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検索対象: 完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集

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完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


現 在 、 人 手 し や す い 世 話 浄 瑠 璃 の 注 参 考 文 献 釈 書 の み を 次 に 掲 げ る 嶼 近 松 門 左 衛 門 集 ( 日 本 古 典 全 書 ) 高 野 正 巳 昭 朝 日 衛 新 聞 社 近 松 浄 瑠 璃 集 上 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 ) 重 友 毅 昭 岩 波 書 店 曾 根 崎 心 中 ( 解 釈 と 研 究 ) 藤 野 義 雄 昭 桜 楓 社 近 松 世 話 物 集 ( 角 川 文 庫 ) 諏 訪 春 雄 昭 恥 角 川 書 店 近 松 門 左 衛 門 集 一 ・ 一 一 ( 日 本 古 典 文 学 全 集 ) 森 修 ・ 鳥 越 文 蔵 ・ 長 友 千 代 治 昭 貯 小 学 館 全 講 心 中 天 の 網 島 祐 田 善 雄 昭 至 文 堂 代 言 近 松 世 話 物 集 ( 旺 文 社 文 庫 ) 守 随 憲 治 昭 引 旺 文 社 近 松 集 ( 鑑 賞 日 本 の 古 典 ) 原 道 生 昭 尚 学 図 書 心 中 天 の 網 島 廣 末 保 昭 田 岩 波 書 店

完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 ① 古 事 記 佐 竹 昭 広 ( 京 都 大 学 ) ロ ロ 萬 葉 集 日 本 霊 異 記 古 今 和 歌 集 竹 取 物 語 ⑩ 伊 勢 物 語 土 佐 日 記 回 蜻 蛉 日 記 囮 枕 草 子 回 ー 源 氏 物 語 和 泉 式 部 日 記 紫 式 部 日 記 更 級 日 記 夜 の 寝 覚 堤 中 納 言 物 語 無 名 草 子 CÜ 四 大 鏡 今 昔 物 語 集 本 朝 世 俗 部 梁 塵 秘 抄 調 新 古 今 和 歌 集 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 秋 山 虔 ( 東 京 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 九 州 大 学 ) 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 成 城 大 学 ) 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 大 養 廢 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 鈴 木 一 雄 ( 明 治 大 学 ) 稲 賀 敬 一 ズ 広 島 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 橘 健 一 一 ( 東 京 女 子 体 育 大 学 ) 曰 ー 馬 淵 和 夫 ( 中 央 大 学 ) 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 曰 ロ 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 曰 ロ 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 囮 3 と は す が た り 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) ⑩ 回 字 治 拾 遺 物 語 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) 囮 ー 囮 平 家 物 語 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 佐 藤 喜 久 雄 ( 学 女 子 短 入 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 囮 謡 曲 集 風 姿 花 伝 北 川 忠 彦 ( 京 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 囮 狂 言 集 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 御 伽 草 子 集 暉 畯 康 降 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ 好 色 一 代 男 好 色 五 人 女 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 好 色 一 代 女 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 國 日 本 永 代 蔵 万 の 文 反 古 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 世 間 胸 算 用 井 本 農 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 図 芭 蕉 句 集 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 は 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 近 松 門 左 衛 門 集 雨 月 物 語 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 春 雨 物 語 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 理 一 ( 成 学 ) 曰 ロ 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 〔 〕 可 古 典 詞 華 集 丸 山 一 彦 ( 字 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


近 松 門 左 衛 門 集 6 一 、 そ の 他 1 ロ 絵 に 関 し て 、 山 田 宗 循 氏 、 サ ン ト リ ー 美 術 館 、 早 稲 田 大 学 演 劇 博 物 館 の ご 配 慮 を 得 た 。 記 し て 謝 意 を 表 す る 。 本 書 は 、 日 本 古 典 文 学 全 集 ( 小 学 館 ) の 「 近 松 門 左 衛 門 集 一 、 二 」 を も と に 、 注 、 現 代 語 訳 を 再 検 討 し て 、 よ り 親 し み や す い も の と し た 。 先 の 日 本 古 典 文 学 全 集 作 成 時 に 恩 恵 を 蒙 っ た 方 々 、 加 え て そ の 後 に 近 松 の 注 釈 書 を 出 版 さ れ た 、 守 随 憲 治 、 諏 訪 春 雄 、 廣 末 保 、 三 氏 の 著 作 を 参 照 さ せ て い た だ い た 。 な お こ の 作 業 に は 、 斎 藤 久 美 子 、 福 田 美 知 子 両 氏 の 協 力 を 願 っ た 。 合 せ て 謝 意 を 表 す る も の で あ る 。

