完訳 日本の古典 第四十巻 宇治拾遺物語 ㈠

キーフレーズ

宇治拾遺物語 言っ 言う 一九 思ひ 宇治 思っ 見る 一六 この女 一四 今昔 自分 説話文学 取り 申し 現代語 人々 見え 宇治大納言物語 僧正 説話 一人 入れ 入り 五位 給ひ 仰せ 今昔物語集 拾遺 僧伽 思い 様子 参り 地蔵菩薩 研究 利仁 大納言 見れ しよう 帰り 知ら 古本説話集 立ち 走り 書陵部 行き 日本文学 申す 地蔵 給ふ 法師 その後 女房 食べ 入っ 持っ 一三 立て ひけれ 比叡山 物語 取ら 召し 殿 奉り 大饗

目次

が必ずしも一致しない。東大・京大・内閣文庫をはじめ各所に現存し、その活字本も多い。本書の挿絵は、 この版本から採録した。 語絵巻物 遺宇治拾遺物語絵巻 ( 狩野守信・尚信・安信筆、五巻、陽明文庫蔵〈旧近衛家蔵〉 ) ~ 于第一・第三・第五巻は尚信、第二巻は守信、第四巻は安信筆。物語の中から興味ある章段を摘出して描い いえひろ たもので、本文は摂政・関白・太政大臣近衛家熈 ( 一六六七 ~ 一七三 0 の筆。書体・絵画とも美麗である。 以上、主要な諸本について略述したが、これらの他に、桃園文庫本 ( 恵空所持本、五巻五冊 ) や同文庫蔵の 零本、高田市立図書館本 ( 四冊 ) などがあるが、筆者未見のものであるので省いた。なお、いずれも諸本間 に大きな異同がないだけに相互の伝承関係を位置づけることはむずかしい 。しかし、二冊本の写本に古体を 思わせる善本があり、なかんずく、吉田本は欠脱も少なく墨色鮮明で読みやすい。なお表記のしかたや用語 を検討した結果、二冊本写本の中では名古屋大学本が「小世継」混入本に近い関係にあり、また「小世継」 混入本は古活字本に近いという関係にある。

373 解説 表紙左端の題簽に「宇治拾遺物語一 ( 二 ~ 五 ) 」とあり、十五巻五冊、序なし。三巻を一冊とするが、 ・二・三冊は版本、四・五冊は写本。万治流布本の系統。書写の部分は近世中期といわれる。 O 古活字本系統 ①宮内庁書陵部本 ( 上・下二巻八冊 ) 表紙中央の題簽に「宇治拾遺物語上本一」とあり、以下「上本二・上末一・上末二・下本一・下本 二・下末一・下末二」の順で八冊に分けてある。各冊冒頭に目録があり、他の諸本と同じく欠文のある序 を備え、誤字・脱文もあるが古体をとどめている、無刊記だが近世初期 ( 寛永ごろ ) の刊行かといわれて いる。岩波文庫本・日本古典文学大系本・日本古典文学全集本および本書の底本。復刻版 ( 三弥井書店 ) が出ている。 ②京都大学本 ( 八冊、一欠 ) 形式・内容ともに①書陵部本と同じ。ただし第一冊を欠く。 ③童門文庫本 ( 八冊、三・四欠 ) ①と同じであるが、各冊ともに「島原秘蔵」の朱印があり、第三・第四冊が欠。 版本 ( 流布本 ) 系統 万治二年板本 ( 十五巻十五冊 ) 題簽の中央に「うちしふい物語一 ( 二 ~ 十五 ) 」とあり、十五冊目の末尾に「万治二己亥年初冬日洛陽 今出川書堂・林和泉掾板行」とある。本文には誤字・脱文もあるが、欠文のない序を備え、序・本文と もに後人の手が加わっていると見られる。総計三十四個の挿絵があり、興味深いが、説話内容と絵の位置

九州大学本 表紙中央の題簽に「宇治拾遺物語第一 ( 第一一 ~ 第五 ) 」とある。第二冊の終りが「東大寺花厳会事」。第 語 四冊で全話が終り、第五冊は「小世継」である。つまり四冊本に「小世継」が混入した形。なお、目次の 物 遺書き方が諸本が二段書きであるのと異なり、一段書き。表紙は美しく、字体流麗で、嫁入り本かと考えら 治 れる。識語はないが近世初期の書写といわれる。 宇 蓬左文庫本 表紙左端に「宇治物語五冊之内壱 ( 弐 ~ 伍 ) 」とあるが、第四冊は「小世継」。目次の書き方は諸本と同 じく上下二段、第一冊と第三冊の巻首にある。「小世継」挿入の位置は異なるが、構成および用字・用語 などは九州大学本とよく似ている。 ③吉田幸一氏蔵本 ( 岩崎美隆旧蔵本 ) 題簽に「宇治拾遺物語一 ( 二 ~ 五 ) 」とあり、第五冊が「小世継」。構成・本文ともに九州大学本の系統 である。 ④河野信一記念文化館本 表紙左上題簽に「宇治拾遺物語一 ( 二 ~ 五 ) 」とあり、五冊ともに中表紙裏に「三井家聴氷閣監蔵」の 印がある。目次は二段書きで第一冊に最初から「東大寺花厳会事」まで、第四冊に「猟師仏ヲ射事」から 最後まで。本文の収録次第は他の五冊本と同じ。ただし第三冊が小世継。 以上、 ) 、 いカら④までの諸本はともに小世継混入本として伝写史上、享受史上興味深い 内閣文庫本