治療 - みる会図書館


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1. 漢語林 改定版

一般に、おさめるの意味を表す。 【沮△洳・沮如】を湿り気の多い ( ぬかるみの ) 土地。 【沮色】ク①はばむ顔色。不賛成の顔つき。気の進まないマ外治・鞠治・灸治ウ・根治・至治・自治・主治・政在の平和・幸福に安心すること蔘、常に将来の万一の場 治・全治・繕治・退治・懲治・湯治・統治・徳治・内治・合のために心を配っていること。治而不レ忘」乱すれず。 様子。②色をはばむ。色をさる。 〔易経、繋辞伝下〕 【沮喪アウくじけレおる。くじける。気落ちする。「意気沮喪」不治・文治・平治・捕治・法治・吏治・療治 日シュ zhü 【沮廃廢 ) 】 ~ イ①はばみ捨てる。②くじけすたれる。勢いが【治安】①治め安んずること。②治まって安らかなこと。 7 3 チュウ 5 7 ニチュ なくなる。 【治化】民を治めて善に導くこと。化は、教化。 教そそぐ亨 御チュウ ①さかのぼる。流れに逆【治外法権 ( 權 ) 】ン外国の領土内にいながら、その国 △ソ鬮 らって上る。Ⅱ遡ソ。 2 むかの法律の適用を受けない特権。 、一〒主 筆順 う。向く。 3 むかえる ( 迎 ) 。ながれる ( 流 ) 。 【治教】ウ①政治。政治上の一つの仕事は人民を教化 することであるからいう。②政治と教育。 日①そそぐ。⑦水が流れ進む。流れこむ。降る。④水を流 目〔沂キ〕は別字。 チ「ク国を治め天下を大平にする。しこむ。引き入れる。つぐ。かける。「注水」⑦向ける。心や視 形声。冫 ( 水 ) + 斥廣 ) 。音符の廣は、逆【治国 ( 國 ) 平天下】〈イテンカ 「 ~ も ~ のするの意味。水が逆流する、さかのほる国は、諸侯の治める一国。天下は、天子の治 0 全国。線を一点に集 0 。「注意」「注目」 20 ける ( 付「く「 0 け L 〔大学〕る。つがえる。矢をつがえる。 3 なける ( 投 ) 。投けうつ。 の意味を表す。 【治獄】野ク訴訟を取り調べさばくこと。 ニ①しるす ( 記 ) 。書く。また、記録。 2 とく ( 解 ) 。解き明か 【治罪イ犯罪を取り調べさばくこと。 【泝△洄イ流れをさかのほる。 チ・チ山を管理する意で、水害防止のために、山す。本文を解釈する。士た、みの解釈。 【治山】サンザン 日①タ・ダ覊 tu6 注連内 に植林すること。「治山治水」 ニ①タ・ダ 4 沱】 三①涙の流れるさま。「滂沱」 2 大雨のさま。「滂沱」 3 【治産ン①家業 ( 産業 ) に従事し、または、はけむこと。〔註〕の書きかえ字。「註釈↓注釈」 川の名。沱江。長江の一支流の古名で、四川省にある。今の②国財産の管理・処分。「禁治産者」 「呈形声。冫 ( 水 ) 、主⑥。音符 0 主は、とどり 0 どの川かについては諸説がある。ニ水の流れるさま。 【治人アン①人民を治 Q 。②自分以外の人を教化す篆 意味を表す。また、屬に通じて、つきっきに連ねるの意味に る。「修己治人」 冐〔泡〕は同字。 