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383 近 松 関 係 略 年 譜 正 徳 元 一 七 一 一 四 一 七 一 四 62 61 三 月 一 一 十 五 日 以 前 竹 本 座 「 傾 城 吉 岡 染 」 上 演 。 四 月 八 日 、 竹 本 座 「 心 中 万 年 草 」 上 演 。 し ゅ て ん ど う じ ま く ら の こ と の は 五 月 五 日 以 前 か 竹 本 座 「 酒 呑 童 子 枕 言 葉 」 上 演 。 は ら み 閏 八 月 か 竹 本 座 「 孕 常 盤 」 上 演 。 も の み ぐ る ま 〇 こ の 年 か 、 竹 本 座 「 兼 好 法 師 物 見 車 」 上 演 。 ご ば ん た い へ い き 〇 こ の 年 か 、 竹 本 座 「 碁 盤 太 平 記 」 上 演 。 よ し の み や こ お ん な く す の き 〇 こ の 年 か 、 竹 本 座 「 吉 野 都 女 楠 」 上 演 。 こ の 作 品 の 時 、 初 め て 七 行 の 浄 瑠 璃 本 刊 行 。 〇 こ の こ ろ 、 心 中 流 行 す 。 ー レ ト 4 う 、 を 、 ト 4 ・ つ 、 つ 、 - う ~ い し う す り か わ 一 月 二 十 一 日 以 前 か 「 鎌 田 兵 衛 名 所 盃 」 「 源 義 経 将 棊 経 」 「 薩 摩 歌 」 「 曾 我 扇 八 景 」 「 曾 我 虎 が 磨 」 「 堀 川 な み の つ づ み 波 鼓 」 上 演 。 一 月 一 一 十 一 日 、 宇 治 加 賀 掾 没 。 享 年 七 十 七 歳 。 一 月 竹 本 座 「 新 い ろ は 物 語 」 上 演 。 夏 か 竹 本 座 「 今 宮 の 心 中 」 上 演 。 初 秋 以 前 か 竹 本 座 「 螟 途 の 飛 脚 」 「 百 合 若 大 臣 野 守 鏡 」 上 演 。 秋 筑 後 掾 段 物 集 『 鸚 鵡 ケ 杣 』 ( 初 秋 刊 ) に 跋 文 を 書 く 。 た い し よ か ん 十 月 前 後 か 竹 本 座 「 大 職 冠 」 上 演 。 あ わ の な る と 8 初 春 か 竹 本 座 「 タ 霧 阿 波 鳴 渡 」 上 演 。 け い せ い さ か ず き ぐ ん だ ん 春 八 文 字 屋 自 笑 作 の 浮 世 草 子 『 傾 城 盃 軍 談 』 ( 九 月 刊 ) に 序 文 を 書 く 。 か け も の ぞ ろ え 三 月 竹 本 座 「 傾 城 懸 物 揃 」 上 演 。 〇 こ の こ ろ 、 宇 治 座 「 ふ し み 八 景 」 上 演 。 ( も ち ゃ ま ん ば 0 九 月 以 前 か 竹 本 座 「 嫗 山 姥 」 上 演 こ う き ゼ ん う の は の う ぶ や 九 月 十 日 以 前 か 竹 本 座 「 弘 黴 殿 鵜 羽 産 家 」 上 演 。 秋 竹 本 座 「 長 町 女 腹 切 」 上 演 。 十 一 月 二 十 四 日 、 初 代 竹 島 幸 左 衛 門 没 。 ふ た り し ず か た い な い さ ぐ り 閏 五 月 か 竹 本 座 「 燦 静 胎 内 桾 」 上 演 。 一 月 竹 本 座 「 天 神 記 」 上 演 。 ニ 月 絵 島 生 島 事 件 で 江 戸 山 村 座 断 絶 。

