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検索対象: 写楽 よみがえる素顔

写楽 よみがえる素顔から 218件ヒットしました。

写楽 よみがえる素顔


由 良 哲 次 『 総 校 日 本 浮 世 絵 類 考 』 ( 一 九 七 九 年 、 画 文 堂 ) 鈴 木 敏 夫 『 江 戸 の 本 屋 』 上 下 ( 一 九 八 〇 年 、 中 央 公 論 社 ) 鈴 木 俊 幸 「 蔦 屋 重 三 郎 出 板 書 目 年 表 稿 」 上 ・ 下 ・ 補 正 ( 一 九 八 一 5 八 三 年 「 近 世 文 芸 」 肪 、 3 川 瀬 一 馬 『 入 門 講 話 日 本 出 版 文 化 史 』 ( 一 九 八 = 一 年 、 日 本 エ デ イ タ ー ス ク ー ル 出 版 部 ) 小 池 正 胤 他 編 『 江 戸 の 戯 作 絵 本 』 一 — 四 、 続 巻 一 一 ( 一 九 八 〇 5 八 五 年 、 社 会 思 想 社 ) 太 田 記 念 美 術 館 学 芸 部 編 『 蔦 屋 重 三 郎 と 天 明 ・ 寛 政 の 浮 世 絵 師 た ち 』 ( 一 九 八 五 年 、 浮 世 絵 太 田 記 念 美 術 館 ) 中 野 三 敏 『 江 戸 名 物 評 判 記 案 内 』 ( 一 九 八 五 年 、 岩 波 書 店 ) 鈴 木 淳 「 鈴 屋 集 の 開 板 」 ( 一 九 八 六 年 、 「 国 学 院 大 学 日 本 文 化 研 究 所 紀 要 」 ) 田 中 優 子 『 江 戸 の 想 像 力 』 ( 一 九 八 六 年 、 筑 摩 書 房 ) 井 上 隆 明 『 江 戸 戯 作 の 研 究 』 ( 一 九 八 六 年 、 新 典 社 ) 定 村 忠 士 『 い ま 、 北 斎 が 甦 る ー 浮 世 絵 版 画 が 摺 り あ が る ま で 』 ( 一 九 八 七 年 、 河 出 書 房 新 社 ) 新 日 本 古 典 文 学 体 系 『 米 饅 頭 始 ・ 仕 懸 文 庫 ・ 昔 話 稲 妻 表 紙 』 ( 一 九 九 〇 年 、 岩 波 書 店 ) 小 路 健 校 訂 『 板 木 屋 組 合 文 書 』 ( 一 九 九 = 一 年 、 日 本 エ デ イ タ ー ス ク ー ル 出 版 部 ) 中 野 三 敏 『 内 な る 江 戸 近 世 再 考 』 ( 一 九 九 四 年 、 弓 立 社 ) 立 川 焉 馬 著 、 吉 田 暎 一 一 翻 刻 『 歌 舞 妓 年 代 記 』 ( 一 九 二 六 年 、 歌 舞 伎 出 版 部 ) 220

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高 橋 克 彦 『 謎 の 絵 師 写 楽 の 世 界 』 ( 一 九 九 一 一 年 、 講 談 社 ) 内 田 千 鶴 子 『 写 楽 ・ 考 』 ( 一 九 九 三 年 、 三 一 書 房 ) 山 口 桂 三 郎 編 著 『 写 楽 の 全 貌 』 ( 一 九 九 四 年 、 東 京 書 籍 ) ュ リ ウ ス ・ ク ル ト 著 、 定 村 忠 士 ・ 蒲 生 潤 一 一 郎 訳 『 写 楽 』 ( 一 九 九 四 年 、 ア ダ チ 版 画 研 究 所 発 行 、 ア ー ト デ ィ ズ 発 売 ) 曲 亭 馬 琴 撰 『 近 世 物 之 本 江 戸 作 者 部 類 』 ( 一 九 〇 九 年 、 博 文 館 「 温 知 叢 書 」 5 所 収 ) 山 崎 美 成 『 海 録 』 ( 一 九 一 五 年 、 国 書 刊 行 会 ) 上 里 春 生 『 江 戸 書 籍 商 史 』 ( 一 九 三 〇 年 、 出 版 タ イ ム ス 社 ) 世 界 名 画 全 集 日 本 『 浮 世 絵 の 世 界 』 ( 一 九 五 九 年 、 平 凡 社 ) 高 橋 誠 一 郎 『 新 修 浮 世 絵 一 一 百 五 十 年 』 ( 一 九 六 一 年 、 中 央 公 論 美 術 出 版 ) 日 本 古 典 文 学 全 集 町 『 洒 落 本 ・ 滑 稽 本 ・ 人 情 本 』 ( 一 九 七 一 年 、 小 学 館 ) 吉 田 暎 一 一 『 浮 世 絵 事 典 《 定 本 》 』 上 中 下 ( 一 九 七 四 年 、 画 文 堂 ) 小 路 健 「 『 浮 世 絵 類 考 』 論 究 」 ( 一 九 七 一 — 七 六 年 、 「 萠 春 」 連 載 ) 今 田 洋 三 『 江 戸 の 本 屋 さ ん ー ー 近 世 文 化 史 の 側 面 』 ( 一 九 七 七 年 、 日 本 放 送 出 版 協 会 ) 浜 田 義 一 郎 『 川 柳 ・ 狂 歌 』 ( 一 九 七 七 年 、 教 育 社 ) 高 見 澤 た か 子 『 あ る 浮 世 絵 師 の 遺 産 ・ 高 見 澤 遠 治 お ば え 書 』 ( 一 九 七 八 年 、 東 京 書 籍 ) 鈴 木 重 一 一 一 『 絵 本 と 浮 世 絵 』 ( 一 九 七 九 年 、 美 術 出 版 社 ) 219

