宣伝会議2016年10月号

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社会構造の変化から想像する 生活・消費・意識の近未来 地球の裏側で起きている出来事すら、リアルタイムに " 目撃者 " となりうる時代。世界規模の現象であっても、日常生活や消費に 影響を与える要素となります。近年、特に変化の激しい分野の専門家に、その現象が消費に与える影響を聞きました。 POINT of VIEW 0 簒 「第 4 次産業革命」は 社会構造の何を変えるのか 工知能を活用した産業構造の変革は、私たちの暮らしや消費に影響を与え 日本政府の成長戦略の一つにも掲げられる「第 4 次産業革命」。 IoT や人 るのでしようか。 インターネットや人工知能 (AI) と いったデジタル技術を駆使して、もの づくりに革新をもたらそうとする「イ ンダストリー 4.0 」。 2013 年 4 月にドイ ツが国を挙げたプロジェクトとして提 唱し、第 4 次産業革命とも呼ばれる。 この考え方によって「製造業のあり方 が革新的に変わる」とさまざまなメ ディアで取り上げられているのを、目 にしたことがあるかもしれない。 しかし、第 4 次産業革命によって変わ るのは、製造現場だけではない。販売 も含めたバリューチェーンそのもの、ま た企業が「何を顧客に提供するか」自 体に変化をもたらすものだという。「決 定版インダストリー 4.0 ー第 4 次産業革 命の全貌」の著者、三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング国際営業部副部長 第 4 次産業革命の裏にある 3 つの環境変化 16 宣伝会議 2016.10 尾木蔵人氏によると、第 4 次産業革命 の背景には 3 つの大きな環境変化がある。 ①コンピューターの情報処理能力の進化 インターネットの爆発的な普及、また スマートフォンによって、多くの人がイ ンターネットに「つながった」。同時に コンピューターの情報処理能力が格段 に進化し、情報の処理スピードが速ま り、処理コストが下がった。「産業技術 総合研究所の、関口智嗣情報・人間工 学領域長によると、 30 年前のコンピュー ターの計算速度をカメの歩くスピードに たとえるなら、現在の計算速度は光速 に達するほど進化したといいます」 ( 尾 木氏 ) これによって、「ビックデータ」 と呼ばれる膨大な情報を、以前と比べ て容易に処理できるようになった。 ②クラウドの普及 インターネットを通じてデータの管理 ができる「クラウドコンピューティング」 の普及がもたらす役割も大きい。「これ まではデータやソフトウェアを利用する ために、大きな設備を持たなければなり ませんでした。しかし、最新の技術を用 いれば、いつでもどこでもネットにアク セスさえできれば、大量の情報を取り扱 うことが可能になったのです」 ( 尾木氏 ) 。 ③センサーの小型化・低価格化 さまざまな情報を感知、収集するた めに必要なのがセンサーだ。技術の進 化によって、このセンサーが小型化・ 低価格化した。「モノ」や空間にセン サーを設置し、消費者の動向をとらえ ることが簡単にできるようになる。 これらの環境変化によって、今後はセ ンサーを介してモノとモノが自らデジタ ルネットワークでつながる、 IoT (lnternet 。 f ings : モノのインターネット ) 社会 がくると予想されているのである。 消費者起点の「ものづくり」へ ビシネスモデルの変化 ドイツが取り組む「インダストリー 4.0 」では、技術革新を用いて生産効率 アップを推し進めようとしている。そ れが、モノがインターネットにつな がった「スマート工場」の実現だ。現 実世界、例えば工場なら実際にものを つくっている現場 ( = Physical) の情 報を、センサーを介して吸い上げ、デ ジタルデータに置き換える。人工知能

