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1. 漢語林 改定版

トウ 【少師】、 ~ ' ウ①周代の官名。少保・少傅ウと A に三公 【小吏】ル ' ウ身分の低い役人。小役人。 【小勇】ウつまらぬ事に対する勇気。血気の勇。匹夫のを補佐する役。②音楽をつかさどる役人。大師の次位。 制あたる・ あてる 勇。小人の勇。〔孟子、梁恵王下〕 【少時】をウ①年少 ( 幼年 ) の時。②しばらく。 日トウ ( タウ ) däng 当【小《牢】 ~ % 羊と豕をいけにえにしたごちてう。↓大牢。【少小プ年が若い。また、その人。年少。↓老大。 ロトウ ( タウ ) däng ショウ 【少少ア①少し。わすか。②国並み。普通。 日ショウ ( セウ ) shäo 【少壮 ( 壯 ) 】 ~ % 年が若くて血気さかんなこと。〔前漢、武 コショウ ( セウ ) shäo 筆順 2 すくな【 シ第ウソウいくときぞ 0 当当 すこし おいをいかんせん 帝、秋風辞〕少壮幾時兮奈レ老何 シーウ . ソ市 . 少 少壮で、将来大いに活動す三①あたる。⑦向かい合う。向き合う。④つり合う。匹敵 【少壮 ( 壯 ) 有為 ( 爲 ) ウィ 筆順」 少 ることが期待されること。 する。⑦あたいする。値打ちがある。〇かなう。あてはまる。適 すこし。まれ。わずか。〔唐、白居易、長【少長】 ~ ①年の少ないことと多いこと。②年少者と年合する。的中する。「当選」「該当」①正しい。「正当」「不 三①すくない。 恨歌〕峨嵋山下人行少諺カひとの。 り↑多。「僅少ウ」 2 長者。③少しく生長する。やや年が多くなる。④やや年当」⑩ぶつかる。つあたる。出会う。ふれる。はり合う。「当 あたるところの 0 〇引き受け かける欠 ) 。すくなくする。へらす。すく蔘、なる。へる。「減長なこと。 惑」〔史記、項羽本紀〕所レ当者破 ものはやふる ← る。仕事を受け持つ。つかさどる。②宿直する。 2 あてる 少」〔唐、王維、九月九日憶。山東兄弟一詩〕偏挿・一茱萸・【少年】甓ウ①年の若い者。わかもの。②わすかな年月。 あまねくシュュをさして 0 イ ( 、・少三一・入一イチ = ンをかく イウネンおいやすく若い者は老⑦あてはめる。④ぶつける。⑦仕事を与える。〇わりあてる。 3 すくないとする。⑦不足に思【少年易レ老学 ( 學 ) 難レ成】ガ う。④そしる。⑦軽んする。しばらく。しばらくして。 いやすく、年月は過ぎやすいが、学問は成就しがたい。〔宋、 3 法律を適用して罪人を処断する。まさに・ : べし。再 画 3 ニ①わかい か。おさない。「年少」 2 子供。若者。 3 添え朱熹、偶成詩〕 読文字。当然・ : すべきである。〔録〉 ( 》助字解説 ニ①そこ ( 底 ) 。 2 あたる。Ⅱ曰の①。 3 し質 ) 。質のかた。 一役。副官。次官。「太師・太傅」の次官を「少師・少傅」と【少半】 ~ 三分の一。。大半 ( 三分の一 I)O の問題になっているところの。目下のところの。こちらの。ちょう 1 いう。国ショウ⑦諸省の次官。④大宝令での年齢【少婦】をウ①年若い妻。②若い女。 区分。三歳以上十六歳以下。 【少陵】ル昔の地名。長安 ( 今の陝西省西安市 ) のどそこにあるところの。「当地」「当座」国①あたる。⑦さぐ 部 客お・すく・すくな・まさ・まれ少草 南。もと、漢の宣帝の皇后許氏の陵。宣帝の杜陵に比しる。ここうる。④火で暖まる。 2 あたり。⑦的中。④め 文 文 象形。ちいさな点の象てやや小さいのでいう。盛唐の詩人杜甫はその西に住んであて。手がかり。 3 あて。めあて。見込み。 形で、すくないの意味を少陵の野老と号したので、杜少陵と称せられる。〔唐、社客たえ・まさ第訓一当世譽・当麻垰・・当縁 金 甫、哀江頭詩〕 形声。篆文は、田 + 尚⑥。音符の尚 表す。少を音符に含む形声文字に、抄をなどがある。 マ悪少・過少・寡少・希少 , ウ・侠少・僅少ウ・軽少・【少△牢】號ウ羊と豕あいけにえ。小牢。 : 太牢。 「田は、ねがうの意味。田間に祈り願「事にあた 減少・些少ウ・最少・多少・長少・年少・微少・幼少・ るの意味を表す。 △ジ爾 ( 4263 ) の俗字。↓六一穴ページ。 老少 マ允当髟・穏当・過当・該当・割当・勘当・堪当・均当・ 芸当・見当・勾当・至当・失当・手当・充当・順当・正 【少 ^ 焉】藷巧、少したって。〔宋、蘇軾、前赤壁賦〕少焉目字形、もと余に作る。 」しばらくにしてつきトウザン 0 ①とがる。物の先が細当・相当・妥当・担当・抵当・適当・典当・配当・別当・ 二一一のうえ ( へ ~ にいずっ ) △セン第】」一 n くするどい。「尖鋭」「尖不当・不穏当・郎当・琅当 1 ウ 【少△艾】ウ若くて美しい。また、その人。 【尖 ショウ Ⅱ少間の①。↓次項。 【少閑】カ 利」 2 とがり。とがっている部分。⑦さき ( 先 ) 。はし ( 端 ) 。「筆【当為 ( 爲 ) ウ①当然そ一つすべきこと。②哲学で、「あるべ きこと」「なすべきこと」の意。独語 Sollen の訳語。↓存 【少間】 % ウ①少しのひま。②少しのす亠ま。③少し休む。尖」④山のとがった峰。「峰尖」◎指の先。 ④病気が少しよくなること。 引一指事。小 + 大。大の字の上に小の字を置き、下が大在 ( あること ) ・不可不 ( あ象 0 るを得ないこと ) 。 きく上にいって小さい物を一小し、とがるの意味を示す。 【少許】ウ少しばかり。 【当意】 0 ①心にびったりあてはまる。心にかなう。気に入 【少△頃】ウしばらく。少しの間。また、しばらくして。 【尖鋭】① ( とがって ) するとい。②国急進的なこと。先る。②国当座。↓次項。 鋭。 国その場にあてはまるように、即座に 【少好】 ~ % 若くて美しい 【当意即妙】ゾウ 【少《昊・少 ^ 皞】ウ太古の伝説上の帝王。金天氏。黄【尖端】①とがった端。先端。②国時代や流行のさき機転をきかすこと。即座の機転。 トウトウ ①この家。その家。②家業をいとなむ。③ 帝の子。金徳をもって王となり、後世、秋をつかさどる神とがけ。思想や風俗の最新。先端。 【当家】カ された。 家政をつかさどる下男。管家。④美しい筆墨。⑤自分 【尖塔】先のとがった塔。 【少子】鴛ウ幼い子も。年の少ない子ども。また、年の少な【尖兵】霧軍隊の行軍で、本隊の前方を進み敵情を六ぐの家。 り、敵の斥候なン第警戒・撃破する小部隊。 い方の子ども。また、末子。 【当該】お国該は、あたる・その・それ。①そのこと。そのも 、レ 3 【当

