見たのか」とすけれど、『われより先に』起きていた人がいたと思って 引仰せになる。「そういうわけでもございません。まだ暗く おりましたようでございました」とわたしが言うのを、関 て、よくも見ないでしまったのでございますが、白っぱい 白様はとても早くお聞きつけあそばして、「そうだろうと 子 ものがございましたので、花を折るのかしらなどと、気が 思っていたことだよ。決してほかの人は、何をおいても出 草 さいし、よう かりだったので申したのでございます」とわたしは申しあ て見つけたりはしまい。宰相とそなたとぐらいの人が見つ 枕 げる。「それにしても、こんなにすっかりはどうして取ろ けるかもしれないと推察していた」とおっしやって、ひど うか。殿がお隠させになっていらっしやるのであるよう くお笑いあそばす。「事実そうでありそうなことなのを、 はるかぜ だ」とおっしやってお笑いあそばされるので、「さあまさ少納言は春風に罪を負わせたことよ」と、中宮様がお笑い はるかぜ かそんなことではございませんでしよう。春風がいたしま あそばしていらっしやるのは、すばらしい。関白様が「少 したことでございましよう」と啓上するのを、「それを言納言はどうやら恨み言を負わせたのでございますようです。 やまだ おうと思って、隠したのだったのね。あれは盗みではなく でも、今の季節では山田も作るでしように」と歌をお吟じ て、雨がひどく降りに降って古びてしまったのだというわあそばしていらっしやるのも、とても優雅でおもしろい けでーと仰せになるのも、珍しいことではないけれど、た 「それにしても、しやくなことに、見つけられてしまった いへんすばらしい のだったよ。あれほど気をつけるように言っておいたのに。 関白様がおいでになるので、寝乱れたままの朝の顔をお人の所にこうしたばか者がいるのこそ困ったものだ」と仰 見せするのも、時はずれのものと御覧あそばすだろうかと せあそばす。「春風とは、そらでとてもおもしろく言った 思って、自然引っ込んでしまう。おいであそばすやいなや、ものだな」などと、その歌をまたお吟じあそばす。中宮様 「あの花はなくなってしまったね。どうしてこうまでみす は「ただの言葉としては、持ってまわってわずらわしい思 みす盗ませたのだ。寝垪すけだった女房たちだね。知らな いっきでございましたよ。それにしても、今朝の桜の様子 いでいたのだったよ」とわざとお驚きあそばすので、「で はどんなにひどくございましたでしようね」とおっしやっ

10. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

せておいたりなどする車もあることだ。 いうわさなどが生れてくるのは苦しいけれど、中宮様のお 手紙はおもしろくて、別の紙に、雨をたくさん降らせて、 二一五細殿にびんなき人なむ、暁にかさささ その絵の下に、 せて出でけるを 「雨ならぬ名のふりにけるかな あかっきかさ ( 雨が「降る」のではなくて浮名が「旧る」く久しくなって 細殿に出入りしては不都合な男が、暁に傘をささせて出 しまったことです ) たのを、人がうわさとしてあらわに言っているのを、よく め ぎめ それだから、濡れ衣なのでございましよう」と申しあげた 聞くと、自分に関することなのだった。その人は地下など うこんないし ぶなん ところ、右近の内侍などにこのことをお話しあそばされて、 とはいっても、無難な家柄で、人に許されない程度の人で せいりよう お笑いあそばされたのだった。 もなさそうなのを、「妙なことだな」と思ううちに、清涼 でん 殿から中宮様のお手紙を持って来て、「返事を今すぐ」と 一六四条ノ宮におはしますころ 仰せになっている。何事だろうかと思って見ると、大傘の 四条の宮に皇后様がお住いあそばすころ、衛府から五月 絵を描いて、人は見えない。ただ手だけに傘を持たせて、 くすだま しようぶ第一し その下の方に、 五日の菖蒲の輿などを持って参上し、薬玉を差しあげたり みくしげどの あした など、また、若い女房たちゃ、御匣殿などが薬玉を作って、 みかさ山やまの端明けし朝より ( みかさ山の山の端が明るくなった朝から ) 姫宮や若宮のお召物におつけさせ申しあげ、とてもおもし 幻とお書きあそばしてあった。やはりちょっとしたことに対ろく作ってある薬玉を、外からも差しあげているのに、青 してでも、ただもうすばらしくておいであそばすとわたしざしという物を、人が持って来ているということで、わた うすよう すずりふた 第 には感じられるのにつけて、自分にとって恥ずかしく、気しは青い薄様を、しゃれた風雅な硯の蓋に敷いて、「これ かきね は垣根越しにございましたので」と言って、皇后様に献上 に入らないようなことは、どうかして御覧になっていただ したところ、 かないよ , つにしょ , っと思 , つのに、そ、つしたほんと , つではな ほそどの えふ