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り 合 い の 飲 食 代 な ど 細 か く 記 入 し た 日 記 帳 や 「 御 達 帳 」 か ら な り 、 単 に 板 木 屋 の 歴 史 の み か 、 江 戸 庶 民 の 日 常 を 伝 え る 記 録 と し て も 価 値 が あ る 。 こ の 文 書 は 、 吉 原 健 一 郎 氏 な ど 一 部 専 門 家 に は 知 ら れ て い た が 、 一 般 に は 関 東 大 震 災 で 焼 失 し て し ま っ た と さ れ ( 石 井 研 堂 『 錦 絵 の 彫 と 摺 』 な ど ) 幻 の 記 録 だ っ た 。 幸 い 完 全 な 写 本 が 、 東 京 都 公 文 書 館 と 日 本 木 版 工 芸 組 合 と い う 木 版 業 者 の 団 体 に ひ っ そ り と 眠 っ て い る こ と が 明 ら か に な り 、 ち ょ う ど 一 年 ほ ど 前 に 故 北 小 路 健 氏 の 翻 刻 に よ り 、 日 本 エ デ イ タ ー ス ク ー ル 出 版 部 か ら 公 刊 さ れ た 。 じ つ は こ の 文 書 は 、 私 た ち が い ま 問 題 に し て い る 、 寛 政 三 年 の 山 東 京 伝 と 蔦 屋 重 三 郎 の 筆 禍 事 た い へ ん 深 く か か わ っ て い る 、 と い う よ り も 、 ど う や ら こ の 文 書 の そ も そ も の 書 き だ し 自 体 が 、 筆 禍 事 件 を き っ か け に し て い た 形 跡 す ら あ る の だ 。 私 が こ の 文 書 を 知 っ た の は 、 一 九 八 七 年 夏 、 ポ ス ト ン 美 術 館 の 板 木 中 に 写 楽 の 色 板 木 が あ る こ と か ら 写 楽 に 取 り 組 ん だ 一 連 の 調 査 の 過 程 で の こ と で あ っ た 。 そ の 細 か な 事 情 は 、 公 刊 さ れ た 『 板 木 屋 組 合 文 書 』 の 解 題 に 記 し た の で 省 略 す る が 、 要 す る に 、 こ の 記 録 に 、 あ る い は 写 楽 の 影 が 落 と さ れ て い る の で は な い か と 期 待 し た か ら で あ っ た 。 残 念 な が ら 『 板 木 屋 組 合 文 書 』 に は 直 接 に 写 楽 に 関 し て ヒ ン ト に な る よ う な 事 項 は な か っ た 。 だ が 、 蔦 屋 重 三 郎 に つ い て は き わ め て 重 要 な 事 実 が あ っ た 。 同 書 第 一 部 「 仲 間 新 古 記 録 帳 」 の 寛 政 二 年 の 板 木 屋 組 合 と 版 元 蔦 屋 と の 駆 け 引 き の 経 過 が 、 蔦 屋 重 三 郎 の 「 身 上 半 減 の 闕 所 」 と い う 処 分 を 、 単 な る 筆 禍 事 件 で は な く 、 幕 府 ( 町 奉 行 ) 、 版 元 、 板 木 屋 仲 間 と い う 三 者 の 緊 迫 し た 関 160

