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検索対象: 現代日本の文学 11 芥川龍之介 集

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集から 438件ヒットしました。

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集


現 代 日 本 の 文 学 芥 川 fiü 之 介 集 三 川 井 伊 北 尾 奥 足 僉 崎 野 立 集 端 上 藤 修 五 + 杜 秀 健 巻 委 紀 康 夫 成 靖 整 聖 夫 樹 男 学 習 研 究 社

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集


三 月 、 「 泉 鏡 花 全 集 」 の 編 集 に 参 加 。 四 月 、 湯 治 の た め 修 善 寺 に 五 を 「 婦 人 公 論 , に 、 「 僕 は 」 を 「 驢 馬 」 に 、 「 彼 ー を 「 女 性 」 に 、 引 月 ま で 滞 在 。 同 月 、 「 芥 川 龍 之 介 集 」 が 「 現 代 小 説 全 集 」 第 一 巻 と 「 悠 々 荘 ー を 「 サ ン デ ー 毎 日 」 に そ れ ぞ れ 発 表 。 一 一 月 、 改 造 社 の 宣 し て 新 潮 社 よ り 刊 行 さ れ た 。 七 月 、 三 男 也 寸 志 誕 生 。 八 月 下 旬 よ り 伝 講 演 会 の た め 佐 藤 春 夫 ら と 大 阪 へ 旅 行 し 谷 崎 潤 一 郎 の 家 に 一 泊 す 三 週 間 再 び 軽 井 沢 つ る や 旅 館 に 滞 在 。 十 月 、 興 文 社 の 依 頼 で 「 近 代 る 。 三 月 、 「 河 童 ー を 「 改 造 」 に 発 表 。 モ ス ク ワ の ク ル ー グ 出 版 社 日 本 文 芸 読 本 」 全 五 巻 を 精 根 っ く し 公 平 に 収 録 し た が 、 収 録 作 品 や よ り 世 界 文 学 叢 書 第 四 編 「 芥 川 龍 之 介 」 が 上 梓 さ れ た 。 四 月 に 自 殺 印 税 配 分 の 問 題 に つ い て 紛 争 が あ り 、 強 い 精 神 的 打 撃 を 受 け た 。 十 の 決 心 熟 す 。 同 月 よ り 「 文 芸 的 な 余 り に も 文 芸 的 な 」 を 「 改 造 」 一 月 、 「 支 那 游 記 」 を 改 造 社 よ り 刊 行 。 こ の 年 、 「 馬 の 脚 」 ( 「 新 潮 」 ( 七 月 ま で ) に 連 載 し 、 同 誌 に 「 饒 舌 録 」 を 連 載 し て い た 谷 崎 潤 一 一 、 一 一 月 ) 、 「 温 泉 だ よ り 」 ( 「 女 性 、 六 月 ) 、 「 海 の ほ と り 」 中 央 公 郎 と 論 争 を 展 開 。 五 月 、 改 造 の 講 演 旅 行 の た め 里 見 弴 と 東 北 ・ 北 海 論 」 九 月 ) な ど を 発 表 。 健 康 の 衰 え は げ し く な る ・ 道 を ま わ っ た 。 帰 り 単 身 新 潟 に 寄 り 、 新 潟 高 等 学 校 で 最 後 の 講 演 大 正 十 五 年 ・ 昭 和 一 年 ( 一 九 一 一 六 ) 三 十 四 歳 「 ポ オ の 一 面 」 を す る 。 五 月 末 、 宇 野 浩 一 一 が 発 狂 。 こ の 事 件 は 龍 之 前 年 末 よ り 胃 腸 を 損 じ 、 ま た 神 経 衰 が 昂 進 し て 不 眠 症 が 激 し く な 介 に 大 き な シ ョ ッ ク を 与 え た 。 六 月 、 第 八 創 作 集 「 湖 南 の 扇 」 を 文 っ て き た た め 、 一 月 十 五 日 か ら 湯 河 原 温 泉 へ 湯 治 に 出 か け 、 中 西 屋 藝 春 秋 社 よ り 刊 行 。 