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検索対象: 完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡から 407件ヒットしました。

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) 古 事 記 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 成 城 大 学 ) 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 4 ー の 萬 葉 集 7 因 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) ぎ 〕 日 本 霊 異 記 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 古 今 和 歌 集 竹 取 物 語 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) 0 四 伊 勢 物 語 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) 土 佐 日 記 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 0 回 蜻 蛉 日 記 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 1 囮 枕 草 子 冒 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 梅 光 女 学 院 大 学 ) 秋 山 虔 ( 東 京 女 子 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 東 京 大 学 ) の 回 ー 源 氏 物 語 7 田 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 0 和 泉 式 部 日 記 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 更 級 日 記 鈴 木 一 雄 ( 明 治 大 学 ) 0 CÜ 夜 の 寝 覚 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 無 名 草 子 橘 健 二 ( 岐 阜 女 子 大 学 ) 四 大 鏡 冒 3 今 昔 物 語 集 物 第 夫 ( 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 梁 塵 秘 抄 CÜ 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) 5 国 新 古 今 和 歌 集 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 問 蕪 春 雨 近 芭 芭 世 万 日 好 好 好 御 狂 謡 謡 平 宇 と 徒 方 古 村 雨 月 松 蕉 蕉 間 の 本 色 色 色 伽 言 曲 曲 家 治 は 然 丈 典 集 物 物 門 文 句 胸 文 永 一 五 一 草 集 集 集 物 拾 ず 草 記 旦 語 遺 カ ゞ 詞 こ 語 語 左 集 集 算 反 代 代 人 代 子 用 古 蔵 女 女 男 集 姿 道 語 う 集 集 来 集 伝 佐 小 市 小 小 久 永 神 山 暉 栗 中 高 森 村 井 堀 井 神 谷 東 暉 大 北 本 崚 山 村 田 松 本 本 保 脇 畯 島 川 藤 山 古 林 林 保 積 田 喜 弘 貞 保 智 田 安 秀 友 農 信 農 五 理 明 康 建 忠 健 康 理 博 彌 史 雅 隆 彦 彦 久 志 次 治 昭 淳 明 夫 吉 隆 一 保 衛 修 次 一 夫 一 . ー 、 国 東 早 専 東 神 武 文 早 成 静 都 大 東 実 神 実 早 筑 信 早 東 京 学 文 京 稲 修 京 戸 蔵 芸 稲 城 岡 立 阪 洋 践 戸 践 稲 波 州 稲 洋 都 習 学 大 田 大 大 大 大 評 田 大 大 大 市 大 女 大 女 田 大 大 田 大 女 院 研 学 大 学 学 学 学 論 大 学 学 学 立 学 子 学 子 大 学 学 大 学 子 大 大 大 学 大 大 究 学 学 学 学 学 学 資 館 鳥 栗 堀 中 安 表 佐 越 山 切 村 田 章 健 文 理 俊 蔵 実 定 章 郎 早 成 早 早 京 稲 城 稲 稲 都 大 武 田 大 田 田 大 学 蔵 大 学 大 大 学 学 美 学 学 大 学 49 48 47 4 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 ) 丸 山 一 彦 ( 宇 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 )

