news¬ice 0 ee リのソート ( 主キーとして名前、時刻、サイズ、クラス、 ディレクトリが指定できる ) 、アイコンからテキストへの 外観の変更などの項目が含まれる。ファイル情報ダイア ログ・ポックスは、ファイル名、所有者、グループ、サイズ などの情報を報告する。ダイアログ・ポックスから変更 できる項目は、ファイルモードに関するものだけである。 X. desktop は総してすっきりとしたインターフェイ スであり、初心者向きのようである。しかし、いくつか の問題がある。デスクトップ・マネージャーにはリアル タイムの視覚的フィードバックが重要だが、 X. desktop はきびきびとした応答性に欠けている。選択されたこと を示すために、オプジェクトが強調表示されるまでに 0. 5 秒ほどもかかる。私にはひどく遅く感しられ、このよう な種類の対話には不充分といわざるをえない。 X. desktop は選択された項目をアイコンのラベルの 反転表示によって示し、アイコン全体を強調表示するわ けではない ( 視覚的な面からいえば、全体を強調表示さ せたほうが効果的であろう ) 。アイコンをドラッグすると きには、カーソルがオプジェクトを擱んでいる手の形に なる。これはユーザーが何をしているのかを示すという 点ではよいが、どのオプジェクトが影響を受けるのかは まったく分からない。ほとんどのドラッグ & ドロップ・ インターフェイス (Macintosh や OPEN LOOK ファ イル・マネージャー ) では、オプジェクトを強調表示して おいてその輪郭をドラッグするので、どのオプジェクト を対象に何がおこなわれるのかがはっきりと分かる。 今度は、 Looking Glass を検討しよう。 Looking Glass をはしめて起動すると、画面に global ウインド ウ、 directory ウインドウ、 desktoppanel の 3 つのウ インドウが現れる。 global ウインドウには 1 つのメニュ ーと System 、 Window 、 Show 、 Run 、 Jobs のラ ベルがついた 5 つのメニューがあり、最初はスクロール パネルは空になっている。 directory ウインドウにも、 File 、 Create 、 View 、 Sort 、 SeIect 、 Run というラベ ルのついた 6 つのメニューと 2 つのスクロールノヾネルが ある。 1 つのスクロールバネルにはユーサーのホームデ ィレクトリにあるディレクトリを表すアイコンが含まれ ており、もう 1 つのスクロールバネルにはファイルだけ が含まれている。 desktop panel は、最初は空である。 、、よく整理されていてこなれたインターフェイスクとい 36 うのが私の第一印象である。ファイルとディレクトリが 別個のパネルに分けられている点も気に入った。アイコ ンは、、適切なクサイズ ( 32X32 ピクセル ) で、スペースを 年駄にしていない。 すぐに気づいたのは、 LookingGlass が多種のファイ ルを識別しており、アイコンによってそれを区別してい ることである。 X. desktop では、大部分のファイルは単 純な紙あるいはフォルダー・アイコンとして表されてい た。 Looking GIass では . newsrc 、 . mh-profile 、 . rhosts 、 . sunview 、 . dbxinit 、 . signature などのファ イルが判別される。また、ディレクトリ、ディレクトリ へのシンポリックリンク、テキストファイル、バイナリ ファイルにはそれぞれ異なる種類のアイコンが用いら れ、 emacs のバックアップ・ファイルや自動保存ファイ ルなども区別してくれる。 X . desktop と LookingGlass は、両方ともさまざま な種類のファイルに意味をもたせている。 Looking Glass に、きわめて多種類のファイルアイコンがあるこ とは重要である。多種類のファイルが含まれている大き なディレクトリでは、目的のファイルが迅速に見つけら れる。 LookingGlass か操作環境に気を遣っているのは 一目瞭然である。 起動して最初にしたことの 1 つは、メニューの内容の チェックであった。 System メニューに、色の変更、削 除、実行、作成、表示および操作の優先順位の項目を見 つけたときは嬉しかった。 Looking Glass は、ユーサ ・インタ . ーフェイスのなかからカスタマイズのできる 数少ない X アプリケーションの 1 つである (X リソー ス・ファイルを編集するのとは逆の方式である ) 。 また、 Show メニューに環境変数のエントリがある点 も気に入った。このエントリを選択すると、設定されて いるすべての環境変数のリストが表示される。 工ントリの編集や削除、あるいは追加がおこなえる。こ れも、 LookingGlass が UNIX を強く意識しているこ との現れであろう。 マウスによる基本操作はほかのシステムで馴染んで いるものと似ているが、 1 つだけ大きな相違がある。す べてのマウスポタンが同し働きをするのである。 3 ボタ ンのシステムで Looking Glass がその利点を活かせる ものか、見てみたいものである。 UNIX MAGAZINE 1991.2
