フランス文学と愛

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工は述懐するのだが、まさしくその世紀の代表たるル《不十五世の愛妾の座には、次から次 〈と新たな女たちが交替して座った。そ窈中・で・も庄・倒的・な存在感を・放ぢ・、、ー刀ⅵ・ジ、引ゾー・・、 ノオカホンパドウール夫人 までを一十年間にわオり 流行はおろか国 ( 図 4 ) である。ただし彼女はその期間ずっと王の愛を独占したわけではない。二人の愛人 関係はたかだか五年ほどしか続かなかった。むし ンろ、新・た・な快楽・の、相手・を・欲す ( を王のために、ヴェル 」を、えるスペ にサイユの一角に選りすぐりの 像 肖 新たなお相手がルイ十五世に対し自分を凌ぐ影響力 りようしよく トを及ぼさないよう目を光らせながらも王の漁色を 助け、王にとってなくてはならない「友」であり続 ン 8 ポ貰 けたとこみに、・歴史家はポンパドウ 1 ル夫人の勝ち 取った最大の勝利を見出す。 ダ、一政治に無関心なルイ十五世に代わって国務全般に 介入し「第二の国王」と呼ばれるまでにいたったポ 図ソンパドウ 1 ル夫人の政治的役割に対する後世の評価 49 第二章快楽の自由思想

めいぼうこう は厳しい。だが、ブ 1 シェやラ・トウールが腕をふるって描いた夫人の肖像画が、明眸皓 歯そのものの美貌と華麗な衣裳によって、観る者をいまだに魅了せずにはいないことも確 かだ。肖像画の中の測女・出・・し・出し・出、、ー・・を・に・し、て、い引・。ヴォルテ 1 ル一イトロなど、 百科全書、のフイロソフたちと交流を持ったこの知的なヒロイ、が、貴族の生まれではな く、旧姓ボワソン ( 普通名詞としては「魚」を意味する ) という平民上がりの女だったことは、 きわめて示唆的な事実だろう。 さポンパドウーレ人の没後、ルイ十五世の晩年を支配する女となったのが悪名高 きジャンヌ・一アユ バリー。アンヌ・ベキュなる女の私生児として生まれ、婦人モード店 の売り子をしていた娘である。十九歳で名うての「極道」貴族デュ・ バリー伯爵の愛人と なった彼女が ( 結婚した相手は伯爵の弟 ) 、やがて三十三歳年上の国王 ( 当時六十歳近く ) の寵姫 となり、公式儀典で王の后同様の扱いを受けるまでに至ったのだから、これぞフアム・フ アタルの鑑というべきか。国力 で彼女のために貢いだ財宝は、一千億円に近い額 だといわれる。 好色文学と哲学 国王がポンパドウール夫人との蜜月を心行くまで味わい、夫人の庇護を得たロココの画

家たちが絵筆をふるって宮廷を飾っていた時期こそは、「フランスのアンシャン・レジー ・ダーントン『禁じられたベストセラー ム期、特に十八世紀中葉に特有の广な文学」 ( ロヾ 革命前のフランス人は何を読んでいたか』 ) の最盛期にあたっていた。好色文宀子大 - 売律である。 もちろん、十九世紀に入ると「ポルノグラフィ」の名のもとに分類され断罪されるよう になる、男女の肉体関係をあけすけに描写した書物が、十八世紀においては堂々、公認さ れていたというわけではない。禁書処分を恐れつつ、「マントの下」に隠されて流通する のがそうした本の定めだった。しかしその流通経路も、影響の及ぶ範囲も想像以上のスケ ールだった。おびただしく出版され続けたエロチックな作品のうちには、長く読みつが れ、世紀を代表するベストセラ 1 となったものもある。有名な作品の一つで、一七四八年 に刊行された『女哲学者テレーズ』を覗いてみることにしよう。 そもそも、この「覗いてみる」という行為が、十八世紀的ポルノの基本的設定をなす。 逸楽にふける男女のしどけない様子を、鍵穴や壁の穴から、あるいは窓越しに、はたまた 茂みの蔭から覗くというのが、読者の欲望を掻き立てる常套だった。『女哲学者テレー ズ』の場合は、庶民の娘が修道院に入ってさまざまな「教育」を受け、やがて幸福な暮ら しを得るまでの物語 ( テレーズ本人による語り ) だが、覗きのモチーフは随所に活用されてい る。たとえば、修道院の神父が「あなたのなかに残された不浄なものをすべて ( : : : ) 追 51 第二章快楽の自由思想