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検索対象: 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡
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1. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

一見る値打もないつまらないも 見るかひなきもの色くろくやせたるちごの瘡出でたる。ことなることなき っ 4 をのこい ニできもの。はれもの。 男の行く所おほかるが、ものむづかりする。にくげなるむすめ。 三通って行く先の女。 子 あをにびかりぎぬくろ ひたたれわた まづしげなるものあめの牛のやせたる。直垂の綿うすき。青鈍の狩衣。黒四機嫌を悪くする。主語は男と 草 解した。 ゑぶくろかうぞめき がいほねき 枕柿の骨に黄なる紙はりたる扇。ねずみに食らはれたる餌袋。香染の黄ばみたる = 飴色の毛色をした牛。立派な 牛とされた。 うすずみ ひたたれぶすまえり 六直垂衾。襟・袖がっき直垂の にあしき手を薄墨にかきたる。 形に似た夜具で、綿が厚く入って ほうしな あやきめ 本意なきもの綾の衣のわろき。みやたて人の中あしき。心と法師に成りた セ薄い青ねずみ色。 とくい ^ 柿の木の中心部の黒い縞が入 る人の、さはなくて清からぬ。思ふ人のかくしする。得意の上そしる。冬の雪 った部分。材質が堅く美しい 九携帯用の食料を入れる袋。 ふらぬ。 一 0 うすい紅色。丁字染。 = 下手な筆跡。 三心にかなわず残念なもの。思 ったとおりではなくて不快なもの。 一三宮を建てる大工をさすという。 一四僧としての品格や学問もなく て、の意とみるが、きれいなはず なのに、の意とも解せよう。作者 は法師の「顔」を大切なものとした。 三恋人が秘密を持っているの。 一六自分がひいきにして親しくし ている人を非難する、の意とみる。 て かみ きょ 四 あふぎ かさ う の。 かよ

2. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

一聞いて不愉快な感じがするも る。くれなゐは、月夜にぞわろき。 の。聞きとりにくい不快さをも含 むか ニ耳で聞いて感じられる動作・ 子 二一聞きにくきもの 物腰の雰囲気。 草 三梵語の経典を功徳があるとし こゑ 枕聞きにくきもの声にくげなる人の、ものいひ、わらひなど、うちとけたるて原文のままで読むものであるか ら、眠っていてはだらしがない感 だらによ こゑ じが先に立つ。 けはひ。ねぶりて陀羅尼読みたる。歯黒めつけてものいふ声。ことなることな 五 四歯を黒く染める動作をしなが ひちりきなら ら、の意とみられる。 き人は、もの食ひつつもいふそかし。篳篥習ふほど。 五二〇二段に「うたてけ近く聞 かまほしからず。ましてわろう吹 きたるま、、 。しとにノ、キ、に・ : 」とあ 二二文字に書きてあるやうあらめど心得ぬもの つつ ) 0 六表記する漢字が、実体と異な え いためしほあこめかたびらけいしゆするをけ 文字に書きてあるやうあらめど心得ぬもの炒塩。衵。帷子。屐子。滑。桶。るので理解できないもの。底本は すべて仮名表記なので仮に漢字を 当てるが、当時の漢字は不詳。 セ焼き塩。表記は「撓塩」「板目 塩」。 ^ 「あひこめ」の義で、女性の場 二三下の心かまへてわろくてきょげに見ゆるもの うわぎ 合は表着と単衣の間に着る衣。 九裏をつけない着物。または几 からゑびやうぶー 、しまひかべもりもの 下の心かまへてわろくてきょげに見ゆるもの唐絵の屏風。石灰の壁。盛物。帳の垂れ布。 一 0 下駄や足駄のような履物。 あそび = 米のとぎ汁。洗髪に用いる。 檜皮葺の屋の上。かうしりの遊。 ひはだぶきゃうへ ふね 槽。 六 み は四 ぐ ろ

3. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

( 現代語訳一一六四ハー ) 一三木の上の男の子がおろすと。 一四木の上の男の子が言うと。 一四八清げなるをのこの、双六を はかま 一五「黒き袴着たるをのこ」が 一九 一ハ 一六木の上の男の子が。 とうだい すぐろくひひとひ 清げなるをのこの、双六を日一日打ちて、なほ飽かぬにや、短き灯台に火を宅梅の実などがなっている時に もこうした光景が見られることだ。 どうばん あ 天黒白の駒を積み上げ、さいの 明かくかかげて、かたきの賽をこひ責めて、とみにも入れねば、筒を盤の上に 目によっておろして進めて行く遊 かりぬくび 立てて待つ。狩衣の領の顔にかかれば、片手して押し入れて、いとこはからぬび。↓一四二段。 一九背丈の低い灯台。盤面を明る えばうし くするために低いものを用いた。 烏帽子を振りやりて、「賽いみじうのろふとも、打ちはづしてむや」と、心も ニ 0 以下は「をのこ」と「かたき」と の行動であるが主語が明示されな となげにうちまもりたるこそ、ほこりかに見ゆれ。 いのでどちらにでも考えられる部 分がある。仮に「をのこ」中心に解 する。相手がさいをよい目が出ぬ 一四九碁をやんごとなき人の打っとて よう強いて祈り、特に急いで筒に 入れないので。 ひも 碁をやんごとなき人の打っとて、紐うち解き、ないがしろなるけしきに、ひ三「をのこ」の行動。下文「狩衣 の : ・」も「をのこ」の描写。 段ろひ置くに、おとりたる人の、ゐずまひもかしこまりたるけしきに、碁盤より一三「 ( 相手が ) 賽をいくらのろっ ニ六 ても、打ち損うものかと、じれ そでした およ はすこし遠くて、及びつつ、袖の下いま片手にて引きやりつつ、打ちたるもをつたそうに。 のうしひも ニ三直衣の紐をくつろいで解き。 第 ニ四つまんで盤に置く。 一宝身分の低い人。 ニ六及び腰になって。 ニ 0 せ あ ニ四

4. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

ごぎ づこよりぞ」と問へば、「まかりにけり」、取り入れたれば、ことさらに御座と一「まかるは対話敬語。話し手 が、自己側の者が「行く」意を謙譲 して言う。ここも仮に会話とみて、 いふ畳のさまにて高麗など清らなり。心のうちには、さにゃあらむと思へば、 下に「とて」がある気持で解く。 子 なほおばっかなきに、人ども出だして求めさすれば、失せにけり。あやしがりニ貴人の御座所の畳の上に重ね 草 て敷く畳。 三中宮様ではないかと思う。 枕笑へど、使のなければ、言ふかひなし。所たがへなどならば、おのづからもま 四使いを探させたところ。 へんあない た言ひに来なむ。宮の辺に案内しにまゐらせまほしけれど、なほたれかすずろ五妙なことだと不思議がって笑 うが。三巻本「あやしがり言へど」。 ごと 六持って来る場所をまちがえる。 にさるわざはせむ。仰せ言なンめりと、いみじうをかし。 セ実際はどうなのか内情を問い おと さきゃう 二日ばかり音もせねば、うたがひもなくて、左京の君のもとに、「かかる事合せに。 ^ 場所ちがいならまた来るであ なむある。さる事やけしき見たまひし。しのびてありさまのたまひて、さる事ろうから、来ないところをみると。 九一四六段に中宮付きの女房と して名前が見える。三巻本「右京 見えずは、かく申したりとも、な散らしたまひそ」と言ひにやりたるに、「い の君」。 一一のち みじう隠させたまひし事なり。ゅめゅめまろが聞えたると、な後にも」とあれ一 0 私がこう申しあげたというこ とも、口外なさらないでください ふみ ば、さればよと、思ひしもしるく、をかしくて、文書きて、またみそかに御前 = 下に「のたまひそ」など省略。 一ニ中宮に対する御返事の手紙。 かうらん の高欄に置かせしものは、まどひしほどに、やがてかき落として、御階のもと一三使いの者がまごまごしていた うちに、そのまま下にかき落して。 一四こうして紛失してしまったの に ~ 洛、ち一にけ・り % で届かなかった、のふくみ。 一五関白道隆。 みはし 五

5. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

雛の調度。蓮の浮き葉のいと小さきを、池より取りあげて見る。葵の小さき四段動詞化したもの。装束を立派 に着せられて。 あおい 一五賀茂祭に用いる二葉葵。 しと , つつノ \ し。 も、いと , つつくし。何も何も、小さきものは、、 一六「二つばかりなるが」は「白う ふたあゐ いみじう肥えたるちごの、二つばかりなるが、白ううつくしきが、二藍の薄うつくしきが、「 : ・あげたるが」と ならんで「這ひ出でたる」にかかる。 きめ 宅漢詩文。 いとうつくし。八つ 物など、衣長くて、たすきあげたるが、這ひ出でたるも、 天「おはす」は、実在人物につい を」な ふみ 九つ十ばかりなるをのこの、声幼げにて文よみたる声、いとうつくしうおはす。て述べたため敬語が添ったものか。 しかしそれなら「よみたまふ」とあ にはとりひな あしだか きめ ってしかるべきで、やや疑わしい 鶏の雛の、足高に、白うをかしげに、衣短げなるさまして、ひょひょとか すね 一九足の脛が長い様子。 しがましく鳴きて、人のしりに立ちてありくも、また親のもとに連れ立ちてあニ 0 かるがもの卵という。 三不審。この前後異文が多い。 さり つば 三巻本「かりのこ。舎利の壺」。 りく、見るもうつくし。かりのこのつばね。なでしこの花。 一三人がそばにいると調子づいて 図にのることであろうが、用例に 一五六人ばへするもの 乏しい ニ三これといった特徴もないつま らない子。 人ばへするものことなる事なき人の子の、かなしくならはされたる。しは ニ四親に甘やかされ馴れているの。 せき 一宝咳。 ぶき。はづかしき人に物言はむとするにも、まづ先に立つ。 兵恥ずかしいほど立派な人。 あなたこなたに住む人の子どもの、四つ五つなるはあやにくだちて、物など毛以下は「ことなる事なき : ・」の 叙述から導かれたもの。 取り散らしてそこなふを、常は引きはられなど制せられて、心のままにもえあ夭むやみに勝手な行動をする。 ひひなてうどはちす ニ四 あふひ

6. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

しと一恥ずかしさに額髪を顔に垂し そ思ひつれ。あさましうも出でにけるかな。いかなる事ありつらむ」と、 ワ】 かけて隠して。 かぢ はづかしがりて、髪をふりかけて、すべり入りぬれば、しばしとどめて、加持ニ童女に対しての僧の言葉。 ごんぎよう 三勤行の時刻。一定の時に念仏 子 を唱える。 すこしして、「いかに。さはやかになりたまへりや」とて、うちゑみたるも、 あいさっ 草 四退出の挨拶。 五不審。一説「法施報当でお布 枕はづかしげなり。 施の意。 さぶら 「しばし候ふべきを、時のほどにもなりはべりぬべければと、まかり申しし六その家における地位の高い女 房。 て出づるを、「しばし。ほうちはうたうまゐらせむ」などとどむるを、いみじセ下二段活用の「たまふ」は謙譲 の意。病人側に立っての口上。 六 じゃうらふ ^ 「いとま」は時間のゆとり。 ういそげば、所につけたる上﨟とおばしき人、簾のもとにゐざり出でて、「い 「ひま」は時と時との間隙。 とうれしく立ち寄らせたまへりつるしるしに、、 しと堪へがたく思ひたまへられ九「など言ひつつ」の下に僧の言 葉が直接くるのは不審。 一 0 「執念」を形容詞化した語。 つるを、ただいまおこたるやうにはべれば、かへすがヘすなむよろこび聞えさ = 「たゆむ」は気をゆるめて油断 しふね する。明日も御いとまのひまには物せさせたまへ」など言ひつつ、「いと執念すること。仮に反語的表現とみる が疑わしい き御物の怪にはべるめるを、たゆませたまへば、さらなむよく侍るべき。よろ三「なる」は伝聞。女房から伝え られた事柄によると。 しく物せさせたまふなるをなむ、よろこび申しはべる」と、ことばずくなにて一三僧に仕える童子。大童子、中 童子などがあったという。 一四不審。一説、上に続けて「大 出づるは、いとたふときに、仏のあらはれたまへるとこそおばゆれ。 かいな きやかなる、腕をいで」と読む。 わらは おほ 清げなる童の、髪長き、また大きやかなるが、いなをいて、思はずに髪長き三白毛髪が気味悪いの。 ものけ す た きこ まう

7. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 1 一「ありく」は移動してまわるこ 思へば、舟に乗りてありく人ばかりゆゅしきものこそなけれ。よろしき深さ と。漕ぎまわる、往来する。 ニ並一通りの深さ。 にてだに、さまはかなきものに乗りて、漕ぎ行くべきものにそあらぬゃ。まし 四 三何とも頼りない様子のものに みづぎは ちひろ てそこひも知らず、千尋などあらむに、物いと積み入れたれば、水際は一尺ば乗って。 ひろ 四一尋は両手をひろげた長さ。 約六尺 ( 約一・八 ) 。 かりだになきに、下衆どもの、いささかおそろしとも思ひたらず走りありき、 五舟べりから海面までの間が一 っゅあらくもせば沈みやせむと思ふに、大きなる松の木などの、一一三尺ばかり尺 ( 約〇・三 ) にも足りないほど 舟が沈み入っているさま。 やかた いつつむつ七 六現代語の「大きい」に当る中古 にてまろなるを、五六ほうほうと投げ入れなどするこそいみじけれ。屋形とい 語は「おほきなり」。 かた 。しささかたのもし。端に立てる者セ「ばんばん」という擬声語。 ふものの方にておはす。されど、奥なるま、、 ^ 舟の中に投げ入れる、とみる。 、一こち・ はやを 九舟上に設けた屋根付きの部屋。 どもこそ、目くるる心地すれ。早緒つけて、のどかにすげたる物の弱げさよ。 「おはす」は唐突すぎて不審。仮に、 絶えなば、何にかはならむ。ふと落ち入りなむ。それだにいみじう太くなども主語を「尊い御方は」とみる。 一 0 目がくらむような気持。「端 に立てる者どもではなく作者が あらず。 「目くるる」のか。 もかうすきかげつまどかうし = 櫓に付ける綱。一端を舟べり わが乗りたるは、清げに、帽額の透影、妻戸、格子上げなどして、されど、 に結び付け一端を櫓の柄にかける。 三「すぐ」は、穴に緒などを通し ひとしうおもげになどもあらねば、ただ家の小さきにてあり。 て結ぶこと。 こと舟見やるこそいみじけれ。遠きは、まことに笹の葉を作りてうち散らし一三この一文わかりにくい 「わたしの乗っているのは、見た 目がきれいに作ってあって、帽額 たるやうにそ、いとよく似たる。とまりたる所にて、舟ごとに火ともしたる、 おく

8. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

わらは たけばかりは衣の裾にはづれて、袴のみあざやかにて、そばより見ゆる童べの、解した。「童べ」「若き人」とも「取 りあつめおこし立てなどする」の せんぎい 若き人の、根ごめに吹き折られたる前栽などを、取りあつめおこし立てなどす主語。 一セ少女が、自分も前栽の世話な すだれ どをしたくてうらやましげに簾を るを、うらやましげに押し張りて、つき添ひたるうしろもをかし。 外に押し張って外を見ているさま。 天「小袿」を着た女性に付き添っ ている後ろ姿もおもしろい。作者 一八七、いにくきもの は室内から見ているのである。 一九おくゆかしい感じがするもの。 一九 、いにくきもの物へだてて聞くに、女房とはおばえぬ手の、しのびやかに聞ニ 0 「女房とは : ・」とわざわざ言う のは、、かにも上品な感じをいう か。「手」は、人を呼ぶためにたた えたるに、こたへわかやかにして、うちそよめきてまゐるけはひ。おものまゐ く手の音。 るほどにや、箸、匙などの取りまぜて鳴りたる。ひさげの柄の倒れ伏すも、耳ニ一「はいーと言うような返事 一三「けはひ」は、耳で聞く様子。 ニ三召しあがる意の尊敬語。 こそとまれ。 一西「取ります」は他動詞。音をと りまぜる、とみる。 打ちたる衣のあざやかなるに、さわがしうはあらで、髪の振りやられたる。 一宝提子。酒などを杯に注ぐ器。 あぶら すだれ いみじうしつらひたる所の、御との油は、まゐらで、長炭櫃にいとおほくおニ六「鉤」は、簾を巻き上げた時に 暇 ニ六 かけるかぎ形の金物。 一もかう みきちゃうひも こしたる火の光に、御几帳の紐の見え、御簾の帽額の上げたる鉤のきはやかな毛灰の掃目がきれいなこと。 ニ ^ 火鉢の内側に描いてある絵を ひをけ 第 まきえ いうか。一説、蒔絵。 るも、けざやかに見ゅ。よく調じたる火桶の、灰清げにおこしたる火に、よく ひばし ニ九 ニ九火箸が斜めに灰に刺してある さき かきたる絵の見えたる、をかし。箸のいときはやかに筋かひたるもをかし。 きめ きめすそ はしかひ てう はかま ニ七 ながすびつ え たふ きこ ひさげ

9. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

くらゐ 位こそなほめでたきものにはあれ。同じ人ながら、大夫の君や、侍従の君な一官位をめぐっての感想。 ニ五位に叙せられた名家の子弟 ど聞ゆるをりは、、 しとあなづりやすきものを、中納言、大納言、大臣などになでまだ官職のない人。 子 三従五位下相当官。名家の子弟 が最初につく官職であることが多 草りぬれば、むげにせんかたなく、やんごとなくおばえたまふ事のこよなさよ。 ずりゃう七 ほどほどにつけては、受領もさこそあンめれ。あまた国に行きて、大弐や四位四「むげに」は、甚だしく。「せ んかたなくは、どうしようもな かんだちめ 、一ま以」 0 などになりぬれば、上達部などもやむごとながりたまふめり。 五「おばえ」は、相手によって感 うち めのと じられること。「たまふーは、中納 女こそなほわろけれ。内わたりに、御乳母は、内侍のすけ、三位などになり 言等になった人への敬語。 おもおも ぬれば、重々し。されど、さりとてはど過ぎ、何ばかりの事かはある。またお六身分身分に応じて言えば。 セ「やんごとなくこそおばゅめ きたかた ほくやはある。受領の北の方にてくだるこそ、よろしき人のさいはひには思ひれ」の意。 ^ 「あまた国ーで一語。 きさき かんだちめ 九大宰府の次官。 てあンめれ。ただ人の上達部のむすめにて后になりたまふこそめでたけれ。 一 0 大国従五位上、上国従五位下、 されど、なほ男は、わが身のなり出づるこそめでたく、うちあふぎたるけし中国正六位下、下国従六位下相当。 一九 = 男に比べて劣っている。 ぐぶ なにごと 三典侍従四位相当。 きよ。法師などの、なにがし供奉など言ひてありくなどは、何事かは見ゆる。 一三しかしそうかといってすでに 経たふとくよみ、め清げなるにつけても、女にあなづられて、なりかかりこそ老年になっているのだから、どれ くらいのよいことがあろ、つか、あ そうづ そうじゃう り・はし・ + ない すれ。僧都、僧正になりぬれば、「仏のあらはれたまへるにこそ」と、おばし 一四普通の身分の人の幸福。 せつけ 一五摂家・清華家などの家柄では まどひて、かしこまるさまは、何にかは似たる。 き - 」 ニ 0 五 一四 ないし だいじん てんじ

10. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

と続けて読むべきか。 腹ぎたなく、しりつぐる人もなし。 三仮に、宮中での女房名を「姓」 ひんがしみかど 一条院、造られたるひとまの所には、つらき人をばさらに寄せず、東の御門で呼ばれるとみる。 一三「平」という由緒ある姓。 一九 - ) びさし につと向ひて、をかしき小廂に式部のおとどもろともに、夜も昼もあれば、う一四前の姓を種にして笑う。 ニ 0 三仮に「さしまじり心」を一語と 、一よひ うちね へも常に物御覧じに出でさせたまふ。「今宵はみな内に寝む」とて、南の廂にみる。 一六中宮様あたりが「見苦しい」な のち ふたりふ 二人臥しぬる後に、いみじうたたく人のあるに、「うるさし」など言ひ合はせど仰せになるけれど、意地悪くそ れを知って当人に告げる人もない、 そらね て、寝たるやうにてあれば、なほかしがましう呼ぶを、「あれ起こせ。空寝なと仮に解する。一説「御前を渡る のは見苦しい」と成信がおっしゃ らむ」と仰せられければ、この兵部起こせど、寝たるさまなれば、「さらに起る、とみるが「仰せ」が不審である。 宅今内裏。↓二四一段。 きたまはざりけりと言ひには行きたるが、やがてゐつきて物言ふなり。しば天以下の記述は田五七段に似る。 一九帝。「宮」の誤写か。 ごんの ・一び一し ニ 0 小廂ではなく、中で。 しかと思ふに、夜いたうふけぬ。権中将こそあンなれ。「こは何事をかうは言 ニ一「いみじうたたく人」のもとへ あかっき 言いには行ったのが いかでか知らむ。暁までゐ明かして帰りぬ。 ふ」とて、ただみそかに笑ふも、 一三そのたたく人は。「なり」は声 ニ四 段「この君いとゆゅしかりけり。さらにおはせむものに、言はじ。何事をさは言その他による推定。 ニ三権中将は。 ニ四不審。あらためて、おいでに ひ明かすそ」など笑ふに、遣戸をあけて、女は入りぬ。 なる時は物を言うまい、とみる。 第 ニ五ひさし っとめて、例の廂に、物言ふを聞けば、「雨のいみじう降る日来たる人なむ、 = 五いつもの小廂で。 ニ六兵部が誰かと話しているのを いとあはれなる。日ごろおばっかなう、つらき事ありとも、さて濡れて来たら聞いているのであろう。 やりど ひる ひさし