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検索対象: 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩
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1. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

ありしさまなど、すこしはとりなほしつつ語りきこえたまふ。匂宮「隠したま一中の君にうまくとりつくろい。 ニ中の君が浮舟の素姓や境遇を。 ヤとひと むつ ひしがつらかりし」など、泣きみ笑ひみ聞こえたまふにも、他人よりは睦まし三中の君は浮舟の異母姉ゆえ。 語 四大げさに格式ばって、宮が病 物くあはれなり。ことごとしくうるはしくて、例ならぬ御事のさまもおどろきま気だとあれば大騒ぎする邸。以下、 氏 正室六の君のいる六条院のさま。 ちちおとど 源どひたまふ所にては、御とぶらひの人しげく、父大臣、せうとの君たちひまな = 六の君の父右大臣。タ霧。 六こちら二条院は。 きーもいと , つるさきに、 セ以下、匂宮の心中。いまだに ここはいと、いやすくて、なっかしくぞ思されける。 浮舟の死が信じられない。「なほ」 は「いぶせければ」にかかる。 いと夢のやうにのみ、なほ、いかでいとにはかなりけることにかはとのみい ^ 宮の宇治行に従う時方や道定。 ぶせければ、例の人々召して、右近を迎へに遣はす。母君も、さらにこの水の九右近に事の潁末を語らせたい。 一 0 母中将の君は雨の日に宇治に おと こころう 音けはひを聞くに、我もまろび入りぬべく、悲しく心憂きことのどまるべくも来て葬送に立ち会った。↓九三ハー。 = 忌にこもって念仏する僧たち。 あらねば、し 、とわびしうて帰りたまひにけり。念仏の僧どもを頼もしき者にて、彼ら以外に頼れる者とてない。 三匂宮の使者の時方らが。 とのゐびと いとかすかなるに、入り来たれば、ことごとしくにはかに立ちめぐりし宿直人一三薫の命で厳重に警戒し ( 浮舟 七三ハー ) 、匂宮の接近を拒んだが みとが どもも見咎めず。あやにくに、限りのたびしも入れたてまつらずなりにしよと、 ( 浮舟八〇ハー ) 、今は警戒を解いた。 一四皮肉にも、今にして思えば最 一六 思ひ出づるもいとほし。さるまじきことを思ほし焦がるることと、見苦しく見後の対面の機会だったのに、宮を 邸内に導くことができなかった。 一七 たてまつれど、ここに来ては、おはしましし夜な夜なのありさま、抱かれたて以下、時方らの回想である。 一五宮がおいたわしい 一六かっては匂宮の横恋慕と批判 まつりたまひて舟に乗りたまひしけはひのあてにうつくしかりしことなどを思 れい い一 だ八

2. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

一気持が落ち着くとかえって。 に、やうやう涙尽くしたまひて、思し静まるにしもそ、ありしさまは恋しうい ニ無性に涙顔でいるのを。 おほむやまひ ひと みじく思ひ出でられたまひける。人には、ただ、御病の重きさまをのみ見せて、三どんな女のことで。 語 五かねての推測の的中する思い 物かくすずろなるいやめのけしき知らせじと、かしこくもて隠すと思しけれど、 氏 六文通のみならず、情交もあっ あやふ 源おのづからいとしるかりければ、「いかなることにかく思しまどひ、御命も危たろうと推測。「 : ・けり」と、確信。 セ宮が必ず執心するはずの女。 きまで沈みたまふらん」と言ふ人もありければ、かの殿にも、いとよくこの御男を魅了させる浮舟の美貌をいう。 ^ もしも浮舟が存命ならば。 ふみ 五 けしき 気色を聞きたまふに、「さればよ。なほよその文通はしのみにはあらぬなりけ九他人の場合よりも。匂宮と自 分 ( 薫 ) が同族で近親の関係だから、 り。見たまひてはかならずさ思しぬべかりし人ぞかし。ながらへましかば、た愚かしく恥をさらすところだった。 一 0 浮舟の死に胸をなでおろす気 だなるよりは、わがためにをこなることも出で来なましと思すになむ、焦が持さえまじる。 一一匂宮は東宮候補とされるだけ 、世人から重視されている。 るる胸もすこしさむる心地したまひける。 三たいした身分でもない者 ( 浮 宮の御とぶらひに、日々に参りたまはぬ人なく、世の騒ぎとなれるころ、こ舟 ) の喪にこもり。女二の宮にも 同じ言い方をした。↓九九ハー三行。 きは とごとしき際ならぬ思ひに籠りゐて、参らざらんもひがみたるべしと思して参一三前に娘を薫にと志したが果せ なかった人 ( ↓東屋一五〇ハー ) 。 おほむをぢぶく しきぶきゃうのみや りたまふ。そのころ、式部卿宮と聞こゆるも亡せたまひにければ、御叔父の服薫の叔父とあるので源氏の異母弟。 きようぶく 一四叔父の服喪は三か月で、軽服。 うすにび 一五うち にて薄鈍なるも、心の中にあはれに思ひょそへられて、つきづきしく見ゅ。す一 = 表だった妻妾ではない浮舟の ための喪服でないが、叔父のため のそれに浮舟を悼む気持をこめる。 こし面痩せて、いとどなまめかしきことまさりたまへり。 おもや ひび 一も 四 九 ひと

3. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

いたづらになして思ふらん親の、いに、よほ、このゆかりこそ面だたしかりけれ一娘の縁で面目を施すことがで 0 きたと、母君から思われたい。浮 舟の縁者を後援する心算。 と思ひ知るばかり、用意はかならず見すべきこと」と思す。 ニ母君の居所。三条の小家か。 語 ひたちのかみ 物かしこには、常陸守、立ちながら来て、「をりしもかくてゐたまへることな三浮舟の住いなどを、母君は常 氏 陸介に知らせていなかった。薫に 源む」と腹立つ。年ごろ、いづくになむおはするなど、ありのままにも知らせざ迎えられた後に、面目を施すべく 知らせようの心づもりだった。 りければ、はかなきさまにておはすらむと思ひ言ひけるを、京になど迎へたま四浮舟が死んでしまったので。 五これまでの事情を。 のちめいばく ひてむ後、「面目ありて」など知らせむと思ひけるほどに、かかれば、今は隠六薫の弔問の手紙。↓一一七ハー セ貴人をあがめて、田舎人らし く、何にでも感心する人で。常陸 さんもあいなくて、ありしさま泣く泣く語る。大将殿の御文もとり出でて見す 介の性分。↓東屋一三七ハー一行。 ひな ^ 薫の手紙を繰り返し見て。 れば、よき人かしこくして、鄙び、ものめでする人にて、おどろき臆して、う 九以下、薫につながる幸運を喜 す ち返しうち返し、常陸守「いとめでたき御幸ひを棄てて亡せたまひにける人かな。ぶ気持から、常陸介の言動が急変。 一 0 自分も薫の家来として。 とのびと と = もしも浮舟が存命ならば。夫 おのれも殿人にて参り仕うまつれども、近く召し使ひたまふこともなく、い の喜ぶ態度に、あらためて浮舟の けだか 気高くおはする殿なり。若き者どものこと仰せられたるは頼もしきことにな死を悲嘆せざるをえない。 一ニ「さるは」と、観点を変え、薫 んーなど、よろこぶを見るにも、まして、おはせましかばと思ふに、臥しまろの心情に即しての語り手の評言。 薫の常陸介後援が浮舟の死の代償 によるものだけに、浮舟存命なら びて泣かる。守も、今なんうち泣きける。 ば考えられぬことだとする。 一三浮舟を放置したとする悔恨。 さるは、おはせし世には、なかなか、かかるたぐひの人しも、尋ねたまふべ 五 ふみ おも おく ふ

4. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

7 うなづく ( 穂・幽・楙・二・肖・三・河 ) 思うたまへられざりしを ( 明・穂・ 楙・二・肖・三 ) ーおしはからるゝそ ー打うなっく 幽・柏・楙・二・三・河 ) ーおほえ給へられ川 6 はべりければ ( 明・証・穂・幽・柏・ さりしを一 落ち細りにたる ( 明・証・△幽・柏・△ 楙・二・肖・三・河・別 ) ー侍れば しふね 5 たまへるが ( 明・証・穂・△幽・柏・ 9 執念きこと ( 明・証・穂・柏・楙・二・ 語楙・二・三・河 ) ーおちほそりたる うつくしかりける ( 明・穂・△幽・柏・ 楙・二・肖・三 ) ー給つるか 肖・三・河・別 ) ーしふねきことを 物昭 氏二・肖・三・河 ) ーいとうつくしかりける 8 あへしらふ ( 明・証・幽・柏・二・肖・ ことどもや ( 明・証・幽・柏・楙・二・ かしら 源 2 頭つきども ( 明・穂・柏・楙・二・ 三・河 ) ーあいしらふ 肖・三 ) ー事とも △肖・三・河 ) ーかしらっき 8 つけては ( 明・証・穂・幽・柏・△楙・ 3 たまひける ( 明・証・△幽・柏・楙・ 鵬昭御あたりに ( 明・証・穂・△幽・柏・ 一一・肖・三・河・別 ) ーとりては 二・肖・三・河 ) ー給 肖・三・河 ) ー御あたり おはしましては ( 明・穂・柏・楙・二・ 7 本意 ( 明・穂・幽・柏・楙・二・肖・ 1 はべる ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三・河 ) ーおはしては 三・河・別 ) ー心さし 肖・三・河・別 ) ー侍つるを 6 なく ( 明・穂・△幽・柏・楙・二・肖・ 川なりにたれば ( 明・証・柏・楙・二・ 罌 1 ものせさせ ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 三 ) ーあらす 肖・三・河 ) ーなりたれは 二・肖・三・河 ) ーせさせ 7 生ける ( 明・穂 : 幽・柏・・一一・肖・ 加 1 いかでか ( 明・証・幽・柏・楙・二・三 ) もの思ひ知りはべりて ( 明・穂・幽・ 三 ) ー佛はいける ーいカて 柏・楙・二・肖・三・河 ) ーもの思しりて 7 ありて ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 語らひはべらん ( 明・証・穂・幽・柏・ 4 ・ 1 1 よ 1 肖・三・河 ) ーありてと 深くはべりしを ( 明・穂・△幽・柏・ 楙・二・肖・三 ) ーかたらひ給らん 楙・二・肖・三・河 ) ーふかゝりしを 心地 ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 朋 4 姉君の ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 1 さるやうこそ ( 明・証・穂・幽・柏・ 肖・三 ) ー心ちそ 肖・三・河・別 ) ーあねの君 二・肖・三・河 ) ーさるやうこそは 8 をりは ( 明・穂 : 幽・柏・楙・二・肖・ 朋 6 かの人 ( 穂・△幽・楙・二・肖・三・河・ 4 ことならす ( 明・穂・△幽・柏・楙・ 三・河 ) ーおりには 別 ) ーかゝる人 二・肖・三・河 ) ーことにあらす 期 8 ことにて ( 穂・幽・榊・二・肖・三・河 ) 朋 登りたまひぬ ( 明・穂・△幽・柏・楙・ 5 急なることにてまかで ( 明・証・穂・ ツ」と一ゝは 二・肖・三 ) ーのほりぬ 幽・柏・楙・二・肖・三 ) ーきふなることに 1 見おきたてまつらむ ( △明・証・穂・ 5 なにがし ( 明・穂・△幽・柏・楙・肖・ まかんて 一一 l) ーなにかしか 幽・柏・楙・二・肖・三・河 ) ーみたてまっ らむ 思うたまへつれ ( 明・穂・△幽・柏・ 7 思すべかめる ( 明・穂 : 幽・柏・楙・ 二・肖・ = l) ー思ひ侍れ 4 推しはかるそ ( 明・証・穂・幽・柏・ 二・肖・三 ) ーおほすへかめることなめる % 0 1 よ 1

5. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

、と一当時の菩薩像には、音楽を楽 と弾かまほしと思ひたれば、し とよく鳴る琴もはべり」と言ひつづけて、い 8 しむものが多かったらしい。平等 忍びやかにうち笑ひて、中将「いとあやしきことをも制しきこえたまひける僧院鳳凰堂の「二十五菩薩小像」「伝 源信画高野山一一十五菩薩来迎図」 語 ′ ) くらく ばさっ などの遺品もある。 物都かな。極楽といふなる所には、菩薩などもみなかかることをして、天人など 氏 ニそのために勤行に身が入らず こよひ 源も舞ひ遊ぶこそ尊かなれ。行ひ紛れ、罪得べきことかは。今宵聞きはべらば罪つくりになることもあるまい 四 三中将がお世辞を言うと。 とのもり 四主殿さんよ。「主殿」は女房の ゃーとすかせば、いとよしと思ひて、母尼「いで、主殿のくそ、あづまとりて」 名か。「くそ」↓前ハー注一七。 しはぶき 五母尼は、和琴を。 と言ふにも、咳は絶えず。人々は、見苦しと思へど、僧都をさへ、恨めしげに 六前に「盤渉調」とあり、中将と うれ 。、いとほしくてまかせたり。取り寄せて、ただ今の笛の妹尼はその調子で合奏していた。 愁へて言ひ聞かすれは セ和琴の調子の一つか。 しら ^ 和琴は、ヘら状の爪で弾く。 音をもたづねず、ただおのが心をやりて、あづまの調べを爪さはやかに調ぶ。 九他の楽器の演奏を止めたのを。 こと みな異ものは声やめつるを、これにのみめでたると思ひて、母尼「たけふ、ちち一 0 人々は自分の和琴演奏にだけ 感心している、と母尼は思って。 「たけふ ( 武生 ) 」は、催馬楽 りちちり、たりたんな」など、掻き返しはやりかに弾きたる、言葉ども、わり = 「道ロ」 ( ↓浮舟六二ハー注四 ) の一節。 なく古めきたり。中将「いとをかしう、今の世に聞こえぬ一一 = ロ葉こそは弾きたまひ「ちちり : ・たりたんな」は笛の唱歌 ( 譜を歌うこと ) か。この催馬楽の けれ」とほむれば、耳ほのばのしく、かたはらなる人に問ひ聞きて、母尼「今歌詞には漂泊の女が暗示され、浮 舟には母親が想起されもする。 様の若き人は、かやうなることをそ好まれざりける。ここに月ごろものしたま三琴爪の裏で絃をはじく奏法。 一三耳も遠くなっているので。 かたち ふめる姫君、容貌はいときよらにものしたまふめれど、もはら、かかるあだわ一四こうした音楽などを。 か つま 一セ

6. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

貶たまへりつる ( 穂・△幽・柏・楙・二・ 肖・三・河 ) ー給ひつる 2 1 人一 11 をり ( 明・穂・△幽・柏・楙・二・肖・ 三・河・別 ) ーこと 語 物 8 住みはじめたるなりけり ( 明・穂・ 氏△幽・柏・楙・二・肖・三・河・別 ) ーすみは 源しめたりける也 嫺 9 見出でてしがなと ( 明・証・穂・幽・ 柏・肖・別 ) ーみいてゝしかな 嫺所の ( 明・証・穂・△幽・柏・楙・二・ 肖・三・河・別 ) ー所 せんざい 嫺前栽なども ( 明・穂・△幽・柏・楙・ 二・肖・三・河 ) ーせむさいも 1 あはれなるを ( 明・穂 : 幽・柏・楙・ 二・△肖・三・河 ) ーあはれなり 2 をかし ( 穂・△幽・楙・二・肖・三・河 ) ーー、おか、しノ、 まっかげ 5 松蔭 ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三・河 ) ーまっかぜ 6 いっともなく ( 明・証・穂 : 幽・柏・ 楙・二・肖・三・河 ) ーいっとなく 1 11 1 人 思ひ出づ。なほ ( 明・証・穂・幽・柏・ 楙・二・肖・三・河 ) ー思ひいつるを 1 さまざまの ( 明・幽・柏・榊・二・肖・ 三・河 ) ーさま / ( 、、 4 思ひはてし ( 穂 : 幽・柏・楙・二・ 肖・三・河 ) ー思し 6 いづこに ( 明・証・穂・柏・二・肖・ lll) 、いっノ、〔に 1 したる ( 明・穂・△幽・柏・楙・一一・肖・ = l) ーしたりける 2 言ひわきたる ( 明・穂・△幽・柏・楙・ 二・肖・三・河 ) ーいひわけたりける 2 似たること ( 穂・△幽・楙・二・肖・ lll) ーにたるは 3 これにゃあらん ( 明・証・穂・幽・柏・ 楙・一一・肖・三・河 ) ーこれにや 11 1 よ 忍びやかにて ( 明・穂・柏・楙・二・ 肖・三 ) ーしのひやかに Ⅷ 4 積もりには ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 二・肖・三・河 ) ーっもるには はべりつる ( 明・証・幽・柏・二・肖・ 三・河 ) ー給へる Ⅲ 1 とどめられて ( 明・穂・△幽・柏・楙・ △二・肖・三・河 ) ーとめられて Ⅲおはしまいたる ( 明・穂・幽・柏・楙・ 二・肖・三 ) ーおはしたる ⅢⅡしはべるに ( 明・穂・柏・楙・二・肖・ 三・河 ) ーし侍つるに 朧 9 たまへりつる ( 明・証・穂・幽・柏・ 楙・二・肖・三 ) ー給へる 0 1 よ 1 思ひて ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三・河 ) ーおもひいてゝ 1 1 いかでか ( 明・穂・柏・楙・二・肖・三 ) ーいカて Ⅲ 4 心も ( 明・穂 : 幽・柏・楙・一一・ 河 ) ー心は Ⅲ 4 夢のやうに ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 二・肖・三・河・別 ) ー夢の世に 人々 ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三・河・別 ) ー人 、ー - 1 人 のたまふ ( 明・穂 : 幽・柏・楙・二・ 肖・三・河・別 ) ーある 3 ことなりかし ( 穂・柏・楙・二・肖・ = l) ーことそかし 炻見つけたまひてけるを ( 明・証・穂・ 幽・柏・楙・二・肖・三・河 ) ーみつけてけ るを 2 尋ね聞こえん ( 明・証・穂 : 幽・柏・ 楙・二・肖・三 ) ー尋きかん まっち 6 待乳の山の ( 証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三 ) ーまっちの山 8 はべる ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 肖・三・河・別 ) ー侍つる Ⅲ屈したる ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 二・肖・三 ) ーくんしたる 人にて ( 明・穂・柏・楙・二・△肖・三・ 河 ) ー人にては よはひ Ⅲ凵齢の人だに ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 二・肖・三 ) ーよはひともたに 2 盛りにては ( 明・証・穂 : 幽・柏・ 174 10

7. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

75 浮舟 めやすからめ。昔は、懸想する人のありさまのいづれとなきに思ひわづらひて一四以下、浮舟の心中。薫と宮の どちらになびくにしても。 だにこそ、身を投ぐるためしもありけれ。ながらへばかならずうきこと見えぬ一五懸想する男たちの誠意がどち らとも優劣のつけがたいのに苦し べき身の、亡くならんは何か惜しかるべき。親もしばしこそ嘆きまどひたまはんでさえ。『万葉集』巻九の真邯の てこな うないおとめ 手児奈・菟原処女 ( 『大和物語』百 さくら め、あまたの子どもあっかひに、おのづから忘れ草摘みてん。ありながらもて四十七段と同類 ) 、巻十六の桜 こかずらこ おとめづか 児・縵児など、処女塚伝説をさす。 そこなひ、人笑へなるさまにてさすらへむは、まさるもの思ひなるべし」など一六以下、醜く生き恥をさらすよ りも、と死を選ぶ。六一ハ 思ひなる。児めきおほどかに、たをたをと見ゆれど、気高う世のありさまをも行と同じ発想を繰り返し、死の決 意が固まる。「人笑へ」にも注意。 お 知る方少なくて生ほしたてたる人にしあれば、すこしおずかるべきことを思ひ宅自分の死後。 一〈浮舟の性格。↓東屋一六一一 寄るなりけむかし。 ハ二行・同一九九ハー一行。 一九貴族らしい身の処し方をほと や とうだい むつかしき反故など破りて、おどろおどろしく一たびにもしたためず、灯台んど知らずに。浮舟の東国育ちを さす。死の決意は貴族社会の常識 の火に焼き、水に投げ入れさせなどやうやう失ふ。心知らぬ御達は、ものへ渡を超えたものとする。 ニ 0 「おずし」は乱暴な、の意。 てならひ りたまふべければ、つれづれなる月日を経て、はかなくし集めたまへる手習な東屋 3 一七二ハー注一一。自殺をさす。 三残しておいては厄介な文反故。 どを破りたまふなめりと思ふ。侍従などぞ、見つくる時に、「などかくはせさ匂宮の手紙類。死の準備である。 一三人目につくのをはばかる。 せたまふ。あはれなる御仲に、心とどめて書きかはしたまへる文は、人にこそ = 三浮舟の心が匂宮に傾いている として、相思相愛の仲という。 一西文箱の底などに。 見せさせたまはざらめ、ものの底に置かせたまひて御覧ずるなん、ほどほどに や ほぐ けさう ニ四 ひと っ けだか ニ 0 1 九 ごたち

8. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

人だに、今はと背きはべる時は、いともの、い細くおばえはべりしものを、世を一前途のある若盛りの年齢では。 一一最後まで出家生活を通せるか。 こめたる盛りにては、つひにいかがとなん見たまへはべる」と、親がりて言ふ。三妹尼が、浮舟のいる奥の方に。 四思いやりのないなさりよう。 語 . なさけ 物入りても、妹尼「情なし。なほ、いささかにても聞こえたまへ。 かかる御住五山里住いでは、ちょっとした つまらぬことでも、人の情けに応 源まひは、すずろなることも、あはれ知るこそ世の常のことなれ」など、こしらずるのが当然というもの、の意。 六何のとりえもない者。 へても言へど、浮舟「人にもの聞こゆらん方も知らず、何ごとも言ふかひなくセすげない態度で。 ^ さあどうか。なんと情けない。 まらうと こころ ふ のみこそ」と、 いとつれなくて臥したまへり。客人は、中将「いづら。あな心九秋になったらとの約束は。妹 尼の引歌 ( ↓前ハー注一九 ) の下の句の 「秋と契れる人ぞ・ : 」の「人」を、自 憂。秋を契れるは、すかしたまふにこそありけれ」など、恨みつつ、 分のことととりなして訴える。 をギ ) はら 一 0 「松虫」「待っ」の掛詞。「荻 中将松虫の声をたづねて来つれどもまた荻原の露にまどひぬ 原」は暗に浮舟をさす。待ってい 妹尼「あないとほし。これをだに」と責むれば、さやうに世づいたらむこと言てくれると思って訪ねたのに、つ れないお方のために涙に濡れた意。 ひ出でんもいと心憂く、また言ひそめては、かやうのをりをりに責められむも、 = せめてこの返事なりと。 三以下、浮舟の心に即した叙述。 むつかしうおばゆれば、答へをだにしたまはねば、あまり言ふかひなく思ひあ一三一度返歌したら。過往の酷烈 な体験を根拠に固く心を閉ざす。 一四出家前は、当世風に気のきい へり。尼君、はやうは、、 しまめきたる人にそありけるなごりなるべし、 た人、その名残からだろう。 かりごろも 一五「来たる」「着たる」の掛詞。 妹尼「秋の野の露わけきたる狩衣むぐらしげれる宿にかこつな 秋の野を踏み分けて露に濡れたの むぐら に、この葎の宿のせいだとは言っ となん、わづらはしがりきこえたまふめる」と言ふを、内にも、なほ、 一五

9. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

二・肖・三・河・別 ) ーいといみしき 二・肖・三・河 ) ー給はんと 剏 3 忌むべかりけるを ( 明・穂・△幽・柏・ 昭見つつ ( 明・穂 : 幽・柏・楙・二・肖・ 1 こそ ( 明・証・穂・幽・柏・・二・ 楙・二・肖・三 ) ーいむへかりけれは 三・河 ) ーみて 肖・三・河 ) ーこそは 剏 5 詣でにける ( 穂・△幽・柏・楙・二・ 1 こそは ( 明 : 幽・柏・楙・二・肖・三 ) 2 奉れたまへれば ( 明・証・穂・幽・柏・ ーこそ 三・河 ) ーまいりにける 榊・二・肖・三 ) ーたてまつり給へれは す 見たまひて ( 明・証・穂・幽・柏・榊・ 1 あめれ ( 明・証・幽・柏・楙・二・肖・ 3 うち棄ててましかば ( 証・穂・幽・ 三 ) ーあんめれ 二・肖・三・河 ) 」み給 楙・二・肖 ) ーとりすてゝましかは しぞ 刪 4 とまらずは ( 明・穂・△幽・柏・二・ 5 退く ( 明・穂・△幽・柏・楙・二・△肖・ Ⅱ人は ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 三 ) ーしりそく 肖・三・河 ) ーとゝまらすは 肖・三・河・別 ) ー人 ものも ( 証・穂・幽・柏・楙・二・肖・ 刪 5 たまへり ( 明・穂・△幽・柏・楙・二・ 剏 7 木の根の ( 証・穂・柏・楙・二・肖・三 ) 貶 三・河・別 ) ー給けり ー木の 三・河・別 ) ー物 ことを ( 明・証・穂・幽・柏・楙・二・ 4 死にたる ( 明・穂・柏・楙・二・ 1 1 かくそこなはれ ( 明・証・穂・幽・柏・ しにたりける 三・河 ) ーこと 楙・二・肖・三 ) ーそこなはれ ふびん 7 はべらめ。いと不便 ( 明・証・穂・ のたまひあやしがりて ( 明・穂・柏・ 昭御ものあっかひなり ( 明・証・穂・ 幽・柏・楙・肖・三・河 ) ー侍らめと 幽・柏・楙・二・肖・三・河・別 ) ー御ものあ 楙・二・肖 ) ーの給かあやしかり給て っ 0 0 仕まつるなり ( 明・穂・柏・楙・二・ つかひ 3 すずろに ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 三 ) ーっかうまつる 二・肖・ = l) ーすそろに 御ために ( 明・証・穂・△幽・柏・楙・ Ⅱわざ ( 明・穂 : 幽・柏・楙・二・肖・ 二・肖・三・河 ) ーために 齢六十に ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 三・河 ) ーわさなむ 2 すずろなる ( 明・穂・幽・柏・二・肖・ 一一・肖・三・河 ) ー六十に 1 1 宀 三 ) ーすそろなる ものの ( 明・穂・△幽・柏・楙・一一・肖・ 参で来たりしかども ( 明・穂・△幽・ 己柏・△楙・二・肖・三・河 ) ーまうてきたりし 8 をかしければ ( 明・証・穂・幽・柏・ 三・河・別 ) ーもの 旨ロ 付かと 二・肖・三 ) ーおかしけなれは 者どものみ ( 明・穂・△幽・柏・楙・ 見たてまつるらめ ( △証・穂・△幽・ 訂人は ( 明 : 幽・柏・楙・一一・肖・三 ) ー 二・肖・三・河・別 ) ー物のみ 柏・二・肖・三・河 ) ーみたてまつらめ 校人を 旧 1 行く末も ( 明・穂・△幽・柏・△楙 : 肖・ 三・河 ) ーゆくさきも 6 なかりけん ( 明・△幽・柏・楙・二・ はべるとて ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 肖・三・河 ) ーなかりける 一 l) ー侍りとて 旧 4 食ひて失ひてよ ( 明・穂・柏・楙・ lll) 1 1 1 いみじき ( 明・証・穂・幽・柏・楙・ 6 たまはん。いと ( 明 : 証・柏・楙・ ーくいうしなへ ー方 161 1 161 7 よはひ