七 月 一 一 十 四 日 未 明 、 田 端 の 自 宅 で ヴ ェ ロ ナ ー 旅 館 に 滞 在 し 、 一 一 月 十 九 日 に 壘 只 す る 。 四 月 二 十 二 日 か ら 、 改 造 社 ル 、 ジ ャ ー ル の 致 死 量 を あ お い で 自 殺 し た ・ 枕 も と に は 聖 書 が あ っ よ り 印 税 一 一 百 円 を 前 借 り し て 、 妻 と 也 寸 志 と 三 人 で 鵠 沼 へ 養 生 に 行 た 。 遺 書 は 妻 文 子 、 小 穴 隆 一 、 菊 池 寛 、 葛 巻 義 敏 、 親 戚 の 竹 内 氏 宛 き 、 東 屋 旅 館 に 滞 在 す る 。 七 月 ま た 鵠 沼 に 行 き 、 以 後 年 内 い つ ば い な ど が あ り 、 そ の ほ か 「 或 旧 友 へ 送 る 手 記 」 や 多 く の 遺 稿 が あ っ た ・ 妻 と 也 寸 志 の 三 人 だ け で 東 屋 近 く の 貸 家 ( 伊 の 四 号 ) に 住 む 。 衰 弱 同 月 一 一 十 七 日 、 谷 中 斎 場 で 葬 儀 が 行 な わ れ た 。 先 輩 総 代 泉 鏡 花 、 友 は 極 度 に は げ し く な る 。 十 月 、 随 筆 集 「 梅 ・ 馬 ・ 鶯 」 を 新 潮 社 よ り 人 総 代 菊 池 寛 、 文 芸 家 協 会 代 表 里 見 弴 、 後 輩 代 表 小 島 政 一 一 郎 ら の 弔 刊 行 。 こ の 年 の 作 に は 、 「 年 末 の 一 日 」 ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 湖 南 の 扇 」 詞 が あ っ た 。 墓 は 、 遺 志 に 従 っ て 、 愛 用 の 座 布 団 を 形 ど っ た 台 石 の ( 「 中 央 公 論 」 一 月 ) 、 「 越 び と 」 ( 「 明 星 」 一 一 月 ) 、 「 春 の 夜 」 ( 「 文 藝 上 に 、 小 穴 隆 一 の 筆 で 「 芥 川 龍 之 介 墓 」 と 刻 ま れ た も の で 、 染 井 春 秋 」 九 月 ) 、 遺 書 の 先 触 れ 、 「 点 鬼 簿 」 ( 「 改 造 」 十 月 ) 、 遺 稿 「 凶 」 、 の 滋 眼 寺 境 内 に あ る 。 遺 稿 と し て 「 西 方 の 人 」 ( 「 改 造 」 八 月 ) 、 「 続 「 鵠 沼 雑 記 」 な ど が あ る ・ 西 方 の 人 」 ( 「 同 」 九 月 ) 、 「 闇 中 問 答 」 「 侏 儒 の 言 葉 」 「 十 本 の 針 」 ( 「 文 昭 和 ニ 年 ( 一 九 二 七 ) 三 十 五 歳 藝 春 秋 」 九 月 ) 、 「 歯 車 」 ( 「 同 」 十 月 ) 、 「 或 阿 呆 の 一 生 」 ( 「 改 造 」 十 一 月 二 日 、 田 端 に 戻 る 。 義 兄 西 川 豊 か 全 焼 ・ 火 事 の 直 前 に 莫 大 な 月 ) な ど が あ っ た 。 十 一 月 、 「 芥 川 龍 之 介 全 集 」 全 八 巻 が 、 遺 言 ど 保 険 金 が か け て あ っ た た め 、 不 在 だ っ た 豊 に 放 火 の 嫌 疑 が か け ら お り 岩 波 書 店 か ら 刊 行 さ れ は じ め る 。 十 二 月 、 「 侏 儒 の 言 葉 」 「 澄 江 れ 、 そ の 行 方 を 捜 査 中 に 豊 は 鉄 道 自 殺 を と げ た 。 高 利 の 借 金 が 残 さ 堂 句 集 」 が 文 藝 眷 秋 社 よ り 刊 行 さ れ た 。 れ た た め 、 龍 之 介 は そ の 後 始 末 と 整 理 に 東 奔 西 走 し 、 神 経 衰 弱 は 極 ( こ の 年 譜 は 、 諸 種 の も の を 参 照 の 上 、 編 集 部 で 作 成 し 、 さ ら に 進 度 に 悪 化 。 そ の か た わ ら 「 玄 鶴 山 房 」 を 「 中 央 公 論 , に 、 「 蜃 気 楼 」 藤 純 孝 氏 の 校 閲 を 得 ま し た )

