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1. 完訳 日本の古典 第十四巻 源氏物語 ㈠

一「さしはヘて」は、わざわざ。 あらむこともいとかたく、さしはヘてはいかでか、御文なども通はむことの、 紀伊守邸での逢瀬は繰り返せない。 いとわりなきを思すに、、 ニ中将の君。前に源氏が「暁に しと胸いたし。奥の中将も出でて、いと苦しがれば、 語 御迎へにものせよと言った。 三宿縁の深さを言いこめる。 物ゆるしたまひても、また引きとどめたまひつつ、源氏「いかでか聞こゅべき。 四優麗なさま。 源 世に知らぬ御心のつらさもあはれも浅からぬ夜の思ひ出は、さまざまめづらか五「鶏も鳴きぬ」に呼応して時間 が経過。周囲がにわかに明るむ。 とり ためし 四 なるべき例かな」とて、うち泣きたまふ気色いとなまめきたり。鶏もしばしば六「しののめ」は空の薄明るくな る時刻。「とりあへぬ」 ( 何をする 鳴くに、、いあわたたしくて、 ひまもない ) に「鶏を掛けた。「お どろかす」は、目覚めさせる意。 源氏つれなきを恨みもはてぬしののめにとりあへぬまでおどろかすらむ セ不相応で、まぶしいほど恥す かしい源氏に対してあまりにも 女、身のありさまを思ふに、、 しとっきなくまばゆき心地して、めでたき御もてみすばらしい自分が意識される。 ^ 野暮で気にくわぬと軽蔑する。 なしも何ともおばえず、常はいとすくすくしく心づきなしと思ひあなづる伊予九空から見られているような恐 怖心。夫を裏切る恐れである。 一 0 「身」「うし」を繰り返す空蝉 の方のみ思ひやられて、夢にや見ゆらむとそら恐ろしくつつまし。 が歌にもこれを用いる。「あかで 明くる」は、飽かぬのに明けた、 女身のうさを嘆くにあかで明くる夜はとりかさねてぞ音もなかれける の洒落。「とりかさね」に「鶏」を掛 さうじぐち あか け、源氏の歌と対応。その縁から ことと明くなれば、障子口まで送りたまふ。内も外も人騒がしければ、引き立 「音も : ・」で、声に出して泣いた意。 てて別れたまふほど、、い細く、隔つる関と見えたり。 = 時間の経過をとりこんだ表現 三隔ての襖をこう呼んだ。「逢 なほし かうらん にしおもてかうし 御直衣などを着たまひて、南の高欄にしばしうちながめたまふ。西面の格子坂の名をば頼みてこしかども隔っ けしき

2. 世界の大思想1 プラトン

408 にだ や 張て のこ東しと余 ギイ しろ のやだと が儀結が 、そ すは がた リ いお 、ち るな でな果同 かか り慣 がき 意踏 は手 ア しみわは 外選 のれなたにた のれ しう の でた のて だも スか ンに 他と の て真こ動 いし かな 時に ケはから てに の一こ い対 . る のる 国た たな して 家の れち いた をだもや立ぉ にも し東 には ~ あ年間考な も かし のに 意と えけ 一同 特ま 答う アる んは間よ んか る同 えた う し、 でか 、と 真と と いたわる 53 自険 に法 そる いは のカ、 しばれと 国ら 、ま にわはて メずあれ の の気 しだ つ体こた たお と ろてと入 で近 し て つい い自 てし あほ いた所身 だこ実そだと 行ど たほ ん 業にそね にれけは ら はち ちる れと 文よの が守だが たか でち る ど明をも かく にらたに う冫 いナ の考 人イ と もし つ追 に だた放と な し目リ でて いた誤 の出 る ラ風とらすな 見て って ー習いだ う の犯 、も いに 格か人遊 そ し シ代習 以にを ほ 、う なかて にたら 選ギず リ シ ア あ 敵そカ へ く し て ソ ク ァ 目リ てはし ナ法たう約たこをれおを 目リ の つなそ い し の 目リ の ノ、 に て 、たな自ね人て 、分 律 々 よ い と し ついイ ナこ 冫こ しかク 力、 ア ア イ も し も の 、おはに た Ⅲ」 去にる 見 、そがと . 、、も で身なをう対ら 奪 り はあ知 、る ん財自 のど産身な 失 り 。よ う 力、 常おな 目リ は フ ダ ン レ の 。が しあ正 っ 、したいお ら 目リ モかと ら ち 、と き う と と ら 力、 か ま お く の ~ な入かな短制し身 の 冫こ 、もそ踏う 、れみ ~ 何はには のおじ Ⅲ」 て も ま お 目リ 、を知しも 、たさ 0 よ で気なでま いれ七 とだ十 、かけ年ち の 月 の 国いにな力、 よ と る の か う と のとち た で . も く いもた強と 、間 う き め と 、をし、 し何よ り ~ をん 。たいお る Ⅲ」 の よ で 、をれそ同 考るだ東 / ま さ の 、か ぇ ら し ま じ 、はろただ る のがて し の 、約 ラ番 、て っ スをう や 律 、法か よ も ら も く に 国 と ァ ハ 間 自 し 、約 音 し て し、 な よ う と し し、 だ ろ う と ' - ・相れ ちろだ う は 、そ のをた にてち く るれ言 る なろ う はそる なて の 国 力、 。ら げ 出 し な ら ど う ね く もれわ . 、り 笑守したる った う と 。分 しなと ら ソ ク フ ス お 則 ソ ク ァ に と のをう 忠 ろ し、 の テかお 、と に そ う す る よ は な だ ろ う ク フ フ - 、同あを だ 、か国 しに 目リ は ク リ ン 抜 し得きたが に 。家こ の気明 な ななんだた と 、何 か既人国入 う リ ト ど う だ を る と の い国あ 冫こ っ ま は今るなたおもやカ 。ち ぜ法て 、に別 よ う か つ て し、 う 、入かわ の がなか 、ら気 だ 、ろ う か うそな と 、実 ねほ、でわよ は ろ そ の の 。身 の いれ由足む な しど人きろ よ も っ と 、な 、た と 。対も し 同何だ ら い の で る ま り てそ自 、ま に と っ 実主上 わし が ナこ のち既 う . 。とた 0 よ う 他よな う オよ と 不はオ の オよ しな外 つやふ し 行 し の し か の 0 し ア ら