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


宇 治 拾 遺 物 語 10 の は っ き り し な い 箇 所 で は 、 主 語 、 目 的 語 な ど を 適 宜 補 っ て 訳 出 し た 。 古 文 の 常 と し て 原 文 に は 非 常 に 長 い セ ン テ ン ス が あ る が 、 こ れ は 適 宜 に 区 切 っ た 。 ま た 「 奉 る 」 「 申 す ー 「 給 ふ 」 な ど の 敬 語 は 、 そ の ま ま 用 い た り 、 ま た 現 代 ロ 語 文 と し て か え っ て 不 自 然 と 思 わ れ る 場 合 に は 時 に 省 略 し た 。 3 「 : : : の い ふ や う 、 『 : ・ : 』 と い ひ け れ ば ー の よ う な 、 同 類 語 が 前 後 冫 こ 続 く 二 重 形 式 は 本 書 に 多 い が 、 た い て い の 場 合 前 者 の ほ う を 略 し て 訳 し た 。 一 、 原 文 と 現 代 語 訳 と を 照 合 す る 際 の 検 索 の た め 、 そ れ そ れ 数 ベ ー ジ お き の 下 段 に 対 応 す る べ ー ジ 数 を 示 し 一 、 底 本 に は 挿 絵 は な い が 、 万 治 版 の 流 布 本 に あ る 挿 絵 は 古 朴 な が ら 参 考 に な る の で 、 本 書 の 該 当 箇 所 に 挿 入 し た 。 一 、 本 書 の 作 成 に 際 し て は 、 ト / 林 智 昭 の 手 に な る 日 本 古 典 文 学 全 集 本 を 基 と し つ つ 、 次 の よ う に 仕 事 を 分 担 し た 。 本 文 の 修 訂 に は 増 古 和 子 、 現 代 語 訳 の 執 筆 に は 小 林 保 治 、 脚 注 の 執 筆 に は 両 名 が あ た っ た 。 ま た 、 付 録 の 「 関 係 説 話 表 」 は 小 林 、 「 固 有 名 詞 索 引 」 は 増 古 が ま と め た 。 一 、 本 書 が 成 る に あ た り 、 宮 内 庁 書 陵 部 ・ 内 閣 文 庫 ・ 古 典 文 庫 ・ 陽 明 文 庫 ・ 蓬 左 文 庫 ・ 竜 門 文 庫 ・ 東 京 大 学 ・ 実 践 女 子 大 学 ・ 名 古 屋 大 学 ・ 京 都 大 学 ・ 九 州 大 学 ・ 一 乗 寺 に 種 々 の 面 で お 世 話 に な っ た 。 衷 心 か ら 御 礼 を 申 し あ げ た い 。

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


9 凡 例 を 略 号 で 記 し た 。 一 、 脚 注 は 本 文 を 味 解 し 鑑 賞 す る た め の 手 が か り と な る よ う 、 次 の 諸 点 に 留 意 し た 。 簡 潔 ・ 明 快 で あ る こ と を 旨 と し 、 な お か っ 脚 注 だ け で 十 分 本 文 が 読 解 で き る よ う 心 が け た 。 2 語 釈 は 本 説 話 集 と し て 、 ま た 中 世 語 と し て 主 要 な も の を 重 点 的 に と り あ げ た 。 3 仏 語 の 解 釈 は と か く 難 解 と な り が ち だ が 、 本 書 は そ れ を 避 け て で き る だ け 平 易 で あ る よ う に 努 め た 。 脚 注 欄 の ス ペ ー ス の 関 係 で 、 前 ま た は 後 の ペ ー ジ の 注 を 、 さ ら に 一 冊 目 の 注 を 参 照 さ せ た 箇 所 が あ る 。 口 一 七 三 ハ ー 注 一 七 ( 一 冊 目 の 脚 注 を 参 照 す る 場 合 ) ↓ 四 六 ハ ー 注 九 ( 本 書 の 脚 注 を 参 照 す る 場 合 ) ↓ 1 5 脚 注 で 用 い た 古 辞 書 や 参 考 に し た 注 釈 書 類 は 略 号 で 示 し た 。 和 名 類 聚 抄 ↓ 和 名 抄 類 聚 名 義 抄 ( 観 智 院 本 ) ↓ 名 義 抄 伊 呂 波 字 類 抄 ( 十 巻 本 ) ↓ 字 類 抄 宇 治 拾 遺 物 語 ( 日 本 古 典 全 書 ) ↓ 全 書 本 宇 治 拾 遺 物 語 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 ) ↓ 大 系 本 宇 治 拾 遺 物 語 打 聞 集 全 註 解 ↓ 全 註 解 宇 治 拾 遺 物 語 ( 校 注 古 典 叢 書 ) ↓ 校 注 本 ま た 『 宇 治 拾 遺 物 語 』 や 『 今 昔 物 語 集 』 の 日 本 古 典 文 学 全 集 本 は 全 集 本 と 略 し た 。 そ の 他 出 典 な ど を 示 す 文 献 類 で 長 名 の も の は 、 理 解 で き る 範 囲 内 で 略 称 を 用 い た 。 6 語 釈 の 出 典 は 必 ず し も 統 一 的 に 明 記 せ ず 、 省 略 し た 場 合 も 多 い 。 た と え ば 人 物 の 略 伝 の 場 合 、 主 と し て 『 公 卿 補 任 』 『 尊 卑 分 脈 』 な ど に よ る 時 は 多 く 省 き 、 そ の 他 の 特 殊 な 文 献 に よ る 時 は 注 記 す る の を 原 則 と し た 。 一 、 現 代 語 訳 は 正 確 な 直 訳 を 旨 と し つ つ 、 次 の よ う な 方 針 に 従 っ た 。 原 文 に 対 し て は 不 即 不 離 の 態 度 を と り 、 と く に 意 訳 に 流 れ 過 ぎ ぬ よ う に 努 め た 。 ま た 文 脈 、 語 義 な ど