2. ジュリスト 2016年 08 月号

の作為義務を認めた , 最判平成 3 ・ 4 ・ 26 民集 45 巻 4 号 653 頁に倣ったものと思われる。判旨 1 2 と同様 に情報提供義務の根拠を条理に求めた例としては , 前 掲⑥判決の第 1 審・さいたま簡判平成 19 ・ 9 ・ 28 賃 金と社会保障 1513 号 23 頁がある ( ただし , 上告審 である前掲⑥判決は , 身体障害者福祉法 9 条に情報 提供に係る規定があることを手掛かりとして , 情報提 供義務を導く ) 。前掲③判決が憲法 25 条および身体 障害者福祉の理念を挙げるほかは , 裁判例の多くは , 特段の根拠を明示することなく , 適切な教示等を行う 職務上の法的義務を端的に認めてきた。判旨 1 2 に ここでいう条理が具体的にどのような内容 ついては , の一般原則を指すのカ坏明である点に , 若干の疑問が ある。しかし , 法に明文の規定がなくとも , 相談者に 対して適切な教示をすることが窓口担当者に職務上当 然に課される義務であるとすることに異論はない。法 の条文の解釈からそのような義務を導くことが困難で ある本件では , その根拠は条理に求めるほかないだろ う。以上より , 判旨 I は妥当であると考える。 判旨Ⅱ I は , 本件事案の下で具体的に Y の Ⅲ 担当者が負っていた教示義務の内容を明確に し , 続く判旨Ⅱ 2 が同人の対応が同義務に対する違 反であり , 国賠法上違法と評価されると判断する。 制度を特定しない相談等に対して関係しうるあらゆ る社会保障制度を考慮して対応しなければならないと すると , 具体的な制度について相談を受ける場合に比 べて , 行政が負う教示義務の程度が過度に高度になる おそれがある。この点について , 判旨Ⅱ 1 は , C セン ターが本件手当に関わる部署であることや , X2 の相 談内容から本件手当を想起できることに着目してお り , 無制限に高度な義務を担当者に課すものではない といえよう ( 山下慎ー「社会保障法における情報提供 義務に関する一考察」福岡大學法學論叢 60 巻 2 号 256 頁 ) 。 もっとも , 判旨Ⅱ 1 が X2 のニーズを経済的援助に 絞る点は , 若干短絡的にも思われる。 X2 の相談内容 は , 重病児に関わる医療費の援助や福祉サービスを求 めるものと解することも可能だからである。しかし , 判旨 1 2 が述べるとおり , 窓口の担当者は , 来訪者 のニーズを明確にするために事情の聴取などをする義 務をも負うと考えられる。本判決の認定によれば , Y の担当者は X2 から何らの聴取もせず , 端的に援助の 制度はないと回答しており , 上記義務への違反は明確 [ Jurist ] August 2016 / Number 1496 110 であろう。担当者が教示義務を果たしたというために は , X2 の相談内容を具体化したうえで , 本件手当に ついて教示する , あるいは適切な窓口を教示する ( 事 実認定からは , 本件手当の担当部署は別の課であった と推測される ) といった対応をする必要があったと解 される。 以上から , Y の窓口担当者の対応に教示義務違反 を認め , これを国賠法上違法と評価した判旨Ⅱも , 妥 当であると考える。 本判決は , Y の職員が適切な教示を行って Ⅳ いれば XI が受給しえた本件手当相当額を , 教 示義務違反と相当因果関係のある損害として認めた。 本件では X2 が口頭で認定請求をしたとみなすことが できず , 申請権行使の侵害を認めることができる事案 に比べると因果関係が迂遠である ( 山下・前掲 259 頁 ) 。もっとも , 平成 18 年 2 月の A の再入院時に X らが本件手当の受給を申請していることから , 平成 13 年 4 月の時点でも本件手当について適切な教示が あれば X らは認定請求を行ったと推測することがで きよう。 最後に , 本判決の射程について検討する。判 旨 1 1 は本件手当に関する周知徹底・教示等 の責務を制度の非遡及主義から導くが , 判旨 1 2 は 法的義務としての教示義務の根拠をより一般的な事情 ( 社会保障制度の複雑さや行政の窓口対応の重要さ ) および条理に求めている。そこで , 本判決の射程が , 非遡及主義を採る給付 ( 本件手当のほか児童扶養手当 など ) に限られるかが問題となる。この点につき , 例 えば遡及主義を採る年金保険給付であっても , 受給者 が裁定請求をしなければ年金は支給されず , 受給権が 時効消滅した部分については受給できなくなるのであ り , 行政の窓口対応の重要性は本件と変わらない ( 前 掲③判決参照 ) 。また , 制度を特定せずに相談に来た 者に対し , その者カ授給しうる給付カ琲遡及主義の給 付か否かで行政が負う教示義務の程度が変わるとする のは不合理であると思われる。したがって , 本判決の 射程は広く社会保障給付全般に及ぶと解するべきであ ろう。 本判決の解説として , 横田明美〔判批〕セレクト 2015 [ Ⅱ ] ( 法教 426 号別冊付録 ) 3 頁がある。

3. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

ですから抵当権付きの持分を安易に売却することはできません。 抵当権の負担付き売買 それでは抵当権付きの持分を売却することが無理かといえば、そうでもないのです。 売却自体は可能です。しかし、問題となるのは、いわば「コプ付き」ともいえる抵当権 付きの持分を買い取ってくれる人がいるのかという点になります。 事例の場合で考えていきましよう。 お兄さんは順調に借金返却を行っていて、相談時点での残債は noo 万円でした。 持分比率に応じれば、相談者さんの持分に被さっている抵当権は 150 万円相当という ことです。 そこで投資家さんに、この抵当権が付いたままでの購入を提案します。 土地の評価額は万円ですから、相談者さんの分は—coo 万円です。持分売却 ですし抵当権付きというのも考慮すると、評価額からは 3 割程度減価されるのが相場、 7 万円前後が妥当と試算しました。この近辺の額にて買ってくださる投資家さんを探し ました〇 投資家さんサイドから見れば、抵当権相当の 150 万円の「リスク」を足した 850 万 128