3. 完訳 日本の古典 第二十五巻 夜の寝覚 ㈠

1 巻 ここち て、この人を見む」とおぼし嘆かるるに、心地もかき乱るやうになりにたれば、えられていた。今の中の君はそれ もできないのである。 そむ 装束引き解きて、打ち交はして臥したまふにも、つきづきしくうち隔て背きな元気な状態で。「あらましか ば」の下に、「いかに嬉しからま し」などを言いさした表現。 どもせず、あるかなきかの気色、なよなよと、あはれげなるに、「例ざまにて、 贏別れをせきたてるかのように。 かかる行き逢ひのあらましかば」とおぼすにも、涙こぼるるよりほかの事なき一大「しののめのほがらほがらと 明けゆけばおのがきぬぎぬなるぞ きぬぎぬ とりね おと かなしき」 ( 古今・恋三読人しら に、程なく、鶏の音ももよほし顔に音なふに、おのが衣々、引き別れたまふべ ず ) を踏んだ表現。 き心地もせぬに、人々、きこえわづらひて、「あながちに、見えぬ山を尋ね入宅以下、大納言を慰め説得する 対の君などの言葉。私どもが無理 をして人目のない山を求めて入り りてはべる本意なく、事の隠れなくなりなば、今さらに、いみじかるべきを。 ました効もなく。「見えぬ山」は、 一八 程なき御身の、ところせき御有様にて、慎ましとのみおぼし入るに、弱らせた「世の憂きめ見えぬ山路〈入らむ には思ふ人こそほだしなりけれ」 まふなり。さりともまふかひなきさまにはよもとなむ、かつは頼まれはべる。 ( 古今・雑下物部吉名 ) む。 穴「慎ましーは、人目が憚られる、 おぼっかなくおぼしめされば、また紛れさせたまひぬべくおぼし構へて、見た恥ずかしい、の意。 一九命をなくすことをいう。 みやこ 一一てまつらせたまへ。都の人の、尋ねあやしがりきこえむことの、隠れどころな = 0 「よもやあらじ , の気持。 ニ一大納言の行方を。 一三それとなく何か音をたてて、 く、わりなくはべるべきをーと、よろづにきこえ慰む。宰相も、いと苦しく思 帰りを促すのである。 へる気色にて、うち音なひ居たまへるを、あまり人目知らず、あやにくなるや = 三あまり人目も構わず、身勝手 に振舞うようなのも。 おんぞ びん 品肌近いお召物だけを。 うならむも、事の様にたがひて、便なかるべきゃうなれば、身に近き御衣ばか さうぞく さま ニ四 れい かい

