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検索対象: 完訳 日本の古典 第二十四巻 和泉式部日記 紫式部日記 更級日記

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完訳 日本の古典 第二十四巻 和泉式部日記 紫式部日記 更級日記


参 考 文 献 潮 社 主 要 注 釈 書 日 」 主 要 研 究 書 部 和 泉 式 部 日 記 ( 岩 波 文 庫 ) 清 水 文 雄 昭 ( 昭 改 版 ) 和 泉 式 部 全 集 本 文 篇 ・ 資 料 篇 吉 田 幸 一 昭 ・ れ 泉 岩 波 書 店 和 文 庫 和 泉 式 部 日 記 新 註 玉 井 幸 助 昭 幻 世 界 社 和 泉 式 部 日 記 の 研 究 大 橋 清 秀 昭 初 音 書 房 和 泉 式 部 日 記 考 注 尾 崎 知 光 昭 四 文 京 書 院 和 泉 式 部 日 記 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 ) 遠 藤 嘉 基 昭 岩 新 講 和 泉 式 部 物 語 遠 藤 嘉 基 昭 塙 書 房 和 泉 式 部 研 究 一 ー 和 泉 式 部 日 記 の 基 礎 的 研 究 ー 、 一 一 ー 書 写 と 伝 波 書 店 承 に よ る 和 泉 式 部 歌 考 ー 吉 田 幸 一 昭 ・ 肥 古 典 文 庫 和 泉 式 部 日 記 ( 日 本 古 典 全 書 ) 山 岸 徳 平 昭 朝 日 新 平 安 朝 日 記 Ⅱ ( 日 本 文 学 研 究 資 料 叢 書 ) 昭 有 精 堂 聞 社 和 泉 式 部 日 記 論 攷 森 田 兼 吉 昭 笠 間 書 院 全 講 和 泉 式 部 日 記 円 地 文 子 ・ 鈴 木 一 雄 昭 至 文 堂 和 泉 式 部 日 記 伝 本 攷 伊 藤 博 昭 桜 楓 社 和 泉 式 部 日 記 ( 日 本 古 典 文 学 全 集 ) 藤 岡 忠 美 昭 、 和 泉 式 部 主 要 書 学 館 和 泉 式 部 日 記 ( 鑑 賞 日 本 古 典 文 学 ) 清 水 文 雄 昭 角 和 泉 式 部 集 ・ 和 泉 式 部 続 集 ( 岩 波 文 庫 ) 清 水 文 雄 昭 引 ( 昭 新 版 ) 岩 波 書 店 川 書 店 和 泉 式 部 、 ( 日 本 詩 人 選 ) 寺 田 透 昭 恥 筑 摩 書 房 和 泉 式 部 日 記 ( 日 本 古 典 新 書 ) 鈴 木 一 雄 昭 引 創 英 社 和 泉 式 部 い の ち の 歌 篠 塚 純 子 昭 引 至 文 堂 和 泉 式 部 日 記 ( 講 談 社 文 庫 ) 川 瀬 一 馬 昭 講 談 社 和 泉 式 部 日 記 ( 講 談 社 学 術 文 庫 ) 小 松 登 美 昭 講 談 社 和 泉 式 部 馬 場 あ き 子 昭 美 術 公 論 社 和 泉 式 部 日 記 ( 鑑 賞 日 本 の 古 典 ) 阿 部 俊 子 昭 尚 学 女 性 と 民 間 伝 承 柳 田 国 男 昭 7 岡 書 院 ( 『 柳 田 国 男 先 生 著 作 集 』 第 七 冊 と し て 昭 和 年 に 実 業 之 日 本 社 か ら 再 図 書 刊 。 ま た 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 八 巻 に も 所 収 ) 和 泉 式 部 日 記 ( 新 潮 日 本 古 典 集 成 ) 野 村 精 一 昭 新 古 典

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日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) ① 古 事 記 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 京 都 大 学 ) ロ ロ 萬 葉 集 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 日 本 霊 異 記 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 回 古 今 和 