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検索対象: 文藝 2015年 spring

文藝 2015年 springから 559件ヒットしました。

文藝 2015年 spring


、 刀 の 者 0 何 る 、 あ も お と 実 向 我 は 樹 乗 こ て " 夏 」 を 求 ( 睾 、 人 ー の を 一 、 冫 本 一 池 古 事 記 池 澤 夏 樹 訳 日 。 〔 第 1 回 配 本 〕 発 売 中 ( 通 言 総 籬 い と う せ い こ う 訳 日 春 色 梅 児 誉 美 島 本 理 生 訳 日 ロ 訳 万 葉 集 〔 折 ロ 信 夫 百 人 一 首 小 池 昌 代 訳 日 松 尾 芭 蕉 お く の 細 道 松 浦 寿 輝 選 ・ 訳 日 一 、 新 々 百 人 一 首 丸 谷 才 一 与 謝 蕪 村 辻 原 登 選 日 小 林 一 茶 長 谷 川 櫂 選 日 竹 取 物 語 森 見 登 美 彦 訳 日 と く と く 歌 仙 丸 谷 才 一 他 伊 勢 物 語 川 上 弘 美 訳 日 堤 中 納 言 物 語 ー 「 中 島 京 子 訳 日 3 樋 口 一 葉 た け く ら べ 川 上 未 映 子 訳 日 第 土 佐 日 記 堀 江 敏 幸 駅 日 夏 目 漱 石 森 鵐 外 〔 第 3 回 配 本 〕 2 。 15 年 2 月 刊 更 級 日 記 江 國 香 織 訳 日 南 方 熊 楠 柳 田 國 男 折 ロ 信 夫 宮 本 常 一 角 田 光 代 訳 日 = 一 源 氏 物 語 上 ・ 中 ・ 下 谷 崎 潤 一 郎 枕 草 子 酒 井 順 子 訳 日 炻 宮 沢 賢 治 中 島 敦 。 方 丈 記 高 橋 源 一 郎 訳 日 堀 辰 雄 福 永 武 彦 中 村 真 一 郎 徒 然 草 ~ 内 田 樹 訳 日 大 岡 昇 平 今 昔 物 語 福 永 武 彦 訳 円 石 川 淳 辻 邦 生 丸 谷 才 一 宇 治 拾 遺 物 語 町 田 康 訳 日 。 ー 発 心 集 ・ 日 本 霊 異 記 伊 藤 比 呂 美 訳 日 「 加 吉 田 健 幻 日 野 啓 三 開 高 健 四 平 家 物 語 古 川 日 出 男 訳 日 大 江 健 三 郎 加 能 ・ 狂 言 岡 田 利 規 訳 日 説 経 節 伊 藤 比 呂 美 訳 日 中 上 健 次 ( 曾 根 崎 心 中 い と う せ い こ う 訳 日 羽 石 牟 礼 道 子 女 殺 油 地 獄 桜 庭 一 樹 訳 日 時 須 賀 敦 子 ( 一 仮 名 手 本 忠 臣 蔵 松 井 今 朝 子 訳 日 一 近 現 代 作 家 集 Ⅱ Ⅲ 巫 一 を 菅 原 伝 授 手 習 鑑 三 浦 し を ん 訳 日 四 近 現 代 詩 歌 詩 池 澤 夏 樹 選 日 ( 一 「 義 経 千 本 桜 い し い し ん じ 訳 日 短 歌 穂 村 弘 選 日 俳 句 小 澤 實 選 日 料 好 色 一 代 男 島 田 雅 彦 訳 日 日 本 語 の た め に 雨 月 物 語 円 城 塔 訳 日 冖 第 2 回 配 本 」 2015 年 1 月 刊 ン 特 設 ペ ー シ www.kawade.co.jp/nihon-bungaku-zenshu/

文藝 2015年 spring


( 一 日 本 文 学 全 集 大 江 健 一 一 一 郎 >< 池 澤 夏 樹 日 本 を 変 革 す る 新 し い 文 学 運 動 が は じ っ た ー ー 「 日 本 文 学 全 集 」 刊 行 開 始 に あ た っ て 【 特 別 対 談 】 019 【 古 典 新 訳 一 部 掲 載 】 池 澤 夏 樹 >< 古 事 記 酒 井 順 子 >< 枕 草 子 小 池 昌 代 >< 百 人 一 首 島 田 雅 彦 >< 好 色 一 代 男 円 城 塔 >< 雨 月 物 語 【 論 考 】 斎 藤 美 奈 子 日 本 文 学 全 集 と そ の 時 代 ( 上 ) ー ー 全 集 が 出 版 文 化 を リ ー ド し た 頃 【 エ ッ セ イ 】 228 長 谷 部 千 彩 + 月 の 記 憶 【 BOOK REVIEW 】 5 “ 中 村 文 則 『 教 団 x 』 神 谷 之 康 545 福 間 健 二 『 佐 藤 泰 志 』 岩 川 あ り さ 図 6 中 原 昌 也 『 知 的 生 方 教 室 』 西 田 藍 図 7 保 坂 和 志 『 朝 露 通 信 』 大 森 俊 克 ミ ノ ソ レ ・ ア イ ヴ ァ ス 『 黄 金 時 代 』 谷 崎 由 依 549 田 中 康 夫 『 33 年 後 の な ん と な く 、 ク リ ス . タ ノ レ 』 大 澤 真 幸 550 ー 第 52 回 文 藝 賞 応 募 規 定

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多 く の 本 が 空 襲 で 焼 け 、 活 字 に 飢 え て い た 人 々 に と っ て 、 そ れ 廃 さ れ た 一 九 五 〇 年 代 に 入 っ て か ら だ っ た 。 は 待 ち に 待 っ た 新 し い 文 学 全 集 の 発 刊 だ っ た に ち が い な い 。 五 〇 年 代 前 半 の 文 学 全 集 業 界 を リ ー ド し た の は 、 河 出 書 房 、 角 当 然 、 出 す 側 に も 気 合 い が 入 る 。 川 書 店 、 筑 摩 書 房 の 三 社 で あ る 。 河 出 版 「 現 代 日 本 小 説 大 系 」 は 、 永 井 荷 風 、 正 宗 白 鳥 、 志 賀 直 「 現 代 日 本 小 説 大 系 」 で 河 出 書 房 が 戦 後 の 全 集 界 に 真 っ 先 に 躍 り 哉 、 谷 崎 潤 一 郎 の 四 人 を 編 集 顧 問 に 迎 え 、 川 端 康 成 、 中 野 重 治 、 出 た 後 、 後 に 続 い た の は 角 川 書 店 だ っ た 。 伊 藤 整 、 中 村 光 夫 、 荒 正 人 ら 八 人 の 作 家 ・ 批 評 家 が 編 集 を 担 当 す 一 九 五 二 年 一 一 月 か ら 刊 行 が は じ ま っ た 角 川 版 「 昭 和 文 学 全 集 ー る と い う 豪 華 な 布 陣 。 