〉割注芻ウ・灌注芻ウ・記注・脚注・訓注・傾注ウ校注・ 「 0 、形声。冫 ( 水 ) 、它⑥。音符 0 它【治水】に河川・湖沼などを管理する意ミ水害防止やも用〔る。 注金 意味。まがりくねって流れる水の意味から、なみだや大雨の【治世イ①よく治まっている時代。太平の世。②世を集注ウ・詳注・新注・箋注ウ・転注・伝注・頭注・評 治 注・標注・補注・傍注・訳注 治めること。③君主の在位年間。 ~ ( を表す。 てウイン民国七年 ( 一九一 0 に制定された中国 【注音字母】ジボ 【治生】イくらしの道をたてる。治産。 ⑩チ おさめる・おさまる・ 語の発音記号。民国十九年に注音符号と改称。 「真 zhi 【治績ごキ①政治の成績。②政治上の功績。 、泝 ジ ( ヂ ) なおる・なおす チ、ウⅡ注釈の①。 【注解】カイ 【治装 ( 裝 ) アウ旅装 ( 旅じたく ) を整えること。 【治朝 , ウ王者が政事を聞く所。路門の外にある。一【注脚解釈。注釈。本文の間にあるものを注、下にあ ムムロムロ チュウ 0 筆順 るものを脚という。註脚キャク ・名、内朝。。外朝。 一①おさめる。おさまる喆。⑦河川をおさめ導く。「治【治道てウ①天下を治める道。政治の方法。②道路を作【注視】ウ目を向けてよく見る。みつめる。 【注射】ウ①勢いよくそみ流れる。②立て板に水を流 水」④国を治める。統治する。「治国」⑦整える。整頓する ( 修理する ) 。③道路に関することをつな。 すつに言語の流暢乃でとどこおらないこと。③国医学 る。うまく扱う。〇つなお。とりしきる。営む。経営する。【治任】アⅡ治装。任は、荷物。 ④取り調べる。さ、正す。⑩なおす。修理する。治療【治平イ①世の中がよく治まって平和なこと。太平。②用語。針で薬を体内につきこむこと。 画 する。また、なおる鑑。「根治」「湯治」 2 政治。まつりこと。【治癒病気がなおる。 〔平和にすること。【注釈 ( 釋 ) プ①本文の解釈。註釈′。②国⑦説 「報告する。急報。 3 いさお。功績。みやこ。また、州・郡・県などの政庁の所【治要ウ①一年間の会計のし、くりをする。②要点を明。④言いわけ。 部在地。「県治」 6 さかん。さかんになる。 6 くらべる。また、匹とりしまる。大要をつか , る。③国政の要点。政治のか【注進】【一ウ国①事を記して申し進める。②事件を急き 敵する。朝助ける。 「田冖 なめ。 「②乱れること。③乱を治 Q 。【注。疏】ウ経書のくわしい解釈。注と疏。注は、本文の 客乗一おさむ・さだ・ず・ただす・つぐ・のぶ・はる・よし調治【治乱 ( 亂 ) 】グ①治まることと、乱れること。「治乱興亡」解釈。疏は、注を更にくわしく解釈したもの。 【注目】第ウ目をその方に向けてよく見る。 DJD 形声。冫 ( 水 ) + 台。音符の台は司に通【治療】ウ病気やけがを手当てしてなおすこと。 、ししチにい ( ゐ ) て太平の世においても、【注連】ウ①水をそそいで清めて連ね張ったなわ。出棺 じ、おさめるの意味。水をおさめるの意味から、【居レ治不レ忘レ舌 ( ) 】ラ , をわすれず