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さ だ む ら ・ た だ し 著 者 紹 介 1932 年 福 岡 県 生 ま れ 。 1954 年 東 京 大 学 文 学 部 フ ラ ン ス 文 学 科 卒 。 日 本 読 書 新 聞 、 ラ ボ 教 育 セ ン タ ー 、 十 代 の 会 を 経 て 現 在 、 劇 作 、 TV ド キ ュ メ ン タ リ ー の 構 成 、 評 論 に あ た っ て い る 。 主 な 作 品 に 戯 曲 「 ま ぐ だ ら の 女 」 、 「 悪 路 王 と 田 村 麻 呂 」 ほ か 、 著 書 に 「 い ま 、 北 斎 が 甦 る 」 ( 河 出 書 房 新 社 ) 、 「 写 楽 が 現 れ た 』 ( 二 見 書 房 ) 、 「 悪 路 王 伝 説 』 ( 日 本 エ デ イ タ ー ス ク ー ル 出 版 部 ) 、 「 イ コ ン 一 ビ ザ ン テ ィ ン 世 界 か ら ロ シ ア 、 日 本 へ 』 ( 共 著 、 毎 日 新 聞 社 ) 、 「 高 度 成 長 と 日 本 人 』 全 三 巻 ( 共 編 著 、 日 本 ェ デ イ タ ー ス ク ー ル 出 版 部 ) ほ か 、 共 訳 書 に ク ル ト 「 写 楽 』 ( ア ダ チ 版 画 研 究 所 ) が あ る 。 発 発 編 著 第 製 印 行 集 一 本 刷 行 所 人 人 者 刷 所 所 読 伏 岡 定 名 北 大 古 九 阪 示 ノ し 見 野 村 2 九 日 日 屋 州 都 新 敏 忠 九 本 本 E 卩 中 倉 田 聞 勝 之 士 し 五 印 区 北 区 区 年 刷 刷 社 栄 区 野 大 : 株 一 明 崎 手 平 の 和 町 式 成 工 ヾ 七 七 の 七 社 彳 土 の の の 年 月 四 八 五 十 〇 二 〇 日 五 五 ISBN4 ー 643 ー 94103 ー 0 C0095 ⑥ 1995 , SADAMURA Tadashi Printed in Japan 落 丁 本 ・ 乱 丁 本 は お 取 り 換 え い た し ま す 。 定 価 は カ バ ー に 表 示 し て あ り ま す 。 し や ら く す が お 写 楽 よ み が え る 素 顔

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伊 原 敏 郎 著 、 河 竹 繁 俊 ・ 吉 田 暎 一 一 編 集 ・ 校 訂 『 歌 舞 伎 年 表 』 ( 一 九 五 六 — 六 三 年 、 岩 波 書 店 ) 酒 井 忠 正 『 日 本 相 撲 史 』 上 ( 一 九 五 六 年 、 日 本 相 撲 協 会 発 行 、 べ ー ス ポ 1 ル ・ マ ガ ジ ン 社 発 売 ) 山 口 和 雄 『 貨 幣 の 語 る 日 本 の 歴 史 』 ( 一 九 七 九 年 、 そ し え て ) 林 玲 子 『 江 戸 問 屋 仲 間 の 研 究 』 ( 一 九 六 七 年 、 御 茶 の 水 書 房 ) ポ リ ス ・ ウ ス ペ ン ス キ ー 著 、 北 岡 誠 司 訳 『 イ コ ン の 記 号 学 』 ( 一 九 八 三 年 、 新 時 代 社 ) 集 英 社 版 『 浮 世 絵 大 系 』 小 学 館 版 『 浮 世 絵 聚 花 』 講 談 社 版 『 秘 蔵 浮 世 絵 大 観 』 『 能 の お も て ー ー ー 井 伊 家 所 蔵 品 に よ る 』 図 録 ( 一 九 八 三 年 、 国 立 能 楽 堂 ) 『 写 楽 は 誰 だ ! 謎 の 絵 師 写 楽 展 』 図 録 ( 一 九 八 六 年 、 読 売 新 聞 社 ) 『 謎 の 浮 世 絵 師 ・ 写 楽 特 別 展 』 図 録 ( 一 九 八 九 年 、 東 京 放 送 ) 『 写 楽 と 歌 麿 江 戸 の 浮 世 絵 展 』 図 録 ( 一 九 九 四 年 、 プ ン ユ ー 社 ) 2 21