加 え て 、 こ の 全 集 の 特 徴 は 、 明 治 ・ 大 正 ・ ( 全 五 八 巻 + 別 巻 。 五 五 年 完 結 ) は 戦 後 も っ と も ヒ ッ ト し た 全 集 昭 和 の 文 学 を 全 巻 で 俯 瞰 す る と い う 文 学 史 的 な 野 望 を 秘 め て い た の ひ と っ と い え る だ ろ う 。 第 一 巻 「 横 光 利 一 集 , は ベ ス ト セ ラ ー こ と で あ る 。 〈 す べ て が 新 し く 生 れ 更 ろ う と し て い る 現 在 は 、 過 、 と な り 、 第 二 巻 「 山 本 有 三 集 , 以 下 の ラ イ ン ナ ッ プ も 「 寺 田 寅 彦 去 三 代 の 文 学 を 、 新 し く 、 根 本 的 に 読 み 直 し 、 理 解 し 直 す 絶 好 の 集 」 「 獅 子 文 六 集 ー 「 永 井 荷 風 集 」 「 小 林 多 喜 一 一 ・ 中 野 重 治 ・ 徳 永 機 会 で も あ り ま す し 、 ま た 一 方 、 そ の 必 要 の 今 日 ほ ど 痛 切 に 感 ぜ 直 集 」 「 志 賀 直 哉 集 」 「 宮 本 百 合 子 集 」 と 、 随 筆 か ら 、 純 文 学 、 ユ ら れ る 時 も あ り ま せ ん 〉 ( 原 文 は 旧 字 旧 仮 名 ) と い う 「 編 集 の 辞 」 ー モ ア 小 説 、 プ ロ レ タ リ ア 文 学 ま で 色 と り ど り 。 「 吉 川 英 治 集 , ( 二 か ら も 、 鼻 息 の 荒 さ が う か が え る 。 六 巻 ) の よ う な 娯 楽 小 説 と 「 小 泉 信 三 集 」 ( 二 七 巻 ) の よ う な 教 第 一 部 「 写 実 主 義 時 代 ( 一 八 九 〇 年 代 ) 」 か ら 第 十 部 「 戦 後 ( 昭 養 主 義 的 な 巻 が 同 居 し て お り 、 「 硬 軟 と り ま ぜ て 」 な 雰 囲 気 が こ 和 二 〇 年 代 ) 」 ま で 、 全 一 〇 部 の 六 〇 巻 ( + 別 冊 三 冊 、 序 巻 、 補 巻 ) の 全 集 の 特 徴 で あ る 。 当 初 、 二 五 巻 の 予 定 で ス タ ー ト し た の が 、 立 て 。 年 代 順 の 編 集 ゆ え 、 森 鵐 外 や 夏 目 漱 石 が 時 代 を 隔 て た 複 数 第 二 期 と し て 後 に 三 三 巻 が 追 加 さ れ た こ と か ら も 、 人 気 の 全 集 だ の 巻 に 収 録 さ れ て い る な ど 今 日 の 感 覚 だ と 「 あ れ つ ? 」 と 感 じ る っ た こ と が う か が え よ う 。 点 も あ る も の の 、 第 二 部 「 浪 漫 主 義 時 代 ( 一 九 〇 〇 年 代 ) 」 、 第 三 一 方 、 角 川 書 店 成 功 を 横 目 で 見 な が ら 、 こ れ に 対 抗 す る 形 で 翌 部 「 自 然 主 義 ( 一 九 〇 〇 年 代 ) 」 、 第 四 部 「 新 浪 漫 主 義 ( 一 九 〇 〇 一 九 五 三 年 に 登 場 し た の が 筑 摩 書 房 版 「 現 代 日 本 文 学 全 集 」 ( 五 年 代 ) 」 、 第 五 部 「 新 理 想 主 義 ( 一 九 一 〇 年 代 ) 」 、 第 六 部 「 新 現 実 九 年 で 完 結 ) で あ る 。 戦 前 の 改 造 社 を 意 識 し た シ リ ー ズ 名 。 第 一 主 義 ( 一 九 二 〇 年 代 ) 」 、 第 七 部 「 。 フ ロ レ タ リ ア 文 学 ( 一 九 三 〇 年 回 配 本 は 「 島 崎 藤 村 集 」 で 、 以 下 、 「 芥 川 龍 之 介 集 」 「 森 鵐 外 集 , 代 ) 」 : : : と 続 く 流 れ は 、 た し か に 初 学 者 が 文 学 史 を 学 ぶ に は ピ 「 斎 藤 緑 雨 集 」 と い う 順 で 刊 行 さ れ る が 、 純 文 学 寄 り の 作 家 と 作 ッ タ リ 。 戦 後 編 に は 、 椎 名 麟 三 、 野 間 宏 、 三 島 由 紀 夫 ら 、 戦 後 に 品 を 選 び 、 角 川 版 で は 未 発 売 の 作 家 を 先 に 刊 行 し て い る あ た り 、 デ ビ ュ ー し た 作 家 の 名 も 見 え 、 な か な か 野 心 的 で あ る 。 角 川 版 を 意 識 し て い る 気 配 が 濃 厚 で あ る 。 当 初 五 五 巻 の 予 定 で ス 文 学 全 集 が 本 格 的 に 始 動 す る の は し か し 、 用 紙 の 割 り 当 て が 撤 タ ー ト し た 筑 摩 版 「 現 代 日 本 文 学 全 集 」 も 次 々 と 巻 を 増 や し 、 最

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終 的 に は 全 九 七 巻 ( 別 巻 一 l) の 威 容 を 誇 る 全 集 に 成 長 。 第 一 巻 「 坪 角 川 が 硬 軟 両 方 い け る 「 話 せ る ヤ ツ 」 、 筑 摩 が 本 格 志 向 の 「 保 内 逍 遙 、 二 葉 亭 四 迷 集 , か ら 、 戦 後 の 大 岡 昇 平 、 三 島 由 紀 夫 ま で 守 本 流 」 だ と す る と 、 五 〇 年 代 の 河 出 は 新 し い 企 画 に 次 々 チ ャ レ を 含 み 、 別 巻 と し て 「 現 代 日 本 文 学 史 」 と 「 現 代 日 本 文 学 史 年 表 」 ン ジ し て い く 「 冒 険 野 郎 」 の 印 象 が 強 い 。 