4. 不動産法律セミナー 2016年10月号

するとともに、その際には、正当な補償が 必要であるとしている。このうち、「正当 な補償」の意味については、どのように考 【答え】 えられているか。 ( 1 ) 形式の検討 どのような形式の解答が要求されているか を考えましよう。問題文は、「判例は、憲法 29 条 3 項の「正当な補償」とは、〔〕をい うと判示している」という部分を問うていま す。したがって、解答は、「のの補償」と しなければなりません。なお、本問では、 〔〕の直後の語句が「をいう」となってい ますから、〔〕内の文章の最後は、名詞 ( たとえば、上記のとおりの「 ~ 補償」 ) 又は 形式名詞の「こと」等で終わり、かっ、文章 の末尾に句読点をつけてはなりません。 ( 2 ) 内容の検討 本問の判例 ( 最判平 14 ・ 6 ・ 11 ) は、著名 な判例であり、必ず覚えておかなければなら ないものです。この点、判例は、「憲法 29 条 3 項にいう「正当な補償」とは、その当時の 経済状態において成立すると考えられる価格 に基づき合理的に算出された相当な額をいう のであって、必ずしも常にその価格と完全に 一致することを要するものではないことは、 当裁判所の判例とするところである。」と判 示し、相当補償説を採っています。すなわち、 完全な補償 ( = 被収用財産の有する財産的価 値と完全に一致する価格の補償 ) であること は必要なく、いわば「妥当な」又は「相当 な」補償で足りるとするものです。 以上の知識をもとに、適切な語句を書き出 不動産法律セミナー 「正当な補償」の意味については、学説 上、大きく完全補償説と相当補償説の対立 があるが、判例は、憲法 29 条 3 項の「正当 な補償」とは、〔〕をいうと判示してい る。 しましよう。「その当時の経済状態において 成立すると考えられる価格に基づき合理的に 算出された相当な額」がこれに当たりますね。 ( 3 ) 解答の作成 上記 ( 1 ) で検討した形式に、上記 ( 2 ) で書き出した語句を挿入しましよう。 のには「その当時の経済状態において成 立すると考えられる価格に基づき合理的に算 出された相当な額」を挿入することになりま すから、「その当時の経済状態において成立 すると考えられる価格に基づき合理的に算出 された相当な額の補償」となります。 この文章は、制限字数の範囲内に収まり、 かっ、自然な文章表現となっています。よっ て、次の解答例のとおりとなります。 解答例 その当時の経済状態において成立すると考 えられる価格に基づき合理的に算出された 相当な額の補償 ( 45 字 ) ※下線部分がキーワードです。 ( 4 ) 本問の配点基準 本問では、①「その当時の経済状態におい て成立すると考えられる価格」、②「合理的 に算出された相当な額」の二つがキーワード になります。このキーワードに各 10 点で、合 計 20 点というところでしようか 民法総則 まず、民法総則の問題を解いてみましよう。 問題 A は、自己所有の絵画を B に貸し出 した。しかし、 B は、 C に対して、 A の代 理人である旨を示して、当該絵画を売り渡 す契約を締結した。この場合に、 B が当該 絵画を売却する代理権があることを証明す ることができす、かっ、 A の追認を得られ ーノ 80 ー ノの 20 ノ 6