歌 集 竹 取 物 語 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) 囮 伊 勢 物 語 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) 土 佐 日 記 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 回 蜻 蛉 日 記 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) CÜ 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 囮 囮 枕 草 子 秋 山 虔 ( 東 京 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 九 州 大 学 ) 囮 ー 源 氏 物 語 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 成 城 大 学 ) 和 泉 式 部 日 記 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 更 級 日 記 鈴 木 一 雄 ( 明 治 大 学 ) 夜 の 寝 覚 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 無 名 草 子 CÜ 橘 健 一 一 ( 東 京 女 子 体 育 大 学 ) 四 大 鏡 馬 淵 和 夫 ( 中 央 大 学 ) 今 昔 物 ä 集 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ ー 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 梁 塵 秘 抄 CÜ 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) 3 新 古 今 和 歌 集 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 囮 ⑩ と は す が た り 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) ⑩ 囿 字 治 拾 遺 物 語 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) ー 調 平 家 物 語 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 囿 謡 曲 集 ロ 風 姿 花 伝 佐 藤 喜 久 豊 点 斈 短 契 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 北 川 忠 彦 ( 京 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 囮 狂 言 集 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 御 伽 草 子 集 暉 埈 康 降 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ 好 色 一 代 男 好 色 五 人 女 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 好 色 一 代 女 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 國 日 本 永 代 蔵 万 の 文 反 古 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 世 間 胸 算 用 井 本 農 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 図 芭 蕉 句 集 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 は 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 