第 e $ & 0 ee otice 今回とりあげた製品はユーサー・インターフェイスそ のものなので、この項目はもっとも重要な部分である。 優れたユーサー・インターフェイスかどうかをテストす るには、マニュアルを見すにシステムをどれだけ学習で きるかを調べれはよい。マニュアルが必要な先進的な機 能はつねに存在するが、システムの大部分の機能は使い ながら覚えられるようなものではなくてはならない。 さて、読者がもっとも知りたがっているにちがいない 疑問に答えよう。 X. desktop と LookingGlass は、ど ちらも、、 M 。 tif 準拠クと嘔っている。私には、これが事 実かどうかは分からない。すくなくとも、メニューとダ イアログ・ポックスの外観からは両方とも適合している ようにみえる。しかし、マウスの使用法はシステムごと に異なる ( もっとも、これは私がこれまでに試したすべて の Motif アプリケーションに共通している ) 。 X . desktop をはしめて起動すると、 desktop と呼は れるウインドウが表示される。このウインドウには 5 つ のアイコン、 Root ( ファイル・キャビネット ) 、 Home ( フ ァイルの抽出し ) 、 Trash( くすかご ) 、 SuppIies( 備品キ ャピネット ) 、 lnformation ( 開かれた本に疑間符 ) があ る。 Root と Home は、それぞれルートディレクトリと ューザーのホームディレクトリを表している。 Trash は、不要なものを捨てるためのものである ( あとで復元す ることも可能 ) 。 Supplies は、 Tar ( テープとフロッピー のためのアイコン ) 、 Printer 、 Find 、 Man などのよく 使われるアプリケーションが格納されている特別なデ ィレクトリを表す。 アイコンは、構成時に大小 ( 64X64 ピクセルまたは 32X32 ピクセル ) を選択できる。大きなアイコンを選択 した場合、カーソルも大きな、何かを指さす手の形をし たものになる。小さなアイコンを選択すると、カーソル は普通の矢印型になる。 私は大きなアイコンを最初に見たとき、とくにカーソ ルがけばけはしいという印象を受けた。画面上で場所を とる ( 1 , 152 x 900 のモニターでも ) ばかりで、インター フェイスに寄与するところはない。小さなアイコンのほ うがはるかに私の好みに合う。すっと小さなスペースで ユーザー・インターフェイス UNIX MAGAZINE 1991.2 同し情報量を提供してくれるからである。 マウスを使った X. desktop との対話は、以下のよう になる ( 3 ボタンの場合 ) 。オプジェクト上で左ボタンを ダブルクリックすると、そのオプジェクトがオープンま たは実行される。ューサーは、ダブルクリックしたとき のオプジェクトに対するアクションが定義できる。オプ ジェクト上で左ボタンを 1 回クリックすると、そのオプ ジェクトが選択される ( はかの選択は取り消される ) 。 X. desktop のオープン領域で任意のマウスポタンをクリ ックすると、 X. desktop ウインドウにポップアップ・メ ニューが表示される。 X. desktop には、メニューバーは ない ( ほとんどの Motif アプリケーションにはある ) 。 X. deskt 叩は、ドラッグ & ドロップ式の対話をサポ ートしている。つまり、オプジェクトをつまんで移動し、 ほかのアイコンの上に落とすことによってアクションを おこなわせるのである。たとえは、ドキュメントのアイ コンを Trash アイコンの上に落とせばファイルが削除 されるし、 Printer アイコンの上に落とせばファイルが 印刷される。また、 desktop ウインドウ上でアイコンを 自由に移動することもできる。 頻繁にアクセスされるファイルとディレクトリのアイ コンを desktop ウインドウに移動し、 desktop ウイン ドウの内容をファイルに保存することができる。いくつ かのプロジェクトにかかわっている場合には、プロジェ クトごとに desktop ウインドウを作成してセッション ごとに deskt 叩ウインドウを切り替えることもできる。 これは優れた機能であり、、、部屋 (rooms)" の概念 ( もと もと Xerox PARC で開発されたウインドウ管理技術 ) を想起させるところがある。 desktop ウインドウのほかに、 X. desktop には directory ウインドウがある。これは、ディレクトリの内 容を表すだけのウインドウである。どちらのウインドウ にも、専用のメニューがある。両方のメニューに共通な 点は、すべてのアイコンの選択 / 選択解除およびファイル 情報の取得である。 desktop ウインドウの機能のエントリは、アプリケー ションの起動、 deskt 叩の保存と再構成、ディレクトリ のオープンとクローズ、終了と比較的少ない。 directory ウインドウのメニューには、ファイルのコピー / 移動 / リ ンク、ファイルまたはディレクトリの作成、ディレクト 35