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


巻 第 十 原 文 現 代 語 訳 一 一 八 三 ・ : 六 六 六 吾 妻 人 生 贄 を と ど む る 事 一 伴 大 納 言 応 天 門 を 焼 く 事 ・ : 天 五 七 豊 前 王 の 事 一 一 放 鷹 楽 明 暹 に 是 季 が 習 ふ 事 八 蔵 人 頓 死 の 事 三 堀 河 院 明 暹 に 笛 吹 か さ せ 給 ふ 事 : ・ 七 0 ・ : 四 浄 蔵 が 八 坂 の 坊 に 強 盗 入 る 事 ・ : 一 一 八 六 九 小 槻 当 平 の 事 五 播 磨 守 佐 大 夫 が 事 ・ : 一 一 八 六 十 海 賊 発 心 出 家 の 事 巻 第 十 一 巻 第 十 一 一 一 青 常 の 事 一 一 保 輔 盗 人 た る 事 三 晴 明 を 試 み る 僧 の 事 三 続 晴 明 蛙 を 殺 す 事 四 河 内 守 頼 信 平 忠 恒 を 攻 む る 事 五 白 河 法 皇 北 面 受 領 の 下 り の ま ね の 事 六 蔵 人 得 業 猿 沢 の 池 の 竜 の 事 一 達 磨 天 竺 の 僧 の 行 見 る 事 九 四 : ・ 九 七 ・ : 九 八 : ・ 一 0 四 : ・ 七 清 水 寺 御 帳 賜 る 女 の 事 八 則 光 盗 人 を 斬 る 事 ・ : 三 00 九 空 入 水 し た る 僧 の 事 ・ : 三 0 一 十 日 蔵 上 人 吉 野 山 に て 鬼 に あ ふ 事 十 一 丹 後 守 保 昌 下 向 の 時 致 経 の 父 に あ ふ ・ : 三 0 三 事 : ・ 三 0 四 十 二 出 家 功 徳 の 事 一 一 提 婆 菩 薩 竜 樹 菩 薩 の 許 に 参 る 事 : ・ 一 一 一 四 : ・ 原 文 現 代 語 訳 八 四 : ・ ・ : 三 0 五 三 0 六 ・ : 三 0 八 ・ : 三 一 四