近 松 門 左 衛 門 集 雨 月 物 語 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 春 雨 物 語 囮 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 黯 理 一 ( 成 喫 学 ) 曰 ロ 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 可 山 可 古 典 詞 華 集 丸 山 一 彦 ( 宇 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

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和 泉 式 部 日 記 130 和 泉 式 部 参 考 事 項 事 天 皇 年 号 西 腐 推 定 年 齢 一 条 正 暦 四 九 九 一 一 一 一 六 歳 敦 道 親 王 元 服 、 四 品 に 叙 す 。 四 月 、 道 隆 没 。 五 月 、 関 白 道 兼 長 徳 一 兀 九 九 五 一 八 歳 没 。 道 長 内 覧 の 宣 旨 を 賜 る 。 四 月 、 内 大 臣 伊 周 、 中 納 言 隆 家 長 徳 一 一 九 九 六 一 九 歳 こ の こ ろ 、 橘 道 貞 と 結 婚 か 配 流 。 長 徳 一 一 一 九 九 七 二 〇 歳 こ の こ ろ 小 式 部 出 生 か 。 長 保 一 兀 九 九 九 二 二 歳 ニ 月 、 道 貞 、 和 泉 守 に 任 ず 。 九 月 、 大 江 雅 致 、 太 皇 太 后 宮 大 十 一 月 、 道 長 女 彰 子 人 内 ( 十 二 進 。 道 貞 、 同 権 大 進 を 兼 ね る ( 小 右 記 ) 。 十 ニ 月 、 昌 子 内 親 歳 ) 。 王 、 雅 致 邸 ( 実 は 三 条 の 道 貞 邸 ) に て 崩 御 ( 小 右 記 ) 。 長 保 一 一 一 〇 〇 〇 一 一 三 歳 一 月 二 十 日 ご ろ 道 貞 在 京 ( 権 記 ) 。 こ の 秋 か 前 年 秋 、 和 泉 式 部 、 和 泉 国 に 赴 く こ と あ り ( 和 泉 式 部 集 ) 。 長 保 三 一 〇 〇 一 二 四 歳 こ の こ ろ 、 為 尊 親 王 と の 恋 。 親 王 十 月 よ り 病 気 ( 権 記 ) 。 十 一 前 年 十 一 月 よ り 疫 病 さ か ん で 死 者 続 出 。 七 月 ご ろ よ う や く お さ 月 、 雅 致 木 工 頭 に 任 ず 。 ま る ( 日 本 紀 略 ) 。 は れ も の 長 保 四 一 〇 〇 一 一 二 五 歳 五 月 、 為 尊 親 王 腫 物 を わ ず ら う ( 権 記 ) 。 六 月 十 三 日 親 王 没 三 月 、 花 山 院 書 写 山 に 御 幸 。 ( 二 十 六 歳 ) 。 長 保 五 一 〇 〇 三 一 一 六 歳 四 月 十 余 日 、 敦 道 親 王 と の 贈 答 歌 。 ー こ れ よ り 『 和 泉 式 部 日 四 月 十 四 日 、 賀 茂 祭 ( 日 本 紀 略 ) 。 記 』 始 る ー 十 ニ 月 十 八 日 、 和 泉 、 宮 に 連 れ ら れ て 宮 邸 人 り 。 寛 弘 元 一 〇 〇 四 二 七 歳 一 月 一 日 、 院 の 拝 社 。 某 日 、 宮 の 北 の 方 、 宮 邸 を 退 去 し よ う 一 月 三 日 、 「 冷 泉 院 に 参 る 。 内 と す る 。 ー 『 和 泉 式 部 日 記 』 の 記 事 こ こ で 終 る ー 。 ニ 月 、 府 ・ 御 家 の 諸 卿 等 、 皆 来 る 。 拝 宮 と と も に 藤 原 公 任 の 白 河 院 に 花 見 に 行 く ( 和 泉 式 部 集 ) 。 三 礼 あ り 」 ( 御 堂 関 白 記 ) 。 月 、 道 貞 陸 奥 守 と な り 赴 任 ( 御 堂 関 白 記 ) 。 四 月 、 賀 茂 祭 見 物 に 宮 と 同 車 し て 衆 目 を 集 む ( 大 鏡 ) 。 項