を 配 し た こ の 全 集 は 、 た い へ ん 評 価 が 高 く 、 戦 後 の 日 本 文 学 全 集 ま ず 一 九 五 三 年 、 河 出 は 「 現 代 文 豪 名 作 全 集 」 と い う 全 八 巻 の の キ ヤ ノ ン を 示 す こ と に も な っ た 。 ( 予 定 だ っ た ) シ リ ー ズ を 出 す 。 文 学 史 的 な 「 現 代 日 本 文 学 全 集 」 と は 逆 の 、 い わ ば コ ン パ ク ト 路 線 で あ る 。 芥 川 龍 之 介 、 夏 目 漱 石 、 冒 険 好 き の 河 出 全 集 志 賀 直 哉 、 谷 崎 潤 一 郎 、 永 井 荷 風 、 有 島 武 郎 、 一 一 葉 亭 四 迷 、 森 鵐 で は 、 五 〇 年 代 の 河 出 書 房 は ど う だ っ た か 。 外 と い う 八 人 の 選 定 は 〈 明 治 大 正 昭 和 三 代 に 輝 く 文 豪 の 名 作 〉 と 謳 う だ け あ り 、 「 こ れ だ け 読 め ば 文 学 は オ ッ ケ ー よ 」 に 見 え る の が 魅 力 で あ る ( も っ と も 、 こ の 全 集 も 結 局 は 「 文 豪 」 を ど ん ど ん 増 や し て 、 最 後 は 全 二 四 巻 + 別 巻 に ま で 増 え る の だ が ) 。 そ れ だ け で は な い 。 同 じ 五 〇 年 代 の 前 半 に 、 河 出 書 房 は 日 本 文 第 れ ・ い 、 製 を 、 畿 ・ 、 考 第 を ッ 当 、 第 能 を を 学 だ け で あ と 二 つ 、 全 集 を 出 し て い る の だ 。 ひ と つ は 「 新 文 学 全 集 」 ( 一 九 五 二 5 五 三 年 ) な る 全 一 三 巻 の 軽 と 第 第 の 第 ・ ふ 着 第 鬘 璧 一 キ を ー = し ぐ っ と 新 し い 戦 全 集 で 、 〈 戦 後 文 壇 に か が や く 明 星 / 〉 と 謳 、 弊 第 第 ・ 谷 第 第 一 第 一 夏 願 数 石 第 こ 、 、 第 章 」 一 第 第 を 物 物 行 を 第 分 一 後 の 作 品 の 集 大 成 。 選 ば れ て い る の は 井 上 靖 、 三 島 由 紀 夫 、 野 間 ◇ 立 索 、 , 、 し て 響 願 い 宏 、 大 岡 昇 平 、 中 村 眞 一 郎 な ど な ど 気 鋭 の 作 家 一 三 人 だ 。 〈 戦 争 上 電 明 第 蠧 川 嶮 第 一 純 子 第 物 物 薹 一 本 河 出 書 ( ・ 鷺 第 第 一 癶 重 ・ 第 纔 ま 一 が お わ っ て か ら 、 も う 七 年 た ち ま す 。 い わ ゆ る 戦 後 文 学 も 、 一 応 代 見 内 の 成 果 を ま と め て 世 に 問 う べ き と き で す 〉 と い う 中 村 光 夫 の 推 薦 の そ 文 が 、 こ の 全 集 の 意 義 を 伝 え て は い る け れ ど 、 と は い え 敗 戦 か ら 集 出 全 河 「 ま だ 」 七 5 八 年 し か た っ て い な い の だ 。 そ れ で も 戦 後 の 作 品 だ 学 文 ・ を ( 第 第 を 第 を 剰 け で 全 集 を 編 ん で し ま う の だ か ら 、 贅 沢 な 時 代 で あ る 。 本 日 【 一 本 」 ~ 誌 こ 糶 壟 マ 靦 河 出 の 冒 険 主 義 を 象 徴 す る 、 五 〇 年 代 前 半 の 全 集 そ の 三 は 「 現 1 凶 代 代 語 訳 日 本 古 典 文 学 全 集 」 全 二 七 巻 ( 一 九 五 三 年 5 五 六 年 ) で 覿 あ る 。 「 文 豪 , 「 戦 後 」 に 続 い て 、 今 度 は 古 典 ! た だ し 、 古 典 は 周 本 の ル 暑 : 名 作 の 物 及 版

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に な り き れ な い 。 む し ろ 、 面 白 い 一 九 三 五 年 刊 行 の 岩 波 文 庫 版 、 佐 藤 春 夫 ・ 増 田 渉 訳 『 魯 迅 選 集 』 が 、 魯 迅 の 希 望 に 沿 っ て 「 藤 野 先 生 」 を 収 録 し て か ら も 、 往 年 の 彼 の 恩 師 、 藤 野 先 生 そ の 人 の 消 息 は わ か ら な い ま ま だ っ た 。 そ し て 、 翌 三 六 年 、 魯 迅 は 没 す る 。 だ が 、 こ の あ と 、 プ ロ レ タ リ ア 作 家 の 貴 司 山 治 が 主 宰 す る 雑 誌 「 文 学 案 内 ー の 努 力 で 、 そ の 藤 野 厳 九 郎 先 生 が 六 〇 歳 を 過 ぎ 、 故 郷 の 福 井 県 で 村 医 者 を し て い る こ と が わ か っ た 。 そ れ に よ れ ば 、 と 、 中 野 重 治 は 「 魯 迅 伝 」 と い う 短 い 文 章 で 伝 え て い る 。 ー ー ー 藤 野 先 生 は 、 魯 迅 が 自 分 の む か し の 教 え 子 の 一 人 で あ る こ と な ど 、 ま っ た く 知 ら ず に お ら れ た 。 そ し て 、 い ろ い ろ 聞 い た あ と で 、 「 で は あ の 周 さ ん が 魯 迅 さ ん で あ る か . と 言 わ れ た と い う 調 子 で 、 魯 迅 が 死 の と き ま で 自 宅 の 壁 に 掛 け て い た と 思 わ れ る 藤 野 先 生 の 写 真 に つ い て も 、 い つ ど う い う 写 真 を 「 周 さ ん 」 に 与 え た も の か 、 も う 藤 野 先 生 自 身 は 忘 れ て し ま っ て い た 。 こ れ は 、 鵐 外 が 、 そ し て 、 彼 が 代 表 す る よ う な 多 く の 日 本 人 が 、 し ば し ば 繰 り 返 し て き て い る 「 忘 れ か た 」 と は 違 っ て い る 。 