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414 作 集 「 煙 草 と 悪 魔 」 を 新 潮 社 よ り 刊 行 ・ こ の 年 、 「 尾 形 了 斎 覚 え 書 」 満 契 し 七 月 末 菊 池 寛 、 久 米 正 雄 、 宇 野 造 「 広 津 和 郎 と と も に ど う そ ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 道 祖 問 答 」 ( 「 大 阪 朝 日 新 聞 」 一 月 ) 、 「 葬 儀 記 」 発 起 人 と な り 、 江 口 渙 の 「 赤 い 矢 帆 の 会 」 を ミ カ ド で 行 っ た 。 こ こ ( 「 新 思 潮 ー 三 月 ) 、 「 偸 盗 , ( 「 中 央 公 論 ー 四 、 七 月 ) 、 「 さ ま よ え る 猶 で 宇 野 浩 一 一 と 初 め て 会 っ た 。 八 月 、 金 沢 に 旅 行 し た 。 こ の 頃 よ り 河 太 人 」 ( 「 新 潮 」 六 月 ) 、 「 成 日 の 大 石 内 蔵 助 , ( 「 中 央 公 論 」 九 月 ) 、 童 の 絵 を 好 ん で 描 き 出 し た 。 ま た 、 こ の あ た り か ら 、 女 性 関 係 に 心 を 「 戯 作 三 味 」 ( 「 大 阪 毎 日 新 聞 」 十 一 月 ) な ど を 発 表 し た 。 煩 わ す こ と が 多 く な り 、 以 後 の 精 神 生 活 に 大 き な 負 担 を 与 え た 。 こ 大 正 七 年 ( 一 九 一 八 ) 一 一 亠 ハ 歳 の 年 、 「 毛 利 先 生 」 ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 あ の 頃 の 自 分 の 事 ー ( 「 中 央 公 論 」 二 月 一 一 日 、 親 友 山 本 喜 誉 司 の 姪 、 塚 本 文 子 と 結 婚 。 三 月 、 鎌 倉 町 大 一 月 ) 、 「 き り し と ほ ろ 上 人 伝 」 ( 「 新 小 説 」 三 、 五 月 ) 、 「 私 の 出 遇 っ 町 字 辻 小 山 別 邸 内 に 居 を 移 し 、 文 子 と 伯 母 、 女 中 ら と の 新 生 活 に 入 た 事 ー 蜜 柑 ・ 沼 地 」 ( 「 新 潮 」 五 月 ) 、 「 路 上 」 ( 「 大 阪 毎 日 」 六 ~ 八 る 。 こ の 鎌 倉 で の 生 活 期 間 は 、 龍 之 介 の 生 涯 の 中 で も 最 も 幸 福 な 時 月 ) 、 「 妖 婆 」 ( 「 中 央 公 論 」 九 、 十 月 ) な ど を 発 表 し た 。 代 で あ っ た と い わ れ て い る 。 同 月 、 大 阪 毎 日 新 聞 社 社 友 と な る 。 同 大 正 九 年 ( 一 九 一 一 〇 ) 一 一 十 八 歳 社 の 学 芸 部 長 は 叫 飛 ( ) で あ 0 た 。 一 」 の 頃 よ り 俳 句 に 興 味 一 月 、 第 四 短 編 集 「 影 燈 籠 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 = 一 月 、 長 男 比 呂 志 を も ち 、 高 浜 ナ に 師 事 し た 。 こ の 年 、 「 西 郷 隆 盛 」 ( 「 新 小 説 , 一 誕 生 。 命 名 は 菊 池 寛 の 「 寛 」 に よ る 。 六 月 槍 ヶ 岳 に 、 八 月 青 根 温 泉 月 ) 、 「 首 が 落 ち た 話 」 ( 「 新 潮 一 月 ) 、 「 世 之 助 の 話 」 ( 「 新 小 説 」 四 に 旅 行 。 十 一 月 、 久 米 正 雄 、 菊 池 寛 、 宇 野 浩 一 一 ら と 京 阪 を 講 演 旅 行 月 ) 、 「 袈 娑 と 盛 遠 」 ( 「 中 央 公 論 」 四 月 ) 、 「 地 獄 変 」 ( 「 大 阪 毎 日 新 し た 。 こ の 年 、 「 魔 術 」 ( 「 赤 い 鳥 」 一 月 ) 、 「 鼠 小 僧 次 郎 吉 」 ( 「 中 央 聞 」 五 月 ) 、 「 蜘 蛛 の 糸 」 ( 「 赤 い 鳥 」 五 月 ) 、 「 開 化 の 殺 人 」 ( 「 中 央 公 公 論 」 一 月 ) 、 「 舞 踏 会 」 ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 秋 」 ( 「 中 央 公 論 」 四 月 ) 、 論 」 七 月 ) 、 「 奉 教 人 の 死 」 ( コ 一 一 田 文 学 ー 九 月 ) 、 「 枯 野 抄 」 ( 「 新 小 「 南 京 の 基 督 」 ( 「 同 ー 七 月 ) 、 「 杜 子 春 」 ( 「 赤 い 鳥 」 七 月 ) 「 槍 ケ 嶽 紀 説 」 十 月 ) 、 「 邪 宗 門 」 ( 「 東 京 日 日 」 十 月 ~ 十 一 一 月 ) 、 「 る し へ る 」 行 」 ( 「 改 造 」 七 月 ) 、 「 お 律 と 子 等 と 」 ( 「 中 央 公 論 」 十 、 十 一 月 ) な ( 「 雄 弁 」 十 一 月 ) な ど を 発 表 し た ・ ど を 発 表 。 大 正 八 年 ( 一 九 一 九 ) 一 一 十 七 歳 大 正 十 年 ( 一 九 一 一 一 ) 一 一 十 九 歳 一 月 、 第 三 短 編 集 「 傀 儡 師 」 を 新 潮 社 よ り 刊 行 。 三 月 、 海 軍 機 関 学 三 月 、 第 五 創 作 集 「 夜 来 の 花 」 を 新 潮 社 よ り 刊 行 ・ 同 月 、 大 阪 毎 日 校 嘱 託 を や め 、 大 阪 毎 日 新 聞 社 社 員 と な る 。 出 勤 は せ ず 、 年 に 何 回 新 聞 社 か ら 海 外 視 察 員 と し て 中 国 に 特 派 さ れ た 。 が 、 上 海 到 着 の 翌 か 小 説 を 書 き 、 他 社 の 新 聞 に 執 筆 し な い と い う 条 件 で 、 原 稿 料 な し 日 か ら 乾 性 肋 膜 炎 を お こ し て 約 三 週 間 里 見 病 院 に 入 院 し た 。 退 院 の 月 額 百 三 十 円 の 報 酬 で あ っ た 。 同 月 十 五 日 、 実 父 新 原 敏 三 死 去 。 後 、 上 海 、 江 南 、 長 江 、 盧 山 に 至 り 、 武 漢 、 洞 庭 湖 か ら 長 沙 、 北 京 、 四 月 、 再 び 田 端 の 自 宅 に 引 き あ げ 養 父 母 と 生 活 を 共 に し た 。 田 端 の 朝 鮮 を へ て 七 月 末 帰 京 。 四 月 、 短 編 小 説 集 「 戯 作 三 昧 」 を 春 陽 堂 よ 書 斎 「 我 鬼 窟 」 の 日 曜 日 の 面 会 日 に は 、 小 穴 隆 一 、 小 島 政 一 一 郎 、 南 り 上 梓 。 十 月 一 日 か ら 南 部 修 太 郎 と 約 三 週 間 湯 河 原 中 西 景 館 に 湯 や ま し 部 修 太 郎 、 星 犀 星 、 佐 佐 木 茂 索 、 滝 井 孝 作 ら が 集 ま っ た 。 五 月 八 治 の た め 滞 在 し た 。 こ の 年 、 「 山 嶋 」 ( 「 中 央 公 論 」 一 月 ) 、 「 秋 山 図 」 日 ~ 十 八 日 菊 池 寛 長 崎 に 旅 行 し 、 南 蛮 ・ キ リ シ タ ン ・ 支 那 趣 味 を ( 「 改 造 」 一 月 ) 、 「 ア グ ュ の 神 」 ( 「 赤 い 鳥 」 一 、 一 一 月 ) 、 「 奇 遇 」 ( 「 中 央