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巻 第 十 原 文 現 代 語 訳 一 一 八 三 ・ : 六 六 六 吾 妻 人 生 贄 を と ど む る 事 一 伴 大 納 言 応 天 門 を 焼 く 事 ・ : 天 五 七 豊 前 王 の 事 一 一 放 鷹 楽 明 暹 に 是 季 が 習 ふ 事 八 蔵 人 頓 死 の 事 三 堀 河 院 明 暹 に 笛 吹 か さ せ 給 ふ 事 : ・ 七 0 ・ : 四 浄 蔵 が 八 坂 の 坊 に 強 盗 入 る 事 ・ : 一 一 八 六 九 小 槻 当 平 の 事 五 播 磨 守 佐 大 夫 が 事 ・ : 一 一 八 六 十 海 賊 発 心 出 家 の 事 巻 第 十 一 巻 第 十 一 一 一 青 常 の 事 一 一 保 輔 盗 人 た る 事 三 晴 明 を 試 み る 僧 の 事 三 続 晴 明 蛙 を 殺 す 事 四 河 内 守 頼 信 平 忠 恒 を 攻 む る 事 五 白 河 法 皇 北 面 受 領 の 下 り の ま ね の 事 六 蔵 人 得 業 猿 沢 の 池 の 竜 の 事 一 達 磨 天 竺 の 僧 の 行 見 る 事 九 四 : ・ 九 七 ・ : 九 八 : ・ 一 0 四 : ・ 七 清 水 寺 御 帳 賜 る 女 の 事 八 則 光 盗 人 を 斬 る 事 ・ : 三 00 九 空 入 水 し た る 僧 の 事 ・ : 三 0 一 十 日 蔵 上 人 吉 野 山 に て 鬼 に あ ふ 事 十 一 丹 後 守 保 昌 下 向 の 時 致 経 の 父 に あ ふ ・ : 三 0 三 事 : ・ 三 0 四 十 二 出 家 功 徳 の 事 一 一 提 婆 菩 薩 竜 樹 菩 薩 の 許 に 参 る 事 : ・ 一 一 一 四 : ・ 原 文 現 代 語 訳 八 四 : ・ ・ : 三 0 五 三 0 六 ・ : 三 0 八 ・ : 三 一 四

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


ロ ニ 1 ロ よ き を う と い で き た り 一 『 今 昔 』 は 「 吉 夫 出 来 テ 」 。 の 手 よ り 物 を 得 、 よ き 男 に も 思 は れ て 、 た の し く て ぞ あ り け る 。 0 ニ し ま っ て お い て 。 さ れ ば そ の 衣 を ば 納 め て 、 必 ず 先 途 と 思 ふ 事 の 折 に そ 取 り 出 で て 着 け る 。 必 三 勝 負 や 成 敗 の 分 れ る よ う な 大 事 な 場 面 。 瀬 戸 際 。 『 今 昔 』 は 「 吉 あ る べ キ 事 可 有 キ 時 ニ モ 」 。 物 ず か な ひ け り 。 四 駿 河 守 、 従 五 位 上 。 康 平 三 年 治 ( 一 0 六 0 ) 没 、 生 年 不 詳 。 ↓ 田 七 三 ハ ー 宇 注 一 一 0 。 五 橘 敏 政 の 子 。 蔵 人 、 長 徳 三 年 ( 究 ?) 正 月 、 左 衛 門 尉 。 遠 江 権 守 、 陸 奥 守 な ど を 歴 任 。 従 四 位 上 。 清 四 少 納 言 の 夫 と も 言 わ れ 、 『 枕 草 子 』 み ち の く の ぜ ん じ 五 す る が の せ ん じ た ち ば な の す ゑ み ち 今 は 昔 、 駿 河 前 司 橘 季 通 が 父 に 、 陸 奥 前 司 則 光 と い ふ 人 あ り け り 。 兵 の 家 「 里 に ま か で た る に 」 「 頭 弁 の 御 も と よ り 」 の 段 な ど に 登 場 す る 。 に は あ ら ね ど も 、 人 に 所 置 か れ 、 カ な ど ぞ い み じ う 強 か り け る 。 世 の お ば え な 六 『 今 昔 』 巻 二 三 第 一 五 話 に は 、 こ の 後 に 「 心 極 テ 太 ク テ 思 量 賢 ク 、 き は め 身 ノ カ ナ ド ゾ 極 テ 強 力 リ ケ ル 。 見 ど あ り け り 。 よ 目 ナ ド モ 吉 ク 」 と あ る 。 と の ゐ ど こ ろ い も ・ も ′ 、 ゑ ふ く ら う ど 若 く て 衛 府 の 蔵 人 に ぞ あ り け る 時 、 殿 居 所 よ り 女 の も と へ 行 く と て 、 太 刀 ば セ 一 目 置 か れ て 。 ^ 世 間 の 声 望 。 こ と ね り わ ら は か り を は き て 、 小 舎 人 童 を た だ 一 人 具 し て 大 宮 を 下 り に 行 き け れ ば 、 大 垣 の 内 九 宮 中 で の 宿 直 所 。 一 0 召 使 い の 少 年 。 に 人 の 立 て る 気 色 の し け れ ば 、 恐 ろ し と 思 ひ て 過 ぎ け る 程 に 、 八 九 日 の 夜 更 け = 東 大 宮 大 路 を 南 下 し て 。 三 大 内 裏 の 外 周 り の 垣 。 か げ て 、 月 は 西 山 に 近 く な り た れ ば 、 西 の 大 垣 の 内 は 影 に て 、 人 の 立 て ら ん も 見 え 一 三 月 の 初 旬 で 月 の 出 入 り も 早 い 一 四 人 が 立 っ て い る 姿 も 。 き ん だ ち か た ぬ に 、 大 垣 の 方 よ り 声 ば か り し て 、 「 あ の 過 ぐ る 人 ま か り 止 れ 。 公 達 の お は し 一 五 止 り お れ 。 「 ま か り 」 は 動 詞 に ( 現 代 語 訳 三 〇 六 ハ ー ) の り み つ 八 則 光 盗 人 を 斬 る 事 六 七 け し き せ ん ど ぐ 132 く だ と ま つ は も の た ち ふ