な せ な ら 、 こ と を こ こ に 至 ら せ た の は 、 魯 迅 、 い や 、 か っ て の 周 樹 人 君 と い う 、 た だ 一 人 の 人 間 が 、 そ れ を 覚 え つ づ け て い た か ら で あ る 。 彼 が 、 そ れ を 覚 え て い て 、 晩 年 に 至 っ て 、 わ ざ わ ざ そ れ を 言 い た す と い う こ と が な け れ ば 、 私 た ち は 、 藤 野 先 生 と い う 人 物 を め ぐ る こ の 小 さ な 事 実 さ え 、 知 ら ず に 終 わ っ て い た の だ 、 、 ま は 田 5 っ て い る せ め て 、 そ の こ と を 私 は 覚 え て お き た い と 0 〈 後 記 〉 こ こ で 言 及 し た 台 湾 お よ び 朝 鮮 の 作 家 の 諸 作 品 に は 、 次 の 書 籍 に 収 録 さ れ た も の が 接 し や す い だ ・ 頼 和 ( 頼 懶 雲 ) 「 秤 」 、 「 豊 作 」 な ど は 、 陳 逸 雄 編 訳 「 台 湾 抗 日 小 説 選 』 、 一 い あ 九 八 八 年 、 研 文 出 版 の ・ 楊 逵 「 郵 便 配 達 夫 」 、 王 昶 雄 「 奔 流 」 な ど は 、 黒 川 創 編 「 〈 外 地 〉 の 日 本 語 魯 文 学 選 1 南 方 ・ 南 洋 / 台 湾 』 、 一 九 九 六 年 、 新 宿 書 房 湾 ・ 周 金 波 「 志 願 兵 」 な ど は 、 中 島 利 郎 ・ 黄 英 哲 編 「 周 金 波 日 本 語 作 品 集 』 、 一 九 九 八 年 、 緑 蔭 書 房 ・ 陳 火 泉 「 道 」 な ど は 、 河 原 功 ・ 中 島 利 郎 編 『 日 本 統 治 期 台 湾 文 学 台 湾 人 作 家 作 品 集 第 5 巻 ( 諸 家 合 集 ) 』 、 一 九 九 九 年 、 緑 蔭 書 房 ・ 李 陸 史 「 魯 迅 追 悼 」 な ど は 、 伊 吹 郷 訳 「 青 ぶ ど う イ ユ ク サ 詩 文 集 』 、 一 九 九 〇 年 、 筑 摩 書 房 台 41 1

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必 要 が あ る ね 。 る と 思 い ま す 。 自 分 で 詞 を 書 き 自 る 女 性 シ ン ガ ー ソ ン グ ラ イ タ ー だ う 世 界 が 展 開 し ち ゃ っ た ん で し ょ 分 で 歌 う 人 た ち は 年 代 ぐ ら い か と 言 え る と 思 い ま す 。 方 向 性 は 逆 う け ど 。 ュ ー ミ ン と 堤 清 ニ ら 出 て く る わ け で す け れ ど も 、 彼 で す が 、 ふ た り と も 歌 詞 の カ で 視 だ か ら 、 年 代 は 二 面 性 が あ る わ け で す よ 。 ス キ ゾ 的 な 面 と パ ラ 女 が 年 代 に 良 く も 悪 く も 巻 き 散 聴 者 の 心 を つ か み ま し た 。 成 田 話 が 年 代 の 終 わ り 、 冷 戦 ら か し た 生 き 方 の ス タ イ ル は 、 功 大 澤 私 は 堤 清 二 を 挙 げ ま す ね 。 ノ 的 な 面 と 言 っ て も い い で す が 。 崩 壊 ま で た ど り 着 き ま し た が 、 さ 罪 は あ る か と 思 い ま す が 、 と て も 年 代 は 西 武 百 貨 店 の 時 代 で す よ た と え ば 『 見 栄 講 座 』 の よ う に 軽 ら に い く つ か 、 論 点 を 挙 け て み ま 部 年 代 的 だ な っ て 思 い ま す ね 。 ね 。 も と も と そ ん な に た い し た デ く い き ま し よ う と か 言 い な が ら そ 1 し よ 、 つ 、 か 年 に 俵 万 智 さ ん が 『 サ ラ ダ 記 念 日 』 ー ト で も な か っ た の が 売 上 げ ト れ を 実 現 す る に は 結 構 〇 的 な 生 活 斎 藤 私 は 年 代 に 重 要 な 役 割 を と い う べ ス ト セ ラ ー に な っ た 短 歌 ツ 。 フ に な る わ け で す よ 。 渋 谷 に パ を 送 ら な き ゃ い け な い み た い な 、 果 た し た 人 物 と し て 、 松 任 谷 ( 荒 集 を 出 し ま し た け れ ど 、 言 葉 遣 い ル コ が 進 出 し た の は 年 で す け れ 土 臭 い こ と は 実 は あ る ん で す よ 。 井 ) 由 実 を 挙 げ た い で す ね 。 た と と か 世 界 観 と か が す ご く ュ ー ミ ン ど 、 一 気 に 花 開 く の が 年 代 。 表 で は で ぎ る だ け 格 好 つ け て 『 な え ば 、 蓮 實 重 彦 さ ん が 文 芸 評 論 の 的 だ と い う 印 象 を 受 け ま し た ね 。 成 田 堤 清 二 さ ん も 、 年 代 的 な ん ク リ 』 の 世 界 で 生 き て い る み た 脱 構 築 を や っ て 、 上 野 千 鶴 子 さ ん 成 田 ュ ー ミ ン は 、 本 当 に 息 の 長 要 素 と と も に 、 辻 井 喬 と し て 「 戦 い に や っ て い る ん だ け れ ど も 、 裏 が 女 性 解 放 思 想 を 脱 構 築 し て 次 の い シ ン ガ ー ソ ン グ ラ イ タ ー で す ね 。 後 文 学 」 を 綴 る 顔 と を 併 せ 持 っ て で は 昔 の 努 力 家 風 の 部 分 が あ る 。 時 代 を 作 り ま し た が 、 ユ そ う い う 部 分 は か っ こ 悪 い か ら 、 ー ミ ン は 年 代 初 め に デ ビ ュ ー し 、 年 代 い ま す よ ね 。 年 代 的 な 四 畳 半 貧 乏 フ ォ ー ク を 年 代 を 通 じ て 活 躍 し 、 い ま だ に 斎 藤 「 お い し い 生 活 」 ( 1982 消 費 社 会 の 中 で す べ て を 相 対 化 し 脱 構 築 し て 、 年 代 的 ワ ン ル ー ム 現 役 で す 。 