2. 現代人の心を探る

270 医師、患者関係が直面する課題〈心にも配慮した医療と断念を知る術〉 できるだけ時間をかけずに、できるだけ簡単で、しかも、だれにでも画一的にできる治療 方法で病気を治すのが、現代医療の理想である。 極端に言えば、コンピューターを縦横に駆使して、医療スタッフの人数を最小限にし、患 者さんたちも医師や看護婦さんの個人差によって影響される度合いが少ない、そうしたコン ピューター的なシステムで医療が行われるようになれば、それにこしたことはない。そして、 どんな病気も薬を一服飲めば治ってしまう、そういう医療がお互いに理想なのは当然である。 もっと極端な言い方をすれば、医者なんかいなくなって、電話で自分の症状をコンピュー ターに入れると、たちまち、いまどういう薬を飲めばよいかという答えが返ってきて、自分 の家にいるだけで病気が治療できるようになれば、もっともっとよいと思う。 0 医師、患者の心理

3. 完訳 日本の古典 第四十二巻 平家物語 ㈠

じよう′一う ・一くじよく の凡人が、外国の医師を帝都へ入れることは、国辱ではなれはつまり定業による病は治らないことを示すためである。 ・一うそ いか。漢の高祖は、三尺の剣をひっさげて天下を治めたが、定業の病がそれでもなお医療によって治るならば、どうし きさき しやくそんにゆうめつ わいなんけいふ て釈尊の入滅があろうか。定業はまた治療できないことは 淮南の黥布を討った時、流れ矢に当って傷を受けた。后の りよたいこう 明らかである。治す相手は仏の身であり、治療する医者は 呂太后が良医を呼んで診察させたところ、医者が言うには、 こん 『この傷は治せるだろう。ただし五十斤の金をくれれば治耆婆であっても、釈尊は亡くなられた。重盛の身は仏の身 ではないし、名医といってもこれまた耆婆に及ぶはずがな そう』と言う。高祖が言われるには、『私に対する天の守 あ い。だから、たとえ四部の医書を参照して、百の治療を修 護が強かった間は、多くの戦闘に遭って傷を受けても、そ の痛みはなかった。運がもう尽きた。私の命はすなわち天得しているとしても、どうして衣食などに依存するけがれ へんじゃく た身を救えよう。たとえ五経の医書の説くところを詳しく のさだめによる。たとえ扁鵲のような名医でもなんの役に 立とう。だから医者は断るが、そうするとまた、医療代を知って、多くの病を治すとしても、どうして先世の業によ る病を治せようか。もしあの宋の医術によって生き延びた 惜しむみたいだ』と、五十斤の金を医師に与えながら、と としたら、わが国に医道はないみたいだ。医術の効き目が うとう治療しなかった。先人のことばは耳に残っており、 今なお共鳴している。重盛は、かりそめにも公卿の列に入ないなら、その医者に会ってもしかたがない。特にわが国 の大臣たる身でありながら、外国からふらりと来た者に会 答り、大臣の位に上っている。その運命を推しはかってみる うことは、一方では国辱であり、一方では政道の衰退であ と、すべて天の心による。だからどうして、天の心を察せ わずら 医 る。たとえ重盛の命はなくなるとしても、どうして国の恥 ずに、愚かにも医療の手を煩わしたりしようか。病気がも を心配する心をもたないでよかろうか。この事を父上に申 第し定められた業によるものなら、医療を加えても、無益で 巻 し上げよ」と言われた。 はなかろうか。また現世かぎりの一時の災厄であるなら、 盛俊は福原に帰り参って、この事を泣く泣く申したとこ 療治を加えなくても、助かることができよう。あの耆婆の しよう・一 しやかばつだいが ろ、入道相国は、「こんなに国の恥を案ずる大臣は、上古 医術のかいもなく、釈迦は跋提河のほとりで入滅した。こ ごう

4. セルフコントロール

弱まるものではない。ところが気の持ち方によっては、悩みや苦しみはすっと引けてしまうこ とすらある。もちろん、骨折を心の持ち方ですぐ治すことはむずかしいし、すべての心の病気 が心の持ち方で治るとはいえない。しかし、心の持ち方は、他人の指図や薬の服用であまり変 わるものではない。 どういう心の持ち方をするかは、自分自身で決めるものである。だから、自分で治す意図を 持ち、自分から努力することが必要である。そして、この努力をしさえすれば、それだけの効 果があるという点では、努力は心の病気を治すための十分条件でもある。 今日の社会は、きわめて複雑化しており、対人関係や家庭環境をとっても、一般化してはい えない。人は誰でも「かくかくしかじか」であるべきである、家ではこうすべきである、人と つき合うにはこうしたらよいといい切ることは不可能である。その人が置かれている条件を考 慮し、その人の資質や性格を個々に吟味して、その人個人に適する生活の仕方の処方箋を書か なければならない。たとい専門家の医者を訪ねても、今日の医療の実情では、多くは望むべく もない。それよりむしろ、自分自身が自分を診る医者であり、治療する治療者であることが要 請される。社会のそれそれの分野で活躍する高齢者には、強い意志の持ち主であると同時に、 自分のことは自分で処理する心の自己治療者である人が実に多い。自分の健康をコントロール