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は 貞 元 二 年 ( 九 七 七 ) の 生 れ だ か ら 、 和 泉 と ほ ぼ 同 年 齢 で あ っ た 。 好 色 で 多 く の 女 性 遍 歴 を し 、 悪 疫 を も 顧 み ず 和 泉 や 新 中 納 言 の も と に 通 っ た の で 感 染 し て 亡 く な っ た と 『 栄 花 物 語 』 に 記 さ れ る 。 長 保 四 年 ( 一 00 一 l) 六 月 十 一 二 日 、 二 十 六 歳 の こ と で あ っ た 。 和 泉 と の 関 係 は せ い ぜ い 一 年 間 ぐ ら い で あ ろ う か 。 な お 親 王 の 病 気 は 、 ご ん き 『 権 記 』 の 記 事 か ら す る と 疫 病 に 発 す る も の と は 考 え に く い 。 亡 き 為 尊 親 王 へ の 追 慕 の 場 面 に は じ ま る 『 和 泉 式 部 日 記 』 は 、 長 保 五 年 四 月 十 余 日 の こ と か ら 起 筆 し て 、 あ つ み ち 弟 宮 の 敦 道 親 王 と の あ ら た な 恋 の 十 か 月 間 を 記 す 。 敦 道 親 王 は 実 兄 為 尊 親 王 よ り 四 歳 年 少 で 、 時 に 二 十 三 歳 、 だ ざ い の そ ち そ ち の み や 和 泉 の ほ う が 二 、 三 歳 年 長 で あ っ た ら し い 。 大 宰 帥 で あ っ た た め 、 帥 宮 と よ ば れ た 。 性 質 は 兄 宮 に 似 て 、 す こ し 「 軽 々 ー し か っ た と 『 大 鏡 』 に い う 。 歌 才 に め ぐ ま れ 感 受 性 に 富 む が 、 心 の 揺 れ や す い 弱 さ を も っ 宮 と め し う ど し て 『 和 泉 式 部 日 記 』 に え が か れ て い る 。 同 年 の 十 二 月 十 八 日 に 宮 は 和 泉 を 召 人 と し て 邸 内 に 住 わ せ 、 正 妃 が 憤 然 と し て 邸 を 去 っ て ゆ く 翌 長 保 六 ( 寛 弘 元 ) 年 正 月 で 日 記 は 終 る 。 そ の 年 の 二 月 に は 、 宮 と 和 泉 と は 藤 き ん と う 原 公 任 の 白 川 院 に つ れ 立 っ て 花 見 に 出 か け ( 家 集 ) 、 ま た 四 月 の 賀 茂 祭 に 二 人 が 同 車 し て 人 々 の 注 目 を 集 め た の は ( 『 大 鏡 』 ) 、 世 間 に 挑 戦 的 に さ え な っ て い る 二 人 の 昂 揚 し た 姿 を 伝 え て い る 。 こ の よ う な 宮 と 和 泉 と の 熱 愛 は 、 寛 弘 四 年 ( 一 00 七 ) 十 月 二 日 に 宮 が 二 十 七 歳 の 若 さ で 病 没 す る ま で 、 前 後 四 年 半 に わ た っ て つ づ い た 説 の で あ っ た 。 『 和 泉 式 部 続 集 』 の 前 半 に 、 百 二 十 二 首 の 歌 群 と し て 収 め ら れ て い る 挽 歌 の 悲 痛 さ は 、 そ の こ と を な に よ り も 雄 弁 に 語 っ て く れ る 。 宮 と の 間 に は 一 子 が あ り 、 家 集 に 見 え る 「 石 蔵 の 宮 」 が そ れ に あ た る 解 ら し い 。 む つ の か み と こ ろ で こ の 両 親 王 と の 恋 愛 の 間 、 夫 道 貞 と の 仲 は ど う な っ た か と い う と 、 道 貞 は 陸 奥 守 に 任 ぜ ら れ て 長 保 六 年 ( 一 00 四 ) 三 月 に 都 を た っ た が 、 半 年 後 に 任 地 に よ び よ せ た の は 和 泉 で は な く 別 の 女 性 で あ り 、 子 ま で い わ く ら

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和 泉 式 部 日 = = 。