第 e $ & 0 ee 0 ce Looking Glass には、標準インストール用とカスタ ドキュメント ム・インストール用のスクリプトがある。標準インスト ール用のほうは、 X11 がヾ標準的なディレクトリ "(/usr/ bin/X11 、 /usr/lib/X11 など ) にインストールされてい X. desktop と LookingGlass は、どちらもインスト ることを前提としている。一方、カスタム・インストー ール、ユーサー、構成のためのガイドを提供している。 このうち、インストール・ガイドは配布メディアの読み ル用のスクリプトでは、すべてのインストール・ディレ 取り方とインストール用スクリプトの実行方法が書か クトリをユーサーが設定できるにれは、大多数のシステ ム管理者が評価するであろう ) 。 れた紙をホチキスで綴した簡単なものである。 X. desktop では、ユーサーズガイドと構成ガイドは Looking Glass のインストール用スクリプトが適切 各 1 冊である。ューサーズガイドは短く ( 44 ページ ) 、 X. なディレクトリにフォントをコピーし、フォントをイン desktop の基本的な概念と対話方法 ( アイコンとマウス ストールしたら、 LookingGlass データベースを構築す の使用法など ) の解説に充てられており、 1 ページごとに る。プログラム db-build は、ローカル・ファイルシステ ムのすべてのディレクトリを調べて各ディレクトリに 1 項目の説明が記されている。テキストは図を多用した 多段組になっており、全体に読みやすく分かりやすい。 . lgdb という名前のファイルを作成する。このファイル は、ファイルの型に関する情報を含んでいる。したがっ これは、初心者にとっては大きな利点である。逆に、と ころどころ曖昧なーーたとえば、「 UNIX の制限により、 て、 LookingGlass があるディレクトリにはしめてアク いくつかのディレクトリのあいだでは特定のファイルま セスしたときも、そのディレクトリのファイルを全部読 たはディレクトリの移動ができないこともある」という み取って各ファイルの種別を調べる ( 大きなディレクト ような記述があるのか難点である。 リでは時間がかかる ) 必要はない。 db-build の実行 ( 実 構成ガイドは、おもにシステム管理者と上級ューザー 行には長い時間がかかる ) は省略してもかまわないので、 のために書かれている。構成ガイドには、アイコンのフ インストール・スクリプトには含まれていない。 ァイルへの割当てやアイコンの動作の定義方法などが 最後に、 Visix ライセンス・サーバーの構成と起動を おこなう。ドキュメントには書かれていないが、 /etc/ 己されている。チュートリアルの章には、構成に必要な 主要機能についての使用例が示されている。これは、構 rc. 10Ca1 にライセンス・サーバーを追加し、再プート時 にかならす再起動されるようにしたほうがよい。 Look- 成を進めるうえで優れた情報源である。マニュアルの残 ing Glass を稼動させる前に、環境変数 VISIX-APPS りの部分には、ルールファイルの構文と X. desktop コ に Looking Glass のすべての構成情報を含んでいるフ マンド言語の説明がある。 ァイルのパス名が設定される。 Looking Glass のユーザーズガイドは、基本的な使い 方と構成の方法が 1 冊にまとめられている。導入部分で X. desktop には、インストール・オプションがまった くない。ファイルはすべて、、標準ディレクトリ〃にイン は、 LookingGlass のウインドウとアイコンの種類 ( 文 書、ディレクトリ、プログラム ) のそれぞれについて簡単 ストールされる。別のディレクトリにインストールした い場合は、シェルスクリプトを修正するか、シンポリッ な説明が加えられている。また、ファイルの分類などの、 短い技術的概要もここに含まれている。 ク・リンクを張る必要がある。 マニュアルの残りの部分では、ファイル分類用言語な インストール用スクリプトによって、必要なものが適 切な場所にインストールされ、 X. desktop ユーザーの どをはしめとする Looking Glass の主要な機能が詳し く説明されている。このマニュアルのもっとも優れた点 いくつかの初期構成ファイルが作成される。そして、ユ ーサーのログイン名の入力を要求するプロンプトが表 は目次である。すべての関数を目次で見つけることがで 示される。このファイルに登録されていないユーザーに きる。これは、文章も構成も優れた分かりやすいマニュ 呼び出された場合でもそのユーサーの初期環境を作成 アルである。 するので、この手順は踏まなくてもよい。 詈 1 ロ 34 UNIX MAGAZINE 1991.2