5. 法学セミナー 2016年10月号

086 法学セミナー 2016 / 10 / 8741 LAW CLASS 益と防衛行為によって保全しようとした法益を比較 すべきであると主張する。これは、行為時に立って 防衛行為の危険性が不正の侵害行為の危険性を上回 らない限り相当性を肯定しようとする考え方で、違 法性の本質を社会的相当性の欠如に求める立場から はもちろん、それを許されない危険に求める立場か らも主張されている。 この見解によれば、【間題 ll 】の場合、甲がホー ム上で V の右肩を両手で突いても通常は V がホーム から転落する可能性はなく、 V に死傷結果を発生さ せる危険はないので、甲の防衛行為は、たまたま重 大な結果を招いているが、行為時を基準とすれば相 当であったといえるとして正当防衛の成立を肯定す ることになる。 予想外の重大な結果が発生した場合にも常に正当 防衛を否定するという結論は、防衛行為者に、本来、 権利行為である正当防衛行為に出ることを委縮させ る結果になり妥当ではない。そこで、裁判所も、本 問と類似の事案において正当防衛の成立を認めてい る ( 千葉地判昭 62 ・ 9 ・ 17 判時 1256 号 3 頁〔西船橋駅 事件〕 ) 。 このように、学説の多くは、防衛行為者側と不正 な侵害者側の行為態様を比較衡量することによって 「やむを得ずにした行為」に当たるか否かの判断を している。 【間題 12 】暴漢襲撃事例 甲 ( 女性 ) は、夜道で暴漢 V に襲われ強姦さ れそうになった。甲は、周囲に人の気配もなく 誰かに助けを求めることもできなかったので、 たまたま落ちていた大きな石を V に投げたとこ ろ、石は V の頭部に当たり甲は難を免れたが転 倒した V は塀に頭を強打して重傷を負った。甲 の罪責を論じなさい。 【間題 12 】の場合、 v によって侵害される甲の法 益は「性的自由」であるのに対し、甲の防衛行為に よって侵害された V の法益は「身体」である。した がって、結果の相当性説 ( 事後判断説 ) によれば防 衛行為の相当性は否定される。 また、甲の行為は v に頭に大きな石を命中させる 行為であるから、重大な傷害を負わせる危険性が高 い。したがって、行為の相当性説 ( 事前判断説 ) に よっても、行為態様の危険性が高いので相当性は否 定される。 しかし、甲は夜道で暴漢に襲われており、誰かに 助けを求めることもできない状況であったから、付 近に落ちていた大きな石を相手の頭に向けて投げつ ける以外に不正の侵害から逃れる手段はなかったと いえる。大きな石を相手の ( 頭ではなく ) 手足に投 げつければよかったのではないかという考えもあろ うが、それでは侵害を確実に排除できたとはいえな い。それにもかかわらず、大きな石を相手の頭に向 けて投げつける行為は危険性が高い行為なので相当 性が認められないという結論をとると、甲は ( 過剰 防衛で刑の減免の可能性があるとはいえ ) 傷害罪で処 罰されるか、処罰を免れたければ性的自由の侵害を 甘受せざるをえなくなり妥当でない。 そこで、近時、防衛行為が相当であるか否かを、 行為の衡量か結果の衡量かという判断枠組みではな く、防衛行為者が侵害現場で選択しえた防衛手段の うち、確実に防衛効果が期待できる手段の中で、侵 害性が最も軽微である手段を選択した場合に限って 「やむを得ずにした行為」に当たるとする見解が有 力に主張されている ( 必要最小限度説 ) 。 この見解によれば、【間題 12 】の甲の投石は、侵 害現場でとりえた唯一の手段であった以上、重大な 結果を惹起したとしても正当防衛が成立して違法性 が阻却されることになる。 もっとも、この見解に立ったとしても、パン 1 個 を盗むような軽微な法益侵害行為を阻止するために 相手に重大な傷害を与えるしか他に方法がないとい うような場合にまで、「やむを得ずにした行為」と して正当防衛を認めるのは適当でない。そこで、 のような場合は、そもそも「防衛するため」の行為 でないとか、生命・身体に対する侵害行為以外の場 合は、防衛行為にも緩やかな法益衡量を要求して過 剰防衛にすべきだとする見解が主張されている。 [ 4 ] 相当性判断に関する判例の基本的な立場 このような学説の対立の中で、判例は防衛行為の 相当性についてどのような考え方をとっているので あろうか。 【間題 13 】バンパー事件 甲は、勤務する運送店の事務所入口付、 で