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本 は 近 世 初 期 の 転 写 本 ) の 諸 本 な ど 、 い ず れ も 「 和 泉 式 部 物 語 」 と 題 さ れ て い る 。 こ の よ う に 「 日 記 」 と 「 物 語 」 と の 両 様 の 名 称 が あ る こ と は 、 と り も 直 さ ず こ の 作 品 の 性 格 の 両 側 面 を あ 記 ら わ す こ と に な ろ う 。 日 付 の 順 序 を 追 い 、 作 者 の 自 照 的 心 情 を 織 り ま ぜ 、 「 憂 き 身 」 「 憂 し 」 「 つ れ づ れ 」 日 ひ ん よ う 部 「 は か な し 」 等 の 心 情 語 の 頻 用 に よ っ て 主 人 公 の 立 場 を 定 置 さ せ て い る か に 見 え る 「 日 記 性 」 に 対 し て 、 作 泉 者 自 身 で あ る は ず の 主 人 公 が 「 女 」 と 第 三 人 称 で よ ば れ 、 こ の 主 人 公 の 直 接 体 験 外 の 世 界 が 描 写 さ れ 、 冒 頭 和 や 終 末 部 に 見 ら れ る よ う な 虚 構 性 に 富 む 「 物 語 性 」 が 指 摘 で き る こ と は 、 た ん に 書 名 を め ぐ る 問 題 で あ る に と ど ま ら ず 、 こ の 作 品 の 特 質 そ の も の に か か わ る 事 で あ る と い え る 。 『 和 泉 式 部 日 記 』 が 「 日 記 」 と も 「 物 語 」 と も 称 さ れ て き た こ と の 一 半 の 理 由 は 、 恋 の 贈 答 歌 を 軸 と し て 構 た か む ら 成 さ れ て い る こ と に あ ろ う 。 王 朝 時 代 の 他 の 作 品 と し て は 、 小 野 篁 の 恋 の い き さ つ を 記 す 宮 内 庁 書 陵 部 本 『 小 野 篁 集 』 が 歌 集 と し て の 書 名 で あ る の に 、 同 一 の 内 容 を も っ 彰 考 館 本 で は 『 篁 物 語 』 と 題 さ れ 、 さ ら に か か い し よ う か ち ょ う よ せ い 『 源 氏 物 語 』 の 古 注 釈 書 『 河 海 抄 』 『 花 鳥 余 情 』 が こ れ を 引 用 す る と き に は 『 篁 日 記 』 の 名 を 掲 げ て い る 。 ま へ い ち ゅ う た 、 好 き 者 平 仲 ( 平 貞 文 ) の 恋 物 語 は 静 嘉 堂 文 庫 本 に 『 平 仲 物 語 』 と 題 さ れ て い る が 、 『 河 海 抄 』 で は 『 貞 文 日 記 』 と し て 引 用 さ れ 、 『 本 朝 書 籍 目 録 』 で は 「 平 中 日 記 一 巻 」 と 掲 げ て い る 。 さ ら に 、 藤 原 高 光 の と う の み ね し よ う し よ う も の が た り 『 多 武 峯 少 将 物 語 』 が 、 そ の 一 部 も し く は 全 部 が 『 高 光 日 記 』 と よ ば れ た こ と も 『 本 朝 書 籍 目 録 』 や 『 河 海 抄 』 に よ っ て 知 ら れ る 。 こ う し た 現 象 が い く つ か 生 れ た の は 、 す な わ ち 当 該 作 品 が 歌 物 語 的 性 格 を そ な え て い る か ら に 他 な ら な い 。 『 和 泉 式 部 日 記 』 を 一 概 に 歌 物 語 と 決 め つ け る の に は 抵 抗 を 感 ず る が 、 全 編 を 構 成 す る 主 軸 が 、 心 情 の 切 実 な 表 現 と し て の 恋 歌 に あ る 点 に 着 目 さ れ た 結 果 と し て 、 「 日 記 」 と も 「 物 語 」 と も 名 付 け ら れ た で あ ろ う こ と が 察 せ ら れ る の で あ る 。 114

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和 泉 式 部 日 記 ノ し 、

