UNIX MAGAZINE 1992年7月号

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目次

管理者の理想と現実ー 0 イメージは、 METAFONT と呼ばれる独特のシステムを 用いて作成するようになっている。 METAFONT によっ て作成されるピットイメージは、 Generic Font ファイ ル ()F ファイル ) と呼ばれる形式のファイルに格納さ れる。通常、 GF ファイルをそのまま使用することはあま りなく、よりファイルサイズの小さい形式 (PacKed ファ イル : PK ファイル ) に変換しておくことが多い。このほ か、すこし旧いバージョンので使用されていたピク セル形式ファイル (PiXeL ファイル :PXL ファイル ) や、 ASCII 日本語びでは、 PXL 形式を日本語用に長し ファイルサイズが最小になるように工夫された JXL4 形 式のフォントグリフ・ファイルも使用されることがある。 TFM ファイルは、出力デバイスに依存しないように作 られているため、各フォントの各デサインサイズにつき 1 つあれば十分である。それに対しフォントグリフ・ファイ ルは、使用する出力デバイスの解像度ごとに異なるものを 用意しておかなければならない。 TFM にくらペ 1 つ 1 つのファイルサイズも格段に大きい。 TbX の機能からい えば、原理的には任意の拡大 / 縮小率での印字が可能であ り、多くのフォントについて拡大 / 縮小済みのイメージを 収めたフォントグリフ・ファイルも準備しておかなければ ならない。さらに、使用する DVI ドライバによって解釈 可能なフォントグリフ・ファイルの形式が異なるため、 2 不頁以、一ヒ . の形式のフォントグリフ・ファイルを準備してお かなければならないこともある。 事実、筆者カイ吏用している竟では、プリンタドライバ はすべて PK 形式を解釈するが、プレピューア (X ウィ ンドウ・システムを使用 ) は PXL 形式のみに対応するも のを使用しているため、すべてのフォントグリフ・ファイ ルについて PK 形式と PXL 形式の 2 不頁を揃えている。 ソースツリー上で ' I しシステムをコンパイルし、簡単 に動作を石忍するところまでは終ったとしよう。こ ーまで は、たんなる好奇心から始めた一 - ・一般ューサーとしての ( だった。次に、多くの人力硬えるようにを整備すると いう管理者としての仕事力鮭えている。 初めのうちは、 ' I び . ユーザーといってもせいぜい 4 ~ 5 人であった。しかしそのわりには、 Sun3 、 SPARCsta- tion 、 LUNA など、サポートすべきアーキテクチャの種 106 類が多く、悩むところであった。まず、 ' I プログラム か稼動するために満たすべき牛を決定しなければならな い。そのためには、ソースファイルや MakefiIe を調べ、 省田のファイル・サーチパスをリストアップしたり、コ マンド以外のバイナリ形式ファイル 1 が、アーキテクチャ ごとに異なるかどうかを cmp コマンドでチェックするな どの ( が必要であった。結果を簡単にまとめると、次の ようになる。 1. ューザーコマンドの実行形式は / Ⅱ s て / 1 。 cal / b 土Ⅱ以下 に、スタイルファイルや TFM ファイルなどの実行時 に必要なライプラリ類は /usr/local/lib/tex 以下 にまとまっていること ( オリジナルでの省略時値に従 う場。 2. プリンタドライバの実行時に必要なフォントグリフ・ ファイルは、 /usr/lib/tex/fonts 以下にあること。 当時稼動していた DVI ドライバについてオリジナル の省略時値を調べてみると、 IMAGEN 用のドライ バ dvi2 と LBP8 用の texpr では /usr/lib/tex/ fonts 、 (j)xdvi では /usr/local/lib/tex/fonts であった。 