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検索対象: 現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集

現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集から 415件ヒットしました。

現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集


物 Ⅲ 制 朏 ー Ⅱ ー 5

現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集


並 日 = ニ ロ 一 四 ~ 四 一 一 ・ 二 ・ 一 〇 「 赤 屋 敷 の 女 」 を 「 週 刊 朝 日 」 に 連 載 。 十 月 一 ・ 五 「 未 知 の 友 に 」 を 「 朝 日 新 聞 版 」 、 一 ・ 『 石 の 言 葉 』 を 光 風 社 書 店 刊 。 十 一 月 に は 、 つ わ も の ど も の 夢 の 跡 「 天 皇 の 世 紀 ・ 義 兵 」 、 三 ・ 三 〇 ~ 六 ・ 二 八 「 天 皇 の 世 紀 ・ 京 都 」 、 を 訪 ね て 、 空 想 と 考 証 と の は ざ ま に 遊 び な が ら 義 経 を め ぐ る 人 物 た 六 ・ 二 九 ~ 一 〇 ・ 四 「 天 皇 の 世 紀 ・ 長 州 」 、 一 〇 ・ 五 ~ 一 一 ・ ち に 観 察 眼 を は た ら か せ た ロ マ ン チ ッ ク な 歴 史 紀 行 書 『 義 経 の 周 「 天 皇 の 世 紀 ・ 本 舞 台 」 、 一 一 ・ 二 五 ~ 一 二 ・ 二 四 「 天 皇 の 世 紀 ・ 囲 』 を 朝 日 新 聞 社 刊 。 奇 兵 隊 」 、 一 二 ・ 二 五 ~ 四 五 ・ 一 ・ 二 九 「 天 皇 の 世 紀 ・ 客 の 座 」 を 七 十 歳 「 朝 日 新 聞 」 に 連 載 。 二 月 『 天 皇 の 世 紀 一 ( 里 船 ) 』 、 三 月 『 天 皇 の 世 昭 和 四 十 ニ 年 ( 一 九 六 七 ) ~ 一 ・ 一 八 「 天 皇 の 世 紀 ・ 序 の 巻 」 、 一 ・ 一 九 ~ 二 ・ 一 一 「 天 紀 二 ( 大 獄 ) 』 、 八 月 『 天 皇 の 世 紀 三 ( 有 志 者 ) 』 を 朝 日 新 聞 社 、 十 皇 の 世 紀 ・ 外 の 風 」 、 二 ・ ~ 一 一 ・ 一 一 八 「 天 皇 の 世 紀 ・ 失 覚 」 、 三 一 一 月 ~ 四 十 六 年 四 月 『 大 佛 次 郎 時 代 小 説 自 選 集 』 ( 全 十 五 巻 ) を 読 ・ 三 一 「 天 皇 の 世 紀 ・ 黒 船 渡 来 」 、 四 ・ 一 ~ 五 ・ 四 「 天 皇 売 新 聞 社 刊 。 こ の 年 、 四 月 、 『 天 皇 の 世 紀 』 出 版 記 念 会 開 催 。 十 月 、 の 世 紀 ・ 野 火 」 、 六 ・ 一 三 ~ 八 ・ 二 四 「 天 皇 の 世 紀 ・ 地 熱 」 、 八 ・ 二 戯 曲 「 三 姉 妹 」 及 び 劇 作 活 動 に よ り 第 十 七 回 菊 池 寛 賞 受 賞 。 五 ~ 一 二 ・ 九 「 天 皇 の 世 紀 ・ 大 獄 」 、 一 二 ・ 一 〇 ~ 一 二 七 十 三 歳 ・ 三 一 「 天 昭 和 四 十 五 年 ( 一 九 七 〇 ) 皇 の 世 紀 ・ 反 動 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 連 載 。 三 月 『 タ 顔 小 路 』 を 毎 日 一 ・ 三 〇 ~ 四 ・ 二 一 「 天 皇 の 世 紀 ・ 逆 潮 」 、 四 ・ 二 三 ~ 七 ・ 三 「 天 新 聞 社 、 四 ~ 四 十 五 年 五 月 『 大 佛 次 郎 少 年 少 女 の た め の 作 品 集 』 皇 の 世 紀 ・ 瓦 解 一 路 」 、 五 ・ 八 「 日 本 の 郷 里 ー 太 宰 府 と 飛 鳥 に 迫 る ( 全 六 巻 ) を 講 談 社 、 四 月 『 道 化 師 』 を 光 風 社 、 六 月 『 赤 屋 敷 の 女 』 危 機 ー 」 、 七 ・ 四 ~ 八 ・ 二 九 「 天 皇 の 世 紀 ・ 新 ら し い 門 」 、 八 ・ 三 0 を 朝 日 新 聞 社 刊 。 こ の 年 、 一 月 か ら 十 一 一 月 に わ た り 「 三 姉 妹 」 ( 「 逢 ~ 一 〇 ・ 二 六 「 天 皇 の 世 紀 ・ 諸 家 往 来 」 、 一 〇 ・ 二 七 ~ 一 二 ・ 二 八 魔 の 辻 」 よ り ) を テ レ ピ に て 放 映 。 「 天 皇 の 世 紀 ・ 大 政 奉 還 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 連 載 。 一 月 『 天 皇 の 世 昭 和 四 十 三 年 ( 一 九 六 八 ) 七 十 一 歳 紀 四 ( 攘 夷 ) 』 を 朝 日 新 聞 社 、 一 一 月 『 鼠 小 僧 次 郎 吉 』 ( 都 作 全 集 2 ) を 一 ・ 四 ~ 一 ・ 三 〇 「 天 皇 の 世 紀 ・ 異 国 」 を 「 朝 日 新 聞 」 、 一 ・ 一 = 一 番 町 晝 房 、 五 月 『 大 佛 次 郎 ・ 獅 子 文 六 他 』 ( 虹 全 集 3 2 ) を 筑 摩 書 房 、 ・ 一 一 六 「 舞 台 再 訪 ・ 『 風 船 』 」 を 「 朝 日 八 月 『 天 皇 の 世 紀 五 ( 長 州 ) 』 朝 日 新 聞 社 、 十 月 『 今 日 の 雪 』 を 光 風 「 枯 野 」 を 「 東 新 聞 」 、 一 ・ 二 三 「 天 皇 の 世 紀 ・ 黒 い 風 」 、 三 ・ 二 四 ~ 五 社 書 店 、 十 二 月 『 天 皇 の 世 紀 六 ( 奇 兵 隊 ) 』 を 朝 日 新 聞 社 刊 。 新 聞 」 、 一 ・ ・ 一 四 「 天 皇 の 世 紀 ・ 有 志 者 」 、 ( 五 ・ 一 五 ~ 七 ・ 二 第 一 回 休 載 △ 国 昭 和 四 十 六 年 ( 一 九 七 一 ) 七 十 四 歳 ・ 一 六 「 天 皇 の 世 紀 ・ 新 政 」 、 二 ・ 一 七 ~ 五 ・ 二 七 「 天 立 が ん セ ン タ ー で 療 養 の た め > ) 、 七 ・ 三 ~ 八 ・ 二 九 「 天 皇 の 世 紀 ・ 一 ・ 四 ~ 一 一 ・ 一 一 「 天 皇 の 世 紀 ・ 攘 夷 」 を 「 朝 日 皇 の 世 紀 ・ 内 乱 」 、 五 ・ 二 八 ~ 八 ・ 一 〇 「 天 皇 の 世 紀 ・ 江 戸 攻 め J' 急 流 」 、 八 ・ 三 〇 ~ 四 四 ・ 一 新 聞 」 に 連 載 。 一 月 『 大 佛 次 郎 ・ 石 坂 洋 次 郎 』 驅 本 肪 ) を 文 藝 八 ・ 一 一 ~ 一 〇 ・ 一 一 「 天 皇 の 世 紀 ・ 新 政 の 府 」 、 ( 一 〇 ・ 一 一 一 ~ 四 年 日 本 文 4 ) を 集 英 社 、 七 月 『 大 佛 次 郎 集 』 七 ・ 一 ・ 四 第 二 回 休 載 ) 。 一 〇 ・ 一 四 「 『 天 皇 の 世 紀 』 休 載 に あ た 0 春 秋 、 四 月 『 大 佛 次 郎 集 』 ( 学 全 集 5 歴 史 文 1 て 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 。 三 月 『 大 佛 次 郎 ・ 岸 田 国 士 ・ 岩 田 豊 雄 』 ) を 人 物 往 来 社 刊 。 学 全 集 1 昭 和 四 十 四 年 ( 一 九 六 九 ) 七 十 一 一 歳 ) を 筑 摩 書 房 、 五 月 ~ 四 十 七 年 一 月 『 大 佛 次 郎 ノ ン フ ィ