4. 集英社ギャラリー「世界の文学」16 -アメリカ1

くなる。おめえさんの一生にや、二人の女の子がおめえさん とうちゃんってえのは、もう五十近くになってるだけじゃ のまわり飛びまわってるようだす。一人は白い肌しとるし、 なく、実際、その年にみえたって思うね。髪の毛はだな、長 も一人は浅黒い。一人は金持ちで、も一人は貧乏だ。おめえ えし、くしやくしや、ぬるぬるしてて、そいつが長く垂れさ つるくさ さんは最初貧乏なほうと結婚するけんど、そのうち金持ちのがってて、見ると眼がまるで蔓草の後ろに隠れてるときみて ほうとまた結婚する。水にやできるだけ近づかんようこしょ 。オえに光ってるんだ。髪はまっ黒でよ、白髪なんて一本もねえ ほおひげ くちゃいけませんだすぜ。それから危えこたあしなさんな、 のさ。長く伸ばしたもじゃもじゃの頬髯も同じで、まっ黒だ 縛り首になるって、明細書に書いとるだから」 ったね。髪のあいだからは顔が見えたけど、血の気がまった ろうそく その晩、蝦燭つけて、おれ自分の部屋に上がってったが、 くねえんで、まっ白なんだ。といってもだぜ、ほかの人の白 部屋に入ってみると、とうちゃんが坐ってるじゃねえか。ま いのたあ違って、気分悪くなるような白、見てると思わず鳥 うち がえる ぎれもなく、家のとうちゃんなんだ ! 肌がたってくるような白ーーーあま蛙の白、魚の腹の白ってい ゃいいかな。まただね、着てるものっていやーーーそう、ばろ くるぶし まとってる、ただそれだけなんだ。片っ方の足の踝はも一 方の足の膝にのせてるんだけど、はいてる長靴破れてるもん おれがだね、部屋のドアびたっと閉めて、それから振り向で、足の指二つが顔出してる。そして、とうちゃんその二つ すわ いてみたら、とうちゃん部屋んなかに坐ってたってわけだ。 の足の指時どき動かすんだ。帽子は床んうえに置いてたが、 おれって、とうちゃんが近くにいると、いつもひやひやしててつべんがへつこんで、鍋のふたみてえになってる古い黒っ の ンなきゃならねえだったね。なにしろやたらおれんことぶんな ばいソフト帽なんだ。 ぐるからだ。だもんで、こんときも、いつもみてえに、ひや おれとうちゃんの方見ながらつっ立ってたが、とうちゃん っとしたって思うんだけど、一分もしねえうちに、その必要のほうもだな、坐ってる椅子ちょっと後ろに倒したまま、お ねえことわかったね。つまりだ、い ってみりや、最初はぎよれん方見てる。おれ蝦燭下に置いた。気がついてみると、窓 ク っとして、ちょっとばかり自も止まったよ , つな なにしろ、が押しあげてある。とうちゃん物置から登ってきたんだ。と 藪から棒だったからねーーそんなふうに感じたけど、すぐそうちゃん、じろじろおれん方見てたが、そのうちロ開いてこ のあと、自分でもたいして怖いって感じねえのに気がついた , つ一一一一口った。 「しゃれた服着やがって、ーー・やけにしゃれた、な。てめえ、 ゃぶ

5. SFマガジン 1969年6月号

「空を飛んでいる夢を見たことあるかい ? 」ロジャ ー・トウーミイますます目立ってきた字形の髪の生えぎわ、すべてが鋭角的な顔 博士が、妻にたずねた。 だ。としは、三十五。 ジェーン・トウーミイは目を上げた。「あるかなんてものじゃな 「どうして宙にうかぶ夢を見るのか、考えたことはあるかい ? 」 「ないわ」 そのめまぐるしい指は、、 しっときも編みものから離れない。使う ジェーン・トウーミイは、小柄な、プロンドの女だ。 / 彼女のかわ あてもない花瓶敷きのこみいった模様がしだいに形をなしていく。 いらしさは、かよわい、目立たないほうの種類で、瞬間的には印象 部屋のなかでは、テレビが何やらかすかにつぶやいているが、昔かを焼きつけないかわり、いつのまにか内に忍びこんでくる。瞳は、 らの習慣で、映像はまったく無視されている。 明るいプルー。磁器の人形を思わせるピンクの頬。としは、三十。 「誰でもときどき空を飛ぶ夢を見る。いちばん一般的な夢だ。ぼく「たいていの夢は、周囲からの刺激を心が不完全に理解して解釈し たものにすぎないんだ。刺激は一瞬のあいだに、筋の通る事柄のな なんか何回見てるかしれない。それで困ってるんだよ」とロジャ かに組みこまれる」 「いったい何のお話 ? 」 「わからないわ、何をおっしやりたいのか」ジェーンはそういっ て、低い声で編み目の数をかそえた。 「いい力い、 ~ 則にこんな夢を見た。・ほくはホテルにいた。物理学会 「考えてみると不思議なんだ。じっさいには飛んでいるんじゃな議に出席してるんだ。友だちがたくさんいる。別に、どこも変った ところはない。だのに、とっ・せんみんなが騒ぎだして、・ほくもどう い。翼はないんだし、というより、少なくとも・ほくの場合はない。 それでいて、少しも力は要らない。要するに、うかんでる。そう、 いうわけかパニックにおそわれた。ドアへかけよるんだが、開かな うかんでるんだよ」 。友だちが一人一人消えてゆく。連中は簡単に部屋から出ていく 「飛ぶ夢は見るけど」とジェーン。「すぐ忘れてしまうわ。一つだのに、どんなふうにすればそれができるのか、・ほくにはわからない け、まだ憶えてるのは、服をなんにも着すに、市役所のてつべんにんだ。・ となるんだが、みんなぼくを無視する。 おりた夢。でも、夢ではだかのときは、。 とうしてか誰も見ようとし そこで気がついた。ホテルが火事なんだ。けむたくはない。で ないの。そんな経験ない ? こちらは恥ずかしくて死にそうなのも、火事だということはわかった。窓へ走っていくと、ビルの外側 に、みんなすたすた通りすぎてしまうの」 に非常階段が見える。どの窓もあたってみたけど、非常階段に通じ 彼女が編みものを引っぱったので、糸玉がバッグからころげおているのがない。今では部屋にいるのは、・ほく一人だ。窓から体を ち、床の上をころがった。拾おうとはしない。 のりだして、必死に助けを求めた。誰にも聞えた様子はない。 ロジャーはゆっくりと首をふった。その顔は青ざめ、得心がいか そのとき消防車がやってきた。通りを、小さな赤い点が走ってく ぬげに何か考えこんでいる。高い頬骨、長いまっすぐな鼻、近ごろる。まだ、はっきりと憶えてるよ。道をあけさせるために、警鐘を 4