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


7 凡 例 凡 例 一 、 本 書 の 底 本 に は 宮 内 庁 書 陵 部 蔵 無 刊 記 古 活 字 本 ( 全 八 冊 ) を 用 い 、 そ れ に 次 の 写 本 や 版 本 ・ 活 字 本 を 参 照 し て 校 訂 し た 。 写 本 ↓ 宮 内 庁 書 陵 部 本 陽 明 文 庫 本 蓬 左 文 庫 本 竜 門 文 庫 本 九 州 大 学 本 名 古 屋 大 学 本 京 都 大 学 本 吉 田 幸 一 氏 蔵 本 ( 伊 達 伯 旧 蔵 本 ) 版 本 ↓ 万 治 一 一 年 整 版 本 ( 流 布 本 ・ 絵 入 り 本 ) 活 字 本 ↓ 新 訂 増 補 国 史 大 系 本 日 本 古 典 全 集 本 日 本 古 典 全 書 本 日 本 古 典 文 学 大 系 本 一 、 本 文 の 作 成 に あ た っ て は 底 本 に 忠 実 で あ る こ と を 期 し た が 、 読 解 の 便 宜 の た め 次 の よ う な 操 作 を 加 え た 。 底 本 の 各 冊 に は 、 本 文 の 前 に 目 録 が あ る が 、 本 書 で は 目 録 の そ れ ぞ れ の 題 名 を 本 文 の 該 当 す る 説 話 の 前 に 見 出 し と し て 置 い た 7 の 通 し 番 号 を 施 し た 。 な お 本 書 ( 二 本 文 は 流 布 本 に な ら っ て 十 五 巻 編 成 と し た が 、 各 説 話 に は 1 ~ 四 冊 目 ) に は 全 十 五 巻 の う ち 巻 八 ~ 十 五 を 収 め た 。 底 本 に は 句 読 点 は な い が 適 宜 に こ れ を 加 え 、 ま た 段 落 を 施 し た り し て 読 み や す く し た 。 4 底 本 に は 清 濁 の 己 号 ま よ 、 。 ゝ 言 。 オ し カ こ れ を 加 え 、 会 話 の 部 分 に は 原 則 的 に 「 」 を つ け た 。 5 漢 字 の 当 て 字 、 異 体 字 、 略 字 な ど は 通 行 の 表 記 に 改 め た 。