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近 松 門 左 衛 門 集 152 中 之 屋 巻 内 の 段 む ご ぶ し ん ち ゅ う 嘆 く 小 春 も 酷 ら し き ・ 不 心 中 か 、 心 中 か ・ ま こ と の 心 は 女 房 の 、 そ の 一 筆 の 奥 一 不 誠 実 な の か 、 誠 実 な の か の 一 一 小 春 の 真 意 は 。 深 く ・ 誰 が ふ み も 見 ぬ 恋 の 道 、 別 れ て ・ こ そ は 三 重 「 帰 り け れ ・ 三 『 金 葉 集 』 巻 九 に よ る 修 辞 。 「 踏 み 」 と 「 文 」 を 言 い か け る 。 四 「 福 徳 円 満 」 を 「 天 満 天 神 」 に き か せ る 。 五 「 天 満 天 神 」 の 各 を 取 っ て 名 づ け ら れ た 橋 。 六 治 兵 衛 の 家 は 天 満 宮 前 町 に あ っ た 。 七 「 神 」 を き か せ る 。 八 神 に か か る 枕 詞 「 千 早 振 る 」 と 「 降 る ほ ど 」 を 言 い か け る 。 「 降 る あ ま み つ か み す ぐ て ん じ ん ば し ゆ き か よ ふ く と く ほ ど 」 は 大 勢 の 人 が 買 い に 来 る 意 。 ( ル フ シ 中 福 徳 に ・ 地 ( ル 天 満 神 の 名 を 直 に 天 神 橋 と 行 通 ふ ・ 九 諺 に よ り 、 「 神 」 と 「 紙 」 を 言 い 〔 一 巴 お さ ん の 女 房 ふ り ま ち い と な わ ざ カ み み せ 所 も 、 神 の ま へ 町 。 営 む 業 も 紙 見 世 に ・ 紙 屋 治 兵 衛 と 名 か け る 。 一 0 場 所 柄 が 繁 華 で よ い の 意 。 と こ ろ が ら し に せ ち は や を つ け て 、 千 早 ふ る ほ ど 買 ひ に 来 る ・ か み は 正 直 、 商 売 は フ シ 所 柄 な り 、 老 舗 = 父 祖 の 家 業 を 守 り 、 手 堅 く 商 売 を 続 け る こ と 。 一 ニ 枕 も と に 立 て る 小 型 の 屏 風 。 な り ・ ↓ 一 四 二 謇 注 一 三 。 宮 前 町 を 北 こ た つ う た 、 ね ま く ら び や う ぶ 地 色 中 夫 が 火 燵 に 転 寝 を 、 枕 屏 風 で 風 防 ぐ ・ 外 は 十 夜 の 人 通 り 。 見 世 と 内 と を に 行 っ た 天 満 の 寺 町 に は 浄 土 宗 の 寺 々 が あ り 、 十 夜 の 参 詣 人 が 紙 治 こ 、 ろ く ば ゅ ふ め し ど き い ち か は の 店 の 前 を 通 行 し た の で い う 。 一 締 め に ・ 女 房 お さ ん の 色 心 配 り ・ 詞 日 は 短 し 夕 飯 時 、 市 の 側 ま で 使 に 行 て ・ 一 四 一 手 に と り し き り 。 紙 を 数 え さ ん ご ら う 玉 は 何 し て ゐ る こ と ぞ ・ 地 色 中 こ の 三 五 郎 め が 戻 ら ぬ こ と 。 風 が 冷 い 、 二 人 の 子 る 言 葉 。 ( 現 代 語 訳 三 一 四 ハ ー ) た こ た っ じ ふ や ひ と ふ ぞ い 、 0