5. 気の科学

西洋医学は 時代遅れになるのか ~ それぞれの利点を組み合わせる ~ 東洋医学が見直されるにつれ、一部で「西洋医学はもはや必要な いものだ」と言う人が増えている。それでは、本当に西洋医学は時 代遅れになり、東洋医学に置き換わっていくのだろうか。 結論から言ってしまえば、時代遅れになることはない。確かに西 洋医学では治すことができなかった病気もあるが、それだけで否定 する理由にはならない。東洋医学には東洋医学にしかない利点が、 そして西洋医学には西洋医学にしかない利点があるのである。 もうちょうえん しんきゅう たとえば、悪性腫瘍や急性盲腸炎などの場合には、鍼灸治療や 漢方でゆっくりと治療するというわけにはいかないだろう。一刻も びようそう 早く手術を行ない、病巣を切除する必要がある。また、臓器や皮 膚などの移植などしか治療方法がない患者も少なからず存在する。 むろん、これらの病気を持っ患者に東洋医学は無意味とは言い切れ ないが、即効性のある対症療法としては、西洋医学が一歩先を進ん でいると言えるのである。 しぜんちゅりよく これに対して東洋医学は、自らの持っカ ( 自然治癒カ ) を高める ことで病気を治療することが中心の医学である。また、日頃から太 きよくけん 極拳に見られるような健康法を行ない、健康茶などをとり、心身 のバランスを保つように心がけることで、病気にならないための生 活をするという予防医療の側面を持っている。 つまり、東洋医学と西洋医学のそれぞれの利点をうまく組み合わ せることにより、健康を維持し、また万一重い病気にかかった場合 にも、適切な治療ができるのである。そして医療に従事する人や患 者は、これらをうまく使い分ける必要があると言えよう。 1 3 8 5 気で病気は治るのか しゅよう

6. 気の科学

東洋医学で行なわれ ている治療法 ~ 気血水を整える治療を行なう ~ 前述したように、東洋医学における治療とは、病気やケガの原因 しぜんちゅりよく を取り除く治療ではなく、病気やケガを人の持つ自然治癒力を使っ て健康な状態に戻そうとするものである。鍼や灸、漢方薬などは自 然治癒力を高めるためのものであり、病気やケガの原因を取り除く ためのものではない。また、日常からこれらを用いることで、健康 促進の効果もある。 東洋医学では、すべての病気の原因が気や血液など ( これらを総 きけっすい 称して気血水と言う ) の流れが乱れることにあると信じられ、気血 水を整えることで、難病を含む各種疾患を改善・治癒させることが できるのである。この気血水の乱れなどを整えるのに使われるのが しんきゅう めんえき 鍼灸治療であり、鍼灸治療により免疫機能が強化されることは現 代医療でも、その効果が認められている。 鍼灸治療とともに広く用いられているのが、漢方薬を使った治療 である。これも鍼灸治療と同様で、病気やケガを直接治療するもの ではなく、人の持つ自然治癒力を高めることにより、病気やケガを 自らのカで治そうとするものである。 また、気功や整体により気血水を正常な状態にする治療も行なわ れている。病気やケガをしている人に気を注ぐことで、気血水を正 常な状態にすることができる。また、体のゆがみは気血水にも大き ほどこ な影響を及ばすので、整体を施しゆがみをなくすのである。これら の治療は、気功師や整体師などの気をコントロールするための鍛錬 を積んだ人たちだけができるものであり、西洋医学で言う「医者」 のような存在であると言えるのである。 136 はりきゅう 5 気で病気は治るのか たんれん

7. 死体は語る

医学と法律 きとう 悪魔を追い払うと病は治ると信じられていた時代には、祈薦がなによりの治療であった。現代で は科学的に病態が解明され、医学的に精度の高い治療がなされるようになっている。しかし、これ と並行して、神や仏に回復を祈願しようとする気持ちは、今も変わりはない。 昭和三十二年のことである。発狂した少女の体にタヌキがいると、祈蒔師が線香護摩八百束を三 時間にわたってたき、祈した。縛られて祭壇に置かれた少女は、熱気で摂氏四十度にも及び死亡 した。 この事件は憲法第二十条、信教の自由で許されるか、遺棄罪かで論議されたが、最高裁は行為は 反社会的で、信仰の自由は犯罪を構成するような宗教活動まで許していないと判断し、傷害致死罪 律を適用した。病を治そうとしてやったのであろうが、医療とは程遠い出来事であった。 だんしよう 法 戦後、性風俗が乱れ、東京に男娼が横行したころの話である。彼らの中には睾丸、陰茎を切除し 学 医て女性のように形成手術をしたものがいた。このような手術は医療とは言えないとされ、わが国で は医師法違反になることが明らかとなった。 ′」ま 1 ろ 5