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公 論 」 四 月 ) 、 「 往 生 絵 巻 」 ( 「 国 粋 . 四 月 ) 「 上 海 游 記 」 ( 「 大 阪 毎 日 作 ら に 会 う ・ こ の 年 、 「 保 吉 の 手 帳 か ら 」 ( 「 改 造 ー 五 月 ) 、 「 お 時 儀 」 新 聞 。 八 月 ) 「 母 」 ( 「 中 央 公 論 ー 九 月 ) 「 好 色 ー ( 「 改 造 ー 十 月 ) ( 「 女 性 」 十 月 ) 、 「 あ ば ば ば ば 」 ( 「 中 央 公 論 」 十 二 月 ) な ど の い わ ゆ な ど を 発 表 し た ・ る 保 吉 物 を 発 表 し 、 身 辺 雑 事 に 取 材 し た よ う な 作 風 を 示 し 出 し た 。 大 正 十 一 年 ( 一 九 一 = D 三 十 歳 ほ か に 、 「 わ が 散 文 詩 」 ( 「 詩 と 音 楽 ー 一 月 ) 、 「 雛 」 ( 「 中 央 公 論 , 三 一 月 、 小 説 集 「 芋 粥 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 四 月 、 義 母 や 伯 母 を 京 都 月 ) コ 一 人 小 町 」 ( 「 サ ン デ ー 毎 日 」 三 月 ) 、 「 猿 蟹 合 戦 」 ( 「 婦 人 公 論 」 見 物 に 案 内 。 同 月 一 一 十 五 日 ~ 五 月 三 十 日 、 長 崎 へ 再 こ の 頃 よ り 三 月 ) 、 「 子 供 の 病 気 」 ( 「 局 外 」 八 月 ) な ど を 発 表 。 書 斎 の 額 を 「 澄 江 堂 」 と 改 め る 。 五 月 、 随 筆 集 「 点 心 」 を 金 星 堂 よ り 大 正 十 三 年 ( 一 九 一 一 四 ) 三 十 一 一 歳 や ら ま た 刊 行 。 七 月 、 初 め て 志 賀 直 哉 を 我 孫 子 の 家 に 小 穴 隆 一 と 訪 れ る ・ 八 四 月 、 千 葉 県 八 街 に 紛 擾 史 の 実 地 調 査 旅 行 に 赴 く 。 五 月 、 震 災 で 金 月 、 選 集 「 沙 羅 の 花 」 を 改 造 社 よ り 刊 行 。 十 一 月 、 中 編 「 邪 宗 門 」 沢 に 帰 郷 し て い た 室 生 犀 星 の も と に 遊 ぶ 。 俳 人 桂 井 未 翁 の 世 話 で 兼 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 同 月 次 男 多 加 志 生 れ る ・ 小 穴 隆 一 の 「 隆 し を と 六 公 園 内 三 芳 庵 別 荘 に 泊 っ た 。 京 阪 を 回 り 、 志 賀 直 滝 井 孝 作 ら っ て 命 名 。 こ の 頃 よ り 龍 之 介 の 健 康 著 し く 衰 え 、 神 経 衰 弱 、 胄 痙 攣 と 会 い 帰 京 。 七 月 、 第 七 短 編 集 「 黄 雀 風 」 を 新 潮 社 よ り 刊 行 。 同 月 な ど の 病 気 が つ づ く ・ こ の 年 、 「 俊 寛 」 ( 「 中 央 公 論 」 一 月 ) 、 「 藪 の か ら 十 四 年 三 月 ま で 、 英 文 教 科 書 ま The Modern Series of E 品 ・ 中 ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 将 軍 」 ( 「 改 造 」 一 月 Y 「 神 神 の 微 笑 」 ( 「 新 小 lish Literature ・ ・ ( 興 文 社 刊 。 全 八 巻 ) を 編 集 し た 。 七 月 下 旬 よ 説 」 一 月 ) 、 「 江 南 游 記 」 ( 「 大 阪 毎 日 新 聞 」 一 ~ 一 一 月 ) 、 「 ト ロ ッ コ 」 り 約 一 か 月 初 め て 軽 井 沢 に 避 暑 。 つ る や 旅 館 に 滞 在 し 、 堀 辰 雄 、 室 ( 「 大 観 ー 三 月 ) 、 「 仙 人 」 ( 「 サ ン デ ー 毎 日 」 四 月 ) 、 「 長 崎 小 品 」 ( 「 同 」 生 犀 星 、 山 本 有 三 ら と 交 際 し た 。 ま た 、 こ の 間 「 越 人 」 ( 或 阿 呆 の 六 月 ) 、 「 お 富 の 貞 操 」 ( 「 改 造 」 五 、 六 月 ) 、 「 庭 」 ( 「 中 央 公 論 」 七 一 生 ・ 三 十 七 ) の 片 山 広 子 を 知 る 。 九 月 、 随 筮 集 「 百 艸 」 を 新 潮 社 月 ) 、 「 六 の 宮 の 姫 君 」 ( 「 表 現 」 八 月 ) 、 「 魚 河 岸 」 ( 「 婦 人 公 論 」 、 / よ り 刊 行 。 十 月 、 叔 父 竹 内 顕 一 一 を 失 い 、 さ ら に 義 弟 塚 本 八 洲 の 喀 血 月 ) 、 「 お ぎ ん 」 ( 「 中 央 公 論 」 九 月 ) な ど を 発 表 し た ・ に も あ い 、 衝 撃 を う け た 。 自 身 の 健 康 も し だ い に 衰 弱 。 こ の 頃 よ り 大 正 十 ニ 年 ( 一 九 ニ 三 ) 三 十 一 歳 斎 藤 茂 吉 と 知 り 合 う 。 十 一 月 、 田 端 の 庭 に 書 斎 を 増 築 し た 。 こ の 一 月 、 「 文 藝 春 秋 」 創 刊 。 同 誌 巻 頭 に 「 侏 儒 の 言 葉 」 を 連 載 ( 大 正 年 、 「 一 塊 の 土 」 ( 「 新 潮 」 一 月 ) 、 「 糸 女 覚 え 書 」 ( 「 中 央 公 論 」 一 月 ) 、 譜 十 四 年 十 一 月 完 ) 。 三 月 か ら 四 月 に か け て 、 湯 治 の た め 湯 河 原 中 西 「 不 思 議 な 島 」 ( 「 随 筆 」 一 月 ) 、 「 少 年 」 ( 「 中 央 公 論 」 四 、 五 月 ) 、 屋 旅 館 に 滞 在 す る 。 五 月 、 第 六 短 編 集 「 春 服 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 「 寒 さ 」 ( 「 改 造 ー 四 月 ) 、 「 文 章 」 ( 「 女 性 , 四 月 ) 、 「 或 恋 愛 小 説 」 ( 「 婦 八 月 、 山 梨 県 北 巨 摩 郡 に あ る 法 光 寺 の 夏 期 大 学 に 赴 き 「 文 芸 に つ い 人 グ ラ フ 」 四 月 ) 、 「 文 放 古 」 ( 「 婦 人 公 論 五 月 ) 、 「 十 円 札 」 ( 「 改 年 て 」 を 講 演 し た 。 同 月 帰 京 後 す ぐ 小 穴 隆 一 と 避 暑 の た め 鎌 倉 に 行 造 」 九 月 ) 、 「 軽 井 沢 日 記 」 ( 「 随 筆 ー 九 月 ) な ど を 発 表 。 き 、 駅 前 平 野 屋 別 荘 に 逗 留 。 こ の と き 、 隣 室 に 来 て い た 漫 画 家 岡 本 大 正 十 四 年 ( 一 九 二 五 ) 三 十 三 歳 一 平 ・ か の 子 夫 妻 と 識 り 合 う 。 十 月 一 高 在 学 中 の 堀 辰 雄 を 室 生 犀 星 一 月 、 「 大 導 寺 信 輔 の 半 生 ー を 「 中 央 公 論 , 一 月 に 発 表 。 自 伝 的 小 の 紹 介 で 知 ゑ 十 ニ 月 、 京 都 へ 旅 行 し 、 恒 藤 恭 、 志 賀 直 載 、 滝 井 孝 説 を 書 き 出 す 。 ニ 月 、 萩 原 朔 太 郎 が 田 端 に 転 居 し 、 交 際 が 深 ま る 。

