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検索対象: わの会の眼Ⅱ 心を射抜く作品たち

わの会の眼Ⅱ 心を射抜く作品たちから 142件ヒットしました。

わの会の眼Ⅱ 心を射抜く作品たち


万 羽 章 《 1950 年 夏 の 女 ( 仮 題 ) 》 油 彩 ・ 綿 布 90.0 >< 72.0cm 1950 年 Manba Akira ハ Woman in the Summer 0 「 7950 (Tentative 万 ) 万 羽 章 ( ま ん ば ・ あ き ら / 1921 ー 1991 年 ) 長 野 市 生 れ 。 篠 原 新 三 、 辻 村 八 五 郎 に 師 事 。 中 学 校 な ど で 教 員 を し な が ら 光 風 会 、 日 展 に 出 品 。 1961 年 光 風 会 会 員 。 長 野 市 て 没 、 70 歳 。 129

わの会の眼Ⅱ 心を射抜く作品たち


木 村 忠 太 《 初 夏 B 》 油 彩 ・ キ ャ ン ノ ( ス 130.0 >< 162. Ocm 1987 年 Kimura Chuta Ear/y Summer B 木 村 忠 太 ( き む ら ・ ち ゅ う た / 1917 ー 1987 年 ) 高 松 生 れ 。 1942 年 独 立 賞 を 受 賞 。 43 年 帝 国 美 術 学 校 に 学 ふ 。 48 年 独 立 美 術 協 会 会 員 。 53 年 渡 仏 し 定 住 す る 。 70 年 サ ロ ン ・ ド ー ト ン ヌ 会 員 。 パ リ て 没 、 享 年 70 歳 。 261

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松 村 光 秀 《 蝶 と ほ う づ き 》 油 彩 ・ キ ャ ン 八 ス 115.0 >< 37.0cm 2008 年 Matsumura Koushu Butterf/y and Ground Cherries 松 村 光 秀 は つ む ら ・ こ う し ゅ う / 1937 ー 2012 年 ) 京 都 市 生 れ 。 1952 年 京 都 の 看 板 屋 「 竹 松 画 房 」 て 働 く 。 絵 は 独 学 。 京 展 、 ニ 科 展 に 入 選 。 京 都 祇 園 の 都 雅 画 廊 て イ 固 展 を 開 催 。 木 彫 も 創 る 。 2012 年 没 、 74 歳 。 351

