連載 / てくてく rIbX 28 上の例のように \index コマンドは普通のテキストに は出力されません。このように何も出力されないコマン ドを「見えない単語 (invisible word) 」といいます。見 えないといっても、、単語 " に違いはありませんから、前 後にスペース文字や改行文字があると、単語間スペース が出力されます。そのため、注意しないと単語間に 2 つ ぶんのスペースが出力されることもあります。ただし、 \index コマンドの場合、直前に空白文字があれば、コ マンドの直後の空白文字は出力されないようにはなって います。 いすれにせよ、日本語では単語間スペースが必要に なることはめったにありませんから、 \index コマン ドの前後には空白文字を入れないようにしてください。 \index コマンドの直後で改行したいときは、コマンド の直後に % を指定し、改行を無視するようにしておく ほうがよいでしよう。 \LaTeX の標準のオプション・スタイルには、 次のようなものがあります。 \begin{description} \item[\tt llpt]\index{llpt オプション } % デフォルトの文字サイズを 1 lpt にする。 何も指定しないと 10pt です。 \item[\tt 12pt] \index{12pt オプション } % デフォルトの文字サイズを 12pt にする。 何も指定しないと 10pt です。 \item[\tt twoside] \index{twoside オプション } % 両面出力 \ index { 両面出力 } 用オプション。 {\tt book}\index{book スタイル } スタイル I 'EX の標準のオプション・スタイルには、次のよ うなものがあります。 1 lpt デフォルトの文字サイズを 1 lpt にする。何も 指定しないと 10pt です。 12pt デフォルトの文字サイズを 12pt にする。何も 指定しないと 10pt です。 twoside 両面出力用オプション。 book スタイルでは デフォルト。 twocolumn 2 段組出力。 titlepage article スタイルでのタイトルページ作 140 成。 せっせと集めなきや \ index コマンドは、、印 " を付けるだけのコマンドで す。次は、この、、印 " に従って索引項目とページ番号を カードに書き出さなけれは・なりません。 プリアンプルで \makeindex というコマンドを指定 して I*TEX を実行すると、 idx という拡張子の付いた ファイルが作成されます。このファイルは、 \index コ マンドの情報を書き写したカードの集まりになっていま す。 1 つの \index コマンドの情報は、 idx ファイルの なかでは次のような \indexentry というコマンドに対 応しています。 \index{ 索引項目 } \indexentry{ 索引項目 } { ページ番号 } たとえば、左に挙げた例が 43 ページから 44 ページ にかけて出力されたとすると、土 dx ファイルのなかには 次のように書き込まれます。 \indexentry{l lpt オプション } { 43 } \indexentry{12pt オプション } { 43 } \indexentry{twoside オプション } { 43 } \indexentry{ 両面出力 } { 43 } \indexentry{book スタイル } { 44 } \indexentry{2 段組 }{44} \indexentry{titlepage オプション } { 44 } \indexentry{article スタイノレ } { 44 } \indexentry{ タイトルページ } { 44 } どんな印を付けたかなあ 自分の付けた印が全体としてバランスのとれたものに なっているかどうかを調べるためのオプション・スタイ ルがあるので、ここで紹介しておきます。 \documentstyle コマンドのスタイノレ・オプションの なかに showidx を指定しておくと、出力の \index コ マンドが現れた場所のマージン部分に引数に指定した索 引項目が表示されます。 UNIX MAGAZINE 1991.10
連載 / てくて <rIbX 28 メントをパラバラとめくって、必要なページを捜すこ ともあります。 ページへッダ ( 柱 ) は 3 月号で説明した headings ペ ージスタイルを指定すれば出力できますし、 \mark- both あるいは \markright コマンドを使えばヘッ ダ情報の変更も可能です。 ・索引 索引は、、検索 " そのものを表しています。索引では、 用語や機能の名称から関連するべージを調べることが できます。 今回は、索引の作成についてお話しします。 説明に入る前に、索引作成の一般的な手順を簡単に紹 介しておきましよう。索引の作成手順は、次の 3 段階に 分けることができます。 1. 各ページから必要な項目を拾いだす 2. 五十音順やアルファベット順に並べ替える 3. 索引として見やすいように印刷する 書籍の編集者に訊くと、 ・用語とページ番号をカードに書き出して、カードを五 十音順に並べる ・索引として必要な用語に印を付け、その用語とページ 番号をファイルに書いてソートする など、さまざまな手法があるようです。