TOMORROW 'S MARKE TING がり、自律的に動いていく。さらに とが予想される。現在も一部「私用にカ やクラウドコンピューティングなどを 含む IT (=Cyber) を使って情報を解 スタマイズされた広告」が進んでいるが、 さまざまな拠点で得られるビックデー 技術の進歩に伴い、より進んでいくこと タに、センサーを介して得た「人」個 析し、現場の設備に直接指示を送る。 CPS (cyber Physical system: サイ 人のデータを組み合わせることができ が見込まれる。圧倒的な数の個別データ バー・フィジカル・システム ) と呼ば と大規模データを掛け合わせる、新しい れば、「消費者のデータ」を直接製造 マーケティング手法が問われるだろう。 れるこうした技術を使うことで、「設 に生かすことも可能になるはすだ。 こうした変化を見越して、今後企業 カスタマイズ化による高付加価値製 計・生産計画・物流・部品の調達など、 品の製造 ( マス・カスタマイゼーショ に求められるのは「テクノロジーを使 製造のフロー全体を効率化し、スピー ドアップすることができる」 ( 尾木氏 ) 。 いこなすためのパートナーシップ」だ ン ) は、言い換えると、消費者起点の と尾木氏は言う。「自らの企業だけで このスマート工場が実現すると、ど ものづくりなのである。 んな未来が考えられるだろうか ? 「高 消費行動が変わり、「何を顧客に提 すべてを行おうとするのではなく、技 付加価値の製品が、少量生産でも安く 供するか」が変わることで、バリュー 術を上手く活用していくために必要な パートナーと手を組み、最先端のテク 製造できるようになると考えられます。 チェーン全体が変わる。第 4 次産業革 命とは、全世界におけるビジネスモデ ノロジーを駆使して新しいマーケティ 例えば個人のオーダーメイド製品など ング手法を生み出していくことが必要」。 を、マス向けの既製品と同様の価格で ルの革命なのだ。 さらに、「これまでは『買ってくれて 提供できるようになるでしよう」 ( 尾木 いたかどうか』が指標だったのが、『買 氏 ) 。多様化する消費者ニーズを満た テクノロジーを使いこなすための う』という概念が『使う』という概念 す、カスタマイズ製品の製造が低価格 パートナーが必要 へ、サービスの時代へと変化していく」 で可能になるのである。 と付け加える。モノを手に入れて終わ マーケティングや販売の場面では、 このように、大きな環境変化から第 り、ではない。「自動運転の機能が加わ 4 次産業革命を紐解いていくと、この どのような変化が見込まれるのだろうか。 ることで、車は単なる『車』ではなく、 まず、センサーを介したデータの吸い 革命がもたらすのは、製造業の効率化 移動するためのツールになる。そうす 上げ→分析→行動までの処理・対応ス にとどまらないとわかってくる。 ると、安全管理やメンテナンスといっ ピードが格段に上がることで、よりカスタ モノがインターネットにつながり、 た、サービスの部分が『モノの価値』 製造するモノと製造されるモノがつな マイズされた広告が提供しやすくなるこ に加わっていくでしよう。テクノロ ジーは手段である。それをどのように 活用して、新しい付加価値をつけてい くか。それがマーケティング部門に限 らず、すべての部門の命題になってい ・フィジカル・システム (CPS: Cyber Physical System) の概念 サイバー テジタルデータを吸い上げる 人工知能を活用して製造をシミュレーション 一番効果的な生産を計算 現実の工場に、フィードバック これを、ほぼ自動で行う ( 工場の設備に、直接指示 ) ←ヒトは、これをモニターする立場 注 : サイバーとは、人工知能やクラウドコンピューティングを含むげを指す。 フィジカルとは、現実の世界。工場でいうと実際にものをつくっている現場を指す。 フィジカル PhysicaI ( 工事現場 ) サイバー Cyber 0 T) くのかもしれません」 ( 尾木氏 ) 。 0 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング 国際営業部副部長 尾木蔵人氏 おぎ・くらんど / ドイツ連邦共和国ザクセン州経済 振興公社日本代表部代表。 1985 年東京銀行 ( 現・ 三菱東京 UFJ 銀行 ) 入行。ドイツ、オーストリア、 ポーランド、 UAE 、英国に合わせて 14 年駐在。日 系企業の海外進出支援に取り組み 2005 年ポーラ ンド日本経済委員会より表彰。日本輸出入銀行 ( 現・国際協力銀行 ) 出向。アジア諸国向けⅣ F 、 世界銀行、アジア開発銀行協調融資等担当。 2014 年より現職。近著に『決定版インダストリー 4 ℃ 第 4 次産業革命の全貌』。 「インダストリー 4. O 」のバリューチェーン 消費者 メーカーのスマート工場 消費者 ( 人工知能、 CPS で管理 ) スマート・プロダクト 出典 : 「決定版インダストリー 4.0 」 ( 東洋経済新報社 ) デジタル発注 2016.10 宣伝会議 17