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


( 現 代 語 訳 三 六 六 は し て な ん 位 に つ き 給 ひ け り 。 = 承 和 十 一 年 ( 八 四 四 ) 、 高 市 皇 子 の 五 代 の 孫 に あ た る 峯 緒 が 「 高 階 た は ら か た ち 田 原 に 埋 み 給 ひ し 焼 栗 、 ゆ で 栗 は 、 形 も 変 ら ず 生 ひ 出 で け り 。 今 に 田 原 の 御 真 人 」 の 姓 を 賜 っ た 。 三 法 相 宗 の 大 本 山 。 天 武 天 皇 の し ま の く に た か し な 栗 と て 奉 る な り 。 志 摩 国 に て 水 召 さ せ た る 者 は 高 階 氏 の 者 な り 。 さ れ ば そ れ が 発 願 に よ り 、 文 武 二 年 ( 究 0 藤 原 京 に 完 成 。 平 城 遷 都 後 、 奈 良 市 西 く に の か み つ る べ 子 孫 、 国 守 に て は あ る な り 。 そ の 水 召 し た り し 釣 瓶 は 今 に 薬 師 寺 に あ り 。 す の の 京 の 地 に 移 る 。 一 三 岐 阜 県 不 破 郡 垂 井 町 の 南 宮 神 な か や ま の か な や ま ひ こ ま た の 女 は 不 破 の 明 神 に て ま し ま し け り と な ん 。 社 。 も と 仲 山 金 山 彦 神 社 。 美 濃 国 の 一 の 宮 。 『 神 社 考 』 に 「 南 宮 山 神 ハ 天 武 天 皇 白 鳳 ノ 初 、 建 祭 ス ル 所 ナ リ 。 ( 略 ) 蓋 シ 天 皇 大 友 皇 子 ヲ 此 よ り と き ニ 撃 ッ ト キ 、 美 濃 中 山 ニ 祈 ル 所 ア 一 一 頼 時 が 胡 人 見 た る 事 。 而 テ 後 神 祠 ヲ 建 ツ ル カ 」 と あ る 。 は く て き 一 四 中 国 古 代 の 北 狄 。 し か し こ こ で は 北 海 道 を さ す か は る か み ち の く に む ね と う 今 は 昔 、 「 胡 国 と い ふ は 唐 よ り も 遥 に 北 と 聞 く を 、 陸 奥 の 地 に 続 き た る に や 一 五 安 倍 宗 任 。 頼 時 の 子 、 貞 任 の 弟 。 通 称 鳥 海 三 郎 。 前 九 年 の 役 で む ね た ふ つ く し の 反 官 軍 側 の 中 心 人 物 。 康 平 五 年 あ ら ん 」 と て 、 宗 任 法 師 と て 筑 紫 に あ り し が 語 り 侍 り け る な り 。 ( 一 0 六 一 D 源 頼 義 に 降 参 、 同 七 年 、 伊 み ち の く に え び す し た が こ の 宗 任 が 父 は 頼 時 と て 陸 奥 の 夷 に て 、 お ほ や け に 随 ひ 奉 ら ず と て 、 攻 め ん 予 に 配 流 。 の ち 大 宰 府 に 移 さ れ た 。 五 十 松 浦 党 は そ の 後 裔 と い わ れ る 。 第 と せ ら れ け る 程 に 、 「 い に し へ よ り 今 に い た る ま で 、 お ほ や け に 勝 ち 奉 る 者 な 一 六 安 倍 頼 時 ( ? ~ 一 0 毛 ) 。 奥 州 俘 巻 囚 の 長 。 奥 六 郡 の 総 帥 と し て 前 九 あ や ま せ め か う ぶ は る か た 年 の 役 を 起 す が 、 天 喜 五 年 ( 一 0 五 七 ) し 。 我 は 過 た ず と 思 へ ど も 、 責 を の み 蒙 れ ば 、 晴 く べ き 方 な き を 、 奥 地 よ り 北 七 月 、 源 頼 義 に 討 た れ る 。 に 見 渡 さ る る 地 あ ん な り 。 そ こ に 渡 り て 有 様 を 見 て 、 さ て も あ り ぬ べ き 所 な ら 宅 罪 の 疑 い を 晴 す べ き 方 法 。 九 187