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内 田 巌 《 風 景 》 武 蔵 野 風 景 が 大 好 き ニ 〇 代 半 ば 、 私 は 突 然 茨 城 県 の 土 浦 に 新 し く 作 る 応 用 研 究 所 の プ ロ ジ ェ ク ト の 研 究 管 理 チ ー ム に 配 属 転 勤 と な リ ま し た 。 確 か 三 月 五 日 の 日 、 上 野 駅 か ら 常 磐 線 で 土 浦 駅 行 き の 列 車 に 乗 っ て お リ ま し た 。 は じ め て の 茨 城 で す 。 上 野 駅 発 車 の 急 行 の 車 両 は 何 処 か 他 の 路 線 で 使 わ れ て い た よ う な 古 い 車 両 て 動 き は じ め る 度 、 連 結 機 の ガ シ ャ ! っ と 言 う 大 き な 音 と 、 体 か 揺 れ る ほ ど の 連 結 衝 撃 が あ リ ま し た 。 走 リ 始 め た 車 窓 か ら 見 え る 風 景 は 私 の 育 っ た 東 海 地 方 と 大 い に 違 っ て い ま し た 。 ニ 日 前 に 降 っ た 雪 が 未 だ 残 っ て お リ 、 土 の 色 は 関 東 ロ ー ム 層 特 有 の 褐 色 か 雪 の 影 響 で 湿 リ 黒 褐 色 で す 。 松 、 杉 等 の 木 々 も 濡 れ て 濃 緑 、 暗 褐 色 で す 。 松 戸 、 我 孫 子 駅 を 過 ぎ 、 利 根 川 を 越 え た こ ろ に は 車 窓 か ら 見 え る 風 景 は 田 畑 か 林 に な っ て い ま し た 。 田 舎 に 来 た ! と の 思 、 か よ ぎ リ ま し た 。 こ の 絵 は 内 田 巌 が 幾 度 も 描 い た 武 蔵 野 風 景 と 思 わ れ ま す が 、 茨 城 の 畑 地 と 林 と も 良 く 似 て お リ ま す 。 関 東 ロ ー ム 層 が な せ る 風 景 で す 。 前 日 三 月 四 日 は 東 京 本 社 で プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ ー の 歓 迎 会 が あ リ 、 土 浦 駅 に 降 リ 立 っ た 時 に は ヒ ン ヤ リ し た 外 気 か ニ 日 酔 い の 頬 に 気 持 ち 良 く 感 じ ら れ た も の で し た 。 研 究 所 の 私 の 上 司 に 出 迎 え ら れ ま し た 。 土 浦 の 前 に あ る お 土 産 店 で は 大 音 響 て 「 予 科 練 の 歌 」 が 流 れ て い ま し た 。 研 究 所 は 霞 ヶ 浦 湖 畔 に あ る 予 科 練 ( 現 自 衛 隊 ) の 西 に あ る 阿 見 台 地 に あ る 中 島 飛 行 場 の 跡 地 に 建 て ら れ て い ま す 。 管 理 部 門 か ら 研 究 者 に 転 じ 、 ニ 桁 の 特 許 、 実 案 も 取 る こ と か 出 来 、 新 し い 製 品 を 世 に 出 す こ と が 出 来 ま し た 。 開 発 者 と し て 一 人 前 に 成 長 出 来 た 場 所 で す 。 茨 城 の 土 浦 で は 結 婚 、 一 一 人 の 子 供 も 授 か リ 、 第 ニ の 故 郷 と な リ ま し た 。 あ の 時 か ら 一 一 五 年 位 経 っ た 頃 、 神 保 町 の ア ー ト で こ の 絵 と の 出 会 い が あ 堀 良 慶 ( 千 葉 県 柏 市 ) 222

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田 中 寅 三 《 海 の 風 景 》 瀕 死 の 状 態 か ら 奇 跡 的 に 修 復 て き た 風 景 画 こ の 絵 と の 出 合 い は 、 私 に と っ て 当 初 か ら 作 者 が わ か っ て い た 数 少 な い ケ ー ス で あ る 。 し か し な が ら 、 購 入 に 当 た っ て は 、 迷 っ た 末 に 决 め た 記 施 が あ る 。 そ れ は 何 故 か と 言 え ば 、 絵 の 画 面 全 体 に 絵 の 具 の 剥 離 か 見 ら れ 、 輸 送 す る だ け で も さ ら に 剥 離 が 進 む 最 悪 の 状 態 で あ っ た 。 し か も 飾 っ て 楽 し む に は 、 修 復 し な け れ ば な ら な い と い 、 つ 難 題 を 抱 え て い た 。 私 が 購 入 し な け れ ば 、 剥 離 が 進 み 、 最 終 的 に は 粗 大 ゴ ミ と な る こ と を 危 し 、 清 水 の 舞 台 か ら 飛 び 下 リ る 気 持 ち で 購 入 を 决 め / 牙 こ 。 ム は 直 ぐ に 思 い 切 っ て 修 夏 に 出 す こ と に し た 。 そ の 甲 斐 あ っ て 、 今 で は 立 派 に 元 の 姿 に 戻 り 、 自 宅 玄 関 に 安 住 の 地 を 見 付 け 家 人 を 楽 し ま せ て い る 。 因 み に こ の 絵 は 、 昭 和 一 七 年 に 日 動 画 廊 に お い て 開 催 し た 田 中 寅 三 「 海 と 船 油 絵 展 。 に 出 品 さ れ た 《 海 の 風 景 》 三 〇 号 で あ る 。 寅 三 作 品 に つ い て は 、 遺 族 か ら 平 成 七 年 に 一 〇 〇 点 ( 資 料 含 む ) を 超 え る 油 彩 等 が 一 括 し て 松 戸 市 に 寄 贈 さ れ て い る 。 図 録 に よ る と 、 参 考 図 版 の 中 に 《 海 の 風 景 》 が 掲 載 さ れ て い る こ と か ら 、 個 展 の 際 に 売 却 さ れ 、 画 家 の 手 元 を 離 れ た と 思 わ れ る 。 こ の 絵 と 向 き 合 う と き 、 戦 争 中 に ニ 年 連 続 し て 「 海 の 船 油 絵 展 」 を 開 い た 寅 三 の 心 中 を 知 リ た い と の 思 い か 湧 い て く る 一 方 、 こ の 絵 と の 出 合 い で 少 し 無 理 を し た こ と で 、 画 家 の 渾 身 の 作 品 を 次 の 世 代 に 橋 渡 し す る 手 助 け を し た 気 分 で あ る 。 佐 々 木 征 ( 千 葉 県 船 橋 市 )