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現 代 日 本 の 文 学 芥 川 龍 之 介 集 全 60 巻 昭 和 45 年 3 月 1 日 初 版 発 行 昭 和 57 年 10 月 1 日 28 版 発 行 電 話 は , 東 京 ( 03 ) 720 ー 1111 へ お 願 い し ま す 。 著 者 発 行 者 発 行 所 芥 川 龍 之 介 古 岡 滉 齡 学 習 研 究 社 東 京 都 大 田 区 上 池 台 4 ー 40 ー 5 〒 145 振 替 東 京 8 ー 142930 電 話 東 京 ( 720 ) 1111 ( 大 代 表 ) 印 刷 大 日 本 印 刷 株 式 会 社 中 央 精 版 印 刷 株 式 会 社 製 本 中 央 精 版 印 刷 株 式 会 社 本 文 用 紙 三 菱 製 紙 株 式 会 社 表 紙 ク ロ ス 東 洋 ク ロ ス 株 式 会 社 製 函 永 井 紙 器 印 刷 株 式 会 社 * こ の 本 に 関 す る お 問 合 せ や ミ ス な ど が あ り ま し た ら , 文 書 は , 東 京 都 大 田 区 上 池 台 4 丁 目 40 番 5 号 ( 〒 145 ) 学 研 お 客 さ ま 相 談 セ ン タ ー 現 代 日 本 の 文 学 係 へ , ◎ GAKKEN 1970 Printed in Japan ISBN4 ー 05 ー 050221 ー 6 C0393 本 書 内 容 の 無 断 複 写 を 禁 す