現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集


392 ク シ ョ ン 全 集 』 ( 全 五 巻 ) を 朝 日 新 聞 社 、 六 月 『 天 皇 の 世 紀 七 ( 大 政 の 大 作 で あ る 。 四 月 三 十 日 午 後 一 一 時 七 分 、 転 移 性 肝 が ん の た め 、 か ね て 入 院 治 療 中 の 藜 都 中 央 区 築 地 の 国 立 が ん セ ン タ ー に て 死 去 、 奉 遠 ) 』 、 十 一 月 『 天 皇 の 世 紀 八 ( 江 戸 攻 め ) 』 を 朝 日 新 聞 社 刊 。 七 十 五 歳 葬 儀 は 五 月 三 日 、 鎌 倉 市 扇 が 谷 の 寿 福 寺 に て 挙 行 さ れ た 。 墓 地 は 寿 昭 和 四 十 七 年 ( 一 九 七 一 1) 一 ・ 五 ~ 四 ・ 一 四 「 天 皇 の 世 紀 ・ 旅 」 、 四 ・ 一 七 ~ 七 ・ 一 一 「 天 皇 福 寺 に あ る 。 四 十 七 年 六 月 二 日 か ら 四 十 八 年 四 月 二 十 五 日 に わ た り ・ 二 一 第 三 回 休 載 ) 、 病 室 で 綴 っ た 「 つ き ぢ の 記 」 と 題 す る 病 床 日 記 の 一 部 が 六 月 十 八 ~ の 世 紀 ・ 武 士 の 城 」 、 ( 七 ・ 一 二 ~ 四 八 ・ 一 七 ・ 一 一 「 『 天 皇 の 世 紀 』 休 載 に あ た 0 て 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 。 十 九 日 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 さ れ た 。 五 月 『 大 佛 次 郎 集 』 ( 全 集 5 五 月 『 都 そ だ ち 』 を 毎 日 新 聞 社 、 十 月 ~ 四 十 八 年 七 月 『 大 佛 次 郎 自 を 集 英 社 、 十 一 一 月 『 冬 の 花 』 ( 愛 蔵 版 ) お よ び 『 冬 の 花 別 冊 大 佛 次 選 集 ・ 現 代 小 説 』 ( 全 十 巻 ) 、 十 月 『 天 皇 の 世 紀 九 ( 武 士 の 城 ) 』 を 郎 人 と 文 学 』 を 光 風 社 書 店 刊 。 こ の 年 、 多 年 の 業 績 を 記 念 し て 、 新 潮 日 本 5 ) を 新 潮 社 刊 。 こ の 年 大 佛 次 郎 文 学 賞 が 設 定 さ れ た 。 朝 日 新 聞 社 、 十 一 月 『 大 佛 次 郎 集 』 ( 文 学 全 集 2 十 一 月 二 十 三 日 か ら 十 二 月 四 日 に か け て 横 浜 伊 勢 佐 木 町 、 有 隣 堂 書 昭 和 四 十 九 年 ( 一 九 七 四 ) 店 に て 「 大 佛 次 郎 ・ 人 と 作 品 展 」 を 開 催 。 一 月 ~ 十 一 一 月 『 大 佛 次 郎 随 筆 全 集 』 ( 全 三 冊 ) 、 七 月 『 天 皇 の 世 紀 十 昭 和 四 十 八 年 ( 一 九 七 一 一 l) ・ 一 三 ~ 四 ・ 二 五 「 天 皇 の 世 紀 ・ 金 城 自 壊 」 を 「 朝 日 新 聞 」 ( 週 ( 金 城 自 壊 ・ 総 索 引 ) 』 を 朝 日 新 聞 社 刊 。 昭 和 ・ 五 十 年 ( 一 九 七 五 ) 四 回 、 月 ~ 才 曜 日 ) 連 載 、 明 治 天 皇 生 誕 の 嘉 永 五 年 ( 一 八 五 三 ) か ら 起 筆 、 第 一 五 五 五 回 、 「 金 城 自 壊 」 の 章 ( 五 四 ) 、 奥 羽 越 列 藩 同 盟 三 月 ~ 『 大 佛 次 郎 時 代 小 説 全 集 』 ( 全 一 一 十 四 巻 ) を 朝 日 新 聞 社 よ り 現 と 薩 長 な ど 官 軍 と の 対 決 を 扱 0 た " 北 越 戦 争 。 の 叙 述 に て 、 作 者 病 在 刊 行 中 。 こ の 年 、 「 大 佛 次 郎 記 念 館 」 ( 仮 称 ) を 横 浜 市 中 区 日 本 大 気 の た め 中 断 せ ざ る を え な か 0 た こ の 畢 生 の 史 伝 は 、 膨 大 な 史 料 を 通 三 番 地 の 旧 英 国 領 事 館 に 開 設 す る こ と に 決 定 、 年 内 開 館 予 定 を め ざ し て 準 備 中 で あ る 。 「 大 佛 次 郎 記 念 館 」 に は 大 佛 次 郎 の 蔵 書 、 文 駆 使 、 引 用 し 解 釈 を 加 え 、 幕 府 、 倒 幕 側 双 方 の イ デ オ ロ ギ ー に 偏 す 化 勲 章 、 多 数 の 表 彰 状 、 愛 用 品 な ど が 収 め ら れ 、 閲 覧 に 供 せ ら れ る る こ と な く 、 庶 民 の 側 に も 視 点 を す え て 、 文 学 者 と し て の 独 自 の 史 観 に よ り 近 代 日 本 の 原 点 た る 明 治 維 新 を 捉 え 直 し 、 今 後 の 日 本 の 激 予 定 で あ る 。 動 期 に 対 応 す る こ と を 意 図 し て 執 筆 さ れ た も の で あ る 。 昭 和 四 十 年 * 博 文 館 刊 行 雑 誌 「 ポ ケ ッ ト 」 掲 載 作 品 に つ い て は 、 福 島 五 月 か ら 執 筆 準 備 を 開 始 、 は じ め の う ち は 一 回 分 の 執 筆 を 終 了 す る 行 一 「 大 佛 次 郎 年 望 日 誌 稿 」 ( 「 防 衛 大 学 校 紀 要 」 昭 ・ 3 の に 八 時 間 ~ 十 時 間 を 要 し 、 少 な く と も 五 時 間 を 必 要 と し た 。 膨 大 9 ) を 参 照 し た 。 な 史 料 を 読 み 、 そ の う え で 執 筆 、 そ の 原 稿 も 時 間 を お い て 三 度 く り か え し て 手 を 入 れ た 。 こ の 間 、 盟 に 物 し て 各 地 を 取 材 踏 査 し た 。 四 十 七 年 五 月 、 肝 臓 障 害 で 数 度 目 の 入 院 以 後 、 死 の 床 に て 執 念 の 執 筆 を 続 け 、 原 稿 用 紙 ( 四 百 字 詰 ) 枚 数 総 計 七 七 七 五 枚 に 達 す る 未 完