6. グラフィック版 仮名手本忠臣蔵

年の年月、ゆめにも思わなかった」となげくのであった。 きょふね 老いたる父の悲しみに、清舟も親の愛に感して涙を流 し、「いのちが二つあるならば、君のために死んで忠義 をつくし、父のためには生きて育てていただいた御恩を お返しするところですが、それができないのが今何より も残念なことです」と父の顔を見あげ見おろして、肉親 の情の限りを、おもてにあらわす。 いもやま こうしつ 一方の妹山の座敷では、母の後室が「さアさアめでた だいり めびな ひなどり お前の名の雛鳥とそのまま縁のある内裏の女雛のよ うに、装束をつけましよう。さア早く」というのを、娘 は悲しそうにしっとその雛を見て、「一対の夫婦がいっ いつまでも添いとげるのが雛の幸せなところです。それ にひきかえ私は、思っている人から引き離され、女御や ひなにんぎよう じゅだい ひなどり こうしっさだか いるか 0 雛人形を叩きつける雛鳥と後室定香入鹿 への入内の話に雛鳥はうなずくが女雛の首が 落ちて雛鳥の運命もきまった錦絵豊国筆 がのすけ だいはんじ 0 久我之助の決意に感心する大判事は久我之 助の切腹の世話をつとめようとする豊国筆 めびな によう′」 でんいとこ女た前で助死ぬぬがしうの 中コめよ后ミ りんい もでががんとのをとけのこ決知なれ貞雛だとつ包でロしうに たうと心らいし女鳥つうたんはリ 真お、母なうだ殺い く けまよすたかとをがなでいのはたは 実く心に 隸っ と で がれ。た す聞おい死、道目の のれの もも女めわわて ′つ 夫。中うらて身めのたるい前でぬあををだ 娘、は雛れれも 婦こでれわ夫分の髪。かたに いのり立見よのやしやのまる もらあらをがて開 よ入や娘首す十何 にれ、ししとのかは う内くのが るれ、たさき い上き、度知 せほ久いい すど我は玉う下あ輿こ承れ思のよそいせ にさり運落と楽 にま之すののとげ入い知ない はうれて せあ命ちと重えし で助は輿こはか髪れしい合わかほと下え おるげもた りでい あにのなに 前とてき ど の思家いのだわ手た のい出まおげ と 世うの せひり伝めと人いて応しでのそ首ってつどて が の二嫁祝たとなつのにのるい承が拝でれをた来たろ叩のあ りくて下しう久こた知るむ 賽ミ人に な切のる いき雛ろ 、死げてち我ががしお手ざら てつのう のをなのもに つは涙 ど てうの見け姿 つ式のき な髪 之の、て前をい 河 原ーたはかまなせで母せ助もものとまは るるも絹 さそ中 るはがめがし自心りすん と日とあ しでで母とむも 思げそて間支な自て お害を やで 親 度く分 すた定完 らもってんい の縁ろば で あ の人緒のての入 香ゕ胸側うら に半ていなる も あ つお手はに死死母内 もほは や刻死な のにらの 134