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本 居 宣 長 の 本 造 り 「 古 事 記 伝 」 を 著 し た 国 学 者 で 歌 人 の 本 居 宣 長 も 、 写 楽 や 蔦 屋 重 三 郎 と 同 時 代 の 人 だ っ た 。 こ の こ と は 、 前 か ら 私 の 記 憶 の な か に あ っ た 。 だ が 、 こ れ ほ ど 貴 重 な 記 録 が あ ろ う と は 、 教 え ら れ る ま で ま っ た く 知 ら な か っ た 。 寛 政 九 年 か ら 十 一 年 に か け て 、 伊 勢 松 阪 で 本 居 宣 長 が 自 費 出 版 し た 歌 集 『 鈴 屋 集 』 全 九 巻 に 関 す る 出 版 の 過 程 、 経 費 、 販 売 方 法 、 部 数 な ど の 詳 し い 、 具 体 的 な 記 録 が 残 さ れ て い た の で あ る 。 私 は こ の 記 録 資 料 の 存 在 を 、 東 京 大 学 教 養 学 部 の 延 広 真 治 氏 に 教 え て い た だ い た ば か り か 、 鈴 木 淳 氏 に よ る 綿 密 な 研 究 論 文 「 鈴 屋 集 の 開 板 」 ( 国 学 院 大 学 日 本 文 化 研 究 所 紀 要 一 九 八 六 年 三 月 ) の コ ピ ィ ま で 送 っ て い た だ い た 。 宣 長 は 随 筆 『 玉 勝 間 』 を 寛 政 七 年 に 蔦 屋 重 三 郎 を 版 元 と し て 出 版 し て い る 。 出 版 に 先 立 っ て そ の 年 三 月 、 蔦 屋 重 三 郎 は 伊 勢 松 阪 に 本 居 宣 長 を 訪 ね た 。 こ れ は 宣 長 自 身 の 手 で そ の 身 辺 記 録 に 、 次 の よ う に 記 録 さ れ た 。 128

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き た 。 そ の 結 果 、 歌 舞 伎 役 者 三 世 瀬 川 富 三 郎 が 書 い た 「 諸 家 人 名 江 戸 方 角 分 」 と い う 古 文 書 に 、 江 戸 八 丁 堀 地 蔵 橋 の 住 人 と し て 国 学 者 村 田 春 海 と な ら ん で 「 号 写 楽 斎 」 な る 人 物 が 記 録 さ れ て い る こ と 、 「 重 修 猿 楽 伝 記 」 お よ び 「 猿 楽 分 限 帳 」 と い う 徳 川 幕 府 の 公 式 能 役 者 名 薄 な ど に よ っ て 、 寛 政 年 間 の 能 役 者 の な か に 斎 藤 十 郎 兵 衛 な る 蜂 須 賀 家 お 抱 え の 能 役 者 が 実 在 し た こ と な ど な ど が 証 明 さ れ た の で あ る 。 「 浮 世 絵 類 考 」 達 摩 屋 五 一 本 の 「 栄 松 斎 長 喜 老 人 の 話 」 も 、 前 後 し て 広 く 紹 介 さ れ た 。 一 九 九 三 年 に 出 さ れ た 内 田 千 鶴 子 著 『 写 楽 ・ 考 』 ( 三 一 書 房 ) は よ く そ の 詳 細 を 伝 え て い る 。 写 楽 捜 し の 帰 結 は 、 こ う し た 実 証 的 な 調 査 と 研 究 に よ っ て ど う や ら 徐 々 に 一 兀 の 『 増 補 浮 世 絵 類 考 』 の 阿 波 の 能 役 者 斎 藤 十 郎 兵 衛 説 に 近 づ き つ つ あ る よ う に も 見 え る 。 も ち ろ ん 、 各 別 人 説 の 論 者 の 多 く は 、 断 固 と し て 自 説 を 守 り つ づ け て い る 。 最 終 的 な 結 論 。 ま ど う で あ れ 、 こ う し て 一 九 二 〇 年 代 以 来 花 咲 い た 写 楽 捜 し の 議 論 は 、 決 し て 無 駄 で は な い 。 江 戸 時 代 で も 特 異 な 光 彩 を 放 っ た 天 明 か ら 寛 政 と い う 一 つ の 時 代 の さ ま ざ ま な 事 象 と 人 物 像 を 、 現 代 に 色 鮮 や か に 蘇 ら せ る と い う 大 き な 役 割 を 果 た し た こ と に 間 違 い は な い と 思 う 楽 の だ 。 斎 以 上 は 、 思 い が け ず 私 自 身 深 入 り す る こ と に な っ た 、 写 楽 を め ぐ る 最 近 ま で の 論 議 の ご く ご く 東 あ ら ま し で あ る 。 章 第 9