荒 井 由 実 と し て 私 な ど 年 ) と か 「 ほ し い も の が 、 ほ し い て 、 な ん ち ゃ っ て 、 と 。 ポ ツ 。 フ ス の 時 代 を 作 っ た の が 彼 女 。 は 接 し た の で す が 、 間 年 代 半 ば 以 わ 。 」 ( 1988 年 ) と い っ た 糸 井 斎 藤 ふ り を す る ん で す よ ね 。 最 近 、 酒 井 順 子 さ ん が 『 ュ ー ミ ン 降 は 松 任 谷 由 実 で す ね 。 彼 女 の ど 重 里 さ ん の コ ピ ー に 象 徴 的 な 世 界 大 澤 そ う そ う 。 斎 藤 裏 で は す ご い 土 着 か も し れ の 罪 』 と い う 本 を 書 か れ て い ま す の 部 分 、 ど の 時 期 を 軸 に 捉 え る か で す よ ね 、 西 武 っ て 。 ね 。 酒 井 さ ん の よ う に 8 年 代 以 降 と い う こ と も 、 年 代 理 解 に と て 大 澤 こ れ ま で 語 っ て き た よ う な に 生 ま れ た 人 の ほ う が よ り 影 響 を も 大 き く 関 わ っ て く る と 思 い ま す 。 年 代 的 な 世 界 を 実 業 界 で 表 現 し 大 澤 そ の 二 面 が あ る 。 松 任 谷 由 再 年 受 け て い る と 思 い ま す が 、 人 び と 斎 藤 中 島 み ゆ き と 二 大 巨 頭 で す て い た の が 堤 さ ん 。 堤 さ ん 自 身 は 実 的 側 面 と 中 島 み ゆ き 的 側 面 と も の 世 界 観 が す ご い 変 わ っ た と い う よ ね 。 同 じ 世 代 で 年 代 か ら ず つ も う ち ょ っ と 多 面 的 と い う か 、 も 言 い 換 え ら れ る か も し れ な い 。 そ と も と 左 翼 、 共 産 党 員 だ っ た り し う い う 二 面 が あ る け ど 新 し く 起 き の は 彼 女 の よ う な ポ ツ 。 フ ミ ュ ー ジ と 活 動 を 続 け て 今 も 現 役 で す し 、 ッ ク に い ち ば ん よ く あ ら わ れ て く 年 代 の 世 界 観 を そ れ そ れ 代 表 す て 、 本 人 の 意 図 と は ち ょ っ と ち が て い る の は ど っ ち か っ て い え ば ス ラ 41

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は 呼 ば れ な か っ た 。 し た が っ て 、 こ の 道 で 世 に 出 よ う な ど と 考 え る 夜 」 、 菊 池 寛 「 三 浦 右 衛 門 の 最 後 」 「 あ る 敵 打 の 話 」 、 そ し て 、 先 に も の は 、 一 人 も い な か っ た 時 代 で あ る 。 」 訳 出 し て い た 芥 川 龍 之 介 の 「 鼻 」 と 「 羅 生 門 」 だ カ だ か ら 、 自 分 で 創 作 を や る 気 は な く 、 も つ ば ら 紹 介 と 翻 訳 に 努 め 晩 年 近 く 、 魯 迅 の 名 が 日 本 国 内 で も 広 く 知 ら れ る よ う に な る と 、 て い た 。 と く に 被 圧 迫 民 族 の 作 家 の 作 品 を 重 視 し た 。 「 そ の た め ロ 日 本 の メ デ ィ ア が 彼 に 時 評 的 な 寄 稿 を 求 め る こ と も 増 え た 。 そ う い シ ア 、 ポ 1 ラ ン ド 、 お よ び バ ル カ ン 諸 小 国 の 作 品 が と り わ け 多 か っ う さ い に は 、 日 本 語 で 原 稿 を 書 き 、 こ れ に 応 じ た 。 た 。 イ ン ド や エ ジ プ ト の 作 品 も 一 生 懸 命 さ が し て み た が 、 こ れ は 手 魯 迅 自 身 が 、 「 日 本 語 」 作 家 で も あ っ た の だ に 入 ら な か っ た 。 そ の こ ろ い ち ば ん 愛 読 し た 作 家 は 、 た し か ロ シ ア の ゴ ー ゴ リ と ポ 1 ラ ン ド の シ ェ ン キ ウ ィ ッ チ だ っ た 、 日 本 で は 、 夏 目 漱 石 と 森 鵐 外 だ っ こ 。 Ⅲ 、 中 文 と 日 文 中 国 に 帰 還 し て か ら は 教 員 の 仕 事 に 忙 し く 、 一 〇 年 近 く 経 っ て 「 狂 ー ー 働 く 者 の 創 作 の 行 き 交 い 人 日 記 」 を 雑 誌 「 新 青 年 , に 発 表 し た ( 一 九 一 八 年 ) 。 い ち ば ん 熱 心 に 小 説 を 書 く よ う 迫 っ た の は 、 こ の 雑 誌 の 編 集 に あ た っ て い た 陳 独 日 本 語 か 、 そ れ と も 、 中 国 語 の 白 話 文 か 、 日 本 統 治 下 に 置 か れ て 秀 だ っ た 。 そ れ か ら 三 年 後 の 一 九 二 一 年 、 魯 迅 は 「 阿 正 伝 」 を 北 い る 台 湾 で の 「 新 文 学 」 運 動 は 、 ど ち ら で 進 め ら れ て い く べ き か ? 京 の 「 晨 報 副 刊 」 に 発 表 す る ( 一 二 月 四 日 5 翌 年 一 一 月 二 日 ) 。 ち な み に 、 い ず れ に せ よ 、 閨 南 語 や 客 家 語 を 母 語 と し て 使 っ て い る 台 湾 人 に そ れ に 先 立 ち 、 彼 は 同 じ 紙 面 に 、 芥 川 龍 之 介 の 「 鼻 ー ( 中 国 語 題 「 鼻 子 」 、 と っ て は 、 中 文 と 日 文 、 こ れ は 二 つ の ク 異 国 語 ク の 書 き 言 葉 か ら 、 五 月 一 一 日 5 一 三 日 ) と 「 羅 生 門 」 ( 六 月 一 四 日 5 一 七 日 ) を 翻 訳 し て 掲 載 ど ち ら を 選 ぶ の か 、 と い う ナ ナ 1 題 ご っ こ 。 