7. 旺文社 全訳古語辞典

〔三九四〕 さむーさもあ 最上川み】〈おくのほそ道・最上川・芭蕉〉 ( 山野にさむ・し【寒し】 ( 形ク ) ①寒い。冷たい。方葉一一七・三九四五対して丁寧の意を添える補助動詞で、最後の用例など 降りしきった ) 五月雨を集めて満々とみなきり、矢のように「秋の夜は暁ー・し⑩」秋の夜は夜明け前が寒は本動詞と混同しやすいので注意する必要がある。 流れて行くことよ。この最上川は。 ( 五月雨夏 ) 寒々としている。新固秋下「み吉野の山の秋風 * さーめ・く ( 自力四 ) ・けけ く・〉〔「さ」は擬声語。「めく」は 初案は「あつめて涼し」で、大石田の俳人高野一さ夜ふけてふるさとー・く⑩衣いろ打つなり」↓みよし接尾語〕騒がしくする。風や水がさっと音をたてる。「れ〔〕 栄宅に招かれた折の挨拶の句。相手やその土地を讃のの・ : 一和歌一。①経済的に豊かでない。貧しい。〔浮・世 = 〈「からすの集まりて飛びちがひ、ー・き⑩鳴きたる」 えるのが礼儀であった。「涼し」にその配慮がみられる。「あ間胸算用〕「酒は呑のみたし、身はー・し@」訳酒は飲みからすが集まって飛びかい、騒がしく鳴いているの ( もにくら つめて早し」には、描写を超えて作者の心の躍動感も伝たい、 ( しかし ) わが身は貧しい。 えられていると考えられる。 ・ : ないようだ。 : ・ないように見える二一かぐや さ・むしろ【狭筵】 ( 名 ) 〔「さ」は接頭語〕むしろ。一新固ざ・めり むる・むれ・めよ * さ・む【冷む】 ( 自マ下一 l) 今めむ 〉①冷える。冷たく秋下「きりぎりす鳴くや霜夜のーに衣いろ片敷いたきひとり姫の昇天「この頃となりては、ただ一」とにも侍らざめり なる。熱がひく。一一手習「うちはヘ、ぬるみなどし給ひっかも寝ん」↓きりぎりす・ : 一 @」 ( かぐや姫の月をながめるようすが ) 近【」ろになって ることは、ー・め⑩給ひて」長くひき続いて、熱がおあさむらひ具侍】 ( 名 ) 〔「さぶらひ」の転〕「さぶらひ」に同からは、ただことではないようでこざいます。 りであったのも、おひきになって。② ( 高ぶっていた感情が ) しじ。 〔たち〕打消の助動詞「す」の連体形「ざる」 + 推量の ずまゑ ( 興味が ) うすらぐ。天道長上「饗応うし、もさむら・ふ【侍ふ・候ふ】 ( 自ハ四 ) 窈 〈ふ・〉〔「さぶら助動詞「めり 1 「ざるめり」の撥音便「ざんめり」の撥音 てはやし聞こえさせ給ひつる興もー・め⑩て、ことにがうなふ」の転〕「あり」の丁寧語。あります。こざいます。〔謡・鳥「ん」の表記されない形。ふつう「ざンめり」と読む。 りぬ」 ( 関白道隆は弟道長の ) 機嫌をとり、特別にお追舟〕「めのとの科とがもー・は①す」訳後見役の過失も 【然も】 0 そうも。そのようにも。四「日こ * さーも もてなし申しあけなさっていたおもしろさもうすらいで、気ま【」ざいません。 ろはーせぬに、ことのほかに饗応うして」訳 ずくなってしまった。 「さぶらふ」「さうらふ」と違って本動詞の用例はまれ ( 郡司は伴善男 2 に ) つね日ごろはそのようにもしないの むる・むれ・めよ * さ・む【覚む・醒む】 ( 自マ下一 l) 〈めめむ 〉① ( 眠り・ で、「疾とくにも参りたくはさむらひつれども」〈謡・砧〉やに、 ( その日は ) 特別にこちそうをして。 夢・酔いなどから ) さめる。蘇生する。一養一桐壷「しばし「その幼き者こそ・ : 子にてはさむらへとよ」〈謡・隅田〔鬩副詞「さ」十係助詞「も」 は、夢かとのみたどられしを、やうやう思ひしづまるにしも、 川〉は、助詞「は」を介しているが、次項の補助動詞であ ( 副 ) ①そのように。そのとおリに。然聞一七・四九「いに ・廴べき方なく」函 ( 桐壷の更衣の死後 ) しばらくのる。 しへは出家をも天皇の許されなくては、たやすくすることな 間は、ただもう夢路をたどるようであったが、しだいに心がさむら・ふ【侍ふ・候ふ】 ( 補動ハ四 ) 窈 ・〉〔四段かりければ、ーねむごろに祈り請ひけるなりけり」訳昔は 落ち着くにつけても、 ( 夢ではない現実なので ) さめようにも動詞「さむらふ」から〕丁寧の意を添える。・ : ( で ) あります。出家も天皇の許可がなくては、たやすくすることがなかった その方法がなく。第「たどられし」の「れ」は、自発の助 : ・ ( て ) おります。・ : ( で ) こざいます。・ : ます。〔謡・松風〕「あので、そのように念を入れて祈願したのであった。 動詞「る」の連用形。「しも」は強意の副助詞。②悲しまりに懐かしうー・ひ⑩て、なほ執心の閻浮号の涙、ふた ②いかにも。ほんとにまあ。まったく。一一道隆「金賜 み、迷いなどが消え去る。物思いが晴れる。〔一朝顔たび袖そでを濡ぬらしー・ふ⑩」 ( 行平の歌を聞いて ) あはりたるはよけれども、ー見苦しかりしものかな」金↑ 「今日けふは老いも忘れ、憂うき世の嘆き、みなー・め⑩ぬるまりに懐かしゅうこさいまして、やはりこの世に執着する心砂金 ) をいただいたのはよいけれども、まったく見苦しかった 心地なむ」 ( 光源氏の姿を見た ) 今日は ( 自分女五ゆえの涙に、またもや袖を濡らすことで一 J ざいます。〔謡・卒ものよ。 の宮の ) 老いをも忘れ、無常でつらい現世の悲しみもすっか都婆小町〕「これは・ : 小野小町 3 齠が成れる果てにてー 3 ( 下に打消の語を伴って ) それほどにも。たいして。一源氏一 り消え去ってしまったような気持ちが ( する ) 。第係助なり」私は・ : 小野小町の落ちぶれ果てた姿でご蓬生「ただ、こちたき御物つつみなれば、ーむつび給はぬを」 ざいます。 詞「なむ」のあとに結びの語「する」などが省略されている。 訳 ( 末摘花は ) むやみに、ひと遠慮をする人であるから、 * さむけ・し【寒けし】 ( 形ク ) 寒そうだ。寒々としている。「さむらふ」は謡曲で女性の用いる語であるが、女性 ( 叔母と ) それほど親しくなさらないので。 徒然一究「すさまじきものにして見る人もなき月の、ー・くが必す「さむらふ」を用いたわけではなく、「さうらふ」も多くさも・あら・は【然も有らば】そうであるなら。〔謡・羽衣〕 ⑩澄める廿日讐あまりの空こそ、心ほそきものなれ」用いている。この一一つがどのように使い分けられていたのか「そもこの衣の御主ぬしとは、さては天人にてましますかや、 興趣のないものとして見る人もない月が、寒々と澄んでい ははっきりしていない。 ー末世の奇特。 こ留とどめ置き、国の宝となすべきなり」 る ( 陰暦十一一月の ) 一一十日すぎの空こそは、もの寂しいもの 用例文の三例はそれぞれ上の、形容詞「懐かしいったいこの衣の持ち主でいらっしやるとは、さては天 だ。 う」・動詞「濡らし」・断定を表す「に」 ( 「なり」の連用形 ) に人でいらっしやるのかな、そうであるなら末世のめったにない 文法 文法 ②