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芥 川 龍 之 介 集

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* が く よ う 三 た び 嶽 陽 に 入 れ ど も 、 人 識 ら ず 。 「 そ う か 。 そ れ を 聞 い て 、 お れ も 安 心 し た 。 で は お れ は 行 ろ う ん ひ か ど う て い こ っ て 来 る か ら 。 」 朗 吟 し て 、 飛 過 す 洞 庭 湖 。 ま た が 老 人 は 杜 子 春 に 別 れ を 告 げ る と 、 又 あ の 竹 杖 に 跨 っ て 、 け ず 四 夜 目 に も 削 っ た よ う な 山 々 の 空 へ 、 一 文 字 に 消 え て し ま い 二 人 を 乗 せ た 青 竹 は 、 間 も な く 峨 眉 山 へ 舞 い 下 り ま し ま し た 。 ま ま し ず か 杜 子 春 は た っ た 一 人 、 岩 の 上 に 坐 っ た 儘 、 静 に 星 を 眺 め し ん ざ ん や 、 て い ま し た 。 す る と 彼 是 半 時 ば か り 経 っ て 、 深 山 の 夜 気 が そ こ は 深 い 谷 に 臨 ん だ 、 幅 の 広 い 一 枚 岩 の 上 で し た が 、 と お よ く よ く 高 い 所 だ と 見 え て 、 中 空 に 垂 れ た 北 斗 の 星 が 、 茶 肌 寒 く 薄 い 着 物 に 透 り 出 し た 頃 、 突 然 空 中 に 声 が あ っ て 、 じ ん せ 碗 程 の 大 き さ に 光 っ て い ま し た 。 元 よ り 人 跡 の 絶 え た 山 で 「 そ こ に い る の は 何 者 だ 。 」 と 、 叱 り つ け る で は あ り ま せ す か ら 、 あ た り は し ん と 静 ま り 返 っ て 、 や っ と 耳 に は い る ん か 。 う し ろ お し え は し か し 杜 子 春 は 仙 人 の 教 通 り 、 何 と も 返 事 を し ず に い ま も の は 、 後 の 絶 壁 に 生 え て い る 、 曲 り く ね っ た 一 株 の 松 し た 。 が 、 こ う こ う と 夜 風 に 鳴 る 音 だ け で す 。 し ば ら と し し ゅ ん 一 一 人 が こ の 岩 の 上 に 来 る と 、 鉄 冠 子 は 杜 子 春 を 絶 壁 の 下 所 が 又 暫 く す る と 、 や は り 同 じ 声 が 響 い て 、 「 返 事 を し な い と 立 ち 所 に 、 命 は な い も の と 覚 悟 し ろ 。 」 に 坐 ら せ て 、 お ど * せ い お う ば い か め し く 嚇 し つ け る の で す 。 「 お れ は こ れ か ら 天 上 へ 行 っ て 、 西 王 母 に 御 眼 に か か っ て と 、 も ら ろ ん 来 る か ら 、 お 前 は そ の 間 こ こ に 坐 っ て 、 お れ の 帰 る の を 待 社 子 春 は 勿 論 黙 っ て い ま し た 。 ら ん ら ん っ て い る が 好 い 。 多 分 お れ が い な く な る と 、 い ろ い ろ な 魔 と 、 ど こ か ら 登 っ て 来 た か 、 爛 々 と 眼 を 光 ら せ た 虎 が 一 に ら し よ う 性 が 現 れ て 、 お 前 を た ぶ ら か そ う と す る だ ろ う が 、 た と い ど 匹 、 忽 無 と 岩 の 上 に 躍 り 上 0 て 、 杜 子 春 の 姿 を 睨 み な が た け 春 ん な こ と が 起 ろ う と も 、 決 し て 声 を 出 す の で は な い そ 。 も ら 、 一 声 高 く 哮 り ま し た 。 の み な ら ず そ れ と 同 時 に 、 頭 の う し ろ 子 し 一 言 で も 口 を 利 い た ら 、 お 前 は 到 底 仙 人 に は な れ な い も 上 の 松 の 枝 が 、 烈 し く ざ わ ざ わ 揺 れ た と 思 う と 、 後 の 絶 壁 し と だ る ま く だ か く ご い た だ き 杜 の だ と 覚 悟 を し ろ 。 好 い か 。 天 地 が 裂 け て も 、 黙 0 て い る の 頂 か ら は 、 四 斗 樽 程 の 蛇 が 一 匹 、 炎 の よ う な 舌 を 吐 い て 、 見 る 見 る 近 く へ 下 り て 来 る の で す 。 の だ そ 。 」 と 言 い ま し た 。 ま ゆ げ 昭 「 大 丈 夫 で す 。 決 し て 声 な ぞ は 出 し は し ま せ ん 。 命 が な く 杜 子 春 は し か し 平 然 と 、 眉 毛 も 動 か さ ず に 坐 っ て い ま し な っ て も 、 黙 っ て い ま す 。 」 て つ か ん し が び さ ん し さ が か れ こ れ お ど し か た

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集


目 次 芥 川 龍 之 介 文 学 紀 行 美 の 旅 ・ 謎 の 旅 羅 生 鼻 : ・ 芋 粥 蜘 蛛 の 糸 : 地 獄 変 : 奉 教 人 の 死 : 枯 野 抄 : 柑 : 舞 踏 会 : 進 藤 純 孝 石 ・ : 五 三 ・ : 五 九 六 五 : 一 0 五 十 少 寒 文 或 あ お 保 雛 ト 藪 秋 杜 恋 ば の 愛 ば 時 手 の 山 子 円 小 ば か 札 年 さ 章 説 ば 儀 ら 中 図 春 : 一 三 0 : 一 六 五 : 一 九 0 ・ 一 九 四 : 一 一 00