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131 和 泉 式 部 日 記 年 譜 寛 弘 一 一 一 〇 〇 五 二 八 歳 こ の こ ろ 、 宮 の 子 石 蔵 の 宮 ( 永 覚 ? ) を 生 む か ( 和 泉 式 部 集 ) 。 十 ニ 月 、 紫 式 部 、 中 宮 彰 子 の も と に 出 仕 か 寛 弘 三 一 〇 〇 六 二 九 歳 七 月 、 道 長 法 性 寺 の 五 大 堂 建 立 。 寛 弘 四 一 〇 〇 七 三 〇 歳 四 月 、 敦 道 親 王 三 品 に 叙 す 。 十 月 二 日 親 王 没 ( 二 十 七 歳 ) 。 同 性 空 上 人 没 ( 九 十 八 歳 ) 。 七 日 木 幡 塔 所 に 埋 葬 。 和 泉 、 宮 邸 南 院 を 去 り 服 喪 中 に 哀 切 な 挽 歌 を 多 く 詠 む ( 和 泉 式 部 続 集 ) 。 寛 弘 五 一 〇 〇 八 三 一 歳 十 月 ま で 服 喪 か 。 寛 弘 六 一 〇 〇 九 三 一 一 歳 葵 祭 の こ ろ 、 中 宮 彰 子 に 出 仕 ( 家 集 ) 。 伊 勢 大 輔 ら と 親 交 。 道 長 に 「 浮 か れ 女 」 と か ら か わ れ る ( 和 泉 式 部 集 ) 。 寛 弘 七 一 〇 一 〇 三 三 歳 三 月 、 大 江 雅 致 越 前 守 。 『 紫 式 部 日 記 』 の 記 事 、 こ の 一 藤 原 保 昌 ( 五 十 三 歳 ) と の 結 婚 は こ の こ ろ か 。 保 昌 の 任 地 丹 後 月 で 終 る 。 へ 赴 き 、 冬 を 越 す か ( 和 泉 式 部 集 ) 。 さ ん に 三 四 歳 十 月 、 散 位 保 昌 ( 御 堂 関 白 記 ) 、 道 長 の 家 司 と し て 四 位 に 叙 せ 六 月 、 一 条 天 皇 譲 位 、 崩 御 。 十 ら れ 、 在 京 。 和 泉 も 在 京 。 月 、 三 条 天 皇 即 位 。 敦 成 親 王 ( 後 一 一 一 条 天 皇 ) 立 太 子 。 長 和 一 一 一 〇 一 三 三 六 歳 四 月 、 保 昌 、 左 馬 権 頭 兼 大 和 守 に 任 ず ( 御 堂 関 白 記 ) 。 長 和 四 一 〇 一 五 三 八 歳 十 月 、 保 昌 、 左 馬 頭 に 任 す 。 後 一 条 長 和 五 一 〇 一 六 三 九 歳 四 月 十 六 日 、 前 陸 奥 守 橘 道 貞 没 ( 左 経 記 ) ( 御 堂 関 白 記 ) 。 寛 仁 元 一 〇 一 七 四 〇 歳 寛 仁 一 一 一 〇 一 八 四 一 歳 一 月 、 摂 政 頼 通 の 大 饗 の 料 の 昇 風 歌 の 詠 者 に 選 ば る ( 御 堂 関 白 記 ) 。 十 ニ 月 、 小 式 部 、 藤 原 教 通 の 子 静 円 を 生 む ( 御 堂 関 白 記 録 に 「 左 馬 頭 保 昌 妻 式 部 」 ( 小 右 記 ) 、 「 江 式 部 」 ( 御 堂 関 白 記 ) の 名 が み え る 。 三 条 寛 弘 八 一 〇 一 一 一 月 、 三 条 天 皇 譲 位 。 道 長 摂 政 と な る 。 ニ 月 、 後 一 条 天 皇 即 位 。 三 月 、 頼 通 摂 政 と な る 。 五 月 、 三 条 院 崩 御 。 ニ 月 、 花 山 院 崩 御 。 『 紫 式 部 日 記 』 の 記 事 こ の 初 秋 に 始 る 。

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参 考 文 献 主 要 注 釈 書 主 要 研 究 書 日 一 更 級 日 記 評 釈 宮 田 和 一 郎 昭 6 麻 田 書 店 日 記 文 学 概 説 玉 井 幸 助 昭 目 黒 書 店 級 更 更 級 日 記 新 釈 曾 沢 太 吉 昭 幻 星 野 書 店 更 級 日 記 總 索 引 東 節 夫 ・ 塚 原 鉄 男 ・ 前 田 欣 吾 昭 引 武 増 訂 更 級 日 記 新 註 玉 井 幸 助 昭 幻 育 英 書 院 蔵 野 書 院 更 級 日 記 ( 日 本 古 典 全 書 ) 玉 井 幸 助 昭 % 朝 日 新 聞 社 平 安 時 代 日 記 文 学 の 研 究 今 井 卓 爾 昭 明 治 書 院 更 級 日 記 評 解 玉 井 幸 助 昭 有 精 堂 平 安 女 流 日 記 の 研 究 宮 崎 荘 平 