8. 完訳 日本の古典 第三十九巻 とはずがたり ㈡

にしにわらざをしきて御ゃうじのざとす。神馬一びきたつ。 む。宮じまちかくなりにけりと、きよき心をゝこす。 さゑもんのぜうのぶさだ、時むねこれをひく。きたをもて 廿六日。そらの気色うらゝかにて、神の心もうけよろこ などもいまだはじめをかれねば、御ともにはかんだちめの ばせ給にやと、めぐみもかねてしるし。日さしいづる程に いでさせ給。むまの時に宮じまにつかせ給。神ほうのふねさぶらひをそめされける。たかふさの中将御前に候。宮内 たづねらる。かねてまいりまうけたるよし申。御ゃうじの少輔むねのりやくそうをつとむ。御けいはてぬれば、めし つかひ御くつをもちてさきにまいる。くわいらうのきたの ふねしばらくまたるゝ。空のけしき、所のありさま、めも はまをめぐりてまいる。らうをとおりてまいらせ給。くら 心もをよばず。だいたうの湖心寺かくやとそみへ、神山の ゐの御時は、一二ちゃうをだにもえんだうをこそまいらせ ほらなどにいでたらん心地す。宮じまのありのうらに神ほ しに、めしならはぬ御くつもいかゞとぞおばゆる。上達部 うとゝのへたてて御はいあり。やしろづかさかりぎぬなど のきたる物、神ほうもちてまいる。おほぬさにはらへきよめ殿上人御ともに候。まらうどの宮にまづまいらせ給。こむ 旨ロ ム、のへいは二さゝげ、しろたへのへい、神くわんとりて 幸申てまいらする。ときざねの中将とりつぎてまいらす。し ほうぜんにそなへならべたつ。はいでんのうちのほど、か 島ほひくほどにて御所へ御ふねいらねば、はしふねにてそお うらいのはむでう一帖、御はいのざとす。こむみ、のへい 院りさせ給。かむだちめ御ふねにさぶらひて、宮じまのみな かねみつの弁ったへとりて、たかすゑの大納一言、たふ大納 縞みの方、三げむ四めむの御所つくりて、しゃうじのゑども 言、ったへとりてまいらす。御はいをはりて返らせ給。の 料うみのかたをぞかきたる。うみのうゑなぎさまでらうをつ とのしたまわる。御こと一、御びわ一、御ひやうし、よこ 考くりつゞけて、しほみたば御ふねをさしよせんずるしたく ぶゑうけとりて、ほう前にならべをく。内侍ども色 / 、さ 録をぞしたる。御ゅ殿などありて、きぬの御じゃうえめして 付 まみ、にしゃうぞきてにしきをたちきたり。ぬい物せしめ、 いでさせ給。御所のひんがしのにはにしらきのつくゑをた 9 てゝ、こもをしきて、しろたへのへいをよせたつ。そのひも心もをよばず。御かぐらをはりて大宮へまいらせ給。御 ほうへいはてゝ御きゃう供養あり。金でいの法花経一部、 がしにからびつのふたをあけてこがねのへいをおく。その