6. 法学セミナー 2016年10月号

084 法学セミナー 2016 / 10 / no. 741 応用刑法 I ー総論 CLASS [ 第 13 講 ] 正当防衛 ( 3 ) ー防衛行為の相当性 明治大学教授 大塚裕史 これを過剰防衛という ( 基本刑法 1198 頁 ) 。つまり、 「やむを得ずにした行為」という要件は、正当防衛 ◆学習のホイント 1 「やむを得すにした行為」に関する学説状 と過剰防衛の限界を画する要件である。 況 ( 比較衡量説、必要最小限度説 ) を理解し [ 1 ] 緊急避難との相違 ておくことが判例の立場の理解の前提とな ところで、刑法は、緊急避難の規定である 37 条 1 る。 項においても「やむを得ずにした行為」という文言 2 判例実務は、「やむを得すにした行為」を を使用している。しかし、同一の文言であってもそ どのような基準と資料を用いて判断してい の意味する内容は 36 条 1 項のそれとは異なる。なぜ るかをしつかり理解しておくことが重要で なら、正当防衛が急迫不正の侵害者に対する法益侵 ある。 害行為である ( 不正対正の関係 ) のに対し、緊急避 3 判例実務における相当性判断の具体的方法 難は現在の危難を避けるために第三者の法益を侵害 を理解し、さまざまな事例を用いてそれを する行為である ( 正対正の関係 ) からである。 使いこなせるようになるまで練習するとよ すなわち、緊急避難の要件としての「やむを得ず にした行為」は、第三者の正当な利益を侵害しても なお許されるための要件であるから、法益を守るた 正当防衛とは、「急迫不正の侵害に対して、自己 めに他人の法益侵害を侵害する以外に方法がないこ 又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした と ( これを補充性の原則という ) を意味する。 行為」をいう ( 36 条 1 項 ) 。このうち、「自己又は他 これに対し、正当防衛の要件としての「やむを得 人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為」 ずにした行為」は、不正な侵害者の法益を侵害する を防衛行為という。防衛行為といえるためには、① ことが許されるための要件であるから、厳密に他に 「自己又は他人の権利を防衛するため」の行為であ とりうる方法がない場合に限られず、相当な防衛行 って、②「やむを得ずにした行為」でなければなら 為であればよい。これは、正当防衛が自力救済の禁 ない。防衛行為に関するこの 2 つの問題のうち、前 止の原則の例外とはいえ、権利行為であることから 講で①を扱ったので、本講では、②の点を検討する ( 第 11 講 94 頁 ) 、自己防衛権の行使を不当に委縮させ ことにしたい。 ないための配慮である。 1 「やむを得ずにした行為」の意義 [ 2 ] 必要性と相当性 従来、学説の多くは、やむをえずにした行為とい 急迫不正の侵害に対する防衛行為であっても、そ えるためには、自己または他人の権利を防衛するた れが「やむを得ずにした行為」でなければ正当防衛 めに必要な行為であり ( 必要性 ) 、かっ侵害を排除 は成立せず、「防衛の程度を超えた行為」として刑 する手段として相当でなければならない ( 相当性 ) が減軽または免除されることがある ( 36 条 2 項 ) 。

