銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話集)

キーフレーズ

カムパネルラ ジョバンニ ホモイ ブドリ 土神 賢治 しよう 童子 ツェねずみ 銀河鉄道の夜 ほんとうに かばの木 カイロ団長 利耶 おとうさん きつね 貝の火 野原 行っ どうじ ハンニ 立っ ふたり たくさん そして 大きな 申し あまがえる 子ども むこう 大博士 見え オリザ 一つ 考え 天の川 小さな 王さま 思い ジョパンニ おっかさん チュンセ けんじ 宮沢賢治 汽車 出し あかり フドリ まいにち 帰っ 走っ クラムボン サンムトリ 流れ 落ち 三人 お日さま 思っ 女の子 行き 少し 先生 なめくじ 遠く 主人 いっしょ うしろ だんちょ けれども 人たち 見える 月夜のけだもの 技師 ひとり こんど 白い さそり さっき みどり 答え 仕事 ほんとう かたち からだ まるで 悪いこと 行く それから 泣き

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「どういたしまして、わたし めんぼくしだい どもは面目次第もございませ ん。あなたがたの王さまからいた だいた玉をとうとう曇らしてしま ったのです。」 、ました。 鳥が一ペんにいし 「まあどうしたのでしよう。どうか ちょっと拝見いたしたいものです。」 「さあどうそ。」といいながらホモイの おとうさんは、みんなをおうちの方へ案 内しました。鳥はそろそろついて行きま した。ホモイはみんなのあとを泣きながら しょん・ほりついて行きました。ふくろうが 大股にのっそのっそと歩きながら、時どきこ わい目をしてホモイをふりかえってみました。 おおまた するとホモイのおとうさん が申しました。 はいけん あん

みんなおうちに入りました。 たなっくえ 鳥は、ゆかや棚や机や、うちじゅうのあらゆる場所をふさぎました。ふくろうが目玉を途方もない方にむ けながら、しきりに、「オホン、オホン。」とせきばらいをします。 ホモイのおとうさんがただの白い石になってしまった目 ( の火をとりあけて、 「もうこんなぐあいです。どうかたくさん笑ってやってください」というとたん、貝の火はするどくカチ ッと鳴って二つに割れました。 と思うと、パチ。 ( チパチッとはけしい音がしてみるみるまるで煙のように砕けました。 ホモイが入り口でアッといって倒れました。目にその粉が入ったのです。みんなはおどろいてそっちへ行 けむり こうとしますと、こんどはそこらにビチ。ヒチ。ヒチと音がして煙がだんだん集まり、やがてりつばないくつか のかけらになり、おしまいにカタッと二つかけらが組み合って、すっかり昔の貝の火になりました。玉はま るで噴火のように燃え、夕日のようにかがやき、ヒューと音を立てて窓から外の方へ飛んで行きました。 へや 鳥はみな興をさまして、ひとり去りふたり去り今はふくろうだけになりました。ふくろうはじろじろ室の 中をみまわしながら、 ふんか むいか 「たった六日だったな。ホッホ むいか たった六日だったな。ホッホ。」 きよう たお わら こな けむり あっ そと 力し 力し と日う 貝の火

かた とあざ笑って、肩をゆすぶって大股に出て行ぎました。 それにホモイの目は、もうさっきの玉のように白くにごってしまって、まったくものがみえなくなったの です。 はじめからおしまいまでおっかさんは泣いてばかりおりました。おとうさんが腕をくんでじっと考えてい しす ましたが、やがてホモイのせなかを静かにたたいていいました。 きっとまたよくなる。おとうさんがよくしてやるから。な。泣くな。」 きりは 窓の外では霧が晴れてすずらんの葉がきらきら光り、つりがねそうは、 「カン、カン、カンカエコ、カンコカンコカン。」と朝の鐘を高く鳴らしました。 「泣くな。こんなことはどこにもあるのだ。それをよくわかったおまえは、一ばんさいわいなのだ。目は まどそと わら おおまた かね うで