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5 1 ツ を 昭 和 36 年 鎌 倉 駅 に て の 次 郎 ・ ル ー プ ル 博 物 館 で ダ ビ デ 像 に 見 入 る 次 郎 万 歳 ー ツ ア ー を 羽 倒 せ 社 会 単 命 党 万 歳 ! 」 と 大 佛 次 郎 は 、 こ の 単 命 テ ロ リ ス ト に 詩 人 の 名 を え 「 カ リ ヤ ア て い る 作 者 は こ ん な 一 節 を 書 い て い る 、 エ フ は 、 プ ト ウ イ ル キ 監 獄 の フ が チ ェ フ ス カ ヤ 塔 に 投 せ ら れ て い た そ こ に は 、 彼 の 愛 し た 花 も 小 鳥 も 人 当 の 子 供 も い な か っ た か 、 彼 は 自 ら 期 待 し て い た と お で 死 と 「 楽 な 気 持 』 に な っ て 、 そ れ を 楽 し ん で い た 0 、 日 ・ の 然 に 決 定 さ れ て い る 自 分 の 運 命 を 田 5 っ て み て も 、 妻 院 風 持 は 実 に 平 で あ っ た 」 と し か し 、 こ の テ ロ リ ス 夫 寺 ト が 詩 人 と よ は れ る の は 、 こ う い う 優 し さ や 、 い の ・ ・ 大 ダ レ さ の せ い は か リ で は な い こ の 小 説 は 最 後 に 至 っ て 、 暗 殺 さ れ た セ ル ゲ イ 太 公 の 夫 人 が 獄 中 の カ リ ヤ ア エ フ を 訪 れ る 場 曲 を 描 い て い る 殺 者 は そ の 夫 人 訪 問 を 詩 人 ら し い 受 け と め か た で 、 「 ど ち ら も 、 偶 然 に 生 き 伸 ひ た 人 間 人 な ん だ 僕 は 間 か よ く て 、 あ の 場 で 死 な な か っ た し 、 ・ 伐 . 女 は 僕 ら の 中 」 イ Ⅲ の 意 志 、 ま た 、 僕 の 意 志 で 、 あ の 芝 居 の ・ 晩 に 死 な す に 済 ん だ の だ か ら な 」 と 記 し た 手 紙 を 残 し て い る そ し て 、 こ の 小 説 の 末 尾 は 、 つ ぎ の よ 、 つ な 、 そ れ こ そ 詩 人 と 呼 気 に ふ さ わ し い カ リ ヤ ア エ フ の 姿 を 叙 述 し て い る め い リ よ う 「 た だ 一 つ 明 瞭 な の は 、 夫 人 が み を か け て 救 お う と た 不 幸 な 魂 の 主 ( カ リ ヤ ア エ フ の こ と ) が 、 実 は 少 し 前 に 故 意 に 夫 人 の 命 を 助 け て や っ て 置 い て 、 そ の 408