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国 吉 康 雄 《 四 つ の 桃 》 に み る 国 吉 の 孤 愁 ど 静 か な 強 い 意 志 コ レ ク シ ョ ン を 始 め て ま だ 間 も な い 頃 で 、 大 川 コ レ ク シ ョ ン に 衝 撃 を 受 け 、 妙 な 高 揚 感 に 心 を ゆ さ ぶ ら れ て 酔 っ た よ う な 情 態 の 時 に 、 ま だ ニ 回 程 し か 訪 れ て い な い 地 元 の 画 廊 へ 足 を 踏 み 入 れ る と 小 部 屋 の 壁 に こ の 作 品 が 掛 け て あ り ま し た 。 こ の 絵 の 第 一 印 象 は 「 な ん と も 硬 そ う て 色 も 悪 く 、 世 界 一 不 味 そ う な 桃 だ な あ 。 で も こ ん な 購 入 意 欲 を そ そ ら な い 作 品 な ら ク ニ ヨ シ て も 購 え る か も 知 れ な い : 」 と 不 遜 で 傲 慢 な も の で し た 。 同 じ よ う な 境 遇 の フ ジ タ の 作 品 は も ち ろ ん 、 ク ニ ヨ シ の 女 性 像 な ど は 逆 立 ち し て も 無 理 な の だ か ら と い う 、 負 け 惜 し み の 裏 返 し の よ う な 思 い に も 背 中 を 押 さ れ た よ 、 つ で し た 。 そ の 後 ず っ と 自 宅 の 壁 に 掛 け て い ま し た が 、 こ の 不 味 そ う な 四 つ の 桃 に 対 す る 理 解 は 一 向 に ま ら ず 、 時 々 視 線 を 向 け て も 確 か な 手 ご た え が 感 じ ら れ ず も ど か し い 思 い で い ま し た 。 そ の 後 、 大 分 経 っ て 、 当 時 の 世 界 恐 慌 か ら 日 米 開 戦 と い う 厳 し い 状 况 下 て 、 困 難 な 立 場 に 置 か れ た 国 吉 か 抱 い て い た て あ ろ う 、 デ ラ シ ネ と し て の 存 在 の 不 安 ( 危 、 つ さ ) と そ こ か ら く る 深 い 孤 愁 を 表 し て い る の だ ろ う と 想 像 し ま し た 。 さ ら に 最 近 ミ こ 瓜 火 を わ せ て い る だ け で な く 、 そ の で は 、 布 か 、 ら こ 、 ほ れ て 出 て い る 右 端 の 桃 を 見 る と 、 / オ 孑 夛 心 の 内 に こ の ア メ リ カ の 地 で 生 き 抜 い て ゆ く と い う 強 い 意 志 ( 反 骨 の 思 い ) を 深 く 静 か に 抱 い て い る よ 、 つ に 思 え て 、 ま し た 。 谷 吉 雄 ( 石 川 県 白 山 市 )