9. 旺文社 全訳古語辞典

あまぎらひ⑩風さへ吹きぬ」函一面に曇って雨が降「大和島」は、大和の方角に見える生駒 3 ま・葛城ろう ) か、女御や更衣が、大勢お仕えしていらっしやった中 連峰を指す。海から見える陸地を島といった。長い旅に。 ってきた。空が曇り風までも吹いてきた。 ②非常に。はなはだ。一圜一 = ・三一〈四「草枕旅行く君を 四段動詞「天霧る」の未然形「あまぎら」十上路のはてに、故郷の山を見た喜び。 代の反復・継続の助動詞「ふ」 あま・さへ剴【剰へ】 ( 副 ) 〔「あまりさへあ促音便「あま人目多み袖そで振らすしてーくやしも」旅に出発する あま・き・る【天霧る】 ( 自ラ四 ) 勗〉雲や霧などがかっさへ」の促音「つ」の表記されない形〕「あまっさへ」に同あなたを、人目が多いので袖も振らすに ( 別れてしまった、そ かって空が一面に曇る。闊春下「散る花の月にー・るじ。〔落窪〕「ー、うき恥の限りこそ見せつれ」そのうれがいへん悔しいことだ。 ( 「草枕」は「旅」にかかる枕 詞 ) 。第「人目多み」は「人目を多み」の「を」のない形。 ⑩明け方の空」散る花が月をさえきり、一面に曇っえ、つらい恥のすべてをかかせた。 ている明け方の空よ。 あま・し【甘し】 ( 形ク ) ①甘味がある。〔霊異記〕「ああ「み」は原因・理由を表す接尾語。「・ : を・ : み」の形で あまくさぼんい ・カ・ : ので」の意。 ロそほものがたり ) 一作品名一↓伊曾保母のー・き⑩乳を捨てて我死なむか」ああ母の甘い「 : 弋 天草本伊曾保物語 乳を捨てて私は死ぬのだろうか。②うまい。おいしい 「万葉集」には①の数量、②の程度ともに用例があ 物語たり あま・くだ・る【天降る】 ( 自ラ四 ) 局 ) 天から地上一臼一六・四「その味ー・き⑩こと並びなし」その味のうるが、中古以降はほとん①の例に限られる。 におりる。一圜一〈・四 0 蝨「葦原の瑞穂の国をー・りまいことは並ぶものがない。①切れ味がわるい。〔東北院あまた・かへり引リ【数多返り】 ( 副 ) 何度も。くり返 ⑩しらしめしける天皇の神の命いこの」函葦原の瑞穂職人歌合〕「なまし刀の鉄かねあま ( 語幹 ) み」未熟なし。一総角「御文は、明くる日【」とに、ーづっ奉らせ 刀の刃の切れ味がわるいので。④言い方が巧みだ。〔将門給ふ」函お手紙は、毎日毎日、何度もくり返しお差し の国を天からおりてお治めになった皇祖の神々が。 あま・ぐも【天雲】 ( 名 ) 〔上代は「あまくも」〕空にある記〕「人のロのー・き⑩に依より」人のロのことば巧み上げなさる。 雲。〔一一 0 ・ = = 毛「ーはれて月夜 2 くさやけし」訳空にということから。⑤間がぬけている。愚かだ。〔浄・百日曾あまた・たび【数多度】 ( 副 ) 何度も。たびたび。 ある雲がはれて月の光が明るく澄んでいる。 我〕「武士に似合はぬー・い隻ロ語 ) こと」武士に似若紫「まじなひ・加持などまゐらせ給へど、しるしなくて、 起こり給へば」函まじないや加持などおさせになるが、効 あまぐもの【天雲の】 ( 枕詞 ) 〔上代は「あまくもの」〕「は合わない間ぬけなこと。 あま・す【余す】 ( 他サ四 ) れ〉①取り残す。一一一き目がなくて、何度も ( 発作が ) お起こりになるので。 るか」「たゆたふ」「ゆくらゆくら」「行く」「別る」「奥おく」「よ そ」「たどきも知らず」などにかかる。一「ーはるかなりつ「時を失ひ世にー・さ①れて」出世の機会を失い世 あまたら・す【天足らす】満ち満ちていらっしやる。万基 るかつらがは」。一圜一一・ = 〈一六「ーたゆたふ心」。一圜に取り残されて。②こばす。満ちあふれさせる。〔春風馬 = ・一四七「天あまの原ふり放さけ見れば大君の御寿は長く 一三・三毛 = 「ーゆくらゆくらに蘆垣の」。九・一合四堤曲〕「蒲公英茎短うして乳をー・せ@り」たんばあまたらし⑩たり」函大空はるかに仰ぎ見ると帝のご 。ばは茎が短くて ( 折ると ) 乳のような液をこほしている。①も寿命は長く満ち満ちていらっしやる。 「ー別れし行けば」。一四・五四七「ー外よそに見しより」 一七・三〈九〈「ーたどきも知らす」 てあます。始末にこまる。盟一・禿髪「世にー・さ①れ四段動詞「天足る」の未然形「あまたら」十上 あま・こぜ【尼御前】 ( 名 ) 〔「こせ」は「ごぜん」の略〕尼をたるいたづら者などの」世間か . 名てあまされた役に立代の尊敬の助動詞「す」 敬っていう語。尼様。四七「ー、何事をかくはのたまたない者などが。 あまーち引【天路・天道】 ( 名 ) ①天にのばる道。一万 五・合一「ひさかたのーは遠し」訳天にのほる道は遠い。 ふぞ」尼様、何のことをこのようにおっしやるのか。 あまーそき【尼削ぎ】 ( 名 ) ( 「ひさかたの」は「天あま」にかかる枕詞 ) 。②天上にあるとい あまさかる【天離る】 ( 枕詞 ) 「あまさかる」とも。天空の少女の髪形。尼のように垂 そう道。一 0 ・ = 0 一 0 「タ星も通ふ 1 をいつまでか仰ぎ もとに遠く離れていることから、「ひな↑いなか ) 」「向かふ」にれ髪を肩のあたりで切りそろ えた髪形。 C*J 一五一「頭 かかる。一圜五人合「ー鄙ひなに五年住まひつつ」 ) 、、′まて待たむ月人壮子髷 3 と」宵の明星も通 0 ている天 、一あ上にあるという道をいつまで仰いで待っことであろうか、月 あまさかる : ・一【天離るひなの長道ゅ恋はーなるちごの、目に髪のお よ。 こひ来くれば明石の門とより大和島い雙見みほへるをかきはやらで」 あま・つ【天っ】 ( 連体 ) 〔名詞「天あま」に「の」の意の上代 ゅ】〈万葉・三・ = 会・柿本人麻呂〉都から遠く離れた頭はあまそきの格好をした の格助詞「つ」の付いたもの〕天の。天にある。高天原 田舎なの長い道中を、 ( 都を ) 恋しく思いながら来ると、明幼女が、目に髪の毛のかぶさるのをはらいのけもしないで。 石海峡から大和の山々が見える。 ( 「天離る」は「ひな」に * こ【数多】 ( 副 ) ①数多く。たくさん。一源氏一桐 壷「いづれの御時ときにか、女御・更衣 2 う、あまっ・かせ【天っ風】 ( 名 ) 空を吹く風。團雑上 かかる枕詞 ) 。「長道ゅ」の「ゆ」は、通過する場所を ーさぶらひ給ひける中に」どの帝の御代みよであった ( だ「ー雲の通ひ路ぢ吹き閉ちょをとめの姿しばしとどめむ」 示す上代の格助詞。 あ驀ーあまっ 〔四九〕