一 方 、 こ れ と は 別 に 、 台 湾 し て い た 。 こ れ ら を 訳 す と 、 芥 川 は 古 い 材 料 を 多 用 し 、 と き に そ れ 語 、 つ ま り 閨 南 語 の ロ 1 マ 字 表 記 に よ っ て 文 学 創 作 を 進 め よ う 、 と は 翻 訳 に 近 い の た が 、 新 し い 生 命 を 注 ぎ 込 ん で い る の で 、 そ こ に 現 う 主 張 も あ っ た 。 代 人 と の 関 係 が 生 じ て い る と い う こ と が 、 魯 迅 の 印 象 に 残 っ た 。 と も あ れ 、 一 九 二 〇 年 代 な か ば か ら の 「 新 文 学 , 運 動 の 勃 興 期 に の 事 実 は 、 の ち に 魯 迅 が 中 国 の 古 い 説 話 の 再 話 に 取 り 組 み 、 や が て ま ず 先 行 し た の は 、 白 話 文 で の 創 作 だ っ た 。 , 」 う し た 世 代 の 作 家 の 最 後 の 著 書 「 故 事 新 編 』 ( 一 九 三 六 年 ) に ま と め る 、 ひ と つ の き っ か 多 く が 、 幼 時 に 漢 学 塾 で 学 ん だ 経 験 を 持 っ て い た 。 と は い え 、 こ の け を な し た の で は な い か と 思 わ せ る 。 時 期 に 書 か れ る 小 説 は ほ と ん ど が 短 篇 で 、 そ れ ら の な か に も 、 ま た 魯 迅 は 、 一 九 二 三 年 、 弟 の 周 作 人 と の 共 訳 で 、 『 現 代 日 本 小 ら か な り と 台 湾 語 由 来 の 単 語 な ど が 混 ぜ こ ま れ て い る こ と が 多 か っ 説 集 』 ( 上 海 ・ 商 務 印 書 館 、 「 世 界 叢 書 」 の 一 冊 ) を 出 し た 。 収 め た ら い わ 三 〇 編 の う ち 一 一 編 を 魯 迅 が 訳 し て お り 、 そ れ ら は 、 夏 目 漱 石 「 懸 こ う し た 作 家 で 、 今 日 、 最 も よ く 知 ら れ て い る の は 、 頼 和 ( 一 八 物 」 「 ク レ イ グ 先 生 」 ( と も に 「 永 日 小 品 」 よ り ) 、 森 鵐 外 「 あ そ び 」 八 四 ー 一 九 四 三 ) で あ る 。 台 北 医 学 校 を 卒 業 し て か ら 、 ほ と ん ど 終 生 、 「 沈 黙 の 塔 」 、 有 島 武 郎 「 小 さ き 者 へ 」 「 お 末 の 死 」 、 江 口 渙 「 峡 谷 の 郷 里 の 彰 化 で 医 院 を 営 む 町 医 者 で も あ っ た 。 小 説 よ り 、 さ ら に 多 く 、 、 0 ミ ン ナ ン ハ ッ カ 392

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二 〇 一 四 年 一 一 月 か ら 、 い よ い よ 刊 行 が は じ ま っ た 池 澤 夏 樹 の た 読 者 ( 知 的 中 間 層 ) が 育 っ て い る こ と 。 個 人 編 集 に よ る 「 日 本 文 学 全 集 」 。 古 典 と 現 代 文 学 を 同 居 さ せ 、 以 上 の よ う な 条 件 が そ ろ っ た の は 関 東 大 震 災 後 、 大 正 末 期 か ら な お か っ 古 典 は す べ て 気 鋭 の 作 家 の 「 訳 し 下 ろ し 」 に よ る 現 代 語 昭 和 初 期 に か け て の 、 い わ ゆ る 大 正 モ ダ ニ ズ ム の 時 代 だ ろ う 。 出 訳 と い う 斬 新 な 企 画 ! 三 年 あ ま り か け て 全 三 〇 巻 を 刊 行 す る と 版 文 化 史 的 に い う と 「 円 本 , の 時 代 で あ る 。 い う 計 画 に 期 待 は 高 ま る け れ ど 、 こ こ で 質 問 。 文 学 全 集 は い つ ど 円 本 と は 一 冊 一 円 の 廉 価 本 を 指 す 俗 称 だ が 、 ほ か で も な い こ の ん な 風 に 誕 生 し た か 考 え た こ と っ て な い で す か ? 円 本 こ そ 文 学 全 集 の 嚆 矢 だ っ た 。 一 九 二 六 ( 大 正 一 五 ) 年 一 二 月 知 っ て い る よ う で 、 意 外 と 知 ら な い 文 学 全 集 の 表 と 裏 。 戦 後 の に 改 造 社 か ら 刊 行 さ れ た 「 現 代 日 本 文 学 全 集 , で あ る 。 日 本 文 学 全 集 を 中 心 に 、 し ば し そ の 歴 史 を 紐 解 い て み よ う 。 書 籍 の 市 価 が 五 円 一 〇 円 の 時 代 に 、 一 冊 一 円 の 本 を 出 す の は 出 版 界 を ゆ る が す 大 事 件 。 円 本 は 、 震 災 で 本 が 焼 け 、 古 書 の 値 段 が 円 本 プ ー ム と 文 学 全 集 高 騰 す る 中 、 特 権 階 級 に 知 識 が 独 占 さ れ る の を 危 惧 し た 社 長 ・ 山 全 集 が 商 品 と し て 成 立 す る に は 、 、 し く つ か の 条 件 が 必 要 だ 。 本 実 彦 の 決 断 に よ る も の だ っ た と い う 。 ① 質 量 と も に 、 全 集 を 編 め る だ け の 作 品 の 蓄 積 が あ る こ と 。 ② 価 格 の ほ か に 、 こ の シ リ ー ズ の も う ひ と つ の 特 徴 は 、 派 手 な 広 作 品 の 質 を 見 き わ め 、 編 集 す る 力 を も っ た 専 門 家 集 団 が 存 在 す る 告 宣 伝 と と も に 、 予 約 販 売 制 を と っ た こ と だ 。 全 集 を 出 す と い っ こ と 。 ③ 全 集 を 出 版 で き る 技 量 と 財 力 の あ る 出 版 社 が 存 在 す る 一 」 て も 、 震 災 の 影 響 と 相 次 ぐ 発 禁 で 、 改 造 社 に は 資 金 が な い 。 借 金 と 。 ④ 中 高 等 教 育 が 普 及 し 、 そ れ を 読 み こ な す リ テ ラ シ ー を 持 つ を し 、 予 約 金 を 集 め て 部 数 を 確 保 し 、 し か る 後 に 印 刷 に と り か か 【 論 考 】 日 本 文 学 全 集 と そ の 時 代 上 全 集 が 出 版 文 化 を リ ー ド し た 頃 斎 藤 美 奈 子 Text: Saito Mi コ ako