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ニ 〇 一 ニ 年 に 発 刊 し ま し た 初 版 の 『 わ の 会 の 眼 』 は 、 お 陰 様 で マ ス コ 、 、 、 、 読 者 の 皆 様 、 関 係 者 の 皆 様 か ら も 高 い 評 価 を 受 け 、 会 員 か ら も 喜 ば れ ま し た 。 と は い え 、 上 手 く い っ て 当 た リ 前 の 作 業 で す 。 今 回 の 掲 載 作 品 の 募 集 に あ た っ て は 、 出 品 数 と 質 が と て も 気 に な っ て お リ ま し た 。 結 果 と し て は 、 初 版 の 出 品 者 三 五 名 の 内 、 三 〇 名 の 方 か こ の 続 編 に も 出 品 さ れ 、 さ ら に 新 た な 一 五 名 の 会 員 か ら も 出 品 を 得 て 、 作 品 数 は 一 七 〇 点 に 及 び ま し た 。 作 品 の 質 に つ い て 申 せ ば 、 充 行 に 左 右 さ れ ぬ 、 時 の 試 練 に 耐 え 抜 い た 作 品 が 集 ま リ ま し た 。 知 る 人 ぞ 知 る 作 家 が 多 く 、 埋 も れ た 作 家 、 知 ら れ ざ る 作 家 も 多 く 、 ま た 、 名 品 、 珍 品 も 数 多 く 出 品 さ れ て お リ ま す 。 秘 蔵 の コ レ ク シ ョ ン を 出 さ れ た 方 も 見 え ま す 。 こ こ に 掲 載 さ れ て い る 作 品 群 は 、 コ レ ク タ ー に 強 く 求 め ら れ 、 大 切 に 手 入 れ 、 修 復 、 保 管 、 研 究 さ れ 、 ま た 展 示 さ れ 、 愛 で ら れ て き た も の で す 。 コ レ ク タ ー の コ レ ク 、 ン ヨ ン に 対 す る 愛 情 や 思 い を 読 者 の 皆 様 に 少 し で も 届 け ら れ た ら と 願 い な が ら 、 編 集 の お 手 伝 い を さ せ て い た た き ま し た 。 美 術 評 論 家 で あ リ 、 ま た 平 塚 市 美 術 館 館 長 代 理 を 務 め ら れ る 土 方 明 司 さ ん に 玉 稿 を 賜 リ 、 さ ら に 東 御 市 梅 野 記 念 絵 画 館 館 長 の 佐 藤 修 さ ん と 丸 山 治 郎 さ ん か ら は 、 コ レ ク シ ョ ン の 代 表 的 な 作 品 を お 寄 せ い た た き ま し た 。 こ の 日 勿 を お 借 リ し て 心 か 、 ら お 礼 を 申 し 上 げ ま す 。 ( よ リ ・ リ よ う け い 書 籍 プ ロ ジ ェ ク ト 事 務 局 ) 354