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


た ふ と ひ じ り 二 つ と も 進 上 し て 。 に 貴 き 聖 あ り け り 。 そ こ へ 行 き て 、 こ の 得 た る 衣 を 二 つ な が ら 取 ら せ て 、 い ひ 一 ニ 今 生 で の 私 の 生 涯 は 。 け る や う 、 「 年 ま か り 老 い ぬ 。 身 の 不 幸 、 年 を 追 ひ て ま さ る 。 こ の 生 の 事 は 益 三 死 後 の 世 。 来 世 。 語 四 授 戒 の 師 。 戒 律 を 授 け る 師 の さ ぶ ら ふ 物 も な き 身 に 候 め り 。 後 生 を だ に い か で と 覚 え て 、 法 師 に ま か り な ら ん と 思 ひ 侍 僧 五 『 古 本 説 話 集 』 四 〇 話 に は 、 五 す ぐ 治 れ ど 、 戒 師 に 奉 る べ き 物 の 候 は ね ば 今 に 過 し 候 ひ つ る に 、 か く 思 ひ か け ぬ 物 を 「 い ま に え ま か り な ら ぬ に 」 と あ る 。 六 思 い ま し て 。 「 給 ふ 」 は 謙 譲 の か ぎ り 六 意 を 表 す 補 助 動 詞 。 賜 り た れ ば 、 限 な く う れ し く 思 ひ 給 へ て 、 こ れ を 布 施 に 参 ら す る な り 」 と て 、 セ 僧 に 喜 捨 す る 金 品 。 た ふ と 「 法 師 に な さ せ 給 へ 」 と 涙 に む せ か へ り て 泣 く 泣 く い ひ け れ ば 、 聖 い み じ う 貴 〈 紀 貫 之 ( 八 六 八 ~ 九 四 五 。 一 説 に 九 四 - っ あ り ど こ ろ み て 、 法 師 に な し て け り 。 さ て そ こ よ り 行 方 も な く て 失 せ に け り 。 在 所 知 ら ず 0 。 望 行 の 子 。 御 書 所 預 、 大 内 記 、 加 賀 介 、 美 濃 介 な ど を 経 て 、 土 佐 、 な . C , 冖 に ・ 十 ノ り ,. 。 守 。 の ち 玄 蕃 頭 、 木 工 権 頭 。 『 古 今 集 』 撰 者 で 同 集 仮 名 序 、 ま た 『 土 佐 日 記 』 の 作 者 。 九 土 佐 国 ( 現 在 の 高 知 県 ) の 長 官 。 貫 之 の 土 佐 守 赴 任 は 延 長 八 年 ( 九 三 十 三 貫 之 歌 の 事 0 ) 。 一 0 任 期 満 了 の 年 、 す な わ ち 承 平 九 四 年 ( 九 三 四 ) 。 こ の 年 十 二 月 に 任 果 と さ の か み く だ て て 土 佐 を 発 っ た 。 今 は 昔 、 貫 之 が 土 佐 守 に な り て 下 り て あ り け る 程 に 、 任 果 の 年 、 七 つ 八 つ = か わ い が っ て い た が 。 か ぎ り ば か り の 子 の 、 え も い は ず を か し げ な る を 、 限 な く か な し う し け る が 、 と か く 三 『 土 佐 日 記 』 に は 「 二 十 七 日 。 ( 略 ) か く あ る う ち に 、 京 に て 生 ま を む な ′ 一 わ づ ら ひ て 失 せ に け れ ば 、 泣 き 惑 ひ て 、 病 づ く ば か り 思 ひ こ が る る 程 に 、 月 比 れ た り し 女 子 、 国 に て に は か に 失 た ま は つ ら ゆ き 149 ふ せ に ん は て つ き ご ろ

