魔頂チョモランマ

キーフレーズ

貫田 テント チョモランマ 近藤 福島 早川 シェルバ 関根 言っ 大蔵 樫原 大矢 ルート 交信 パーティ サーダー メートル 張さん 私たち 隊員 今日 上げ 明日 ヒマラヤ 工作 ネパール 本日 思っ 持っ 入っ 酸素 上がっ 工作員 前回 帰っ 行動 言う チベット 昨日 二人 キャンプ 出発 食べ 中国 日本 一日 行く トランシー 行っ 今回 向かっ ビッチ ースキャンプ キャン 思い 登山 食事 荷物 登っ 荷上 十時 アタック 登山隊 シェル 風間 人間 装備 登頂 聞い 一人 ヒッチ 一つ 隊長 自分たち その後 考え 十二時 見え 入り 戻っ パジェロ 到着 自分 予定 作っ 出来 時間 連絡 入れ 三人 四人 藤木 トラック

目次ページ

~ に長い年月住んでいた。そんな中、突然意中の人が訪ねて来たので、心から涙を流して喜んだ。貴人 も会いたい一心だったので魔鳥との約東を忘れ、例の鳥を取り出し、約東した宝物を持ってきた苦心 と冒険を披露した。そして、この貴重な獲物を引出物として結婚を申し込み、目出度く二世の契りを 結んだ。チョニイはひと目魔鳥の姿を見ただけで、夢中になってしまった。 魔鳥は毎日、嘴から宝物を次から次へと取り出し、彼女の気をひいていた。貴人は魔鳥の本性を打 ち明ける勇気が出ず、なすがままに一カ月を過ごしてしまった。貴人は再度一カ月の自由を与えても らいたいと懇願したが、条件に彼の眼の玉をくれと申し出た。そして、次に魔鳥は「自分の本性をし ゃべる素振りでもしたら次は話すことができなくしてやる」といった。 宝石で身を飾りたてたチョ = イは、目の見えなくなった夫に同情することなく、ますます魔鳥に夢 中になっていった。夫はチョニイにいっか魔鳥の正体を話す決心をし、助けられたチョニイの兄たち の運命をも話すことにした。 そして機をみてチョニイに話をするが、魔鳥の機嫌を取るのを妬んでいると思ったチョニイは、人 の言葉を話す魔鳥にどんどんひかれて、ついに夫を捨て、やがてチョモランマの頂きを目ざして、空 のかなたに消えて行った。 あてどもない旅を続けていた長兄がひょっこり家に戻ると、「お前の妹は殺された、そして下手人 び 再 は家の中にいる」と誰の声ともわからぬ言葉にそそのかされ、貴人を殺してしまう。 マ 長兄は事の次第を悟ると、次兄と同じように、チョモランマに向かい、隠者に教えを請うて、禽鳥ン 国の宮殿で弟をさがしだし、死の寸前の命を救うことができ、し細を話して妹を助け出そうとする。モ 一方チョニイの方は豪勢なくらしでも一人の人間もいない生活にあきて、一度家に帰らせてくれとチ 魔鳥に頼むが、魔鳥は「帰っても誰一人待つ者はいない」と事実をありのまま話し、魔物の本性を表 8

すと、結婚の儀式をせまった。婚礼の衣装を身につける時、妖精から魔鳥の弱点をぬすみ聞きしたチ ョニイは、兄や夫のカタキを討とうと決心し、自分の命をかえりみず、とうとう式の最中に魔鳥の心 臓を刺し、一滴残らず血をしぼって息の根を止めてしまう。そして自分自身も死んでしまう。 生命の水をたずさえた兄達二人は、その後チョニイを甦えらせ、山をおり、そして家に戻るとチョ ニイの夫を甦えらせた。こうして四人の家族は、その後きわめて仲睦まじく、昔ながらの長者の家と して久しく栄えた。 ( この伝説は、かってチベット探検家として知られ、初期のチョモランマ登山隊にも加わった英国人 ソエル氏の夫人であるサイビール女史が収集したもので、今回取材のためべースキャン。フまでこられ た朝日新聞の藤木高嶺記者の父君で、登山家として有名だった九三氏が、昭和十四年 ( 一九三九年 ) に著者名「山上雷鳥」で発行された同名の本に収録されている ) 。 二十七日。まだからの荷上げはすべて完了しているはずではなかったが、今日から先は、上 に向かって力を集中する。福島、早川そしてシェルバたちをに向かわせる。では関根を中心 にコックのミンマ・テンジンと、キッチンポーイのティンディに食料の振り分け、キッチンテントの 整理を任す。食事の支度は彼らが請け負う。なにしろ、三十人分ほどの食事の支度だ。昼食後にタ食 の準備に備え、昼寝。藤木氏に、時間の使い方がうまいといわれてしまう。 二十六日に休んだヤクたちは、今日、上がって来るはずだった。しかし夕方、樫原とヤク工作員の リーダーだけが上がって来て、本日上がり切れなかったので、航空母艦でビバ ークとのこと。またか と思ったが、航空母艦だろうが、べースキャンプで休もうが、どちらにしても一日目には荷上げし、 二日目に帰って、三日目には休むという規則のとおりにしてもらえばよいので、あまりカリカリ言う

必要はないと思い、明日、へ上がり、へ帰るよう指示した。樫原は元気だった。一泊し、 二十八日に航空母艦のところで、ヤクたちが上へ上がるのを見届けてから、下へ降りる予定だ。二十 八日は、藤木氏もティンディと一緒に降りる予定だ。 男れを告げた寂しさを一時感じ 二十八日、朝。魔鳥の話を背中に背負って、藤木氏は山を降りた。リ た私は、しかし次の瞬間、石油コンロ二台がフルに稼働すると、かなり石油の消耗が激しいことに気 付き、水場探検隊を組織した。氷塔群の中にある氷塔下の平らな氷池の部分をピッケルで割り、掘り 下げると、三十センチほどの氷の下から水が湧き出してくる。皆でカ一杯氷を割り、直径約十五セン チほどの円い穴をあけて、ひしやくで水を汲む。氷塔の氷を割って解かして水を作るより、熱エネル ギーの節約になる。 ・隊員にはヒミツの話 べ 1 スキャンプ (mo) の上に向かって右側には、一段下がって氷の塔が林立している。この氷塔 群は、氷河の一部が凸凹になったものだが、ヨーロッパやネパール側の氷河の断端が上は平らで無数 にひびわれて、その一つ一つが深く氷のみそを作り、上から見るとバカーツと口をあけた形をしていび るのとは正反対で、氷の一番高い所がとがっており、人間はその塔のふもとを歩く形になるから、まマ ン さに氷の塔を針葉樹にたとえれば、森の中という感じになる。 氷塔の中は、その塔の囲みで、風も少なく、日が当たると周囲の白い氷からの反射もあってなかな チ か暖かい。私はこの氷塔群の世界に分け入って、氷と雪の斜面や氷湖を渡り、自分の休息場所をルー ( ティングした。氷塔の中には表面が氷ってしる平らな部分があるが、これは厚さ三十 ~ 四十センチの