02 人工知能の浸透で変わる 日本人の仕事と働き方 人工知能やロポットの進化は、私たち人間の職業を奪うことになるのでは・・・ テクノロジーの影響で変わる、仕事や働き方。その変化は、消費行動や意 哉にどのような影響を与えるのでしようか。 ロポットによる病気の診断 その変化を受容できるか ? 岸氏ら、 NRI 未来創発センターは、 労働人口の問題だけでなく、昨年 1 年 間かけて「 " 2030 年 " から日本を考え る、 " 今 " から 2030 年の日本に備える。」 をテーマに各領域専門家らも交え、 2030 年の日本の未来社会像を描き出 すプロジェクトを行ってきた。特に労 働力不足の問題が顕在化している物流、 小売り、ヘルスケア領域の考察を重ね ている。 ア産業コンサルティング部岸浩稔氏 ) 。 「人工知能やロポットを活用しなけ 日本の労働人口の 5 割が れば、今と同レベルのサービスを受け 労働人口を年収で分布すれば、ピラ 人工知能で代替可能 ! ? ミッド型の構造になる。年収 2000 万 続けることは不可能になる。しかし技 術的に機械で代替可能であることと、 「 10 ~ 20 年後には、日本の労働人口 円以上の経営トップ層の下に、 500 万 ~ 社会がそれを受容するかは別問題で、 の 49 % の仕事が人工知能やロポットで 1500 万円のホワイトカラーミドル層、 代替可能性と社会の受容性の間にはず 代替可能になる・・・・・・」。近年テクノロ さらにその下にプルーカラーや派遣社 員といった単純労働に従事する人たち れがある。受容性はその国の文化や慣 ジーの進化に伴い、「数年後にはなく がいる。テクノロジーの進歩によって、 習によっても変わり、私たちがどうい なる職業」がメディアなどで取り上げ 単純労働のみならず、ミドル層に位置 う未来を選ぶべきか、選択を迫られて られる機会が増えてきた。冒頭で挙げ いるとも言える」。 た数値は、野村総合研究所 (NRI) の する人たちの仕事もテクノロジーで代 岸氏らのプロジェクトの中で、焦点 未来創発センターが 2015 年 12 月に発 替される可能性があるが、それは日本 になったのが「人は、ロボットによる自 表したもの。同社では英・オックス の中流階級層。この層に大きなインパ クトを与えることになる。これは消費 動診断を受け入れられるか否か ? 」と フォード大学のマイケル A. ォズボー 行動にも大きな影響を与えるだろう。 いう議論だった。「高齢化で医師カ坏足 ン准教授およびカール・ベネディク これに対して岸氏は「分析の結果、 し、このままでは現在の医療の質が担 ト・フレイ博士との共同研究により国 保できなくなる。それでは、ガンのよう 内 601 種類の職業について、人工知能 代替されにくい職業に共通していた キーワードは『創造性』『ソーシャル な病気にかかった時、その診断を口 やロポット等で代替される確率を試算 インテリジェンス』『非定型』の 3 つ。 ボットから聞いて、堪えられるのか・・ 私たちの発表に対して、『〇〇〇』と 各業種・業界のサー 「私たちは、決して日本の未来につい ビスで、こついっ て悲観的なメッセージを発信したかっ た選択が迫られることになるだろう」。 いう職業はなくなるのか ? と問われる 機会が多かったが、代替されやすいと 同センターでは、消費に最も関係す たわけではない。人口減少、労働力不 されている仕事にも先の 3 つの要素を る小売りでは、のようなシナリオ 足は、この国の不可逆なトレンドであ を描いている。左下はテクノロジーを り、この環境の中で私たちが現在、享 加えた進化をさせていくことができる。 受容せず、なんの変化も起きない場合 受する日本のサービスレベルを維持し その可能性を考えていくことの方が大 で、右上が今の環境をフックにイノ ていくには、外国人労働者の雇用で労 切ではないだろうか」と指摘する。 例えば、「マンションの管理人」は べーションを起こせた場合のシナリオ 働力を確保する、人工知能やロポット を導入することで限られた労働リソー 今の仕事の仕方では、代替可能性は高 だ。左下では、商品は何でもあるが、 スを効率的に活用するという 2 つの選 い。しかし、住民とコミュニケーショ プライベートプランド中心で、かっそ 択肢しか存在しない。後者の視点では、 ンをとりながら、定型的な管理だけで れぞれの商品で 1 点しかアイテムがなく、 新しいテクノロジーの活用が不可欠に なくサービスを創造していくなどの進 選べない環境に。また店舗スタッフは、 なると考えている」 (NRIICT ・メディ 化の形が考えられるのだ。 外国人や高齢者が中心になる。イノ 18 宣伝会議 2016.10 POINT of VIEW 図表 1 図表 2