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艶 日 二 ~ 七 月 「 冬 の 木 々 」 を 「 小 説 新 潮 」 、 四 ・ 七 ~ 九 ・ 一 五 「 鞍 馬 天 狗 三 月 十 五 日 か ら 九 月 十 三 日 に わ た り 「 朝 日 ジ ャ ー ナ ル 」 に 、 ス エ ズ か い さ く し ょ ( が 、 ・ 女 郎 蜘 蛛 」 を 「 サ ン デ 1 毎 日 」 、 一 〇 ・ 一 一 七 ~ 三 三 ・ 四 ・ 二 一 「 橋 」 運 河 開 鑿 に 成 功 し た 偉 人 、 レ セ ッ 。 フ ス の 栄 光 と 転 落 の 生 涯 描 き な を 「 毎 日 新 聞 」 に 連 載 。 十 ~ 三 十 四 年 三 月 「 新 編 鞍 馬 天 狗 ・ 深 川 物 が ら 、 そ の 悲 劇 を ひ き 起 し た 政 治 機 構 の 醜 悪 さ や 大 疑 獄 事 件 の 実 体 語 」 を 「 家 の 光 」 、 十 一 月 戯 曲 「 魔 界 の 道 真 」 を 「 オ 1 ル 読 物 ー に 発 を 通 し て 、 議 会 の 腐 敗 ぶ り を 克 明 に 追 求 し 今 日 の 議 会 政 治 に 対 す る 表 。 四 ~ 八 月 『 ゅ う れ い 船 』 ( 上 下 巻 ) を 朝 日 新 聞 社 、 四 月 『 浅 妻 船 』 反 省 を 促 す 実 録 史 伝 「 パ ナ マ 事 件 」 を 連 載 。 五 ・ 一 「 荷 風 散 人 を 悼 を 光 風 社 、 七 ~ 十 一 月 『 大 佛 次 郎 集 』 ( 鵁 5 ・ 貶 ) ( 正 続 編 ) を む 」 を 「 毎 日 新 聞 」 、 六 ・ 二 五 ~ 三 五 ・ 二 ・ 二 四 「 桜 子 」 を 「 朝 日 新 角 川 書 店 、 十 二 月 『 お か し な 奴 』 を 光 風 社 、 『 女 郎 蜘 蛛 』 を 毎 聞 」 、 八 ・ 一 一 「 『 松 川 判 決 』 を 傍 聴 し て 」 を 「 朝 日 新 聞 」 、 十 一 月 戯 ・ 二 一 ~ 三 五 ・ 六 ・ 二 〇 「 孔 雀 長 屋 」 日 新 聞 社 刊 。 こ の 年 、 五 月 「 海 北 友 松 」 、 十 月 「 魔 界 の 道 真 」 が 歌 曲 「 殺 生 関 白 」 を 「 心 」 、 一 一 一 舞 伎 座 で 上 演 さ れ た 。 九 月 、 三 十 一 一 年 度 文 化 勲 章 及 び 文 化 功 労 者 選 を 「 週 刊 新 潮 」 に 発 表 。 五 月 「 浅 妻 船 」 、 十 月 「 殺 生 関 白 」 を 菊 五 郎 劇 団 の た め に 脚 色 演 出 し た 。 九 月 『 水 に 書 く 』 を 新 潮 社 、 十 月 『 冬 考 委 員 に な る 。 昭 和 三 十 三 年 ( 一 九 五 八 ) 六 十 一 歳 あ た た か 』 を 光 風 社 刊 。 こ の 年 、 日 本 芸 術 院 会 員 に な る 。 十 二 月 一 一 四 ・ 五 「 友 を 語 る 」 を 「 朝 日 新 聞 」 、 五 月 「 『 照 る 日 く も る 日 』 と 筆 十 一 日 か ら 翌 年 一 月 十 二 日 に か け て イ ン ド 各 地 を 訪 れ 、 そ の ル ポ を 「 読 売 新 聞 」 に 翌 年 掲 載 、 後 に 『 砂 の 上 に 』 に 所 収 。 名 」 を 「 週 刊 朝 日 」 、 八 ・ 一 一 「 ヨ 1 ロ ッ パ の 旅 」 、 八 ・ 一 二 「 フ リ ム ゼ ル 峠 」 を 「 朝 日 新 聞 」 、 八 ・ 一 一 一 ~ 二 四 「 ロ ー マ 日 記 に か え て 」 昭 和 三 十 五 年 ( 一 九 六 〇 ) 六 十 三 歳 を 「 只 新 聞 」 、 一 〇 ・ 六 ~ 三 四 ・ 五 ・ 一 三 「 冬 あ た た か 」 を 「 日 二 ・ 一 五 ~ 一 一 ・ 八 「 新 樹 」 を 「 東 京 新 聞 」 、 六 ・ 二 六 ~ 三 六 ・ 本 経 済 新 聞 」 、 一 〇 ・ 一 九 ~ 一 一 ・ 三 〇 「 鞍 馬 天 狗 ・ 黒 い 手 型 」 を 二 ・ 二 五 「 花 の 咲 く 家 」 ( 第 一 部 ) を 「 サ ン デ ー 毎 日 」 、 一 〇 ・ 一 「 週 刊 明 星 」 、 十 月 七 日 よ り 毎 週 火 曜 日 「 神 奈 川 新 聞 」 に 随 筆 を 長 「 永 仁 の ツ ボ の こ と 」 、 一 一 ・ 九 「 赤 毛 の カ プ キ 」 、 一 一 一 ・ 八 「 日 日 期 間 連 載 。 一 一 ・ 二 〇 「 荘 八 さ ん 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 。 十 一 月 の 危 険 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 。 三 月 『 。 ハ ナ マ 事 件 』 を 朝 日 新 聞 社 、 む だ よ り 「 西 日 本 新 聞 」 に 百 回 に わ た り 、 簡 潔 に し て き り つ と し た 無 駄 四 ~ 三 十 六 年 一 一 月 『 鞍 馬 天 狗 』 ( 全 十 巻 ) を 中 央 公 論 社 、 六 月 『 桜 の な い 筆 致 で 、 文 明 批 評 と し て も よ め る 好 随 筆 「 水 に 書 く 」 を 連 載 。 子 』 を 新 潮 社 、 七 月 『 孔 雀 長 屋 』 、 十 一 一 月 『 新 樹 』 を 光 風 社 刊 。 こ の あ と 十 一 ~ 三 十 四 年 二 月 「 鞍 馬 天 狗 ・ 西 海 道 中 記 」 を 「 週 刊 明 星 」 、 一 年 、 秋 に は 横 浜 市 富 岡 に あ る 直 木 三 十 五 旧 居 址 に 記 念 碑 建 立 の た め 一 一 ・ 五 「 パ リ で 見 た 桜 の 国 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 発 表 。 七 月 『 橋 』 を 助 力 し た 。 「 The Journey ( 旅 路 ) 」 が ク ノ ッ 。 フ 社 よ り 英 訳 出 版 さ 毎 日 新 聞 社 刊 。 こ の 年 、 五 月 、 ア メ リ カ 、 フ ラ ン ス 、 イ ギ リ ス 、 イ れ た 。 よ , き ひ タ リ ア な ど の 諸 国 を 旅 行 。 一 一 一 ・ ~ 一 三 「 楊 貴 妃 」 が 藤 原 歌 劇 昭 和 三 十 六 年 ( 一 九 六 一 ) 六 十 四 歳 年 団 に よ り オ ペ ラ 化 さ れ 産 経 ホ 1 ル で 上 演 さ れ た 。 戯 曲 「 関 ヶ 原 前 夜 」 一 ~ 三 十 七 年 三 月 「 お 化 け 旗 本 」 を 「 週 刊 朝 日 」 、 一 ~ 三 十 七 年 一 も 執 筆 。 月 「 虹 の 橋 」 を 「 婦 人 之 友 」 、 三 月 戯 曲 「 お ぼ ろ 夜 」 を 「 オ ー ル 読 昭 和 三 十 四 年 ( 一 九 五 九 ) 六 十 一 一 歳 物 」 、 四 ・ 二 七 「 ア ル ジ ェ リ ア の 反 乱 と パ リ の 表 情 」 、 五 ・ 七 「 パ