rIbX も DVI ドライバも環竟変数 TEXFONTS を参照するので、 /usr/local/lib/tex/fonts にま とめてもよかったのだが、 1 つのディレクトリに多数 のファイルが存在すると紛らわしいので、分けること 3. バイナリ形式のライプラリ・ファイルのうち、 . fmt ファ イルだけはアーキテクチャ依存である。 これらの結果をもとに、はかの管理者たちと夜を徹して あれこれ知恵を絞った結果、とりあえす次のような構成で 運用することにした。この構成は、だけを考慮した ものではなく、 X や Emacs など、ほかの大きめのシス テムも同様の構成で運用することを考えて決定したもので ある。 1. 担当範囲を明確にし、複数台のマシンに個別にインス トールする手間を省くために、 Tb,X 関連のすべてのフ ァイルは 1 台のマシン上に置く ( 以下、このマシンを サーバーと呼ぶ ) 。 1 フォーマット・ファイル jtex. fmt や、 TFM ファイル、グリフ・ ファイルなど。 UNIX MAGÄZINE 1992.7

管理者の理想と現実 4 米林徳雄 X の環境整備 第 2 ラウンド開始 UNIX MAGAZINE 1992.7 に管理者がしなければならない仕事について説明した、決 多く見受けられるようになった。しかし、 ' I しを使うため 描丘では、 rIVfX の使い方に関する書籍や雑誌記事は数 今回は、 rIbX に関する話題をとりあげる。 翫 X の環境整備 入り混しった複雑な心境である。 が発生するであろうことは目に見えている。期待と不安の う魂胆なのである。しかし、そのぶんさまざまなトラブル ステムに揺さぶりをかけて、リフレッシュしてやろうとい かない部分から徐々に病んでいく。そこで、年に 1 回シ ら 1 年である。それ以上そのまま使用し続けると、目の届 えば、どんなに考えて構成したシステムでも寿命は半年か らである。これま可回かおこなった再構成の経験からい システムに要求されるスペックもどんどん変わっていくか ってしまうこともあるし、異動や仕事内容の刻ヒによって えている。ハードウェアの進歩によりマシン自体が占くな しつは、 1 カ月後に社内本のマシン環境の再構成カ すれば、逆にとても恐ろしいことである。 もしれない。トラブルか表面化せず、深く潜伏していると ない。しかし、見方を変えれば、発病前の潜 ( 月間なのか 発生していない。それはそれでありがたいことにはちがい つや 2 つは起こるかと思っていたが、たいしたトラブルは る。それだけの時間があれば、ネタになりそうな事件の 1 最初の原稿を書いたときから 4 カ月か経過したわけであ 持回りて始めたこの連載も、今回から 2 周目に入った。 定版 " というべきものにはついぞお目にかかったことがな い。もっとも、の利用目的や使用可能な出力デバイ スがサイトによってさまざまに異なるのだから、当然とい こて紹介するガ去 えば当然かもしれない。したがって、 がすべてではなく、もっとよい設定ガ去はいくらでもある にちがいない。ただし、以下に紹介するのは、私のプリン タ世話人としての試行錯誤の結果であり、何回かのシステ ム再構成の荒波を潜り抜けて生き残った方法論でもある。 システムを 0 から作らなくてはならなくなった方々 の参考になれは幸いである。 じつは、 ' I しのソースー式を入手してコンパイルし、イ ンストールすれば使えるという段階になるまでにはいくつ か難関があるのだが、それは管理者の仕事に直接かかわる ことではないので機会を改めて紹介したい。 ごくごく簡単な復習 ご存しのように、 rIVfX はユーザーが作成した文書ファ イルを出力デバイスに依存しない形式 (DeVice lnde- pendent 形式 : DVI 形式 ) のファイルを作成する段階 と、 DVI 形式のファイルを重の出力デバイスに合った 形式に変換する段階とを経て、実際の出力 ( 綢か得られ るようになっている。 第 1 段階では、各フォントに含まれる文字がどんな形を しているかは重要ではなく、文字の幅や高さ、特殊な場合 に使用される補正値などの情報が必要である。これらの情 報は、 Font Metric ファイル (TFM ファイル ) に 記述されている。つまり、が正常に動作するために は TFM ファイルカみ込めなければならないのである。 第 2 段階では、・一逆に各フォントに含まれる文字の図形的 な情報が必要である。英字の場合、文字の図形的なピット 105