7. 法律のひろば 2016年11月号

酬額を、委任の際に取り決めていることるまで、経済的利益の額は、減額されるを必要と解している。 は、一般的にはない。一般的な常識的な ことが弁護士職務基本規程からも弁護士弁護士報酬も責任保険に付保されてい 額を経済的利益として成功報酬額を決めに求められている。また旧報酬等基準規る費用保険において被保険者に生じた損 るのではないか。 程や >< らが所属している弁護士会の報酬害を填補するものであることから、保険ば 弁護士報酬自由化後の「弁護士の報酬規程からも義務付けられており、らの事故と相当因果関係のある損害が填補さひ に関する規程」 2 条は、「弁護士の報酬主張には合理性がないことは明白であれることになる。また約款上も、被保険律 者が弁護士費用等の支出したことを要件 は、経済的利益、事案の難易、時間及びる。 労力その他の事情に照らして適正かっ妥本件の事実関係に基づけば、社が提としているのは、被保険者が弁護士の報 当なものでなければならない。」とする示した保険金の額は、相当な範囲を逸脱酬を支出したことによって相当因果関係 規定を置く。この 2 条の規定は、旧報酬した額とも考えにくい。本判決は、弁護のある損害を被保険者が被ったので、そ 等基準規程条 1 項よりも、表現として士職務基本規程条、弁護士の報酬に関の損害を費用保険で填補するという費用 は抽象的であるが、経済的利益の評価にする規程 2 条と同様な内容を判示した上保険本来の機能を具体的に約款で示して ついては、旧規程条 1 項と同様の趣旨で、本件事案の内容を踏まえて、社のいると考えられる。 もっとも、実務上は、被保険者の便宜 を含んでいると解されている。すなわ裁量権の逸脱を否定しており、妥当な内 を考え、保険者の同意があれば、着手金 ち、弁護士職務基本規程条は、「弁護容と考える。 の支払を行っているが、それは内払いに 士は、経済的利益、事案の難易、時間及 よる支出に過ぎない。これは、例えば、 び労力その他の事情に照らして、適正か 「支出した」弁護士報酬の要件 人身傷害補償保険契約においても被保険 っ妥当な弁護士報酬を提示しなければな前掲・大阪地判平成 5 年 8 月日は、 らない。」と定める。この条の解説に 「被告に争訟費用のてん補を請求するた者の総損害額が確定していない段階で おいて「勝訴の見込みや必要性の薄い請めには、現実に『支出』している必要がも、治療費や休業損害等被保険者の生活 求を本来的な請求に加えて過大な着手金あるかどうかについてであるが、前記第に直結する非常に重要な費目に関して、 を算定する場合 ( たとえば、通常の損害 4 号で『支出した、訴訟費用・弁護士報最終的に保険金を確定する前に、内払い 賠償請求に認容される可能性が低い制裁酬・仲裁・和解または調停に関する費の実務を行っているのと同様である。 的な慰謝料を加えて請求額を拡張し、こ用』と明記しているのであるから、現実最終的には、被保険者が担当弁護士に に支出している必要があるというべきで弁護士報酬を支払う、すなわち支出した れを基準に着手金を請求する場合 ) は、 ことによって、被保険者に損害が発生し 「適正かっ妥当」でないとされることにあり、また、そのように解しても不当、 たことになり、保険事故と相当因果関係 なろう」 ( 注リと解説されている。この不合理であるとはいえない。」と判示し、 趣旨から考えれば、紛争の実態に相応す争訟費用の支払要件として、現実の支払のある損害に関して、相当な範囲で保険

