夜の寝覚 4 3 漢字を仮名に改めたり、仮名を漢字に改めたところがある。当字や異体字も通行の漢字に改めた。 4 助動詞「らん」「けん」「ん」は、すべて「らむ」「けむ」「む」に統一した。 5 動詞の送り仮名は活用語尾を送ることを原則とした。 6 反復記号 ( こは、これを用いず、文字を繰り返して表記した。ただし漢字一字の反復には 「々」を用いた。 一、底本を校訂した部分は、巻末「校訂付記」に掲げ、校訂の拠りどころとした諸本の略号を記した。 一、脚注は、「日本古典文学全集」『夜の寝覚』の注を踏まえているが、なお次のような配慮を加えて新たに 執筆した。 簡潔、明快であることを旨とし、かっ脚注だけで本文が読解できるよう工夫した。 本文の見開きごとに注番号を通して付し、その注解は見開き内に収めるよう心がけた。 3 語釈は、スペースの許すかぎり、語義・語感・語法・文脈・当時の社会通念などに触れ、読解・鑑賞 の助けになるよう心がけた。 4 登場人物・官職・有職故実などについては、本文の読解・鑑賞に必要な限りにとどめた。本巻および 本書第一冊の巻末に付した「系図」「年立」「官位相当表」「図録ーなどを併せて参照されたい。 一、現代語訳については、次のような配慮のもとに執筆した。 原文に即して忠実な訳を心がけたが、独立した現代文としても味わい得るような訳出に努めた。 2 そのために、必要に応じて、主語・述語の補充、語順の変更などを試み、現代文としてより味読でき るよう工夫したところがある。
3 凡例 凡例 一、本書は長崎県島原市公民館松平文庫蔵本を底本とする。現存する五巻本系統諸本の祖本であり、一一一巻本 系統の前田家尊経閣文庫本と並んで、現存諸本の最善本である。 一、底本は、五巻本系統本に共通する巻序の不整がある。また、前田家本をも含めてすべての現存伝本の持 、二、三巻の順が正しい巻序 ) 、錯簡も修復して っ錯簡もある。本書では巻序を正し ( 底本の五、四、一 収めてある。 一、本書は第一冊、第二冊に分冊しているが、本巻第二冊には、巻三、巻四、巻五を収めた。脚注や解説な どで、第一冊の本文や内容の必要な場合は、田の略号を用い、田 xx ハーと指摘してその所在を明らかにし た。 xx ハーとのみある場合は、本巻第二冊のページ数である。 一、底本は、できるだけ忠実に活字化することに努めたが、変体仮名を普通の仮名に、仮名づかいを歴史的 仮名づかいに改めることをはじめ、以下のような操作を加えた。 適宜、段落を分けて改行し、それぞれに小見出しを加えた。小見出しはその段落の内容がっかめるよ う要約して示した。 2 濁点、句読点を付し、会話、心中表現、引用句などを「ーで示した。会話の主、心内話の主は必要 に応じて脚注欄で注記した。
ロ絵目次 紫式部日記絵巻・ 寝覚物語絵巻 春日権現験記絵巻 : 〈装丁〉中野博之