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刊 行 の こ ぎ ば 算 原 野 を 拓 く 傾 向 を 生 ん だ 。 覿 野 0 供 【 文 壇 か ら 見 れ に 、 蠻 と 俗 悪 美 決 の 仕 事 だ っ た か も 知 れ ぬ が 、 こ の 努 力 は 、 小 設 に 贖 者 を 近 づ け 、 一 の 総 般 的 の 意 味 で の ソ シ ア リ ゼ 当 シ , の 氣 運 を 誘 う と と に っ た 。 純 學 粋 小 論 と が 中 間 小 の 呼 び 聲 が 文 壇 の 中 か ら 聞 え た の も 、 大 衆 文 学 文 の ・ の 第 力 を 無 観 出 來 な か っ た の で あ る 。 年 大 衆 文 学 が 生 れ て 三 十 年 、 そ の 功 罪 を 新 た に 間 い 、 明 日 の 当 出 に 過 す る 時 が 来 た よ う で あ る 。 本 社 は こ 、 に 白 井 喬 二 、 吉 川 英 治 、 木 く 村 毅 、 大 佛 吹 郎 、 列 、 ロ 松 太 郎 の 五 先 生 を 編 集 委 員 と し て 、 大 衆 文 学 し 三 十 年 の 作 品 の 中 か ら 、 そ の 發 展 の 標 と も な っ た 作 品 を ふ と と 樂 ナ も に 、 大 衆 文 学 の 現 状 を 代 表 す る も の を 集 大 成 し よ う を 企 て た 。 小 の 一 「 面 白 さ 」 の 問 題 文 学 と 庶 長 と の 係 の 問 題 も 、 明 日 の 文 学 が の 爲 に は 再 檢 討 を 必 要 と す る で あ る 。 集 録 し た 作 家 の 傾 向 が 、 そ な 水 れ そ れ 異 な り 遠 心 酌 な 形 を 取 っ て い る 點 も 、 本 全 集 の 発 體 を 得 て 大 夜 亠 へ 】 観 出 來 る こ だ ろ う , 、 、 大 衆 文 学 の 三 十 年 が 一 個 す っ 置 か れ た 階 段 」 の を 踏 む ~ 」 、 と に 依 ? て 行 わ れ て 來 た 事 賈 を 見 て も 、 本 全 集 が 他 日 の 爲 冬 一 の 礎 と な る こ と を 信 ず る も の で あ る : 谷 崎 測 一 郎 集 本 容 内 ′ 第 ッ 第 メ 物 第 ツ ー 女 を 稼 新 第 を 、 を ん 第 第 第 を を み 朝 第 第 ま 0 第 名 第 - ~ 第 第 「 泰 第 0 を 出 。 翌 豪 第 第 「 を る ま 第 を ま 第 0 を 河 ! : 島 崎 藤 村 集 プ 河 出 書 癆 集 作 豪 文 代 第 し く 美 し い 名 作 の へ 誘 う 豪 華 版 全 集 3 現 垈 乂 豪 名 作 全 集 現 代 文 豪 名 作 全 集 心 第 参 第 第 第 河 町 書 房 三 、 「 大 衆 文 学 代 表 作 全 集 」 ( 河 出 書 房 ) 刊 行 の こ と ば 第 ・ 参 に 《 0 た 物 洋 4 こ を に 、 ※ 第 強 物 第 こ を を 、 第 に を 物 当 書 鉾 、 家 物 第 4 ・ 彎 を 第 簽 ! 第 、 第 多 ッ 管 い を 潯 、 釜 ↓ ・ と 第 の を 第 ・ を 第 ~ を 載 鋼 物 ~ ~ 太 ・ 、 物 , を ニ 内 0 物 、 全 書 0 第 ~ 参 こ 第 し ( 第 し い 小 第 》 を を 、 物 第 分 第 一 を ・ 第 ・ 、 あ 々 を を 第 物 ー 1 ・ 、 ( 本 第 物 書 0 第 は , 容 内 房 書 集 一 全 一 一 學 文 新 一 新 女 學 全 集 新 文 學 の 第 を つ ど ) 職 後 名 作 全 集 ′ 、 第 を & 第 を 、 を を 第 物 第 第 れ を 、 第 第 々 十 を 第 す 、 を 爻 戔 ) 物 第 」 を め を 第 を 発 ・ 物 ・ を 第 を 0 ま ・ 3 一 , み 物 を を 第 イ ・ 第 第 ・ ま 名 第 を 第 十 ・ 物 を 第 を 宿 》 ′ 材 第 を ′ 0 第 第 0 を を 当 ま 気 物 写 挙 、 物 参 、 、 を を を 第 を 年 を 隊 物 ・ 女 を 、 タ 物 外 物 第 物 ・ 物 ~ ・ ・ 物 を 、 を ・ 輦 . 物 ・ こ : 意 を 強 第 を 、 を 第 要 、 ・ き 第 ま 凝 第 貨 授 ・ 物 田 第 第 を 一 効 を 河 出 書 房 新 社 「 日 本 国 民 文 学 全 集 」 ( 河 出 書 房 新 社 ) 内 容 見 本 ま ス ま の る 第 安 物 夫 第 を 自 身 川 久 を 第 松 「 日 本 古 典 文 學 全 集 」 ( 河 出 書 房 ) 刊 行 の こ と ば 日 本 文 学 全 集 と そ の 時 代 上