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阿 部 金 剛 《 郷 愁 》 日 木 の キ リ コ ・ 阿 部 金 副 阿 部 金 剛 と 言 え ば 、 東 郷 青 児 と と も に 「 新 傾 向 、 絵 画 の 代 表 と し て 注 目 さ れ 次 々 と 実 験 的 な 作 品 や 詩 を 発 表 し 、 超 現 実 主 義 運 動 の 旗 手 と な っ た 異 才 だ 。 盛 岡 市 生 ま れ 。 元 東 京 府 知 事 ・ 阿 大 学 を 中 途 退 学 し て 大 正 一 五 年 渡 仏 、 ビ 部 浩 の 長 男 で あ る 。 岡 田 三 郎 助 に 師 事 し 油 絵 を 習 い 、 シ ェ ー ル の 指 導 を う け る か た わ ら 、 藤 田 嗣 治 や キ ス リ ン グ か ら も 影 響 を う け た 。 昭 和 ニ 年 帰 国 火 予 ら に 」 刀 ロ ロ 後 は 四 年 以 来 《 Rien 》 な ど 超 現 実 主 義 的 な 作 品 を ニ 科 展 に 出 品 、 ニ 科 会 員 と な リ 、 三 五 年 か ら 四 ニ 年 ま で 、 メ キ シ コ や ア メ リ カ に 滞 在 、 制 作 し た 。 わ が 国 の 超 現 実 主 義 絵 画 の パ イ オ ニ ア の 一 人 て 、 『 シ ュ ー ル レ ア リ ズ ム 絵 画 論 』 ( 昭 和 五 年 六 月 、 天 人 社 ) や 『 阿 部 金 剛 画 集 』 ( 昭 和 六 年 九 月 、 第 一 書 房 ) な ど の 著 述 、 作 品 集 が あ る 。 装 幀 に 萩 原 朔 太 郎 『 詩 人 の 使 命 』 、 安 西 冬 衛 『 韃 靼 海 峡 と 蝶 』 『 亜 細 亜 の 鹹 湖 』 な ど が 知 ら れ て い る 。 阿 部 金 剛 の 現 存 し て い る 戦 前 の シ ュ ー ル 作 品 は 極 め て 少 な い か 、 こ の 作 品 は 全 盛 期 の 作 品 で あ る 。 定 規 で 引 い た よ う な 緊 張 感 の あ る 無 機 質 な 作 品 か 一 般 的 に 知 ら れ て い る が 、 こ の 作 品 の ま た キ ト 从 、 つ に フ リ ・ ・ ー ハ ン ド の 微 妙 な 揺 れ の あ る 有 機 的 な 仕 上 が リ と な っ て い る 作 例 は 珍 し 、 リ コ の 日 本 で の 受 容 を 考 え る 上 で も 重 要 な 作 品 で あ ろ う 。 東 京 国 立 近 代 美 術 館 の 大 谷 省 吾 氏 が 『 阿 部 金 剛 ・ イ リ ュ ー ジ ョ ン の 歩 行 者 』 ( 一 九 九 九 年 ) を 出 さ れ て お リ 、 阿 部 金 剛 を 知 る 上 で の ・ 「 男 の 書 斎 画 と し て は 一 級 决 定 版 で あ る 。 最 後 に 、 先 輩 コ レ ク タ ー が こ の 絵 を 見 て の 一 言 ・ の 格 と セ ン ス が あ る ね 」 平 園 賢 一 ( 神 奈 川 県 平 塚 市 )

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三 尾 公 三 《 蒼 天 へ 》 否 定 か ら 新 た な 造 形 へ 十 数 年 前 の こ と だ が 、 京 都 の 麻 田 浩 先 生 宅 を 訪 れ た 折 、 奥 様 の 美 禰 さ ん に 「 三 尾 公 三 先 生 が お 亡 く な リ に な リ 、 お 祈 リ に い っ て 来 た と こ ろ で す よ 」 と 言 わ れ 、 「 三 尾 先 生 と 麻 田 は 仲 が 良 く 、 お っ き あ い を し て い ま し た 」 と の こ と だ っ た 。 三 尾 公 三 と い う 作 家 は 週 刊 誌 『 I-L 〇 OD(D 』 の 原 画 作 家 で あ る く ら い の 知 識 て し か な か っ た 。 し か し 、 こ れ を 機 に 三 尾 公 三 と い う 作 家 に 急 に 興 味 を も つ よ 、 つ に な っ た 。 い ろ い ろ な 美 術 の 本 を 漁 る と 、 一 九 七 〇 年 代 後 半 か ら 現 代 美 術 の 賞 を 立 て 続 き に 取 リ 、 賞 を 総 な め に し て い る 画 家 と 知 っ た 。 「 さ ま ざ ま な 否 定 か ら 新 た な 出 発 へ 」 三 尾 公 三 は 四 ニ 歳 の 時 に 、 そ れ ま で の 画 家 と し て の 経 歴 と 作 品 を 全 て 捨 て 、 さ ら に 画 材 道 具 な ど の 一 式 も 捨 て て 、 再 出 発 し た の で あ る 。 京 都 美 大 で の 日 本 画 を 捨 て 、 日 展 の 権 威 主 義 を 嫌 い 、 封 建 的 な 美 術 団 体 を 否 定 、 会 員 に ま で な っ た 光 風 会 と も 訣 別 。 そ の 後 は 自 ら 試 み た 厚 塗 リ の 壁 派 的 抽 象 作 品 さ え も 捨 て 去 っ た 。 そ し て 厚 塗 リ 絵 具 の 否 定 は つ い に 絵 具 の 筆 跡 ( タ ッ チ ) の 否 定 、 手 法 の 痕 跡 の 否 定 ま で 行 き 着 く 。 こ の 三 尾 公 三 と い う 作 家 を 調 べ 始 め る と 、 私 の コ レ ク シ ョ ン し た 作 品 《 蒼 天 へ 》 も ご 理 解 願 え る の で は な い か と 思 、 つ 。 金 井 徳 重 ( 長 野 県 中 野 市 ) 326

