ようにする解決への糸口にしな に触れると、まっさきに浮かぶものなのか。 人が、アフガニスタン系の両親 ければならない。だけ しかし一方で、事件を受けて を持っていたことやとの関感情は「怖い」というもの。気 の問題ではないだろう。少数の 連、テロリストのリストにも挙持ち悪い。異常。同性愛者をそ世界中で起きた追悼集会の力に も驚かされた。影響力のある著弱者が痛みを感じ続ける社会は がっていたことなど、さまざまのように受け入れ難いと考える 必ずどこかで争いを生む。容易 人は、少なくない。生理的嫌悪名人が次々に追悼の意を表し、 なことが取り沙汰されている。 な問題ではない。時間をかけて 社会の多様性を訴えた。日本で 襲われたナイトクラブは、同というものであろうか。私がマ も集会が行われた。各地で掲げ議論すること、力を合わせて声 イノリティな存在であると知る 性愛者が多く集う場所であった を上げること。よりよい社会を られたメッセージには「ヘイト と、徐々に、ときにはあからさ 事実は、アメリカのみならず、 には屈しない」とあった。悲惨次の世代に残すために、私たち 世界中に衝撃的に受け止められまに疎遠になっていた友人も何 ができることを考えていきたい。 なこの事件を争いの火種にする た。オバマ大統領は、「テロとへ人もいる。そのたびに、打ちの ( 中野区・歳・大学院生 ) のではなく、二度と起こらない めされそうな気持ちになる。正 イトの行為」であると発言した。 同性愛者に向けられる、剥き直に言えば、「もし自分が『普 くは、木村伊量氏の論は一一〇三頁から、 マ身近な話題や本誌へのご意見、ご感想な 出しのヘイト ( 憎悪 ) 。この事通』であったらよかったのに」、 進一氏の論稿は一九三頁からです。 どをお寄せ下さい。 件を受け、またしても私の心は と涙を流す夜もあった。多かれ また、「表紙の言葉」は五七頁ではなく、 マ〒一〇一ー八〇〇一一 ( 住所は不要 ) 岩波 深く沈んでしまった。公言はし少なかれ同性愛者はこうした葛 正しくは二〇一頁です。 書店『世界』編集部・読者談話室係まで、 藤を抱えている。そのうえ、こ ていないが、私自身、同性のバ 同じく目次上「世界の潮」の「躍進を続 一一一〇〇字以内でお送り下さい ( 掲載分に のようなを標的とした ートナーを持っマイノリティで けるスコットランドの地域政党と は謝礼進呈 ) 。 ある。現在、生涯を共にしょ , つ事件まで起きるとなると、その 国民党のゆくえ」は「 : : : 国民投票のゆ マメールでの投稿も受け付けます。 くえ」の誤りでした。お詫びとともに訂正 と考えている。ハートナーがおり、衝撃は計り知れない。 sekai@iwanami.co.jp まで。「読者談話室 いたします。 ( 編集部 ) 係」宛と明記して下さい。 私たち同性愛者は存在するこ 理解ある家族・友人に囲まれて マ七月号一一一九ページ「解題・吉田調書」 〆切は七月一八日 ( 月 ) 必着。 とも許し難いと思われているの いる。恵まれているほうだと思 の本文中、「″は E の一〇〇〇倍」とあり 投稿はお返しいたしません。また、文意 だろうか。憎悪がいっ私を深く う。二年前にカミングアウトを ますが、「″は E の一〇〇〇分の一」の誤 を損なわない範囲で手を加えさせていただ えぐってくるかわからない。そ したときも、動揺しつつも受け りです。同じく、同頁に「撤退の起算点を くことがあります。どうぞご了承下さい 室入れてくれた家族には心から感れはときに、銃弾であったり、 ・ : 三月一一日午前七時」とありますが、 連載「イングリッシュ・レッスン」は今 言葉の刃であったり。 *-a 談謝している。 正しくは「三月一五日午前七時」です。お 月休載します。 者 読 詫びとともに訂正いたします。 ( 編集部 ) それでも : ・ 。こうした事件を生きることはこんなに苦しい マ先月号の目次に誤りがありました。正し 9- 1