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1 毎 日 」 に 発 表 、 六 ・ 一 二 ~ 五 ・ 六 ・ 一 一 「 東 京 日 日 新 聞 」 に 、 「 由 も に 満 州 を 旅 行 。 三 十 四 歳 比 正 雪 」 、 を 連 載 、 不 平 分 子 の ア ジ テ 1 タ ー と し て 、 近 代 性 の あ る 心 昭 和 六 年 ( 一 九 三 一 ) 理 的 食 を 付 与 せ し め た 由 比 正 雪 と 、 彼 を 取 巻 く 不 平 浪 人 た ち に 托 一 ~ 九 月 「 仮 面 舞 踏 会 」 を 「 新 青 年 」 、 一 ~ 十 一 一 月 「 青 銅 鬼 」 を し て 昭 和 初 年 の 失 業 イ ン テ リ に よ る 失 業 問 題 を 批 判 し た 佳 作 で あ る 。 「 少 年 倶 楽 部 」 、 一 ~ 七 年 六 月 「 鼠 小 僧 次 郎 吉 ~ を 「 講 談 倶 楽 部 」 、 と う な す 九 月 「 怪 談 」 を 「 改 造 」 、 「 唐 茄 子 」 を 「 週 刊 朝 日 」 、 十 一 月 「 史 実 調 一 月 「 一 夜 の 宿 」 を 「 朝 日 」 、 一 一 ~ 七 年 四 月 「 愿 蔵 火 事 」 を 「 冨 士 」 査 の い ろ い ろ 」 を 「 文 学 時 代 」 に 発 表 。 一 月 『 角 兵 衛 獅 子 』 、 三 月 に 発 表 。 三 ・ 二 六 ~ 七 ・ 二 四 に わ た り 、 。 フ チ ・ プ ル 階 級 と イ ン テ リ 『 幽 霊 船 伝 奇 』 を 先 進 社 、 四 ~ 十 月 『 ご ろ っ き 船 』 ( 上 下 巻 ) を 改 層 の 没 落 し た 世 界 を し み じ み と し た 筆 致 で 描 き 、 芸 術 的 に 飛 躍 を 意 世 界 探 偵 を 平 凡 社 、 九 ~ 六 年 味 す る 最 初 の 現 代 小 説 「 白 い 姉 」 を 東 京 ・ 大 阪 朝 日 新 聞 に 連 載 。 三 造 社 、 七 月 、 ゴ ー グ の 『 夜 の 恐 怖 』 ( 小 説 全 集 二 月 『 鞍 鴎 奇 談 』 ( 上 下 巻 ) を 先 進 社 、 十 二 ~ 五 年 三 月 『 か ら ~ 七 年 五 月 「 妖 魔 の 絵 図 」 を 「 朝 日 」 、 五 月 「 大 衆 文 芸 を 語 る 」 を 世 界 大 衆 1 ) を 改 造 「 文 学 時 代 」 、 「 以 前 」 を 「 改 造 」 、 六 ~ 七 年 九 月 「 慶 安 異 変 」 を す 組 』 箭 後 編 ) を 改 造 社 、 デ = マ の 『 鉄 仮 面 』 ( 文 学 全 集 「 オ ー ル 読 物 号 」 、 九 ・ 一 八 ~ 七 ・ 四 ・ 一 六 「 天 狗 廻 状 」 を 「 報 知 社 刊 。 こ の 年 の 夏 、 鎌 倉 雪 / 下 四 一 一 八 の 新 居 に 移 る 。 十 一 月 三 日 、 新 聞 」 、 九 月 「 僕 の 秋 。 を 「 文 学 時 代 」 、 「 遊 戯 」 を 「 週 刊 朝 日 」 ( 秋 父 政 助 死 去 、 行 年 八 十 歳 。 昭 和 五 年 ( 一 九 三 〇 ) 三 十 一 二 歳 季 特 別 号 ) 、 十 一 ~ 七 年 十 月 「 ス ペ 1 ド の 女 王 」 を 「 婦 人 世 界 」 に 連 一 ~ 六 年 十 一 一 月 「 日 本 人 イ オ ン 」 を 「 少 年 倶 楽 部 」 、 一 ~ 九 月 「 山 載 。 十 二 月 「 江 川 太 郎 左 衛 門 」 を 「 モ ダ ン 日 本 」 に 発 表 。 九 月 『 大 「 現 代 大 衆 文 ) を 平 凡 社 刊 。 こ の 年 よ り 約 十 年 間 、 横 浜 の = の 娘 」 を 「 婦 人 世 界 」 に 連 載 。 四 ~ 十 一 月 に か け て 「 ド レ フ = ス 事 佛 次 良 集 』 ( 学 全 集 続 件 」 と 題 し て 、 十 九 世 紀 末 尾 の フ ラ ン ス に お い て 、 ス パ イ の 嫌 疑 を ユ ー ・ グ ラ ン ド ホ テ ル に 仕 事 部 屋 を 置 い た 。 三 十 五 歳 受 け た 市 民 ド レ フ = ス が 醜 悪 な 軍 部 の 手 に よ り 悲 運 に お と し 入 れ ら 昭 和 七 年 ( 一 九 三 一 l) れ る 過 程 を 克 明 に 記 録 し 、 当 時 の 日 本 の フ ァ シ ズ ム 台 頭 期 に お け る 一 ~ 十 二 月 「 薩 摩 飛 脚 」 を 「 キ ン グ 」 、 「 山 を 守 る 兄 弟 」 を 「 少 年 倶 こ う 物 、 軍 部 に 対 す る 警 世 の 書 と も い え る 史 伝 を 「 改 造 」 に 連 載 し て 、 史 伝 楽 部 」 、 「 春 雨 の 琴 」 を 「 少 女 の 友 」 、 一 ~ 八 年 八 月 「 曠 野 の 果 」 を 「 主 物 に 新 し い 分 野 を 開 拓 し た 。 四 ・ 二 三 ~ 六 ・ 三 ・ 一 五 「 日 蓮 」 を 婦 之 友 」 、 一 ~ 九 月 「 女 殺 し 権 現 裏 」 を 「 現 代 」 、 一 月 「 影 」 を 「 新 「 読 売 新 聞 」 、 七 月 「 花 嫁 」 を 「 文 藝 春 秋 ・ オ ー ル 読 物 号 」 、 九 月 青 年 」 に 発 表 、 三 月 か ら 八 月 に か け て 、 薄 幸 な 女 性 の 虚 無 的 世 界 観 っ し ぎ り 「 辻 斬 の 男 」 を 「 講 談 倶 楽 部 」 、 十 一 月 「 秋 草 と 黒 い 喪 章 」 を 「 令 女 を 西 欧 文 学 に 対 す る 該 博 な 知 性 に よ り 活 写 し た 現 代 小 説 第 一 一 作 で あ る 「 ふ ら ん す 人 形 ー を 「 時 事 新 報 に 連 載 し 、 イ ン テ リ 読 者 に 迎 え 界 」 に 発 表 。 五 月 『 怪 談 そ の 他 』 、 八 月 『 = 水 船 地 獄 』 を 天 人 社 、 5 集 』 ( 現 代 大 衆 四 ) を 平 凡 社 、 九 ~ 十 一 月 『 由 比 正 雪 』 ( 前 中 編 ) ら れ た 。 七 月 、 マ ル セ ル ・ ア ル ラ ン の 「 姿 絵 」 を 訳 し て 「 中 央 公 論 」 を 改 造 社 、 十 月 『 ド レ フ ュ ス 事 件 』 を 天 人 社 、 十 一 ~ 六 年 五 月 『 日 に 発 表 、 八 月 「 幽 霊 と 花 嫁 」 を 「 文 藝 倶 楽 部 」 に 発 表 、 三 月 『 日 本 現 代 日 本 0 ) を 改 造 社 、 人 イ オ ン 』 を 講 談 社 、 五 月 『 白 い 姉 』 を 改 造 社 、 『 天 狗 廻 状 』 を 新 潮 蓮 』 ( 上 下 巻 ) を 天 人 社 、 十 一 一 月 『 大 佛 次 良 集 』 ( 文 学 全 集 6 『 軍 事 探 偵 篇 』 ( 罪 髜 書 犯 3 ) を 天 人 社 刊 。 こ の 年 、 九 月 、 久 米 正 雄 と と 社 、 六 月 『 鼠 小 僧 次 郎 吉 』 を 新 潮 社 、 八 月 青 銅 鬼 』 を 先 進 社 、 け ん ぎ さ つ ま