完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


近 松 門 左 衛 門 集 378 承 年 じ 、 号 近 西 松 暦 関 1 齢 略 年 延 宝 三 近 松 関 連 事 項 お よ び 作 品 〇 越 前 藩 士 杉 森 市 左 衛 門 信 義 の 次 男 と し て 福 井 に 生 れ る ( 杉 森 家 資 料 ) 。 三 月 狂 言 尽 し を 条 件 に 歌 舞 伎 興 行 再 開 を 許 可 。 〇 宇 治 嘉 太 夫 十 九 歳 、 竹 本 義 太 夫 三 歳 、 坂 田 藤 十 郎 七 歳 。 明 暦 元 一 六 五 五 3 〇 松 平 吉 品 の 分 封 に 従 い 、 父 と と も に 吉 江 に 赴 く 。 寛 文 二 〇 竹 田 近 江 、 道 頓 堀 に か ら く り 芝 居 創 設 。 四 一 六 六 四 〇 こ の こ ろ 、 家 族 と と も に 京 都 へ 移 住 か 。 き ん び ら じ よ う る り 〇 こ の こ ろ 、 江 戸 で 金 平 浄 瑠 璃 は や る 。 た か ら ぐ ら 四 〇 二 月 刊 の 貞 門 俳 書 、 山 岡 元 隣 編 『 宝 蔵 』 に 「 し ら 雲 や は な な き 山 の 恥 か く し 」 の 句 人 集 。 一 月 芭 蕉 、 伊 賀 上 野 よ り 江 戸 に 下 る 。 ニ 月 十 二 日 、 近 松 が 上 京 後 仕 え た と い う 一 条 褝 閤 恵 観 没 。 享 年 六 十 八 歳 。 一 六 七 五 〇 宇 治 嘉 太 夫 、 京 四 条 河 原 で 操 座 を 始 め る 。 〇 こ の こ ろ 、 京 都 で 角 太 夫 節 、 江 戸 で 土 佐 節 、 大 阪 で 文 弥 節 は や る 。 五 一 六 七 七 閏 十 ニ 月 十 一 日 、 嘉 太 夫 、 受 領 し て 加 賀 掾 宇 治 好 澄 と 称 す 。 一 六 七 八 ニ 月 初 代 坂 田 藤 十 郎 、 大 阪 で 歌 舞 伎 「 タ 霧 名 残 の 正 月 」 に 主 演 し 人 気 を 得 る 。 十 月 井 原 西 鶴 作 の 浮 世 草 子 『 好 色 一 代 男 』 刊 。 五 月 大 阪 の 情 死 事 件 を 三 芝 居 脚 色 、 歌 舞 伎 で の 心 中 劇 の 始 り と い う 。 よ っ ぎ そ が 九 月 宇 治 座 「 世 継 曾 我 」 上 演 。 こ れ よ り 嘉 太 夫 も て は や さ れ る 。 翌 年 の 義 太 夫 旗 揚 興 行 に も 改 訂 上 演 。 近 松 は こ れ 以 前 に も 加 賀 掾 の た め に 書 い て い る の は 確 実 だ が 、 確 証 の あ る 作 品 が な い 。 あ わ た ぐ ち 九 月 お さ ん 茂 兵 衛 、 京 都 粟 田 口 に て 処 刑 さ る 。 天 和 二 、 日 1 二 ロ こ の 略 年 譜 の 作 成 に あ た っ て は 、 『 義 太 夫 年 表 近 世 篇 』 を は じ め 、 多 く の 先 覚 の 業 績 を 参 照 し た 。