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集


接 的 な 両 批 判 の 間 に 、 エ ゴ イ ズ ム 批 判 が 影 を ひ そ め て 、 清 冽 と も い う べ き リ ア リ ズ ム が 結 晶 し た 連 の 作 品 が あ る 。 つ ま り 、 中 期 の 「 」 「 舞 踏 会 」 「 秋 」 「 秋 山 図 」 「 ト ロ ッ コ 」 「 雛 」 な ど の 作 品 で あ る 。 こ れ ら の 作 品 で 大 正 十 年 、 芥 川 は 毎 日 新 聞 社 か ら 特 派 さ れ て 、 三 月 は 、 テ ー マ 小 説 特 有 の 、 ち ん ま り し た 押 し つ け が ま し ′ い た そ か ら 七 月 に か け て 、 約 四 カ 月 、 中 国 を 広 く 歩 さ が す っ か り 後 を 断 っ て 、 静 か な ポ エ ジ ー に ま で 昇 華 し て 、 大 正 十 二 年 、 い わ ゆ る 「 保 吉 も の 」 を 執 筆 す る と し ー ん し て い る 。 「 蜘 蛛 の 糸 」 「 杜 子 春 」 の 二 つ の 童 話 の 、 素 直 頃 か ら 、 神 経 衰 弱 は ひ ど く な っ て 、 睡 眠 薬 の 量 は 増 え 、 で 、 暖 か く 、 静 か な 心 情 の 表 白 と と も に 、 芥 川 の 作 品 身 体 の 衰 弱 が 目 立 ち 、 各 地 に 保 養 に 出 か け る こ と が 多 く な っ こ 。 の 中 で は 私 が 一 番 愛 着 を 感 じ る も の で あ る 。 言 葉 を 変 え て 言 え ば 、 芥 川 龍 之 介 と い う 人 間 の 生 涯 を イ ン デ ッ 数 年 前 の 海 軍 機 関 学 校 の 教 官 時 代 に 取 材 し た 「 保 吉 ク ス と し な い で も 、 そ れ 自 身 独 立 し た 作 品 世 界 を 持 っ 説 的 な 作 風 を 濃 も の 」 を 境 と し て 、 芥 川 は 次 第 に 私 小 ; て い る と い 、 フ こ と て あ る く し て 行 く 。 し か し 、 一 則 に も 言 及 し た 通 り 、 こ れ は 世 特 に 、 「 舞 踏 会 」 「 秋 」 「 秋 山 図 」 の 三 編 は 、 芥 川 の 間 に 対 し て う ら み つ ら み を 述 べ る 、 い わ ゆ る 私 小 説 と 最 高 傑 作 の う ち に 数 え ら れ る べ き も の で あ ろ う 。 こ れ は 趣 を 異 に し て い る 。 芥 川 の 見 つ め て い る の は 、 あ く ら の 作 品 は 、 既 に く だ く だ し い 解 説 は 必 要 と し な い ま で 自 己 内 面 の エ ゴ で あ り 、 そ れ に 基 づ く 現 実 批 判 な あ い れ ん き く 「 舞 踏 会 」 は 、 愛 隣 掬 す べ き 美 し い 小 編 で あ り 、 「 秋 」 の で あ る 。 そ れ は 、 エ ゴ イ ズ ム 批 判 や 厭 世 癖 が 、 話 ら 抑 制 の 利 い た 文 章 で 、 く だ く だ し い 説 明 を 避 け な し い 話 の 外 装 で 蔽 え な い ほ ど 、 病 的 に 強 く な っ た と い が ら 、 二 人 の 姉 妹 の こ ま か い 心 の 襞 を よ く と ら え て い う こ と も あ ろ う し 、 あ る い は ま た 、 志 賀 直 哉 へ の 尊 敬 る 。 「 秋 山 図 」 は 、 観 賞 者 の 内 面 の 理 想 像 と し て の 芸 術 に 由 来 す る 「 話 の な い 小 説 」 へ の 志 向 と い う こ と も あ ろ 、 フ 作 品 の 美 し さ と 、 そ れ が 衆 人 の 眼 に さ ら さ れ た と き と の 乖 離 を テ ー マ と し た も の だ が 、 そ の テ ー マ は 強 く 前 こ の 集 に は 、 「 保 吉 の 手 帳 か ら 」 「 お 時 儀 」 「 あ ば ば ち ゃ っ み つ け ん ご 面 に 出 る こ と な く 、 稠 密 堅 固 な 文 章 で も っ て 、 一 種 の ば ば 」 「 或 恋 愛 小 説 」 「 文 章 」 「 寒 さ 」 「 少 年 」 「 十 神 韶 の 気 さ え 漂 よ わ せ て 、 鵰 外 の 作 品 を 思 わ せ る と こ 円 札 」 と 、 「 保 吉 も の 」 の す べ て が 収 録 さ れ て い る 。 「 保 ろ が あ る 。 442