現代日本の文学 Ⅱ― 5 大佛 次郎 集


ド レ フ ュ ス 事 件 大 備 大 郎 - を 、 第 , ・ を 第 も 第 「 改 造 」 ( 昭 和 5 年 4 月 ) 掲 載 の 「 ド レ フ ュ ス 事 件 」 を い 年 8 人 和 酉 昭 の 大 物 大 第 第 、 ま を を 第 ・ た 、 キ 、 , を 朝 第 つ 物 第 , ー 、 ′ 0 っ 第 に : れ 0 ・ . そ 、 つ 二 第 し 、 第 の ・ い 第 ト は ' 物 の ・ 、 を い 強 ・ ~ 第 第 れ を で ・ ー ・ 要 0 ・ ・ ・ 、 ー ・ ・ 箞 ・ 4 の ・ 一 つ ・ 0 物 を ・ い 4 ・ を 、 ・ ・ 、 に を を れ て わ を ・ を 0 「 改 造 」 ( 昭 和 8 年 5 月 ) 掲 載 の 「 詩 人 」 昭 和 9 年 37 歳 当 時 の 次 郎 年 に 同 盟 通 信 社 の 嘱 託 と な っ て マ レ ー 半 島 、 ス マ ト ラ 、 ジ ャ ワ に 行 っ て い る 。 そ の と き の 見 聞 が 『 帰 郷 』 で 生 か さ れ て い る こ と は い う ま で も な い 。 こ の 作 品 は や が て 一 冊 に ま と ま り 、 二 十 五 年 に は 芸 術 院 賞 を 受 け て い る た つ の ゆ た か そ の と き 授 賞 理 由 を 書 い た 仏 文 学 者 ・ 辰 野 隆 氏 の 一 文 を あ げ て お こ う 。 「 こ の 制 作 は 敗 戦 後 の 混 乱 し た 社 会 を 舞 台 と し て 、 そ こ に 活 躍 す る 初 老 の 亡 命 海 軍 々 人 を 主 人 公 と し 、 し か も そ の 主 人 公 は 祖 国 の 自 然 、 歴 史 、 人 情 に 深 き 愛 着 を 感 じ な が ら も 、 彼 の コ ス モ ポ リ テ ィ ス ム は つ い に 彼 を し て ふ た た び 祖 国 を 去 っ て 海 外 追 放 の 旅 に 向 わ し め る 、 と い う 筋 で あ る 。 こ の 小 説 は 、 結 構 と し て は 、 や や 通 俗 小 説 め い た 趣 き が な く も な い が 、 読 者 を 撼 か す に 足 か っ ト : フ る 葛 藤 変 化 に 富 み 、 心 理 の 分 析 に 無 理 が な く 、 現 代 思 す う せ 、 想 の 趨 み を 顧 慮 し て 津 々 た る 興 味 を 覚 え し め る 点 は 、 昨 年 中 あ ら わ れ た 小 説 作 品 中 、 も っ と も 注 目 に 価 す る 佳 作 で あ っ て 、 日 本 芸 術 院 賞 授 賞 作 品 と し て 推 薦 す る ゆ え ん 所 以 で あ る 」 以 上 の 文 章 は 、 『 帰 郷 』 を 過 不 足 な く 評 価 し た も の で あ る 。 大 佛 氏 自 身 は 、 こ の 作 品 の 執 筆 動 機 を 「 戦 後 に き ざ し た あ る 怒 り か ら 生 れ た 」 と い っ て い る が 、 敗 戦 を 境 に 、 す べ て の 価 値 が 転 換 さ れ 、 浮 薄 な 新 風 俗 や 0 398

