日本のとんち話

キーフレーズ

彦市 与一 和尚 しよう 吉四六 むかし とんち 大黒さま 日本 旦那 持っ 江戸 殿さま 一つ お話 川崎大治 こいち 天狗 帰っ ステレンキョウ 生き 考え 六助 役人 子ども お奉行 家来 ひとり 殿 庄屋 女房 フォア文庫 思う 亭主 ある日 民之助 聞い 小僧 平六 太吉 そろばん 五右衛門 江戸時代 見え やってき 弁当 三人 太作 ばあさん もんじゃ 児童文学 見える 石川五右衛門 二階 大きな ふたり ねずみ 坊さん 見る 和尚と小僧 子どもたち エーホイ 商人 河童 人間 見せ 待っ 川崎 太郎 びつくり 童心社 ーーー 少年少女 仕事 入れ 思っ 十両 しゅう もうし じゅう もち屋 主人 下男 思い 食べ 部屋 代官

目次ページ

「ふーむ : ・ して、その種本とやらは、どこにある。」 ばんめ ぶつだん 。し、仏壇の三番目のひきだしに入れてございます。どうか、ご家来しゅうを使いにや にようばう 女房にもうして、おとりよせねがいとうそんじます。」 だいかん 代官さまはナ。さっそく、男の家に使をだしたワ。 女房は、いわれたとおり、仏壇の三番目のひきだしをさがした。ところが、い しても、うその種本などはありやせん。 しだい 家来がもどって、ことの次第をもうしあげると、代官さまは、ひどくおこって、 「よくも、よくも、このわしを、だましおったな すると、うそっきの名人、につこり笑って、 「代官さま。あなたは、だまされなすったかい。それなら、やくそくの と、手をさしだし、 きんす どうそ。 「ほうびの金子、十両を めいじん たねばん わら くらさが つか 148

ねずみの名作 こっとう 村の庄屋さんときたら、いやもう、このうえない骨董ずきじゃ。古いめずらしいもんが あると、なんでも集めて、人がくると見せてはじまんしとった。 ある日の夕方。 きっちょむ 吉四六が、庄屋さんの家へくると、 「おう、吉四六か。よいところへきてくれた。おまえに見せたいものがある。」 「また、骨董ですかい。」 「まあ、そんな顔をせんと、見てくれ。なにぶんにも、天下に二つとない、りつばな作じゃ。」 とこ そういって、庄屋さんはナ。床の間から、いかにもとくいそうに、黒光りのする、小さな ほりものを持ってきたわい。 「庄屋さん。これはねずみのほりもんですね。」 「さよう。生きておって、いまにもそこらを走りそうじやろう。みごとなもんじゃ、左甚 しようや めいさく てんか ふる ひだりじん 149

′」ろう 五郎もはだしといわにゃなるまい。」 「こんな名作を持っておるもんは、日本ひろしといえど、わしひとりじやろう。 しようや きっちょむ 庄屋さんが、あんまりじまんするもんで、吉四六は、つい 「庄屋さん。じつは、こんなねずみのほりもんなら、わしの家にも、名人のほったもんが ありますワ。そのほうが、ずっとようできておりますそし 庄屋さんは、じまんの鼻をへしおられたもんで、すっかりきげんをわるうして、 「おまえなんその家に、そんなりつばなものがあってたまるかい。」 しいえ、ありますとも、ちゃーんとありますよ。」 吉四六も、こうなったら負けてはおれん。 てんか せんぞだいだい 「わしのは、先祖代々の宝で、天下の名作。こんな庄屋さんのねずみなんか、お話になり ませんよ。」 めいさく たから はな めいじん 150