10. 完訳 日本の古典 第三十九巻 とはずがたり ㈡

そめのあだことゝおもふだに、「ときのまもわが身にかふ みちをまどへり。みゝにちかづきて名号をすゝむれども、 るならひもがな」とおもひむせぶより、やう / 、人間のう聞にもあらず唱にもたえず。しかれども知識こと葉をのこ れへのうち一苦はまづきたれり。なげきのせちなるにそへ さず種々に安慰してすゝめて念仏せしむるに、、いをはげま 既て、有験智徳の僧はみやまをたづねてのこるなく、陰陽医して十念は具足しぬ。罪五逆にいたらざりし力は ず療の道々はもるゝすくなくあつまれり。金銀珠玉のたから、や見金蓮花猶如日輪の説虚妄ならざれば、さだめて下品三 と七珍綾羅のたぐひ、かずをつくしてはらひいで、家にった生のうてなにはのそみをやとげぬらむかし。 つら / 、このことを案ずるに、鴛鴦眦鯛の契たちまちに へたる宝物、世にきこえたる名馬ども、霊仏霊社へたてま つれり。おもひのこすことなく、心のいたらぬくまもなし。わかれ、生者必滅のことはりのがれざりければ、この火宅 ちからをつくすによらざれば、日かずはつもれどもしるし にかげをとゞむべき心地せず。中にも刹那のきざみ知識の 気色見しにおもひっきしなれざりける、後悔まことにさき 仏神のちからのよはきにはあらず、運命かぎりありて定 にたゝざりけるうらみ也。春霞飛花のあそび、秋風明月の 業きはまりにければ、みち / 、の験徳しるしなきがごとし。 たはぶれ、簫笛琴瑟のしらべ、流泉啄木の曲、一として臨 日々にかげかたぶきて、ひつじのあゆみやう / 、ちかづき、終々焉のゆふべにはしなれても要なかりけり。みゝのよそ にきゝ、こと葉のってにいまひし南無阿弥施仏の六字の名 夜々にけしきょはりて、朝露のいのちきえなんとす。法術 ちからっきて、命那につゞまる時、さはぎて一人のひじ号にすぎたることはなし。しかじ、始てならはむよりは、 りをかたらひて、はじめて弥施の宝号をすゝむ。年月しな これをくちなれて、亡魂の冥途のともとして身づからが浄 しょ / 、心をすゝめむがために、な れざることなれば、ロにとなふるに物うく、みゝにきくこ土の資粮とせんには。、 みだをゝさへて、かのやまおくりをして、なりはつるあり とかすかなり。浄土宝刹の荘厳をとけども、聞なれざるす さまを見るに、そゝや霓裳羽衣の舞たとへとするにあかざ ぢなれば、三種の愛に心をとゞめて、懺悔のおもひにひる りしすがた、いたづらに東岱の雲とのばりぬるありさま、 がヘらず。知識すゝむるにたよりをうしなひ、教化の詞に