昭 貯 笠 間 書 院 更 級 日 記 新 釈 西 下 経 一 昭 金 子 書 房 平 安 朝 日 記 Ⅱ 日 本 文 学 研 究 資 料 刊 行 会 昭 有 情 堂 更 級 日 記 の 新 し い 解 釈 佐 伯 梅 友 昭 S 至 文 堂 更 級 日 記 研 究 序 説 西 田 禎 元 昭 教 育 出 版 セ ン タ ー 更 級 日 記 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 ) 西 下 経 一 昭 岩 波 書 更 級 日 記 の 研 究 津 本 信 博 昭 早 稲 田 大 学 出 版 部 店 平 安 後 期 女 流 日 記 文 学 の 研 究 小 谷 野 純 一 昭 田 教 育 出 更 級 日 記 精 講 宮 田 和 一 郎 昭 学 燈 社 版 セ ン タ ー 評 釈 更 級 日 記 阿 部 秋 生 昭 肥 明 治 書 院 影 印 本 更 級 日 記 ( 日 本 古 典 文 学 全 集 ) 大 養 廉 昭 小 学 館 更 級 日 記 大 養 廉 解 説 昭 新 典 社 更 級 日 記 ( 対 訳 日 本 古 典 新 書 ) 吉 岡 曠 昭 創 英 社 更 級 日 記 橋 本 不 美 男 解 説 昭 笠 間 書 院 更 級 日 記 上 下 ( 講 談 社 学 術 文 庫 ) 関 根 慶 子 昭 講 談 社 更 級 日 記 ( 旺 文 社 文 庫 ) 池 田 利 夫 昭 旺 文 社 更 級 日 記 ( 新 潮 日 本 古 典 集 成 ) 秋 山 虔 昭 新 潮 社 更 級 日 記 ( 鑑 賞 日 本 の 古 典 ) 中 野 幸 = 昭 尚 学 図 書 446

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か げ ろ う に つ き 『 蜻 蛉 日 記 』 に よ っ て は じ め ら れ た 王 朝 女 流 日 記 の 作 品 系 列 は 、 作 者 自 身 の 身 の 上 の 回 想 と い う 人 生 観 照 の 視 点 を 核 心 に 据 え る こ と で 一 連 の 共 通 し た 性 格 を も ち な が ら 、 同 時 に 個 々 の 作 品 が そ れ ぞ れ 個 性 ゆ た か に 、 ど う も く い か に 多 彩 に 開 花 し て い る か 、 瞠 目 さ せ ら れ る も の が あ る 。 『 和 泉 式 部 日 記 』 に お い て も こ と は 同 様 な の で あ る が 、 こ の 日 記 の 王 朝 女 流 日 記 中 に 占 め る 特 異 な 立 場 は 、 そ の 書 名 の 伝 え ら れ 方 に 端 的 に 示 さ れ て い る と い え よ う 。 す な わ ち 、 こ の 日 記 の 書 名 と し て は 、 『 和 泉 式 部 日 記 』 の ほ か に 『 和 泉 式 部 物 語 』 と い う 名 称 が あ り 、 こ 説 の 二 つ が す で に 鎌 倉 ・ 室 町 時 代 か ら 並 行 し て 行 わ れ て い た ら し い の で あ る 。 永 仁 二 年 ( 一 一 一 西 書 写 の 『 本 ち ょ う し よ じ ゃ く も く ろ く 朝 書 籍 目 録 』 に 「 和 泉 式 部 日 記 、 一 巻 、 と 記 さ れ る の が 、 最 古 の 文 献 で あ る 。 と こ ろ が 一 方 、 主 要 な 写 本 さ ん じ よ う に し さ ね た か 解 類 の 表 紙 に 記 さ れ て い る 書 名 で い う と 、 本 書 の 底 本 に 用 い た 長 享 二 年 ( 一 哭 0 三 条 西 実 隆 書 写 と お ぼ し き 三 条 西 家 本 、 お よ び 群 書 類 従 所 収 本 ( 巻 三 百 一 一 十 ) の 二 本 だ け は 「 和 泉 式 部 日 記 」 で あ る が 、 あ と は 寛 一 兀 本 ( 寛 元 四 年 〈 一 = 四 六 〉 奥 書 、 現 存 本 は 近 世 初 期 の 転 写 本 ) に 属 す る 諸 本 、 お よ び 応 永 本 ( 応 永 一 一 十 一 年 〈 一 四 一 四 〉 奥 書 、 現 存 一 書 名 ん