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宮 崎 進 《 花 と 女 》 重 い 歴 史 の 影 ど 生 き る よ ろ こ び 半 世 紀 前 の 一 九 六 七 年 、 《 見 世 物 芸 人 》 で 第 一 〇 回 安 井 賞 を 獲 得 す る 。 受 賞 の コ メ ン ト の 中 で 、 「 私 の 青 春 期 を つ つ ん だ 、 永 い 抑 留 生 活 の 中 で 見 つ め た 、 人 間 や 、 私 達 の 風 土 へ の 憧 れ を 、 私 の 作 品 を 通 し て 、 自 分 な リ に 表 現 し て き ま し た が 、 こ れ を 機 会 に 、 新 た な 意 欲 を 燃 や し 、 旺 盛 な 制 作 活 動 を し て い き た い と 思 い ま す 」 と 述 べ て い る 。 宮 崎 進 は 、 従 軍 ・ シ ベ リ ア 抑 留 と い う 過 酷 な 体 験 か ら 、 一 九 五 〇 年 代 に 東 北 や 北 海 道 な ど 「 さ い は て 」 の 地 を 放 浪 し て い る 。 風 土 が 似 て い る と い う だ け で な く 、 そ の 地 の 過 酷 な 現 実 の 中 に 生 き る 人 々 に 共 感 。 一 九 五 〇 年 代 の 作 品 は 風 景 と 人 物 に ニ 分 さ れ 、 厚 塗 リ で 暗 い 灰 色 の 《 さ 、 は て 》 《 東 》 《 石 狩 》 《 漂 泊 》 な ど が 上 げ ら れ る 。 シ ベ リ ア 体 験 を し た 宮 崎 は こ の 延 長 に 旅 芸 人 を 見 出 す こ と に な る 。 風 土 す ら な い 旅 芸 人 に 漂 泊 の 自 己 を 重 ね た の た ろ う か 。 こ こ に 揚 げ た 一 九 六 〇 年 代 の 《 花 と 女 》 は 「 旅 芸 人 シ リ ー ズ ー の 中 の 一 作 で あ る が 、 こ の 作 品 を 再 三 見 て い る と 国 吉 康 雄 の サ ー カ ス の 踊 リ 子 や バ レ リ ー ナ の 作 品 と も 共 有 す る 人 間 の 哀 歓 ・ 憂 愁 と 孤 独 感 が 漂 う 。 人 物 の セ ピ ア 色 の 隈 取 リ の 奥 に あ る セ ル リ ア ン プ ル ー の ハ ー モ ニ ー か な ん と も い え な い や が て こ の 「 旅 芸 人 シ リ ー ズ 、 か ら 宮 崎 進 の 制 作 を 根 底 か ら 揺 る が す 抽 象 性 の 強 い 《 冬 の 光 》 《 凍 る 土 》 《 瀬 戸 の 光 》 へ と 続 き 、 《 丁 〇 (J) 〇 ( 沈 黙 ) 》 《 黒 の 風 景 》 な ど は 物 質 性 の 強 い 布 地 、 石 膏 、 セ メ ン ト な ど の コ ラ ー ジ ュ 作 品 へ と 移 行 し て 、 日 本 的 な 清 緒 に 嵶 れ る こ と な く 、 ク 生 ク か ら 湧 き 出 す 心 理 表 現 の 深 さ を 見 せ つ け ら れ る 。 金 井 徳 重 ( 長 野 県 中 野 市 ) 324