イズミ幻戦記 4 (烙都紅蓮編)

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154 勝手に決めつけて納得する傾向が伝次にはある。いったいどういう推察をしたのかは、謎に 包まれていた。 「伝次よう、〈亀岡〉、もう近いそ」 クマタダイゴ トラックの運転席にいる熊田大伍という組員が、これまたのんびりと荷台に声をかけた。 「よっしゃあ。クマ、目玉に根性いれて人形あ捜せやー 「わしだけで根性いれるんか」 「おう」 「みんな協力ちゅうもん知らないんか」 熊田が・ほやく。 たいして面白いやりとりだとはイズミには到底まったく思われなかったが、がははと岩間伝 次が豪快に笑った。 「頑張りイ。なんとかなる、なんとかなる」 「 : : : まさかとは思うが」 いやな予感にイズミが低く呟いた。 レーダ 「暗視装置も電波探知もバイオウェーブもレーザーセンサーも何も使わないのか ? 」 たか 「いやあ、ウチじゃ、高価くて買えん」 ヒトガタ

再び伝次がぐわははと笑った。 「いやいや案じるな。なんとかなる」 : しいか飽くまで僕個人的にはだ、かまわないが : : : 」 さすがに心根が萎えるのを通りこして、イズミは声を半ばで失った。 岩間伝次を含め八人の組員が、その程度の装備で、これまでどうやって生き延びてきたの か。荷台に乗っている他の者たちが今の会話に平然としていること自体、理解不可能である。 「やりくりが悪いんじゃないのか。二十クラウンごときで仕事をうけるからだ」 「とんでもない、二十クラウンちや大金よ。しかもきちんと現金で払われりや上等じゃ。あり : こいことよ。気に病むな」 め伝次の返答はイズミの意図するところから、徹底的に。ヒントがずれている。その横から巽郎 紅が首をつきだして、 「しゃあないです。ウチみたいのが仕事うけたらないと、このへんの集落はみんな小ちゃくて 貧乏やし、やってかれません」 戦 だから、なぜそこに初めから格差があり、この地域の小集落群ばかりが苦しい生活を強いら ズれるのかが問題なのだ いっかい イ そんなことを一介の戦争屋である彼らに告げたところで、たとえそれが正しく事実であると しても、岩間組の組員たちにはどうしようもないだろう。 ゲンナマ ムラ

156 いなか ・ : こんな田舎軍隊で」 顔をしかめてイズミは無意味な愚痴をこぼすしかない。 「火消し程度ならともかく、〈ジュリア〉の大軍がきたら一気に全減だ」 「まあなア、そのへんは案外なんとかなる、なんとかなるってもんよ。いざとなりやー爆薬か トッコー かえて特攻、カミカゼよ : ・ 嵐のように猛々しく、少年がざくりと立ち上がったのが、その伝次の一一 = ロ葉の終わりぎわだっ こ 0 「停めろー 「あ ? こ 「ー、ー停めろッ れつか きやしゃ 烈火の一声とともにまだ走行中のトラックの荷台から、華奢な身を躍らせてイズミがひと っちけむり り、とびおりた。ザワッー と荒れた地表に土煙をおこして着地する。その背後で慌てて、急 プレーキをかけてトラックが停止した。 どいつがころげ落ちたのかと運転席の熊田が、あたふたと首をねじまげてふりむく。 「ちょ、ちょっとオ」 岩間巽郎がびつくりして、幌の奥から這いだしてきた。 ぐち