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近 松 門 左 衛 門 集 380 禄 九 年 号 西 腐 年 齢 十 一 一 六 九 八 十 一 一 一 六 九 九 貯 近 松 関 連 事 項 お よ び 作 品 み ず き た つ の す け た ち ぶ る ま い 九 5 十 月 歌 舞 伎 「 水 木 辰 之 助 餞 振 舞 」 早 雲 座 上 演 。 ひ め ぐ ら だ い こ く ば し ら 十 一 月 歌 舞 伎 「 姫 蔵 大 黒 柱 」 都 座 上 演 。 盆 歌 舞 伎 「 大 名 な ぐ さ み 曾 我 」 都 座 上 演 。 盆 宇 治 座 「 曾 我 七 以 呂 波 」 上 演 。 〇 歌 舞 伎 「 百 夜 小 町 」 切 に 「 タ 霧 七 年 忌 」 都 座 上 演 。 「 タ 霧 七 年 忌 」 は 、 回 忌 に 当 る 貞 享 元 年 初 演 と 推 定 さ れ る が 、 初 演 時 の 狂 言 本 は 現 存 し な い 。 わ こ ま た 〇 こ の こ ろ 、 宇 治 座 「 ( 下 関 ) 猫 策 達 」 ( 添 削 ) 上 演 七 月 十 六 日 以 前 か 竹 本 座 「 吉 野 忠 信 」 上 演 。 一 月 義 太 夫 、 受 領 し て 竹 本 筑 後 掾 藤 原 博 教 と 称 す 。 こ の こ ろ 筑 後 掾 の 芸 の ほ ま れ 四 方 に か が や く 。 か み ぎ よ う 一 月 初 狂 言 、 歌 舞 伎 「 上 京 の 謡 始 」 都 座 上 演 。 〇 二 の 替 、 歌 舞 伎 「 け い せ い 江 戸 桜 」 都 座 上 演 。 け い せ い あ さ ま が だ け 一 月 京 都 早 雲 座 の 歌 舞 伎 「 傾 城 浅 間 嶽 」 で 江 戸 よ り 上 っ た 中 村 七 三 郎 大 評 判 を と る 。 い っ し ん に が び や く ど う 〇 三 の 替 、 歌 舞 伎 「 一 心 二 河 白 道 」 都 座 上 演 。 あ わ な る と 秋 歌 舞 伎 「 傾 城 阿 波 の 鳴 門 」 都 座 上 演 。 と け は ら 一 月 歌 舞 伎 「 傾 城 仏 の 原 」 都 座 上 演 。 三 月 ご ろ 宇 治 座 「 最 明 寺 殿 百 人 上 﨟 」 上 演 。 三 月 伎 者 評 判 記 『 役 者 ロ 三 味 線 』 刊 。 〇 三 の 替 、 歌 舞 伎 「 龍 女 ケ 淵 」 ( 仏 の 原 後 日 ) 都 座 上 演 。 に つ ん せ い お う な 五 月 九 日 以 前 か 竹 本 座 「 日 本 西 王 母 」 上 演 。 つ る が っ さ ん か い ぐ ら 七 月 歌 舞 伎 「 敦 賀 の 津 三 階 蔵 」 ( 仏 の 原 三 の 後 日 ) 都 座 上 演 。 十 月 歌 舞 伎 「 阿 弥 陀 が 池 新 寺 町 」 都 座 上 演 。 ふ く じ ゅ か い 十 一 月 歌 舞 伎 「 福 寿 海 」 都 座 上 演 。 〇 こ の 年 か 竹 本 座 「 曾 我 五 人 兄 弟 」 上 演 。 お が く ず し き ひ ょ う り ん 〇 一 月 刊 の 役 者 評 判 記 『 鋸 末 』 の 卯 の 年 都 座 役 者 付 、 翌 春 刊 の 『 姿 記 評 林 』 に 歌 舞 伎 狂 言 作 者 と し て 近 松 の 名 を 記 す 。 も も よ 0