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の 時 か ら ゆ か り の あ る 山 の 大 衆 が 黙 っ て 見 て い る わ け が な ま で お 互 い の 為 に 当 然 に 不 幸 な 道 行 と 成 っ た 。 屋 島 へ の 舟 さ か ろ 選 ん で 悪 い と こ ろ へ 舞 い 込 ん だ も の で 、 す ぐ 引 捕 え て 出 に 逆 艪 の 問 題 で も ど ち ら も 子 供 の よ う に 怒 っ て 口 論 し 、 義 経 の も と へ 連 れ て 来 た 。 六 条 河 原 で 獄 門 に か け て 懲 ら し 壇 の 浦 の 戦 を 前 に し て も ま た 、 こ の 野 戦 総 司 令 官 と 首 席 参 は げ め た と あ る 。 謀 兼 憲 兵 司 令 官 は 烈 し く や り 合 っ た と 物 語 に 記 さ れ る 。 ざ ん そ か ま く ら ほ う が ん び い ぎ 散 歩 の 時 に 、 私 は 土 佐 坊 昌 俊 の 宅 址 の 前 に 立 つ 。 気 の 毒 梶 原 が 鎌 倉 に 送 っ た 報 告 が 、 判 官 贔 員 の 人 々 に 讒 訴 と 見 こ し ・ こ え に 、 せ つ か く こ こ に 屋 敷 が あ っ た の に 、 あ わ て て 出 発 し て ら れ 、 義 経 も ま た 腰 越 状 の 中 で 、 そ の こ と に 触 れ 無 念 と し 行 っ て 遂 に 帰 っ て 来 な か っ た の だ と 考 え る 。 し か し 、 こ の て い る 。 ロ う る さ い 老 人 と 気 鋭 の 若 い 大 将 。 平 常 は 仲 の 善 さ さ い 事 件 が 頼 朝 を い よ い よ 怒 ら せ ぬ わ け が な か っ た 。 義 経 は 当 い 友 達 で も 長 期 の 旅 路 に 出 る と 、 取 る に 足 り ぬ 些 細 の こ と 然 悪 い 立 場 に 立 つ 。 で 不 和 が 生 じ が ち な も の 。 義 経 と 梶 原 と 、 両 極 端 の カ ー ド を 組 合 せ て 長 期 の 戦 場 に 送 っ た 頼 朝 が 、 結 局 、 糸 の あ や っ か じ わ ら か げ と ぎ の ろ 梶 原 景 時 り 方 が か し こ 過 ぎ て 、 梶 原 を 永 世 人 に 呪 わ れ る 業 に 置 い た と も 一 一 一 口 い 得 る 。 よ し つ ね 義 経 の 周 囲 に 在 っ た 人 々 を 描 い て 、 梶 原 を 落 す わ け に 行 梶 原 と 言 え ば 、 奸 悪 邪 佞 の 代 表 と さ れ た 。 世 の 中 の 同 情 へ い ざ か げ と き や っ か な い 。 梶 原 平 三 景 時 と 言 う ま で も な く 、 梶 原 と あ る だ け が 義 経 に 集 る ほ ど 、 梶 原 は 腹 黒 い 悪 い 奴 だ 、 と 遠 慮 な く 憎 ん で 通 用 す る ほ ど 鮮 や か な 存 在 に さ れ て 了 っ た 。 義 経 の 功 名 で よ い と こ ろ が 民 衆 に は 楽 し か っ た の で 、 『 平 家 物 語 』 『 義 ざ ん げ ん の 頂 天 か ら 起 る 急 な 失 墜 が 梶 原 の 讒 言 の せ い で な い と し て 経 記 』 よ り も 時 代 が 下 る ほ ど 、 梶 原 は 、 赤 っ 面 の 代 表 と さ れ 、 も 、 宿 命 的 に 衝 突 し 合 う 仲 が 続 い た 。 江 戸 時 代 の 物 語 の 本 で は 、 憎 い 梶 原 を ど う や っ て や つ つ け の り よ り 義 経 で な く 範 頼 の 軍 に 付 け ら れ て 梶 原 景 時 が 行 動 し た の る か に 、 あ の 手 こ の 手 と 作 者 の 趣 向 が 凝 ら さ れ た 。 義 経 の よ り と も う つ ぜ ん 囲 な ら 、 多 少 、 こ の 不 運 は 緩 和 さ れ た か も 知 れ な い が 、 頼 為 に 報 復 を 加 え 、 仕 置 き に か け た い 民 衆 の 鬱 然 た る 願 望 で あ る 。 『 金 平 本 義 経 記 』 や 舞 曲 の 「 含 状 ー で は 、 奥 州 か ら の は 梶 原 景 時 を 老 巧 の 権 臣 と し て 若 手 の 大 将 義 経 に 付 け て 、 経 平 家 討 伐 に 出 し た 。 鎌 倉 に 送 ら れ て 来 た 義 経 の 首 級 が ロ の 中 に 含 み 状 を 入 れ て い く さ め つ け 梶 原 は 大 将 頼 朝 の 特 命 に 依 る 最 高 の 参 謀 で 軍 目 付 で あ る 来 て 梶 原 の 罪 状 を 訴 え て 放 逐 さ せ 、 青 本 の 『 義 経 一 代 記 』 く わ た だ ひ ら 肪 こ と を 自 負 し 、 大 将 義 経 の す る 未 熟 で 青 い と こ ろ に 言 葉 を で は 義 経 の 遺 書 を 咥 え た 泉 三 郎 忠 衡 の 生 首 が 、 頼 朝 の 御 前 あ さ ひ な や し ま だ ん う ら の ど ぶ え く 入 れ る 役 な の で あ る 。 一 の 谷 、 屋 島 、 壇 の 浦 と 遠 く 西 の 海 で 景 時 の 喉 笛 に 喰 ら い つ く 。 『 源 氏 大 草 紙 』 で は 、 朝 比 奈 よ あ と か じ わ ら た め た め か ん あ く じ ゃ ね い 」 ′ 丿 ↓ っ ′ 、

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268 た 人 間 が あ っ た と し て も 特 に 珍 し い こ と で な か っ た 。 の だ か ら 当 然 の 終 り 方 で 、 義 仲 が 退 き 、 勝 っ た 義 経 も 姿 を 天 下 を く つ が え し た 大 き な 内 乱 の 経 験 で あ る 。 人 が 寄 れ 消 し て 、 大 原 御 幸 で 、 過 ぎ た も の 全 部 の 影 を 諸 行 無 常 の 山 か げ ば 戦 乱 当 時 の 思 い 出 や 、 無 関 係 の 者 で も 家 を 焼 か れ 生 別 死 蔭 の タ あ か り の 中 に 沈 め て 結 び 、 武 家 で あ り な が ら 王 朝 の 別 の 憂 目 を 見 た 話 が 出 る 。 現 に 官 吏 崩 れ の 行 長 入 道 が 義 経 み や び の 心 を 継 い だ 平 家 の 物 語 と し て 美 し く 歌 い お さ め る 。 の こ と を よ く 知 っ て い た と 、 兼 好 は 書 い て い る 。 ど う 言 う 義 経 の そ の 後 、 流 離 の 苦 心 と 悲 壮 な 最 期 ま で を 語 り 伝 え る 関 係 で 知 っ て い た の か 不 明 だ が 、 事 件 に 興 味 を 抱 い た も の の に は 、 叡 山 に こ も る 行 長 入 道 で は 、 最 早 、 知 り 得 な い 遠 な ら 、 ま わ り の い ろ い ろ の 人 間 の 話 を よ く 聞 い た ろ う し 、 い 地 方 の 出 来 事 な の だ 。 『 平 家 物 語 』 以 外 の 新 ら し い も の ひ え い ざ ん 行 長 が 入 道 し て 後 に 住 ま っ た 比 叡 山 が ま た 、 い ろ い ろ の 意 の 出 現 を 待 た ね ば な ら な か っ た 。 け い ぎ 味 の 世 間 の 失 敗 者 、 殊 に 、 敗 け た 平 家 方 の 者 が 行 く あ て も そ れ が 戦 記 物 語 と し て 新 ら し く 現 れ る 『 義 経 記 』 な の だ な く 逃 込 ん で 身 を 寄 せ る 者 も い た ろ う か ら 、 自 分 が 知 ら な が 、 時 代 が ず っ と 遅 れ て 『 平 家 物 語 』 と の 間 に ざ っ と 二 百 む ろ ま ち い 話 も 加 え ら れ て 、 一 段 毎 に ふ え て ま と ま っ て 行 っ た こ と 年 に 近 い 長 い 年 月 が 置 か れ る 。 最 早 、 室 町 時 代 に 入 っ て 、 も 想 像 せ ら れ る 。 そ の 上 に 、 生 仏 法 師 が 語 る だ け で な く 、 人 も 時 代 も 変 っ て い た 。 源 平 の 合 戦 よ り も も っ と 、 い し ま ね 弟 子 た ち ゃ 真 似 て 語 る 者 が ひ ろ く 世 間 に 出 る 。 原 本 を 写 し ろ の 事 件 が 人 々 の 身 に 近 く な ま な ま し く 起 っ て い た 。 す く た り 、 読 み 易 く 語 句 を 変 え る こ と も 起 っ た ろ う 。 と に か く 、 な く と も 南 北 朝 の 内 乱 が あ り 、 応 仁 の 乱 が 間 に 拠 ま っ て い き ん だ ち 平 家 の 公 達 の 生 立 ち か ら 源 平 の 戦 争 を 知 っ て い る 人 た ち が る 。 義 経 の こ と な ど は 、 も う 世 間 が 忘 れ る 方 が 当 然 な の だ 。 ま だ 残 っ て い た の だ か ら 、 行 長 入 道 の 書 い た と お り が 伝 わ そ の 時 に 、 義 経 の 物 語 が 都 の ど こ か で ま と め ら れ て 、 『 義 っ た だ け で な く 、 異 本 も 多 く 出 た わ け で あ る 。 文 章 も 、 目 経 記 』 が 初 め て 書 き も の と し て 成 立 す る 。 で 読 む 王 朝 時 代 の も の で な く 、 耳 に 、 し か も 琵 琶 な ど の 提 室 町 時 代 前 後 の 日 本 は 焼 土 の 下 か ら 実 に 不 思 議 な 世 界 を を 入 れ て 伴 奏 が 付 く 。 前 代 に は な か っ た 漢 語 ま じ り の 、 息 現 出 し た 。 都 が 十 年 も 続 く 戦 乱 の 舞 台 と な り 、 地 方 も 同 様 っ ち い つ ぎ の 短 い リ ズ ム あ る 文 体 が 自 然 と 似 合 う の で 、 文 学 と し て の で 、 盗 賊 の 横 行 に 悩 み 、 都 の 内 外 に も 土 一 揆 が さ か ん に 起 新 鮮 な 感 覚 を 持 っ て 誕 生 し た 。 る 。 そ の く せ 、 将 軍 や 富 裕 の 人 々 は 、 大 陸 の 美 術 に 執 着 す こ の 『 平 家 物 語 』 は 義 経 の 輝 か し い 絶 頂 の 時 代 を 一 番 近 る 眼 識 を 養 い 、 流 血 の か た わ ら に 数 寄 の 趣 味 の 生 活 に 一 身 よ し の く か ら 見 て 書 い た が 、 そ の 没 落 の あ と を 吉 野 山 の あ た り で を 没 し て 悔 い な い 。 天 下 が み だ れ た の で 民 衆 の エ ナ 1 ジ ー し っ そ う 筆 を お さ め て 失 踪 の あ と を 追 わ な い 。 平 家 を 歌 っ た 物 語 な が 釈 き 放 さ れ 創 造 に 参 加 し た 。 可 能 な も の の 芽 が 一 時 に 土 ′ 」 と よ ち よ し な か も ま や ま さ