完訳 日本の古典 第四十一巻 宇治拾遺物語 ㈡


こ れ も 今 は 昔 、 土 佐 判 官 代 通 清 と い ふ 者 あ り け り 。 歌 を 詠 み 、 源 氏 、 狭 衣 な 一 斎 宮 頭 源 清 雅 の 子 。 『 + 訓 抄 』 0 四 は 、 道 清 と す る 。 蔵 人 、 従 五 位 下 。 す き も の ご と く だ い じ す あ り ど を う か べ 、 花 の 下 、 月 の 前 と 好 き 歩 き け り 。 か か る 好 者 な れ ば 、 後 徳 大 寺 左 『 千 載 集 』 に 入 集 。 「 判 官 代 」 は 、 院 の 庁 内 の 取 締 り や 文 書 の 作 成 な ど 語 物 大 臣 、 「 大 内 の 花 見 ん ず る に 、 必 ず 」 と い ざ な は れ け れ ば 、 通 清 、 め で た き 事 に 当 る 者 。 ま た 、 国 ・ 荘 園 の 田 政 を つ か さ ど る 職 。 や れ ぐ る ま 治 に あ ひ た り と 思 ひ て 、 や が て 破 車 に 乗 り て 行 く 程 に 、 跡 よ り 車 二 つ 三 つ ば か り = 『 源 氏 物 語 』 や 『 狭 衣 物 語 』 な ど の 一 節 を そ ら ん じ な が ら 。 う た が ひ し り す だ れ し て 人 の 来 れ ば 、 疑 な き こ の 左 大 臣 の お は す る と 思 ひ て 、 尻 の 簾 を か き 上 げ て 、 三 文 事 を 好 む 風 流 者 。 四 藤 原 実 定 ( 一 一 三 九 ~ 九 一 ) 。 文 治 二 「 あ な う た て 、 あ な う た て 、 と く と く お は せ 」 と 、 扇 を 開 い て 招 き け り 。 は や 年 ( 一 一 会 ) 、 右 大 臣 と な り 、 同 五 年 七 月 、 左 大 臣 に 転 じ 、 翌 年 辞 職 し ず い じ ん 。 本 話 は 、 左 大 臣 時 代 よ り 以 前 う 関 白 殿 の 物 へ お は し ま す な り け り 。 招 く を 見 て 、 御 供 の 随 身 、 馬 を 走 ら せ て の こ ろ の 一 件 か と 思 わ れ る 。 ま ろ 五 大 内 山 。 仁 和 寺 を さ す 。 駆 け 寄 せ て 車 の 尻 の 簾 を か り 落 し て け り 。 そ の 時 そ 通 清 あ わ て 騒 ぎ て 前 よ り 転 六 あ あ 、 ひ ど い 。 転 じ て 、 こ こ び 落 ち け る 程 に 、 烏 帽 子 落 ち に け り 。 い と い と 不 便 な り け り と か 。 好 き ぬ る 者 は 「 あ ら 遅 い 」 の 意 と と っ て お く 。 七 治 承 四 年 ( 一 一 八 0 ) 二 月 、 藤 原 基 通 が 関 白 を や め て 以 来 、 実 定 の 没 は 少 し を こ に も あ り け る に や 。 年 ま で の 十 一 年 間 、 関 白 は 不 在 。 た だ し 、 こ の 間 、 摂 政 に は 基 通 ・ 兼 実 が い た ご く ら く じ の そ う に ん わ う ぎ ゃ う ^ 切 り 落 し た 。 六 極 楽 寺 僧 仁 王 経 の 験 を 施 す 事 九 気 の 毒 。 ま た 、 無 様 の 意 に も 。 一 0 非 常 識 な 、 他 人 に 笑 わ れ る よ う な ふ る ま い を す る こ と 。 こ れ も 今 は 昔 、 堀 川 太 政 大 臣 と 申 す 人 、 世 心 地 大 事 に わ づ ら ひ 給 ふ 。 御 祈 ど = 底 本 「 ・ 堀 川 兼 道 公 」 と す る が 、 ( 現 代 語 訳 三 七 〇 ハ ー ) 六 よ ご こ ち ふ び ん よ さ ′ ) ろ も い の り ぶ ぎ ま