。 00k 0 『 vi 入門』 ・し 800 円 ・ A6 判、 206 ページ ・アスキー ・福崎俊博訳 ・ Linda Lamb 著 0 evEW ⅵ入門 私の最近の仕事は、文章を書くことと、それを整形す るための X のマクロに手を加えることです。文章は A4 判で 300 ページ程度のものが多いのですが、これく らいの分量になると、いくつものディレクトリやファイ ルに分かれているので、私にとっては Emacs で編集す るほうが快適です。また、整形には X を使うことが多 いので、 cmutex などのツールがある Emacs がますま す便利です。私の仕事時間の多くを占める mail の読み 書きにも、 mhe ( MH の Emacs インターフェイス ) を使 います。そのはかに、 gnus(Emacs 上のニュースリーダ ー ) にもお世話になっています。もちろん、この文章も Emacs で書いています。 と、このように Emacs だけで生きているようにみえ る私ですが、エデイタのもう 1 つの大御所ⅵも使わない わけではありません。計算機やソフトウェアのインスト ールをするときに使うのです。 /etc/passwd や /etc/ hosts などの設定ファイルや Makefile の編集には、ほ とんどといってよいほどⅵを使います。言 t 算機のインス トール作業では、 Emacs が使えないことが多いので、自 然にⅵを使うようになったのでしようか。しかし、使う といっても、単純に使用時間で計算すると Emacs とは くらべものになりません。ですから、ⅵは、、ちょっとし た編集なら大丈夫クという程度にしか使えないのです。 というわけで、つねつ・ね、 ・、、 * ク以外の正規表現も使いたいなあ ・あ、あいつ、うまいことそこだけ消しよったけど、 ないすんねんやろか ・本読んだらええんやろけど、面倒くさいなあ ど てありました。手に取ってみると、私好みの薄い本です。 内容も、 ・実行例が豊富で、とくに説明を読まなくてもなんとな く分かる ・説明が簡潔にまとめられていて、リファレンス・マニ ュアルとして使える と私好みです。さっそく買って読み始めました。 ちょっとわくわくしながら、前から気になっていたこ ⅵって u で 1 回 undo できるけど、たしか、も と っと undo できるはすやなあ。どないんするんやったっ けクを調べてみることにしました。あらまあ、ちゃんと 載っているではないですか。、、 x"lpu ・ u ・ u 最後に目次を載せておきましよう。 かった。 マンドで c オプションを使えばいいのですね。知らへん Replace のようなことができると書いてあります。 s コ もうすこし丹念に読むと、ⅵでも Emacs の Query います。 例が豊富なので必要なときにすこしすっ読めばいいと思 て返ってくる」と書いてありました。大変そうですが、 するのにかかった時間は、その何千倍ものおつりとなっ だけではないらしく、本書にも、「正規表現の構文を勉強 を予測するのはもっと難しいものです。そう思うのは私 は、記述だけでも呪文のようですし、その呪文から結果 次に、正規表現のところを開いてみました。正規表現 分かります ) 。 すればよいようです ( 意味は ? もちろんこの本を買えば 索引 付録 7 章 6 章 5 章 4 章 3 章 1 章 問題点のチェックリスト クイックリファレンス / 環境オプション / ex コマンド / ⅵの高度な使い方 一括置換 ex 工デイタ ⅵの中級コマンド 素早くジャンプする方法 2 章基本的な編集作業 テキストエデイタⅵ ヾⅵはちょっと苦手やなぁ〃と思うあなた、一読をお勧 と思っていました ( 先月号の書評でもよう似たこと書い たなぁ ) 。 ある日、「ワークステーションのおと」を書きに本誌の 編集部に行くと、アスキーの新刊本の棚にこの本が置い 104 めします。 ( 坂下秀 ASTEC) UNIX MAGAZINE 1992.7