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主 な 参 考 文 献 野 口 米 次 郎 『 写 楽 』 ( 一 九 三 一 一 年 、 誠 文 堂 ) 吉 田 暎 一 一 『 写 楽 』 ( 一 九 五 七 年 、 美 術 出 版 社 ) 吉 田 暎 一 一 『 浮 世 絵 師 と 作 品 Ⅲ 』 ( 一 九 六 四 年 、 緑 園 書 房 ) 鈴 木 重 三 『 写 楽 』 浮 世 絵 美 人 画 ・ 役 者 絵 六 ( 一 九 六 六 年 、 講 談 社 ) 榎 本 雄 斎 『 写 楽 ー ー ・ ま ば ろ し の 天 才 』 ( 一 九 六 九 年 、 新 人 物 往 来 社 ) 谷 峯 蔵 『 写 楽 新 考 』 ( 一 九 八 一 年 、 文 藝 春 秋 ) 浮 世 絵 八 華 4 『 写 楽 』 ( 一 九 八 五 年 、 平 凡 社 ) 瀬 木 慎 一 『 写 楽 実 像 』 ( 一 九 八 五 年 、 美 術 公 論 社 ) 宗 谷 真 爾 『 写 楽 絵 考 』 ( 一 九 八 五 年 、 大 和 書 房 ) 中 右 瑛 『 写 楽 は 十 八 歳 だ っ た ! 』 ( 一 九 八 五 年 、 里 文 出 版 ) 渡 辺 保 「 東 洲 斎 写 楽 』 ( 一 九 八 七 年 、 講 談 社 ) 梅 原 猛 『 写 楽 仮 名 の 悲 劇 』 ( 一 九 八 七 年 、 新 潮 社 ) 松 木 寛 『 蔦 屋 重 三 郎 』 ( 一 九 八 八 年 、 日 本 経 済 新 聞 社 ) 田 村 善 昭 『 写 楽 と 相 撲 絵 』 ( 一 九 八 八 年 、 徳 島 県 出 版 文 化 協 会 ) 定 村 忠 士 『 写 楽 が 現 れ た 』 ( 一 九 八 九 年 、 一 一 見 書 房 ) 明 石 散 人 ・ 佐 々 木 幹 雄 『 東 洲 斎 写 楽 は も う い な い 』 ( 一 九 九 〇 年 、 講 談 社 ) 218

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二 つ の 記 録 が 第 一 級 の 資 料 で あ る の は よ い と し て 、 無 論 そ れ だ け で 十 分 と は い え な い 。 私 は こ れ ま で に 何 度 か 触 れ た 、 上 里 春 生 著 『 江 戸 書 籍 商 史 』 、 今 田 洋 三 著 『 江 戸 の 本 屋 さ ん 』 を は じ め 井 上 隆 明 著 『 江 戸 戯 作 の 研 究 5 黄 表 紙 を 主 と し て 』 、 高 橋 誠 一 郎 「 浮 世 絵 師 の 台 所 」 ( 『 世 界 名 画 全 集 日 本 ・ 浮 世 絵 』 所 収 ) な ど の 諸 著 作 に 紹 介 引 用 さ れ た 寛 政 年 間 前 後 の デ ー タ を 、 で き る か ぎ り 集 め て み た 。 以 前 か ら 貴 重 な 助 言 を い た だ い て き た 延 広 真 治 氏 に は 、 鈴 木 淳 「 鈴 屋 集 の 開 板 」 の ほ か に 浜 田 啓 介 「 馬 琴 を め ぐ る 書 肆 ・ 作 者 ・ 読 者 の 問 題 」 ( 『 近 世 小 説 ・ 営 為 と 様 式 に 関 す る 私 見 』 京 大 学 術 出 版 会 ・ 一 九 九 三 年 ) を 教 え て い た だ い た 。 こ う し て 集 ま っ た 資 料 を そ れ が 記 録 さ れ た 年 代 順 に 並 べ 、 必 要 な 範 囲 で 内 容 紹 介 を し て お こ う 。 天 明 六 — 七 年 ( 一 七 八 六 — 七 ) 重 ① 林 子 平 「 海 国 兵 談 出 版 見 積 書 」 寛 政 三 年 ( 一 七 九 一 ) 蔦 ② 奉 行 所 吟 味 始 末 書 寛 政 七 年 ( 一 七 九 五 ) 一 一 ③ 奉 行 所 指 示 第 ④ 本 居 宣 長 『 鈴 屋 集 』 九 巻 自 費 出 版 資 料 * 鈴 木 淳 論 文 寛 政 九 — 一 一 年 ( 一 七 九 七 — 九 ) 江 戸 の 諸 記 録 か ら リ 5