完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


完 訳 日 本 の 古 典 56 近 松 門 左 衛 門 集 森 修 ・ 鳥 越 文 蔵 校 注 ・ 訳 小 学 館 り 0

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わ な と 鳴 っ た の は 、 わ れ ら を 追 っ 手 が 捜 す の か 」 と 、 覆 い 重 な し ゃ ぶ ら せ て 、 聞 き 出 そ う と す る 。 罠 に か か っ た 鳥 や 、 網 代 に か か っ た 魚 の よ う に 、 の が れ る の が む ず か し い 身 で あ っ て 姿 を 隠 し 、 そ っ と 顔 を 上 げ て 見 る と 、 人 で は な く て 、 雉 子 が 飛 び 立 っ て い っ た 。 「 雉 子 の 羽 音 に も 驚 く 身 の 上 に 集 鬥 な る と は 、 ど の よ う な 罪 の 報 い な の か 」 と 、 か き く ど い て 哀 れ な る か な 忠 兵 衛 は 、 自 分 一 人 で さ え 世 を 忍 ぶ 身 の 上 と ん だ 粧 嘆 く 姿 を 、 泣 い て く れ て い る の か 、 笑 っ て い る の か 、 富 田 な の に 、 梅 川 の 身 な り が 人 目 に 立 つ の を 隠 し か ね て 、 駕 籠 は た ご や み わ ち や や 日 ー ば や し を 借 り て 何 日 か 旅 を し 、 奈 良 の 旅 籠 屋 や 三 輪 の 茶 屋 で 、 五 松 林 に 群 が る 烏 た ち 、 せ め て 一 夜 だ け で も 見 の が し て や ろ う 日 、 三 日 と 夜 を 過 し 、 二 十 日 あ ま り の 間 に 四 十 両 を 使 い 果 と い う 情 け も な い の か 、 と が め る 声 も 高 く 鳴 く の で あ る 。 か ず ら き し 、 二 分 と い う わ ず か な 金 を 残 す だ け と な っ た 。 鐘 も 霞 む あ の 高 間 山 の 葛 城 の 神 で は な い が 、 昼 の 道 中 は 、 つ つ ま し は っ せ や ま な が に の く ち む ら と い わ れ た 初 瀬 山 は 遠 く 眺 め る だ け で 、 生 れ 故 郷 の 新 ロ 村 く 身 を 隠 し な が ら 忍 ん で い く 恋 の 道 で あ る よ 。 自 分 で 狭 く た け う ち と う げ い わ や ご し た 浮 世 の 道 は 、 竹 の 内 峠 で 袖 を 濡 ら し 、 岩 屋 越 え は 石 道 に 着 い た が 、 「 こ れ 、 お 梅 、 こ こ は わ た し の 生 れ た 村 で 、 た ち し わ す 二 十 ま で 育 っ た の で 覚 え て い る が 、 師 走 も 末 に こ の よ う に 、 で あ り 、 野 を 越 え 、 山 を 越 え 、 里 々 を 過 ぎ て ゆ く の も 恋 ゅ 多 く の 乞 食 や 商 人 と は 、 新 春 と て な い こ と 。 あ れ 、 あ そ こ え で あ る 。 に も 立 っ て い る 。 畑 の は ず れ に も 二 、 三 人 。 心 配 に な っ て き た 。 四 、 五 町 行 け ば 本 当 の 親 の 孫 右 衛 門 の 家 だ が 、 音 信 忠 三 郎 内 の 場 ま ま は は わ ら ぶ 不 通 で は あ り 、 継 母 で あ る 。 こ の 藁 葺 き の 家 は 忠 三 郎 と い し ん そ こ お き て っ て 小 作 の 田 畑 を あ て が っ て い た 小 百 姓 。 心 底 親 し く し 、 よ く 治 め ら れ た 世 は 、 掟 も 正 し く 行 〔 ニ 0 〕 き び し い 詮 議 わ れ る 。 畿 内 お よ び 周 囲 の 国 々 に 追 頼 り に な る 男 。 ま ず こ こ へ 」 と 、 二 人 そ ろ っ て 、 や ま と し よ う こ く 「 忠 三 郎 殿 、 家 に い る か 。 し ば ら く 会 わ ぬ が 」 と 、 つ つ と つ 手 が か か り 、 な か で も 大 和 は 生 国 な の で 、 十 七 軒 の 飛 脚 せ き ぞ ろ は い る と 、 女 一 房 ら し い の が 、 「 ど な た で し よ う か 。 う ち の 問 屋 が 、 あ る い は 順 礼 、 古 物 買 い 、 節 季 候 に 化 け て 、 家 々 あ め う を の ぞ き 、 の ぞ き か ら く り や 飴 売 り と な っ て 、 子 供 に 飴 を 人 は 今 朝 か ら 庄 屋 様 の 所 へ 詰 め ら れ 、 い ま は 留 守 で ご ざ い か ら す じ ろ

