二つの環境 : いのちは続いている

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ちりよ、つ さらに、第五には、治療する手立てがない。狂牛病とわかったらあきらめるしかないー とくちょ、つ この五つの特徴の中でも、特に注目しなければならないのが二番めだ。 ふつう 普通、病気というのは人間という生物と、体の中に入った他の生物との戦いだ。でも、狂牛 病はちがう。この病気の原因は「プリオン」というタンパク質と考えられているようだが、タ ンパク質は無生物である。それも人間や動物の体を作るのに必要なタンパク質の一種なのだ。 じよ、つしき 「体に必要なタンパク質」が「病気のもと」になるこれまでの常識では考えられない まだわからないことが多いが、今のところ狂牛病の原因は次のように考えられている。 狂牛病の原因になる「プリオン」は人間や動物の体の中に普通にあるタンパク質でコイルの ひょうし ような形をしている。このプリオンが何かの拍子にその形を変えて「変性プリオン」になる。 そしてこの変性プリオンが発生すると、そばの「正常プリオン」を次々と変性プリオンに変え 、えいきよ、つ 悪い友達には影響されやすい。そのタンパク質版 私たち人間も、朱に交われば赤くなり、 さいば、つあな である。次々と変性プリオンが増え、それが脳にたまると、脳の細胞に穴が空いて細胞を殺し いく。どんどん細胞が死んでいくので脳がスカスカになる。 しゅ

このように狂牛病の原因自身は次第にわかってきたが、「どうしてこんなに変な病気が出て かんきよ、つ きたのか ? 」ということになるとまだ不明。そこで環境ということから推理を働かせてみよ きみよ、つ ノー」と呼はれる奇妙な病気が知られていた。多くの若 昔、パプア・ニューギニアで「クーレ まひ い女性がこの病気にかかった。体が震えて麻痺し一年も経たないうちに死ぬ。一九六〇年ころ しよ、つじよ、つ までに、毎年二〇〇〇人ほどが命を失ったと言われていて、その症状は狂牛病と非常に似て いた。だから、ますこの病気から調べてみよう。 ハフア・ニューギニアでは人肉を食べる習慣があった。お腹が減るから人の肉を食べるので はなく宗教儀式として行われていた。特に近親者が死ぬと、その死んだ人を尊敬し、感謝して そ、つしき いたことを示すために、お葬式のときに肉の一部を切り親戚一同でそれを口にする。このこと たましい によって死んだ人の魂を受け取り、それを次の世代の人たちに伝えることができると信しられ ていた。 「クールー」は奇妙な風土病だったので、政府の手で研究が行われ、この病気が宗教儀式で の食人と関係があるとわかり、政府が必死になってこの風習を止めさせた。その効果があって ふる しんせき

病気も減りはじめ、すでにパプア・ニューギニアでははとんど見られない。 せんばいかく 狂牛病の先輩格のヒッジの「スクレイピー」もこれに似ている。 さか しいく イギリスでは産業革命のころから、羊毛産業が盛んになりヒッジが多く飼育されるようにな オいまでもイギリス人の人口 ( 約五九〇〇万人 ) とヒッジの数 ( 約四〇〇〇万頭 ) とはほ きんしんそうかん ゞ一丁われるようにな ば同じだ。あまりに密集して飼育しているうちに、ヒッジの間で近親相姦カ彳 しり・よ、つ かんそう り、また時にはヒッジの骨を乾燥してヒッジの飼料に使うこともあったようだ。 せま 危険が迫っていたのに、人間は気がっかなかった。 けんやく ヒッジやウシを飼育する時に、できるだけ倹約しようとして、人間はヒッジが死ぬとその死 かんそう 骸をリサイクルし始めた。ヒッジの体を粉々にして乾燥し、ウシに与える。ウシを飼う人間と しては死んだ動物を処理するのは大変だから、リサイクルしてもう一度使えるのは好都合だ。 でも、少しおかしい もともと、ウシは草食動物だから放し飼いにしておいてもヒッジの頭をかじったりはしない えさ 仲良く一緒に草を食べる。ところが、人間が死んだヒッジを粉々にして乾燥し、餌の中に混せ ればウシもヒッジとはわからないで、つい食べてしまう。