8. 適応の条件

派遣者ばかりでなく、国際的な仕事の方針を打ち出したり、海外へ人材を派遣する本部の中枢 には、海外経験の豊富な、私のいうプロをぜひおかなければならない。必要とあれば、すぐ現 地にとんで仕事が充分できるという人材が本部にいて、海外駐在員とのコミュニケーションを ベスト・コンディションにしておくことである。 従来の本部と現地の関係では、このコミニケーションが貧困であるばかりでなく、相互理 解が不充分なため、より強い立場にある本部が権限をもちすぎて、海外駐在員の活動を不当に 制約してしまっていたといえよう。なんといっても、現地にある者は現地に関する限りアップ トウデイトの情報をもっているのであり、それにもとづいた判断を充分評価すべきである。と くに現地駐在員の、私のいうプロの場合には、相当大幅な権限を与えるべきである。これを可 能にする唯一の方法は、本部の中枢が、現地に明るく、信頼できる優秀な人材を選抜して派遣 することである。その分野における海外経験が充分あれば、本国にいても、現地からの簡単な 報告で駐在員の活動の全貌を想定でき、またその仕事に付随するさまざまな要件を把握するこ とができる。一方、本部が充分理解していてくれるということは、海外で仕事をするうえでな によりも強みである。このような本部と現地を結ぶシステムと人材があってこそ、本当の国際 的な活動ができるのである。 178

9. 法律のひろば 2016年2月号

を第黷・一補債、 : ・保。。 = ・法 ) 判例研究 る。蕪山厳「判解」最高裁判所判例解説民事篇昭和れ 年度 5 9 9 頁 ( 6 ) この「損益相殺的な調整」という表現について、 調査官は、損益相殺を厳格に解した場合に、その要件 を満たすか疑問であるとの批判への配慮によるもので はないかと述べる。すなわち、損益相殺の概念からす れば、損益相殺する損害と利益は同一主体に生じたも のである必要があるが、相続構成をとる判例の立場に よれば、損害と利益の主体が異なるとの批判、また、 損益相殺すべき利益は不法行為と相当因果関係がある 必要があるが、遺族年金などは死亡によって給付され るが、掛け金の支払い等を原因としており不法行為と 相当因果関係があるといえるのかという批判への配慮 ではないかという。滝澤孝臣「最判解」最高裁判所判 例解説民事篇平成 5 年度 4 81 頁 ( 7 ) 平成年判決の最判解説は、「仮にその充当関係に つき民法 491 条 1 項の定める充当順序が妥当するの であれば、遅延損害金についても、各給付と「同一の 事由』の関係にある損害に対する遅延損害金のみが充 当の対象となると解するのが自然である」が、そうす ると「充当計算が極めて複雑なものとなり : : : 実務的 に妥当性を欠く結果となる」とする。綿引万里子・岡 田伸太「判解」最高裁判所判例解説民事篇平成年度 ( 8 ) 大阪高判平成川年 7 月Ⅱ日交民集巻 5 号 133 9 頁がこの点を指摘している。 ( 9 ) 大島眞一「交通損害賠償訴訟における虚構性と精 緻性」判タ 119 7 号 ( 2 0 0 6 年 ) 引頁 ( 下 ) センター「交通賠償論の新次元」 ( 判例タイムズ社、 ( 四大島・前掲 ( 注 9 ) 頁 2007 年 ) 頁以下を参照。 ( リ尾島明「損害賠償と労災保険給付との間の損益相 殺的な調整」本誌巻 6 号 ( 2015 年 ) 間頁。さら ( リ加藤一郎「不法行為〔増補版〕」 ( 有斐閣、 197 4 年 ) 2 45 頁。我妻榮「事務管理・不当利得・不法 に、同ハ頁では判示事項 2 について「 : : : もともと将 行為」 ( 日本評論社、 1934 年 ) 204 頁、於保不 来生ずることとなる逸失利益の性質、遺族補償年金と 一一雄「債権総論〔新版〕」 ( 有斐閣、 1972 年 ) 14 逸失利益のとの相互補完性等に鑑みて、遅延損害金の 6 頁、奥田昌道「債権総論〔増補版〕」 ( 悠々社、 19 発生を一律に否定するほうがより合理的であるとの考 頁、鈴木禄弥「債権法講義〔四訂版〕」 えによるものではなかろうか」と述べる。前最高裁調 9 2 年 ) 211 ( 創文社、 2001 年 ) 囲頁も同様の趣旨。なお、損 査官による解説にも同様の説明がされている ( 谷村武 益相殺を総合的に研究したものとして沢井裕「損益相 則「判批」ジュリ 14 81 号 ( 2 015 年 ) 頁 ) 。 19 5 8 年 ) 川頁・ 殺 ( 一 ) 5 (lll) 」関法 8 巻 3 号 ( ( リ差額説と損益相殺の関係については、潮見佳男「差 年 ) 、日本 5 号頁・ 9 巻 1 号間頁 ( 以上、 額説と損益相殺」論叢 164 巻 156 号 ( 2009 年 ) 法における史的検討がなされているものとして松浦以 105 頁以下から多くの知見を得た。同 123 頁は「総 津子「損益相殺」星野英一編「民法講座 6 」 ( 有斐閣、 じてみたとき、差額説のもとでの損害と損益相殺制度 2 012 年 ) 6 81 頁 の関係については、十分な体系的把握がされていると は言いがたいというのが、わが国での理論の現況であ ( ) 加害行為と相当因果関係にある利益を控除すると いうことになるが、損害賠償の範囲を定める因果関係 る」と指摘する。 論における「相当因果関係」という基準が具体的な基 ( ) 差額説にもバリエーションはあり、また、判例・ 準としては機能せず、公平の理念を考慮して判断され 実務においても、差額説と対立関係にある損害事実説 ているのと同様、損益相殺における相当因果関係とい の一つである労働能力喪失説を前提とする損害額算定 う基準も具体的な基準として用いられてはいないとい が行われる場面があることは周知のとおりである。こ える。 こでは、差を金額で捉える、すなわち損害概念に金銭 つ」 19 8 5 年 ) 6 ( ) 四宮和夫「不法行為」 ( 青林書院、 評価を含むとする差額説を前提としている。差額説の 00 頁。また、澤井裕「テキストブック事務管理・不 2 リエーションについては、潮見佳男「財産的損害概 ろ 当利得・不法行為〔第 3 版〕」 ( 有斐閣、 2001 年 ) 念についての一考察ー差額説的損害観の再検討」判タ ひ 248 頁は、損益相殺について、「損害賠償の理念たの 687 号 ( 1989 年 ) 4 頁、判例・実務における損 法 る「公平」「損害の公正な配分」の見地から当然のこ 害概念の変化については窪田充見「損害概念の変遷ー ととして認められている」、というのは「加害者が、 判例における最近川年間の展開」日弁連交通事故相談