完訳 日本の古典 第五十六巻 近松門左衛門集


講 釈 の 聞 手 捕 手 の 役 人 見 物 群 衆 な ど し ん じ ゅ う て ん あ み じ ま 心 中 天 の 網 島 享 保 五 年 ( 一 七 一 一 0 ) 十 二 月 六 日 初 演 。 座 本 竹 田 出 雲 。 作 者 近 松 門 左 衛 門 、 六 十 八 歳 。 実 説 嶼 は 明 ら か で な い 。 享 保 五 年 十 月 十 四 日 の 夜 、 網 島 の 大 長 寺 で 心 中 し た 男 女 を 題 材 に し て 脚 色 し た と い う の は 、 な ん す い ま ん ゅ う せ つ よ う き か ん 衛 浜 松 歌 国 が 『 南 水 漫 遊 』 や 『 摂 陽 奇 観 』 に 記 し た も の に よ る 説 で あ る 。 別 に 、 下 之 巻 の 「 頃 は 十 月 、 十 五 夜 の 月 に も 見 え ぬ 」 ( 一 七 三 ハ ー ) の 文 章 か ら 、 十 月 十 五 日 に 家 を 出 て 、 翌 朝 明 け 方 に 死 ん だ と す る 解 釈 が あ る 。 近 ど ち ら と も 決 め が た い 。 し ん じ ゅ う か さ ね い づ っ ゅ う ぎ り あ わ の な る と こ の 作 品 は 、 近 松 自 身 の 作 で は 「 心 中 重 井 筒 」 や 「 タ 霧 阿 波 鳴 渡 」 な ど で 用 い た 趣 向 を 生 か し 、 歌 舞 伎 か わ ら し ん じ ゅ う き の か い お ん う め だ し ん じ ゅ う の 「 河 原 心 中 」 ( 元 禄 十 六 年 、 都 万 太 夫 座 ) や 紀 海 音 の 浄 瑠 璃 「 梅 田 心 中 」 な ど の 先 行 作 か ら 趣 向 取 り を し て し ん じ ゅ う か み や じ へ え い る と み て よ い 。 ま た こ の 作 は 、 の ち に 種 々 に 改 作 さ れ た 。 安 永 七 年 ( 一 七 七 0 上 演 「 心 中 紙 屋 治 兵 衛 」 ( 近 松 て ん の あ み じ ま し ぐ れ の こ た っ 半 二 他 作 ) を 一 部 増 補 し て 「 天 網 島 時 雨 炬 燵 」 と し 、 そ の 二 作 を 合 せ た も の を 「 心 中 天 網 島 」 と し て 、 原 作 と 同 じ 外 題 で 上 演 し て き た が 、 戦 後 は 原 作 主 義 が 唱 え ら れ 、 原 作 に 近 い も の が 上 演 さ れ る よ う に な っ た 。 歌 舞 伎 で も 、 享 保 六 年 夏 、 江 戸 森 田 屋 で 二 代 目 市 川 団 十 郎 が 上 演 し て 大 当 り を と っ て 以 来 、 今 日 ま で 演 じ 続 け ら れ て い る 。 「 冥 途 の 飛 脚 」 同 様 、 上 演 回 数 の 多 い 作 品 で あ る 。 お き な ぐ さ は や か ご そ の ま ま 『 翁 草 』 に 記 す 「 早 駕 に 乗 り て 大 坂 に か へ り 、 か ご よ り 下 り て 其 儘 に 筆 を と り 、 か ご に て 走 り か へ り し ま 、 い ま 書 き つ け し と て 、 走 り 書 と 書 出 し 、 直 に 謡 の 本 は 近 衛 流 、 野 郎 帽 子 は 紫 の と 書 き っ ゞ け 、 云 々 」 と は 、 「 今 み や し ん じ ゅ う な が ま ち お ん な は ら き り 宮 の 心 中 」 「 長 町 女 腹 切 」 同 様 の 伝 説 だ ろ う 。 丸 本 は 、 七 行 四 十 三 丁 本 、 十 行 二 十 四 丁 本 で あ る 。 登 場 人 物 小 春 ( 紀 伊 国 屋 の 女 郎 ) 紙 屋 治 兵 衛 妻 さ ん 粉 屋 孫 右 衛 門 ( 治 兵 衛 兄 ) 五 左 衛 門 夫 婦 ( さ ん の 実 父