・世界の潮 英国民は何を選択したのかーー離脱を問う国民投票、現地からの報告ぎ、坂野正明 中国文化大革命五〇周年ーーその『理想」と現実 = = = ・谷川真一 改正刑事訴訟法をとうみるかーーー「取調べ全過程可視化」という欺瞞 , = = 白取祐司 ( / オーラシドの闇に覗くフォピアの正体ーーゲイ・ナイトクラブ銃乱射事件 = = = = 北丸雄二 パンドラの箱が開いた 。大方の予想を裏切る結果に、英国は大混乱に陥り ) 世界の金融市場も動揺 している。この国民投票が浮き彫りにしたのは国内の分断の溝の深さだ。英国はどこへ行くのか。 英国民は何を選択したのかーー離脱を問う国民投票、現地からの報告 坂野正明 英国にて、二〇一六年六月二三日、欧本稿では、その背景と今後への示唆をこの投票結果を予測できないものにした。 州連合からの離脱を問う歴史的現地在住の筆者の観点から綴る。なお後本稿で述べる筆者の観察も、客観的であ な国民投票が実施された。結果、五二対述する通り、この国民投票が浮彫りにしるべく努めたものの、自身の属するコミ たのは、英国内の格差あるいは地域やさュニティの枠組みの制約を必然的に受け 四八 % の僅差で予想外にも離脱が決まっ た。国民投票の怖さを示したとも言える。まざまな立場の違いであり、それこそがていることをお断りしておく。 EU 離脱国民投票後に陣営本部で会見に臨む、 離脱派のボリス・ジョンソン前ロンドン市長 ( 6 月 24 日、代表撮影 / ロイター / アフロ )
■国民投票実施の背景 続くにつれ、移民が職を奪っている、と盟を問うて、一九七五年に実施されたも のだった。英国法制上、国民投票が典拠 は、人類史上最大規模の多国間単いう論がささやかれるようになる。 一市場を実現する協定と見なせる。加盟この反外国人の雰囲気を代表する形でとする法律はないため、二〇一五年、今 国間で製品規格や安全基準を統一し、人勢力を伸ばしてきた政党が、こ回のための関連特別法が内閣によって提 と物資の行き来を自由化し、関税を廃し、と英国独立党 ( 以下、独立党 ) だ。一九九案され、議会で可決、制定された。 ( 例外も多いが ) 通貨を統一することで、三年の設立以来、党是としてからの政党別に見れば、保守党の多くと独立 告 欧州全体の経済発展を目指すものだ。そ離脱を掲げ、また基本的にすべての外国党が離脱支持、野党第一党の労働党 報 の の中で、英国は他の主要諸国と一線人を目の敵にする。二〇一四年の欧州議をはじめそれ以外が残留支持、と分 地を画してきた。通貨としてユーロでなく会総選挙で躍進し、同議会の英国選出議かれる。ただ、保守党、労働党ともに一 現 英ポンドを使 . っているのはその端的な例席中で第一党になって、国内外に衝撃を枚岩ではない。 ・ w 残留派、離脱派それそれの主張 投だ。英国にいれば、「欧州大陸」と「自与えた。 ーの海また、英国議会下院 ( 庶民院 ) 与党保残留の主張には、道徳的、観念的 国分たち」という線引きが、ドー 問 なものも無視できないが、ここでは、欧 峡以上にはっきり感じられるものだった。守党の少なからずも移民排斥を推進し、 を 脱 は、誕生以来、徐々に加盟国の数離脱を求める勢力が少しずつ勢いを州法を専門とする著名なマイケル・ドウ が増え、拡大してきた。近年で特筆すべ増していっ . た。自身は一貫して残留ーガン教授 ( リバブール大学 ) のまとめを かきは、二〇〇四年と二〇〇七年の東欧諸を主張していた保守党キャメロン首相も、基に、経済的な視点をかいつまむ。 一、英国の輸出入の約半分がであ た国の加入だった。域内移動の自由を得たこれらの勢力の求めに押され、ついに 択東欧諸国から、経済的に豊かな西欧諸国離脱か残留かを決める国民投票を実現る以上、英国にとってとの通商なし を の経済は考えられない。したがって、 へ、相当の数の人の流れが始まり、今もすることになった。 何 は 、スイスなどの前 その傾向は続いている。英国でもポーラ英国は、日本や他の多くの国と同じく離脱後、ノルウェー 民 国 接民主主義制だ。したがって、ある議例にしたがってとの独立交易協定を ンド食料店が各地に店を出したりして、Ⅲ 英 一その影響は目に見えるものだ。それに伴題をめぐって全国民による投票が行われ模索することになる。 二、協定が結べるか、またどういう形 一部の市民の間で反移民感情が高まることは極めて稀で、歴史上、これが三 世ってきた。二〇一〇年代になり、不況が度目になる。ちなみに、一度目は加で実現するかは不透明。実際、投票結果