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検索対象: 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩
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1. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

、ド。 , を姦第 0 ' 第ュ 浄土寺扇面は、源氏絵の系譜 ドをの中で室町期のスタンダード と目されるとともに、金雲の 輝きに鮮麗な彩色が照り映え る装飾性の豊かさや充実した 情感表現など、優れた画風で 我々を魅了してきた。「浮卅」で は最も多い四場面がみられ、 その中から、匂宮が宇治に忍 び、裁縫に余念のない女房た ちの中に浮舟の姿を隙見する 場面と、やはり匂宮が浮舟を たちばな 小舟に乗せ、宇治川の橘の小 , 、、 77 島で愛を誓う場面を掲げた。 特に下図は、数多い同場面中、 男女の情愛の激しさとひたむ きさを最も直截に描いた源氏 絵中の名場面と一言って過言で 源氏物語「浮舟」図扇面 尾道市・浄土寺蔵

2. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

完訳日本の古典 23 源氏物語十 阿部秋生・秋山虔・今井源衛・鈴木日出男校注・訳

3. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

宇治十帖では、作者が全身的な共感とともに自身の思想や感清を投入しようとしたのは、薫や匂宮ではな 大君あるいは浮舟である。薫がこの後どうしたか、というようなことは作者にと 0 てはさしたる関心事 語ではなかったであろう。浮舟の姿をこのように描き終 0 た意味を我々は十分に汲み取るべきだろう。 物 古典と現代とを限らず、日本文学に一貫するものとして、しばしば母性への帰依とか思慕が指摘されるが、 氏 源『源氏物語』もまたその例外ではなかったのである。

4. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

ニニ〕薫、浮舟の心をは大将が今か今かとお待ちになってい れかりかねて、思い迷うらっしやるところへ、こうして不確 かなことで小君が帰ってきたので、おもしろからぬお気持 語 物になられて、なまじ使者をやらなければよか ? たと、あれ 氏 やこれや気をおまわしになり、誰かが人目につかぬよう女 源 君を隠し住まわせているのだろうかと、ご自分がかって捨 てておおきになったご経験から、あらゆる場合をご想像に なられて : : : と、もとの本にございますそうな。

5. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

源氏物語 450 夢浮橋 △朱雀院 △八の宮 中将の君 ( 母、親 ) 常陸介 △源 今上帝 女三の宮 ( 三条宮 ) 明石の中宮 氏 君 ( さ。との童〕あ 薫 ( 一一 0 宮 0 御夫 女一の宮 ( 一品の宮 ) 女二の宮 母尼母 妹尼 ( △衛門督 △親ーーー紀伊守 リの僧都 ( 僧都 ) 故衛門督のヒ の方、尼君、主 △女子

6. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

源氏物語 446 △朱雀院 △麗景殿女御 女三の宮 ( 入道の宮、母宮 ) 氏 ( 六条院 ) △源 タ霧 0 姫殿、左大臣殿 馬頭△紫の上 北の方 今上帝龕当上 明石の中宮 ( 宮、后、后 の宮、大宮 春宮 一一の宮 ( 式部卿 ) 女一の宮切宮、 六の君 匂宮寧 卿親 女二の宮 ( 殿、大将殿、君、まめ 人、大将の君、大将 宮、時の帝の御むすめ、 女宮、皇女、二の宮

7. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

源氏物語 444 浮舟 △源氏 △朱雀院 各巻の系図 △麗景殿女御 タ霧 ( 今上帝 ( 帝、内裏 ) 明石の中宮 ( 炻翳 ) 一、本巻所収の登場人物を各巻ごとにまとめた系図である。 一、△は、その巻における故人を示す。 、 ( ) 内は、その巻での呼び名を示す。 右大臣、大臣、 右の大殿、殿 君達 六の君 ( 大殿の君 ) 女一の宮 ( 姫君、一品の宮 ) 匂宮 ( 宮、大き御前、 兵部卿宮 大将、右大将、殿、大将 殿、男、君、帝の御婿 若君 ( 若宮 ) 女二の宮 ( 二の宮、女宮、 帝の御むすめ

8. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

一せつかくのすばらしい夜を。 るに、尼君、「など、あたら夜を御覧じさしつる」とてゐざり出でたまへり。 「あたら夜の月と花とを同じくは 心知れらむ人に見せばや」 ( 後撰・ 中将「何か。をちなる里も、こころみはべりぬれば」と言ひすさみて、「いたう 語 春下源信明 ) 。 びん 物すきがましからんも、さすがに便なし 。、とほのかに見えしさまの、目とまりニあちら ( 浮舟 ) の気持も分った ので。「をち」は宇治の地名 ( ↓浮 源しばかり、つれづれなる心慰めに思ひ出でつるを、あまりもて離れ、奥深なる舟五四注一 = ) 。引歌があるか。 三あまり好色がましくふるまう セね のも。以下、中将の心中。 けはひも所のさまにあはずすさまじ」と思へば、帰りなむとするを、笛の音さ 四浮舟の。 へ飽かずいとどおばえて、 五所在ない気持の慰めとして。 六あまりによそよそしく奥深く 引き籠ったきりの態度も、山里の 妹尼ふかき夜の月をあはれと見ぬ人や山の端ちかき宿にとまらぬ 風情には不似合いでしらけた感じ。 セ中将のみならず笛の音にまで。 と、なまかたはなることを、「かくなん聞こえたまふ」と言ふに、、いときめき ^ 「ふかき夜」は前の「あたら夜」 して、 に照応。「月」は浮舟。深夜の月に 感動せぬ人は月の入る山の端近い ねゃいたま この家に泊らぬのか、と恨んで、 中将山の端に入るまで月をながめ見ん閨の板間もしるしありやと 中将の求婚を受諾しようとする歌。 など言ふに、この大尼君、笛の音をほのかに聞きつけたりければ、さすがにめ九浮舟の気持を無視して、代作。 一 0 「板間」は粗末な板葺きの家の ねや 板と板の隙間。ここは、その閨の でて出で来たり。 隙間からさし込む月光の風情。月 を眺め続け、閨に近づきたい気持。 ここかしこうちしはぶき、あさましきわななき声にて、な 〔一六〕母尼和琴を得意げ = 僧都の母尼君。 たれ に弾き、一座興ざめる かなか昔のことなどもかけて言はず。誰とも思ひわかぬな三八十余歳の老齢なのに。 ( 現代語訳三六九ハー )

9. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

一前文末にも「いみじかりき」と ほとほと出家もしたまひつべかりきかし」など語る あり、「き」を繰り返し用いる。直 かのわたりの親しき人なりけり、と見るにも、さすが恐ろし。紀伊守「あやし接目撃したことを示す。 語 ニ紀伊守は薫に近侍する人だっ きのふ 四 ふびん 物く、 たと浮舟が気づく。「さすが : ・」は、 ゃうのものと、かしこにてしも亡せたまひけること。昨日も、いと不便に 氏 その反射的な反応。薫には知られ ぬとは思うが、やはり恐ろしい 源はべりしかな。川近き所にて、水をのぞきたまひて、いみじう泣きたまひき。 三大君も浮舟も同様に。 うへ 四まことにいたわしい有様だっ 上にのばりたまひて、柱に書きつけたまひし、 た薫の取り乱しよう。 五浮舟が身を投じた場所か、と 薫見し人は影もとまらぬ水の上に落ちそふ涙いとどせきあへず 見おろす。「水にのぞきたる廊」 となむはべりし。言にあらはしてのたまふことは少なけれど、ただ、気色に ( 椎本 3 一三六ハー七行 ) 。 六「涙」に「波」をひびかす。「水」 をむな 「せき」が縁語。入水した浮舟は水 。いとあはれなる御さまになん見えたまひし。女は、いみじくめでたてまっ の上にも面影をとどめぬと嘆く歌。 九 セおのずと表情態度に表れる趣。 りぬべくなん。若くはべりし時より優におはすと見たてまつりしみにしかば、 ^ 女なら誰しも、薫の心やさし いち さを賞讃するに違いないとする。 世の中の一のところも何とも思ひはべらず、ただこの殿を頼みきこえさせてな 九自分の体験を顧みて言う。 ん過ぐしはべりぬる」と語るに、ことに深き心もなげなるかやうの人だに、御一 0 当代最高の権力者。タ霧か。 = 格別思慮深くもなさそうな紀 ありさまは見知りにけりと思ふ。尼君、「光る君と聞こえけん故院の御ありさ伊守でさえ薫の人柄をよくわきま えている。主人の秘密まで軽率に ぞう まには、え並びたまはじとおばゆるを、ただ今の世に、この御族そめでられた言う様子から、浮舟が守をも評す。 一ニ光源氏、六条院。 かたち まふなる。右の大殿とーとのたまへば、紀伊守「それは、容貌もいとうるはしう一三薫とタ霧が源氏の一統。 すけ け七 し

10. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

一気持が落ち着くとかえって。 に、やうやう涙尽くしたまひて、思し静まるにしもそ、ありしさまは恋しうい ニ無性に涙顔でいるのを。 おほむやまひ ひと みじく思ひ出でられたまひける。人には、ただ、御病の重きさまをのみ見せて、三どんな女のことで。 語 五かねての推測の的中する思い 物かくすずろなるいやめのけしき知らせじと、かしこくもて隠すと思しけれど、 氏 六文通のみならず、情交もあっ あやふ 源おのづからいとしるかりければ、「いかなることにかく思しまどひ、御命も危たろうと推測。「 : ・けり」と、確信。 セ宮が必ず執心するはずの女。 きまで沈みたまふらん」と言ふ人もありければ、かの殿にも、いとよくこの御男を魅了させる浮舟の美貌をいう。 ^ もしも浮舟が存命ならば。 ふみ 五 けしき 気色を聞きたまふに、「さればよ。なほよその文通はしのみにはあらぬなりけ九他人の場合よりも。匂宮と自 分 ( 薫 ) が同族で近親の関係だから、 り。見たまひてはかならずさ思しぬべかりし人ぞかし。ながらへましかば、た愚かしく恥をさらすところだった。 一 0 浮舟の死に胸をなでおろす気 だなるよりは、わがためにをこなることも出で来なましと思すになむ、焦が持さえまじる。 一一匂宮は東宮候補とされるだけ 、世人から重視されている。 るる胸もすこしさむる心地したまひける。 三たいした身分でもない者 ( 浮 宮の御とぶらひに、日々に参りたまはぬ人なく、世の騒ぎとなれるころ、こ舟 ) の喪にこもり。女二の宮にも 同じ言い方をした。↓九九ハー三行。 きは とごとしき際ならぬ思ひに籠りゐて、参らざらんもひがみたるべしと思して参一三前に娘を薫にと志したが果せ なかった人 ( ↓東屋一五〇ハー ) 。 おほむをぢぶく しきぶきゃうのみや りたまふ。そのころ、式部卿宮と聞こゆるも亡せたまひにければ、御叔父の服薫の叔父とあるので源氏の異母弟。 きようぶく 一四叔父の服喪は三か月で、軽服。 うすにび 一五うち にて薄鈍なるも、心の中にあはれに思ひょそへられて、つきづきしく見ゅ。す一 = 表だった妻妾ではない浮舟の ための喪服でないが、叔父のため のそれに浮舟を悼む気持をこめる。 こし面痩せて、いとどなまめかしきことまさりたまへり。 おもや ひび 一も 四 九 ひと