8. 「身体 (からだ) を売る彼女たち」の事情 : 自立と依存の性風俗

た。ライトプルーのシャツの胸には、「 Médecins du Monde ( 世界の医療団 ) 」と書かれた 青 、ヾッジがついている 西岡さんの職業は医師である。国際 zco 「世界の医療団」に参加しており、長年路上 生活者に対する医療相談を行っている。 西岡さんが風テラスの活動理念に共鳴してくださったことをきっかけに、これまでの法 律・生活相談に加えて、二〇一八年六月からデリへルの待機部屋での医療相談を行うこと こよっこ 0 「せつかく来られたので、血圧を測っておきましようか」 そういうと西岡さんはカバンから携帯用の血圧測定器を取り出し、女性の血圧を測った。 「まず身体、それからメンタルの順番で治療されることがお勧めです。最初から心療内科 に行くよりも、まずは身体の不調を治したほうがいい」 262

9. 現代人の心を探る

もう一つ現代人が医療に対して抱く夢は、高齢化社会になって不老長寿の社会に一歩近づ いたわけだが、もっとこの動向が進んで、どんな病気も治せるような時代になれば、これも また最高の幸せである。がんも脳血管障害も成人病も糖尿病も、みんな治ってしまうような しまいには老化現象も治療でき、七十歳になっても、八十歳になって 時代になってほし、。 も永遠に年を取らない若さを保つことができる、そういう時代の到来をわれわれは渇望して しかし、いま挙げた二つの理想に取りつかれているだけに、現代の医師・患者関係のあり 方はますますこの方向に進んでいる。つまり、医師・患者関係はますます希薄になり、能率 と経済性が最優先せざるを得ない。患者さんたちは医療に対して全知全能の神を期待し、ど んな病気でも治してもらいたいと願う。しかしながら、これはあくまで理想であって現実で 理その一方では、医師と患者の豊かな心の触れ合い、よいコミ、ニケーシ「ン、信頼・依存 関係、適切な助言と指導などを必要とするケースがふえている。病気にも現代の医療技術で 患はまだ治療できないものがあまりにも多い。それにもかかわらず、システムをつくる側も、 師またこのシステムによって診療を受ける側も、一方では、いま述べたような理想を何とか実 現することを期待し、また努力している。 その結果、そのような理想に一致しない現実に直面したときに、現代の医師・患者関係は

10. ブラックジャック8

てはいないんじゃないかとしか思えぬ無節操ぶり。簡単な難病なら、手を突っこんだだけ凹 で治してしまうし、およそ、この世にありそうにない病気には、もっと得体の知れぬ薬を発 明して治療にあたる。まあ、筋は通ってるわな。しかし、作者としては、この医師にメスを 持たせて、単純な胃潰瘍か何かの手術をさせてみたら、胃潰瘍だけは治らない不死身の患者 が出来上がってしまうような気がしないでもないのだ。 もうひとっー丨ードクター・メフィストとの大いなる相違点はーー・恥すかしげもなく書 くがーー熱い血潮だろう。 ドクター・メフィストの身体に流れているのは、水品の血管を通る青い血液のようだが、 我らがの全身に通うのは、まぎれもなく、生命の限界を知りながらも、それを救わんと する情熱たぎる血である。 もちろん、漫画であるが故に、第一話に見られるような、ギャングの屑息子を見捨てる場 合 ( これだって、身代わりを強要された無実の少年を救うためである ) も無いではないが、 全篇を通してみれば、安楽死、尊厳死、過大な医療負担、不良医師、治療費の不払い等 現代の医療制度における根本的な間題のただ中で、が懊悩しながらも、医師が医師であ これである。他 るための絶対的な存在理由を貫いていることがわかる。生命を救うこと に何があるというのか 考えてみれば、医師を主人公にした「プラック・ジャック」を描くことは、手塚治虫にと って大英断のひとつではなかったろうか。 どれ 世に言われる手塚式ヒューマニズムも、専門的知識を駆使できるが故の独創性も 解もこれまで以上に際限なく発揮できる分野だけに、却って作者の苦悩は深かったように察し 一三ロ 327