ただ、いすれに せよ、原稿か完成した状態になってからでなければ、索 引の作業には手が着けられません。 I*TÉX がこのような困難な状況を完全に解決してく れるわけではありませんが、索引を作るお手伝いはして くれます。 索引項目のためのコマンド 索引作成の第一歩として、索引の項目として登録した いところに印を付けておく必要があります。 I*TEX で は、 \index というコマンドを使って索引の項目として 必要な箇所に、、印 " を付けていきます。 UNIX MAGAZINE 1991.10 索引の、、印 " は少なすぎてもいけませんし、ある単語 か現れるたびに付けていては逆に捜しにくい索引ができ てしまいます。つまり、臨機応変に、、印 " を付けなくて はならないので、すくなくとも現段階では完全な自動化 は不可能です。ですから、索引に掲載したい項目が本文 中に現れるたびに \ i Ⅱ dex コマンドを指定する必要があ ります。 印を付けて \index コマンドの引数には、索引項目を指定します。 このとき、引数の途中では改行しないようにしてくださ いね。 引数には、特殊文字も含めてどんな文字でも指定でき ます。ただし、プレース ( { と } ) だけは左プレー スの数と右プレースの数が同じでなけれはなりません。 \ i Ⅱ dex コマンドの引数のなかではノヾックスラッシュも ェスケープ文字として役割をもちませんから、 \ { や \ } が索引項目のなかにあるときには注意が必要です。 索引の参照ページは、 \index コマンドが含まれてい るべージのページ番号によって決まりますから、項目名 と参照ページがすれないように、索引の対象となる言葉 の直後に指定するようにしてください。 なお、 \index は fragile なコマンドですが、特殊文 字がなけれは別のコマンドの引数のなかに指定すること も可能です。 \section{ セクション付け \ index { セクション } } 通常、ドキュメント \index{ ドキュメント } を 作成するときには、章や節などを使って 階層的に内容を記述していきます。 \LaTeX では章や節という文書の構成単位を {\bf セクション単位ハ i Ⅱ dex { セクション単位 } と 呼んでいます。 1.2 セクション付け 通常、ドキュメントを作成するときには、章や節など を使って階層的に内容を記述していきます。 いでは章や節という文書の構成単位をセクショ ン単位と呼んでいます。 139
てくてく X どこに何があるの ? 亀 : はるみちゃん、この連載があと数回で終るって言っ てたけど、あれは本当 ? H : そうよ。 亀 : どうして終ってしまうの ? H : I 盟 HX のコマンドはひととおり説明したからね。 亀 : でもさ、僕はまだ知らないことがたくさんあると思 うんだけど・・ H : もちろんそうでしようね。とくにスタイルファイル なんて、説明してほしいでしょ ? 亀 : うん。 H : だけどね、それを説明する前にこの連載をまとめて 単行本にしようと思うの。 亀 : 忙しいはるみちゃんのことだから、それには半年く らいかかりそうだね。 H : ・・・・・・そうかもしれない。 亀 : ところで、今日はなんのために呼び出されたの ? H : あのさ、索引作りの説明を聞いてくれない ? 前回お知らせしたとおり、 2 年半続いた本連載もあと 数回になりました。最初に編集長からこの連載のお話が あったとき「 3 年も経ったら誰も ' I なんて使ってない かもしれないよ」と言っていたのですが、まだまだュー ザーは増えそうな勢いです。やは使いにく いという声もよく耳にしますが、そのような声が聞こえ てくるほど rIVX がひろまったといえるのでしようね。 今回から最終回までは「てくてく番外編」ということ で、 I*TÉX のマニュアルには書いていないことや、ふ だん多くの人が知りたがっていることを書こうと思いま す。最後に予定している「 Q&A 特集」へのお葉書はま 138 藤浦はる美 た募集中ですから、せひ送ってくださいね。 さて、番外編第 1 弾は索引のお話です。 索引がなくっちゃ ときどき誤解を受けているようなのですが、私の専門 は、、マニュアル書き " です。つまり、テクニカル・ライ ターというやつです。 私がマニュアルを作るときには、 マニュアルなんて誰も読まない を基本として、、、なんとなくどんなものかが分かる " と、、分からないことがすぐ調べられる " を念頭に置いて 仕事をするようにしています。 では、、、分からないことがすぐ調べられる " という点 について、マニュアルにかぎらす、どのような工夫がさ れているかを考えてみましよう。 ・目次 目次の項目を見れば、そのドキュメントの概要が把 握できます。各項目のページ番号も書いてあります から、必要な説明のあるべージを調べることもでき ます。 での目次の作成法については、今年の 5 月号 で \tableofcontents というコマンドを紹介しまし ・ページへッダ ( 柱 ) ドキュメントの上部や下部には、章や節のタイトルが 表示されていることがあります。これをもとにドキュ UNIX MAGAZINE 1991.10