生涯現役の人生学 第 6 回 150 年前の空想 坂本は前者の推進者であり ( 大刀を遠ざけた。だから暗殺者に斬 年から 150 年前は慶応 3 と詠んで、「も、ついい」と言って 政奉還の進言はその実現 ) 、中岡られてしまった。当夜は親交の夜 ( 1867 ) 年に当たる。下の句を詠まなかった。枕頭にい もと ではなく、激論の夜だったと思う。 は後者の推進者だ。坂本は横井小 川月日に将軍・徳川慶喜によるた福岡の勤王女性、野村望東尼が こう書くと読者の中には、「そ 大政奉還が行われ、肥月 9 日には「住みなすものは心なりけり」と楠や勝海舟の影響を受けており、 王政復古か宣言された。武家政権補足した。高杉は「面白いのう」国内戦争を嫌った。中岡は確かに、れならなせ二人とも殺されたの 風 だ ? 」と目をむく向きもおられる である徳川幕府は消滅した。子供と言ったそうだが、本当にそうか坂本と上佐勤王党の同志ではあっ だろ、つ たが、アメリカの南北戦争に大き がこのことを暗記するために、西私は上の句だけを伝えてほしかっ な影響を受けていた。「奴隷解放私は当夜の暗殺には背景という任 た。望東尼の下の句が面白くも何 暦との語呂合わせで「いちやむな ともないからだ。「世の中すべてという理念貫徹のためには、同じか、黒幕かいて、それはおそらく しく大政奉還」とつぶやいていた のを覚えている 心の持ち方次第」という発想は、国民同士が血を流さなければなら武力討幕派だっただろうと思う。法 室強 と言うと、「それなら中岡まで殺策勉 明治維新前夜のこの年に、維新ク暴れ牛クに例えられていた狂挙ぬ」という発想の信奉者だ。 政の この路線を進めてきた中岡は、すのはおかしい」と言われること 実現に努力した 3 人の志十が死んの主・高杉から最も遠いものだ。 長か になる。か、おかしくはないのだ。建 討幕戦争実行の直前になって、将 だ。高杉晋作 ( 4 月日、数え年「面白いのう」は彼の最後のリッ 軍の大政奉還に遭った。計画挫折それは中岡も坂本と同じ自山人でで此 四歳 ) 、坂本龍馬 ( Ⅱ月日、同プサ 1 ビスだと思っている 庁鷹 坂本と中岡は同日同時刻に襲わの水をぶつかけられた。ぶつかけあって、組織人 ( 藩人 ) ではない都杉 芻歳 ) 、中岡慎太郎 ( Ⅱ月片日、 からだ。 同歳 ) だ。高杉は病死、坂本とれたために「二人は同志だった」たのは坂本だ ま 安政の大獄以後、政治は幕府も罰 といわれている。私はまったく違 「お主は何とい、つことをしてく 中岡は暗殺された。ある雑誌から、 東 「 3 人の没後 150 年記念特集をうと思っている。慶応 3 年当時、れたのだ ! 」。Ⅱ月燔日の夜、おそ大名家 ( 藩 ) も、すべて組織で動年却 いた。動かしたのは下級武士だが、 幕府を消滅させる方法にク倒幕らく中岡は坂本に抗議と非難の声 組みたい」という注文が来た。 3 人には私なりの思いかある と " 討幕クの二つがあった。私はを浴びせていただろう。シャモ鍋彼らは決して藩人であることをやじ糘 高杉についてはその辞世。伝え前者を、平和的手段である話し合を食って仲良く飲もうなどとい、つめなかった。藩人か最も邪魔に思 雰囲気であるはずがない激してったのは浪人、つまり自山人だつん靆 いによる変革、後者を武力行使に られるのは、気息奄々だった彼は う年 たのだ。 くれば斬り合いになる。一人とも 「面白きこともなき世を面白く」よる変革、と考えている 厓几の 会ノチ′イ えんえん 作家 ( 工の童門冬ニ 20 レ .5.2 / 週刊東洋経済 110
E d i t o r s e a d e r S 東洋経済 【発行人】山縣裕一郎 【編集部長】長谷川降 【編集長】西村豪太 【編集】 ( 副編集長 ) 中村陽子 / 堀川美行 / 福田淳 / 山川清張 / 杉本りうこ / 井下健 ( 編集委員 ) 福田恵介 ( 部員 ) 茨木裕 / 武政秀明 / 風間直樹 / 許斐健太 / 前田佳子 / 中島順一郎 / / 西澤佑介 / 二階堂遼馬 / 秦卓弥 / 富田頌子 / 中原会 - 了・ / 緒方欽一 / 高見和也 ( 産業担当デスク ) 山田雄一郎 / 山田雄大 / 冨岡耕 / 乂吉龍吾 ( 編集協力 ) 塚田紀史 ( 編集総務 ) 斎藤亜紀 ニュース編集部部長・大崎明子 / 編集長・並木厚憲 / 鈴木良英 / 田邉佳介 / 松浦大 / 中川雅博 整理部部長・會田政美 / 鈴木智 / 宮澤山美 / 三隅多香子 / 下村恵 制作部部長・鶴見昌憲 / 大村善久 (AD) / 内藤明 (AD) / 池田梢 / 杉山未記 / 熊谷直美 / 新藤真実 / 鈴木聡子 / 小林山依 山根佐保 / 柿沼めぐみ 写真部部長・會田政美 / 尾形文繁 / 梅谷秀司 / 今井康一 / 小林葉子 【マーケティング局】営業推進部部長・和Ⅲ明彦 囃誌書籍 ) 板垣京治 / 船橋一宏 / 小嶋正義 / 山中山里子 / 永井透 島舞衣 / 山浦壮史 / 林原久美 / 武井尚子 ( 電子出版 ) 部長・篠原達也 / 児玉幸恵 / 荒木千衣 ( ダイレクトマーケティング ) 部長・加藤正俊 / 西村雄吉 / 富田智之 / 田村直彦 / 宮久保文子 / 内藤寿美恵 ( 販売管理 ) 部長・宮田和歌子 / 鈴木伸 / 金子ゆり 宣伝部部長・高橋志津子 / 笠間勝久 / 黒坂浩一 - ・ / 福山恵子 / 岩井美山紀 【ビジネスプロモーション局】業務部部長・加藤光彦 / 藤井敦美 メディア営業部部長・吉村康 / 山内光之 / 本多正典 / 田中健 斎藤治子 / 林政孝 / 山口沙啝子 / 白川岳史 / 小林玉枝 / 佐藤幹朗 星野はる香 メディア制作部部長・萩生田啓介 / / 高井史之 / 平島隆広 / 細川めぐみ / 尼崎裕美子 コミュニケーション事業部部長・寺田浩 / 大久保幹人 / 田邊真男 中野華衣 / 山岡正治 【関西支社】マーケティング部一見益男 / 小山田京子 管理部部長・粥川恵子 / 山本佳世子 入している組織が戦闘集団とし 読者の手紙 て適切な機能を保持・形成して いるかという観点からの議論か 自衛隊の正しい議論 あまり見られない。だからこの 茂田忠良 ( 東京都港区・歳・大学教授 ) 特集かきっかけとなり、さらに まっとうな議論が進むことを期 5 月日号の第 1 特集「自衛待したい。何より防衛省、自衛 隊のカネと組織」は、時宜にか隊関係者の奮起を祈っている なったいい特集だった。本特集 では自衛隊の年齢構成と階級構 成を示し、「幹部」「曹」ばかり で「高齢化と若手不足で自衛隊 は戦えるのか」とちゃんと問題 を提起している。防衛大学校不 要論もあるとして米国の一般大 学に設置されている軍幹部育成 課程「」の活用可能性 を提起したり、自衛隊の防衛装 備調達制度の間題点を指摘した りしていることも評価したい。 わか国では自衛隊に対するイ デオロギ 1 的かっ観念論的批判 か多く、毎年 5 兆円の税金を投 「読者の手紙」を お待ちしています 600 字以内。 e メールでの投稿を歓迎します 住所、氏名 ( ふりがな ) 、職業、年齢、電話番号 およひ「読者の手紙」欄用と明記してくたさい。 【宛先】 tegami@toyokeizai. CO. jp 〒 103-8345 東京都中央区日本橋本石町 1 -2-1 0 新井泰嗣 / 三浦崇紘 / 岡部のぞみ / 齋藤萌 / 坂元耕二 / 長谷川典子 / 『週刊東洋経済』編集部 0 復活できるチャンスなのかもし 編集部から れません ( 前田 ) 特集にも出てきますが、日本 年前、半導体の業界誌で働企業の半導術者が個人的に いていました。まだ当時は国内韓国企業に招かれて技術を伝授 の半導体工場は設備投資に積極してきたのは有名です。同様の 的で、活気がありました。液品話は自動車でも聞きますが、日 パネル工場も次々と立ち上がり、 本企業へのダメ 1 ジは半導体ほ ク半導体村ツは自信にあふれてどではなかったようです。電機 いた。振り返ると、あれが最後各社が半導体関連の投資を絞り、 0 のよき時代だったのでしよ、つ 技術者の士気が下がっていたと でもノスタルジ 1 に浸ってば ころを、つまく狙われました。 かりもいられません。まさか絶 東芝メモリの売却先をめぐっ 対王者とされていた米インテルて、外資への技術流出リスクに の地位か揺らぎ、画像処理半導関心か高まっています。知的財 体の米エヌビディアが人工知能産の移転が心配されていますか、 でプレークするなど、当時、誰 より重要なのは「人」ではない が想像できたでしようか新たでしようか事業の先行きに希 なプレーヤ 1 もコンピュ 1 タと望を持てなくては、企業は残っ 半導体産業に参入し、活気を生ても人が流出してしまいます み出しています。既存の枠組み設備と人に投資ができ、明るい が激変する今こそ、日本の半導展望か描けるスポンサーを選ぶ 0 体業界にも新たなスタ 1 か現れ、のが肝心でしよ、つ 【ホームページ ・週刊東洋経済プラス 【お問い合わせ】 ・東洋経済コールセンター T 可 03-5605-7021 【予約購読】 ・お申し込み・住所変更等のご連絡は フリー T 0120-206-308 携帯電話からは T 03-3688-8900 ( 受付時間 9 : 30 ~ 17 : 20 土日祝・休 ) ・配送に関するお問い合わせはフリー T 0120-773-018 ・広告掲載のお申し込みは Tel 03-3246-5595 定期刊行物・年間予約購読のおすすめ 1 年 ( 50 冊 ) 28 , 000 円 週刊東洋経済 [ 週刊 ] 2 年 ( 100 冊 ) 49 , 000 円 3 年 ( 150 冊 ) 63 , 000 円 ※表記料金は送料と 8 % の消費税を含んだものです。 ※臨時増刊号は含みません。 ※中途解約は、ご購読回数により実費精算となります。 本誌掲載記事の複リ・複製・転訳載・抄録要約・磁気媒体・光ディスクへの入力等 を小社の許諾なく行うことを禁じます。これらについては小社 03-3246-548 はで 109 週刊東洋経済 201 /. 5.2 / http://tkplus.jp ( 受付時間 9 : 30 ~ 17 : 20 土日祝・休 ) 0 ( 西村 ) 0
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