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る で は な い か 。 義 経 を 何 と し て も さ ま ざ ま な 物 語 の な か で 生 か そ う と す る 日 本 人 の 心 の あ っ た こ と は 、 す こ 特 別 席 の 椅 子 し も 空 虚 な こ と で は な い 。 こ の 『 義 経 の 周 囲 』 で も ま た 、 作 者 の 博 引 旁 証 ぶ り 作 者 の 筆 は 、 そ う い う 日 本 人 の 心 を 追 い か け る 。 筆 は 、 目 を 見 張 る は ど 豊 富 で し か も 鋭 利 で あ る 。 前 記 し は 当 然 、 日 本 人 な い し 日 本 文 化 に も 及 ぶ 。 作 者 が こ の た 文 献 類 だ け で な く 、 謡 曲 、 歌 舞 伎 を は じ め と す る 芸 作 品 に 『 義 経 の 周 囲 』 と 名 つ け た と き の 「 周 囲 」 の 意 能 伝 承 か ら 各 地 に 点 在 す る 民 俗 的 説 話 ま で 活 用 さ れ て 味 は 、 義 経 を と り ま く 弁 變 や や 秀 衡 ら の 人 物 の こ と い る 。 さ ら に 作 者 は そ れ ぞ れ 現 地 踏 査 し て 確 認 し な お で も あ っ た が 、 ま た 義 経 伝 説 と い う か た ち で あ ら わ れ し て い る た 日 本 人 論 の こ と で も あ っ た ろ う 。 作 者 が 義 経 を 愛 し て い る こ と は い う ま で も な い 義 作 者 は 、 義 経 の 運 命 を 中 世 フ ラ ン ス の ジ ャ ン ヌ ・ ダ ル ク に な ぞ ら 、 え 、 「 経 の 宿 し て い た 短 命 と 孤 独 、 あ る い は 時 代 の 権 力 に 翻 ふ た り と も 生 前 の 輝 や か し い 功 績 ろ う に ひ き か え て 、 哀 れ な 死 を 遂 げ た こ と で 、 民 衆 の 同 情 弄 さ れ る 没 落 と 敗 残 の 姿 は 、 作 者 の 心 を 深 く 動 か し て い る 。 し か し 作 者 は そ れ を あ か ら さ ま に 吐 露 し て い る か ど の 時 代 か ら も 集 っ た 。 民 衆 は 石 の よ う に 黙 っ て い 作 者 の 追 懐 と 愛 情 は 、 代 々 の 民 衆 の 語 り る 場 合 も 、 政 治 の 上 の 強 権 が 犯 し た 罪 悪 に 対 し て は 強 の で は な い 。 い 批 判 力 を 持 つ 。 義 経 の 名 声 は 生 き て い る 間 よ り も 死 ロ の な か に 日 本 人 の 心 の 宿 っ て い る こ と は 、 い た 触 れ た と お り で あ る 『 義 経 の 周 囲 』 は 、 義 経 と 、 ん で か ら 確 立 さ れ た 」 と 記 し 、 さ ら に 、 「 生 も 短 か っ う 人 物 を 中 心 に 据 え て お く こ と で 、 当 時 の 歴 史 的 状 況 た 義 経 が 、 天 才 的 な 一 武 将 だ っ た と 言 う だ け で 、 し か を 濃 密 に 復 元 し 、 ・ さ ら に そ れ を 後 代 の 人 間 が ど う 受 け も す く な か ら す 色 好 み の 評 判 さ え と も な い な か ら 、 日 と め た か を 叙 述 す る こ と に よ っ て 、 一 大 壁 画 を 形 成 し 本 随 一 の 英 雄 に 仕 立 て ら れ て 了 っ た の は ど う し た わ け て い る か 、 そ れ を 歓 迎 し た 我 々 の 祖 先 の 代 々 の 心 理 的 基 底 に ひ な が た そ れ は 、 最 晩 年 の 未 完 の 大 作 『 天 皇 の 世 紀 』 の 雛 型 理 由 も 問 題 も 見 出 さ れ そ う に 思 わ れ る 」 と 書 い て い る で あ っ た と も い え る 。 こ れ ら は 、 た ん な る 小 説 家 の 作 業 を 越 え 、 ま た た ん な る 歴 史 家 の 作 業 を も 越 え た も の よ し つ わ す 418