現代日本の文学 11 芥川龍之介 集


412 た 。 こ の 頃 よ り 、 「 釈 迦 八 相 倭 文 庫 」 「 童 謡 妙 々 車 」 な ど の 明 治 初 期 こ ん び ら り し よ う 物 草 双 紙 や 「 西 遊 記 」 の 翻 案 「 金 毘 羅 利 生 記 -l' 帝 国 文 庫 本 の 「 水 滸 伝 ー な ど を 愛 読 し た と い わ れ て い る 。 明 治 三 十 五 年 ( 一 九 〇 一 l) 十 一 月 一 一 十 八 日 、 実 母 フ ク 病 死 。 四 月 ご ろ か ら 同 級 生 た ち と 回 覧 雑 誌 「 日 の 出 界 」 を 発 行 、 自 ら 表 紙 の 画 や カ ッ ト な ど 描 き 編 集 し た 。 す で に 馬 琴 、 三 馬 、 一 九 、 近 松 な ど の 江 戸 文 学 に 親 し み 、 ま た 徳 富 明 治 ニ 十 五 年 っ 八 九 一 D 三 月 一 日 、 原 敏 三 ( 山 口 県 人 牛 乳 業 ) ・ フ ク の 長 男 と し て 、 東 蘆 花 「 自 然 と 人 生 」 「 思 出 の 記 」 、 泉 鏡 花 「 化 銀 杏 」 等 も 愛 読 し た 。 京 市 京 橋 区 ( 現 中 央 区 ) 入 船 町 に 生 ま れ る 。 辰 年 辰 月 辰 日 辰 刻 の 生 明 治 三 十 七 年 ( 一 九 日 ) 十 一 一 歳 ま れ だ っ た の で 龍 之 介 と 命 名 さ れ た 。 龍 之 介 は 父 四 十 一 一 歳 、 母 三 十 実 父 敏 三 と 後 妻 フ ュ ( フ ク の 妹 ) と の 間 に 次 男 得 一 一 が 生 ま れ た の な い や く 三 歳 の 大 厄 の 年 の 子 で あ っ た た め 、 江 戸 時 代 か ら の 迷 信 に 従 っ て 、 で 、 新 原 家 は 得 一 一 が 嗣 ぐ こ と に な り 、 八 月 、 龍 之 介 は 芥 川 家 と 正 式 形 式 的 に 近 く の 教 会 の 前 に 捨 て ら れ 、 松 村 浅 一 一 郎 が 拾 い 親 に な っ た 。 に 養 子 縁 組 を 結 ん だ 。 一 一 姉 が あ り 、 長 姉 ハ ツ は 六 歳 で 病 死 、 次 姉 ヒ サ は の ち 葛 巻 義 定 に 嫁 明 治 三 十 八 年 ( 一 九 〇 五 ) 十 三 歳 ぎ 、 一 男 一 女 を 生 み 、 夬 の 死 後 西 川 豊 と 再 婚 し た 。 龍 之 介 の 生 後 八 三 月 、 江 東 小 学 校 高 等 科 三 年 修 了 、 足 府 立 第 三 中 学 校 ( 現 都 立 両 国 か 月 後 に 母 フ ク が 発 狂 し た た め 、 そ の 実 家 、 本 所 区 ( 現 墨 田 区 ) 小 高 校 ) に 入 学 。 学 業 は 常 に 優 秀 で 、 特 に 漢 文 の 力 は 抜 群 で あ っ た 。 泉 町 の 芥 川 家 に ひ き と ら れ 、 母 の 実 兄 道 章 に 育 て ら れ た 。 芥 川 家 は 読 書 欲 は 強 ま り 、 紅 葉 、 露 伴 、 一 葉 、 樗 牛 、 独 歩 、 漱 石 、 外 な ど 代 々 徳 川 家 の お 数 寄 屋 坊 主 を つ と め た 旧 家 で 、 家 庭 生 活 に は 江 戸 の を 手 当 り 次 第 に 読 破 し た 。 外 国 作 家 で は 、 イ プ セ ン 、 ア ナ ト ー ル ・ 文 人 ・ 通 人 的 な 気 風 が 強 か っ た 。 龍 之 介 は 、 実 母 フ ク の 姉 で 生 涯 独 フ ラ ン ス に 興 味 を 示 し た 。 学 科 で は 歴 史 を 最 も 好 み 、 将 来 は 歴 史 家 身 を 通 し た 伯 母 フ キ に よ り 母 が わ り に 愛 さ れ 育 て ら れ た 。 に な ろ う と 思 っ て い た 。 中 学 時 代 の 作 品 「 木 曾 義 仲 論 」 は 文 学 的 素 明 治 三 十 年 ( 一 八 九 七 ) 五 歳 質 の 早 熟 な 開 化 を 示 す も の と し て 注 目 さ れ る 。 回 向 院 の 隣 に あ っ た 本 所 元 町 の 江 東 小 学 校 付 属 幼 稚 園 に 通 う 。 明 治 四 十 三 年 ( 一 九 一 〇 ) 十 八 歳 明 治 三 十 一 年 ( 一 八 九 八 ) 六 歳 三 月 、 第 三 中 学 校 を 卒 業 。 成 績 優 秀 の た め 無 試 験 で 、 九 月 、 第 一 高 四 月 、 本 所 元 町 の 江 東 小 学 校 に 入 学 。 神 経 質 で ひ 弱 な 子 供 だ っ た が 、 等 学 校 第 一 部 乙 ( 文 科 ) に 入 学 。 同 級 に 久 米 正 雄 、 菊 池 寛 、 松 岡 学 業 成 績 は 優 秀 で 、 一 中 節 の 師 匠 宇 治 紫 山 の 息 子 に つ い て 英 語 ・ 漢 譲 、 山 本 有 三 、 恒 藤 恭 、 土 屋 文 明 、 成 瀬 正 一 ら が お り 、 独 法 科 に は 学 ・ 習 字 を 習 い は じ め た 。 倉 田 百 三 、 藤 森 成 吉 ら が 、 一 級 上 の 文 科 に は 、 豊 島 与 志 雄 、 山 宮 明 治 三 十 四 年 ( 一 九 〇 一 ) 九 歳 允 、 近 衛 文 麿 ら が い た 。 龍 之 介 は 特 に 四 歳 年 長 の 秀 才 恒 藤 恭 と 親 交 ベ ル グ ン ン 、 西 田 幾 多 郎 な ど の 哲 学 を 議 論 し 合 っ 「 落 葉 焚 い て 葉 守 り の 神 を 見 し 夜 か な 」 と い う 俳 句 を 初 め て 作 っ を 結 び 、 カ ン ト 、 日 た っ