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古 典 で も 、 す べ て 現 代 語 訳 に し て し ま っ た 点 が ミ ソ で あ る 。 の 「 刊 行 の こ と ば 」 が 挑 む よ う な 調 子 で ブ チ 上 げ れ ば 、 「 日 本 国 〈 日 本 の 正 し い 伝 統 が と も す れ ば 危 険 に さ ら さ れ よ う と し て い る 民 文 学 全 集 」 の 「 刊 行 の こ と ば 」 は 〈 国 民 一 般 が こ れ ま で 望 ん で 今 日 に お い て 、 日 本 古 典 文 学 の 普 及 が も っ と も 必 要 で あ る こ と は 求 め 得 ら れ な か っ た 国 民 版 の 古 典 が 現 れ た の で あ る 〉 と 胸 を 張 る 。 申 す ま で も あ り ま せ ん 〉 ( 「 刊 行 の こ と ば 」 ) と 表 向 き は 愛 国 者 ぶ 当 時 の 河 出 書 房 に は 、 非 常 な ア イ デ ィ ア マ ン の 存 在 と 、 そ れ を す り つ つ も 、 第 一 巻 「 古 事 記 」 、 第 二 5 四 巻 「 万 葉 集 」 、 第 七 5 一 〇 ぐ 形 に す る フ ッ ト ワ ー ク の よ さ が あ っ た に ち が い な い 。 池 澤 夏 樹 巻 「 源 氏 物 語 」 か ら 、 近 世 の 第 二 五 巻 「 近 松 名 作 集 」 、 第 二 七 巻 「 芭 版 「 日 本 文 学 全 集 , の 特 徴 で あ る 「 古 典 か ら 現 代 文 学 ま で 」 「 古 蕉 集 」 ま で 、 す べ て 現 代 語 訳 で 読 ま せ よ う と い う 大 胆 不 敵 な 試 み 。 典 は す べ て 現 代 語 訳 で 」 と い う 編 集 方 針 が 、 こ の 時 代 の 全 集 で す 訳 者 は す べ て 名 門 大 学 の 名 だ た る 国 文 学 者 で 、 内 容 見 本 に 示 さ れ で に 実 現 さ れ て い た こ と は 特 筆 に 値 し よ う 。 た 肩 書 き の 威 力 も 目 を 奪 う 。 五 〇 年 代 に 全 集 文 化 が 開 花 し た の は 、 必 ず し も 人 々 の 読 書 欲 が ま あ 、 気 持 ち は わ か ら な い で も な い 。 新 興 の 出 版 社 ( 筑 摩 書 房 旺 盛 だ っ た だ け で な く 、 図 書 館 の 整 備 が 急 務 だ っ た こ と も 関 係 し の 創 業 は 一 九 四 〇 年 、 角 川 書 店 の 創 業 は 一 九 四 五 年 ) が 文 学 全 集 て い る 。 一 九 五 〇 年 に 図 書 館 法 が 制 定 さ れ 、 公 立 図 書 館 の 設 置 が で 次 々 ヒ ッ ト を 飛 ば し て い る の を 見 れ ば 、 老 舗 出 版 社 の 河 出 書 房 進 む 一 方 、 五 四 年 に 施 行 さ れ た 学 校 図 書 館 法 に よ っ て 、 盲 学 校 聾 ( 設 立 は 一 八 八 六 年 、 一 九 三 三 年 に 改 称 ) と し て は 、 そ り ゃ あ 奮 学 校 な ど を 含 む す べ て の 小 中 高 等 学 校 に 図 書 館 の 設 置 が 義 務 づ け 起 せ ざ る を え な か っ た だ ろ う 。 ら れ た 。 占 領 政 策 の ひ と っ と し て 、 民 間 情 報 教 育 局 (o—ß) は か く て 老 舗 に し て 冒 険 野 郎 の 河 出 書 房 は 、 こ の 後 、 新 機 軸 の 日 図 書 館 教 育 を 重 視 し た の で あ る 。 学 制 改 革 で 組 織 改 編 さ れ た 国 公 本 文 学 全 集 を さ ら に あ と 二 種 類 出 す の だ 。 チ ャ ン バ ラ な ど の 大 衆 私 立 の 新 制 大 学 が 、 何 を お い て も 研 究 に 必 要 な 附 属 図 書 館 の 整 備 文 学 に 特 化 し た 「 大 衆 文 学 代 表 作 全 集 , 全 二 四 巻 ( 一 九 五 四 年 5 拡 充 に 力 を 入 れ た の は い う ま で も な い 。 五 五 年 。 第 一 回 配 本 は 吉 川 英 治 「 鳴 門 秘 帖 」 と 大 佛 次 郎 「 赤 穂 浪 空 襲 で 焼 失 し た 大 量 の 本 を 補 填 す る た め に も 、 新 生 日 本 に 賭 け 士 」 ) と 、 現 代 語 訳 の 古 典 か ら 明 治 ・ 大 正 ・ 昭 和 の 作 品 ま で を 一 る 期 待 値 か ら い っ て も 、 新 し い 全 集 の 発 行 は 図 書 館 に 歓 迎 さ れ た 堂 に 集 め た 「 日 本 国 民 文 学 全 集 」 全 三 五 巻 十 別 巻 一 八 巻 ( 一 九 五 こ と だ ろ う 。 日 本 文 学 全 集 の み な ら ず 、 世 界 文 学 全 集 や 百 科 事 典 五 年 5 五 九 年 。 第 一 回 配 本 は 与 謝 野 晶 子 訳 「 源 氏 物 語 」 ) で あ る 。 な ど 、 こ の 時 代 に は 各 社 と も 大 型 出 版 企 画 が 相 次 い だ 。 純 文 学 が 圧 倒 的 に 偉 か っ た 時 代 に 大 衆 文 学 だ け で 全 集 を 編 む の 河 出 書 房 、 角 川 書 店 、 筑 摩 書 房 の 三 社 が 切 磋 琢 磨 し て 基 礎 を 築 も 、 古 典 と 現 代 文 学 を ひ と つ の 全 集 に ま と め る の も 十 分 冒 険 だ っ い た 時 代 を 経 て 、 五 〇 年 代 も 後 半 に な る と 、 全 集 の 世 界 に も 各 社 た は ず 。 〈 大 衆 文 学 が 生 れ て 三 十 年 、 そ の 功 罪 を 新 た に 問 い 、 明 が 参 入 。 戦 前 の 円 本 か ら は じ ま っ た 文 学 全 集 は 、 こ う し て い よ い ( つ づ く ) 日 の 門 出 に 資 す る 時 が 来 た よ う で あ る 〉 と 「 大 衆 文 学 代 表 作 全 集 ー よ 百 花 繚 乱 の 時 代 を 迎 え る の で あ る 。