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さ れ 、 洒 落 本 三 部 作 ( 「 仕 懸 文 庫 」 「 錦 之 裏 」 「 娼 妓 絹 篩 」 ) の 作 料 と し て 、 一 丁 に つ き ( 筆 耕 と も ) 銀 一 匁 ( 六 六 ・ 七 文 ) 、 三 部 の 代 銀 一 四 六 匁 ( 九 七 三 八 文 ) 、 こ の 内 金 ( 前 渡 金 ) と し て 渡 さ れ た の は 金 一 両 銀 五 匁 ( 概 算 で 銀 六 五 匁 Ⅱ 四 三 三 六 文 ) と も 記 録 さ れ て い る 。 彫 師 に 支 払 わ れ る 「 彫 刻 料 」 の 項 。 山 崎 美 成 の 「 海 録 」 巻 三 に よ れ ば 、 古 は 一 枚 五 〇 〇 文 、 い ま は ( 尚 左 堂 談 ) 一 枚 一 貫 一 〇 〇 文 ( 一 一 〇 〇 文 ) 、 文 字 彫 一 枚 三 〇 匁 三 〇 〇 〇 文 ) と あ り 、 本 居 宣 長 『 鈴 屋 集 』 で 一 丁 銀 八 匁 ( 五 三 三 ・ 六 文 、 切 り あ げ て 五 三 四 文 ) 、 林 子 平 『 海 国 兵 談 』 で 一 枚 銀 四 匁 五 分 ( 三 〇 〇 文 ) と な る 。 馬 琴 の 「 近 世 物 之 本 江 戸 作 者 部 類 」 で は 、 洒 落 本 の 彫 は 一 丁 二 — 三 匁 ( 一 三 四 — 二 〇 〇 文 ) と 安 一 方 、 時 代 が 下 が っ て 天 保 年 間 の 『 北 越 雪 譜 』 で は 、 画 の 彫 賃 が 一 丁 金 三 分 ( 三 〇 〇 〇 文 ) 、 文 字 彫 賃 が 一 丁 金 一 分 二 朱 ( 一 五 〇 〇 文 ) で 、 山 崎 美 成 の 証 言 と 合 致 す る 。 も う 一 つ 見 て お こ う 。 摺 賃 で あ る 。 『 海 国 兵 談 』 の 摺 賃 が 、 三 五 〇 丁 一 部 あ た り 銀 四 分 三 七 文 ) 、 一 丁 あ た り に す る と 、 な ん と 〇 ・ 〇 七 七 文 だ 。 『 鈴 屋 集 』 の 場 合 、 一 日 一 〇 〇 〇 枚 に つ き 銀 三 匁 五 分 三 三 三 ・ 四 五 文 ) 。 飯 料 八 分 を 付 け て 銀 四 匁 三 分 三 八 六 八 一 文 ) 。 た だ し 、 摺 師 の 腕 で 上 中 下 と あ る か ら 、 飯 料 っ 重 き 概 算 平 均 と し て 銀 三 匁 四 分 ( 一 三 六 ・ 七 八 文 、 切 り あ げ て 一 三 七 文 ) と 計 算 す る 。 一 枚 ( 一 丁 ) 蔦 あ た り は 〇 ・ 一 三 七 文 で あ る 。 一 一 『 海 国 兵 談 』 と 『 鈴 屋 集 』 で は 約 三 倍 の 開 き が あ る が 、 奥 州 仙 台 と 伊 勢 松 阪 の ち が い も あ る だ ろ 第 う 。 べ つ に 明 治 十 年 の 数 字 だ が 、 摺 師 の 手 間 賃 は 、 一 〇 銭 Ⅱ 金 一 分 ( 四 〇 〇 文 ) が 普 通 で 、 親 方 149