10. 完訳 日本の古典 第二十三巻 源氏物語 ㈩

ゐんふたぎ おまへ 一韻塞は、古詩の韻字を隠して の、かの殿に親しきたよりあるを思し出でて、御前に召す。参れり。韻塞すべ 当てる遊戯。そのために、適当な え 漢詩集を厨子に用意すべく命じた。 きに、集ども選り出でて、こなたなる厨子に積むべきことなどのたまはせて、 語 ニ宮は薫の宇治での様子を探る。 三↓東屋一八九ハー九行。 物匂宮「右大将の宇治へいますることなほ絶えはてずや。寺をこそ、いとかしこ 四不断の念仏三昧を行う堂。 源 く造りたなれ。いかでか見るべき」とのたまへば、大内記「いといかめしく造ら五昨年の晩秋、寺の完成後、薫 は浮舟を宇治に隠し住まわせた。 ふだんさんまいだう おき れて、不断の三昧堂などいと尊く掟てられたりとなむ聞きたまふる。通ひたま大内記のこの報告と照応する。 ・つわ ~ 六以下、下々の者の噂である。 ひと ふことは、去年の秋ごろよりは、ありしよりもしばしばものしたまふなり。下七憎からず思っている女らしい ^ 薫が宇治に領ずる荘園。 九荘園の人々を山荘の宿直に。 の人々の忍びて申ししは、女をなむ隠し据ゑさせたまへる、けしうはあらず思 一 0 女への援助の見舞 らう す人なるべし、あのわたりに領じたまふ所どころの人、みな仰せにて参り仕う = 浮舟。幸い人であるとともに、 世間と交渉を断たれた孤立の人。 とのゐ まつる、宿直にさし当てなどしつつ、京よりもいと忍びて、さるべきことなど三はっきり名は言わなかったか。 一三弁の尼をさす。 問はせたまふ、いかなる幸ひ人の、さすがに心細くてゐたまへるならむとなむ、一四寝殿再建中、弁の尼は廊に住 んでいたが、完成後も同じ廊に住 しはす ただこの十二月のころほひ申すと聞きたまへし」と聞こゅ。いとうれしくも聞むらしい。↓宿木一二五ハー注一三。 一五噂の女 ( 浮舟 ) は。その住む部 きつるかなと思ほして、匂宮「たしかにその人とは言はずや。かしこにもとよ屋から、薫に庇護される女と分る。 0 大内記は、匂宮からの信頼を得 べく、ありったけの情報を伝える。 りある尼そとぶらひたまふと聞きし」、大内記「尼は廊になむ住みはべるなる。 これが、物語の新しい局面を拓く。 この人は、今建てられたるになむ、きたなげなき女房などもあまたして、口惜一六こぎれいな女房なども。明ら しふ 六 しも