10. 合格革命行政書士基本テキスト 2017年度版

2 不当利得 ( 1 ) 不当利得とは何か A は、自分の所有する時計を B に対して売却し、この時 十を引き渡した。その後、 A は、時計の売買契約を取り 0 一三ロ ③不当利得返還請求 ①売却 売主②取消し 買主 不当利得とは、法律上の原因なく他人の財産又は労務によっ て利益を受け、そのために他人に損失を及ばすことです。そし て、不当利得を受けている者は、これを返還する義務を負いま す ( 703 条、 704 条 ) 。 上の事例では、 AB 間の時計の売買契約が取り消された以 上、 B が時計を所持していることについて法律上の原因はあり 建物賃借人から請け負 って修繕工事をした者 ませんから、 B が時計を所持していることは不当利得に当たり が、賃借人の無資力を 理由に建物所有者に対 ます。したがって、 A は、 B に対して、時計の返還を請求する して修繕代金相当額を 不当利得として返還請 ことができます。このように、不当利得も、契約と同様に債権 求できるのは、建物所 有者が対価関係なしに 発生原因となります。 利益を受けた場合に限 られる ( 最判平 7.9.19 ) 。 この不当利得制度の趣旨は、形式的には正当とされる財産的 ロ 22 ー 33 ーウ 価値の移動が実質的には正当とされない場合に、公平の理に 従ってこれを調整する点にあります。 ( 2 ) 要件 不当利得の成立要件は、以下の 4 つです。 【不当利得の成立要件】 1 受益者が他人の財産文は労務によって利益を受けたこと 2 他人に損失を与えたこと 3 利益と損失との間に因果関係があること 4 法律上の原因がないこと報 3 一信政ム 民法 盟重要判例 ※ 3 重要判例 金銭消費貸借契約の借 主は、特段の事情のな い限り、貸主が第三者 に対して貸付金を給付 したことによりその価 額に相当する利益を受 けたものとみるべきで あるが、借主と第三者 の間に事前に何ら法律 上・事実上の関係のな い場合は、特段の事情 があるといえるから、 借主は利益を受けたも のとはされない ( 最判 平 10.5.26 ) 。ロ 22 ー 33 ーオ 第 3 章ー債権 523