ずるい考え方 : ゼロから始めるラテラルシンキング入門

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タダのものを生かした 浅野総一郎式ビジネス 水と竹皮をお金に換える 先にご紹介した松下幸之助やスティープ・ジョブズの例からも わかるように、有名企業の創業者の中には、 ラテラ丿レシンキング の達人が数多くいます。 浅野総一郎も、そのひとり。 浅野はのちの日本セメント ( 現在は太平洋セメント ) の前身で ある浅野セメントの創業者で、一代で浅野財閥を築いた人物です。 しかし、成功までの道のりは決して平坦なものではありません でした。郷里の富山で商いを行うも、数々の事業に失敗して、浅 野はお金を失ってしまいます。 借金に困った彼は、逃げるようにして上京。そこで彼が目覚め たのは、捨ててあるものに新しい価値を見出して、再利用するこ とでした。 手始めは「水」。浅野は、無料で手に入る井戸水に砂糖を加え て「御茶の水の銘水」として売り出したのです。 これが意外とウケて、いくらかの儲けを手に入れました。 次に浅野が目を付けたのは、農家が捨てていたタケノコの皮で す。「御茶の水の銘水」の儲けを元手にタケノコの皮を買い取っ た浅野は、「竹皮屋」を開業します。 時代は明治初頭。当時、竹皮は菓子や寿司の包装紙としての需 要があったため、商いは次第に軌道に乗っていきます。 公衆トイレは金のなる木 ? さらに浅野は驚くべき行動に出ます。 154

横浜市に対して、自分が公衆トイレを整備しようと申し出たの でした。 れ、自身も多くの富を手に入れたのです。 浅野はムダなものを必要な人に売っただけなのに、大いに喜ば すから、横浜市は大歓迎。一方のセメント工場からも感謝される。 コークスはもともと使いみちがなく、廃棄に困っていたもので です。 場に売りました。セメント製造時の燃料として、再利用するため が廃棄に困っていたコークスをタダ同然で買い取り、セメント工 これが燃料として使えることを知った浅野は、横浜市営ガス局 コークスとは、石炭を燃やしたあとにできる廃棄物です。 その後、浅野は「コークス」にも注目します。 たのでした。 たのです。浅野は「公衆トイレ」という名の肥料工場を手に入れ 彼はトイレからくみ取った屎尿を、肥料として農家に販売し しによう 実は、真の目的は公衆トイレの整備ではありませんでした。 しかし、浅野はどうしてこんなことをしたのでしよう ? 市は浅野の申し出を受け入れました。 事業を、浅野が代わりにやってくれるというのです。 は、まさに「渡りに船」。自分たちがやらなければならない公共 インフラ整備をしたくても資金が十分になかった横浜市として 要がありました。しかし、問題は資金です。 都市環境の近代化を進めるために、市はインフラ整備を急ぐ必 第 7 ム ダ も の を 捨 て な い ここが ポイント ! 不要なものを必要な人に販売して 利益を得た。 155

“もったいない”が もたらしたノーベル賞 不可能と言われたテーマに挑む 2002 年、日本人として 4 人目のノーベル化学賞を受賞した人 物と言えば、田中耕一です。 東北大学工学部電気工学科を卒業した田中は、分析機器メー カーの島津製作所に入社しました。 ノーベル賞受賞時は、博士号を持たない「サラリーマン研究者」 として国内外から注目を集めます。作業着姿で記者会見に臨んだ 映像を記憶している人も多いでしよう。 彼がノーベル賞を受賞した研究は、実は「ムダなもの」を活用 したことが関係しているのです。 研究のきっかけは、製薬会社の人が漏らした、「つくった薬の 分子量が測れなくて困っている」というつぶやきでした。 実際、研究が始まった 1980 年代半ばの化学的常識では、タン パク質のような大きな分子を壊さずに取り出すことは不可能とさ れていました。そこで、大きな分子を壊さないで計量する課題に 取り組んだのです。 。不可能 " と言われていたテーマに挑戦するため、島津製作所 は、レーザー光線を使った「分子量測定器」の開発を始めます。 分子量測定器のしくみは、簡単に説明するとこういうことです。 まず、物質に高エネルギーのレーザー光線を当てます。 レーザー光線を当てることで、物質は超高温になり、イオン化 します。このイオンを真空中で検出器まで飛ばし、検出器に到達 するまでの飛行時間を測定する。 飛行時間が短ければ短いほど、軽い物質だとわかるのです。 156