アポロ計画が終って、現実とかかわりある、生臭い話題が一段落したせい く似ている。ということは、地球の場合と同じように、この中から、原始的 かどうか、それはわからないが、最近また宇宙における生命の可能性といっ 生命が誕生しつつある、と考えることもできるわけである。 た話のタネを、外電がしきりと伝えてくる。この頃話題になっているのはお カ 1 ル・サガン博士はこういっている。 もに木星と土星の月で、科学者たちは、最近の観測計画に基づいて、そのど 「タイタンは、一種のタイムマシンである。われわれはタイタンを観察する れかに原始的な生物が存在しているかもしれない、と主張しはじめている。 ことによって原始の地球の時代にまでさかの・ほることができる。私はタイタ たとえばタイム誌は、アメリカ、コ 1 ネル大学の有名な天文学者、宇宙生 ンに生命があることは疑問の余地なしだと思う」 物学者のカール・サガン博士とその観測チームが、土星の衛星タイタンを、 時を同じくして、木星の衛星からも、生命の可能性をしめす新発見のニュ 1 スがもたらされた。ュ 1 ローパとガニメデがそれで、木星の十二個の衛星 赤外線、望遠鏡で観測した結果、その温度が、従来考えられていたよりもず っと温かい、摂氏零下七三度であり、さらに、やはりいままでの推測よりも のうち大きい方に属する。 はるかに濃い大気を持っていること、かなり大量の水素ガスを宇宙空間に放 アリゾナのキル・ビット・。ヒ 1 ク国立天文台で、アメリカ、マサチューセ 出していることなどをつきとめ、その中に、原始的な生命の存在する可能性ツツ工科大学のア 1 ル・。ヒルヒアー教授とそのチームによってなされた観測 がある、と言明したというニュ 1 スを伝えている。 のスペクトル分析の結果によると、ユーロー。ハとガニメデの地表のかなりの タイタンは半径約四二四〇キロメ 1 トル、一〇個ある土星の衛星の中で最部分が、地球上の霜に似た氷で覆われていることがわかったのだ。さらに、 大のもので、惑星では水星にほ・ほ近く、地球の月の約一・五倍以上あゑこそれ以外のアリストとイオにも、霜にちかい粒子の存在が認められたが、こ の衛星上に大気のあるのがわかったのも比較的最近のことだが、地球とくら の方は ( あまり確かなデータが出なからたというー べて約十倍も太陽から遠いのに , ーー太陽からの平均距離約一四億五〇〇〇万 こうした、木星の四つの内衛星に水が存在したということは、それ自体で キロメ】トルーー気温が予想以上に高かった理由について、サガン博士は、 は、ただちに生命の存在に継がらないが、その可能性は従来よりもはるかに ゲリーンハウス・エフェクト 大気が非常に濃密なためいわゆる温室効果が強いためだろう、と推測増大したと考えていし 、とビルヒャ 1 教授は述べている。 している。つまり、衛星をおおう雲が、太陽からの熱を、放射する分よりも また、別にワシントン・ポスト紙に発表されたメリーランド州立大学のポ ずっと余分に取り入れるためである。 ナンベルマ博士の研究でも、同じ可能性が主張されているという。 サガン博士の説によれば、この濃密な大気は、火山活動によって噴出され ポナン。ヘルマ博士は、一昨々年発見されたオーストラリアのマしチソン隕 た水素、メタン、アンモニアから構成されているが、これを太陽光線が叩く 石による原始生命の化学進化説 ( 当時この欄でリポートした ) の発表でも有 結果生ずる化学反応から、まず有機化合物ができ、さらにそれから、プリ 名になった人だが、彼は木星そのものの大気ーーーとくに上層の雲の中に、原 ンをはじめアミノ酸にいたるまでーーっまり、生命の芽生えを準備する複雑始的な単細胞生物が浮遊している可能性がある。と主張したのだ。 ワシントンポスト紙の記事によれば、ポナンベルマ博士は、アンモニア、 で巨大な分子が形成される。そしてこうしたさまざまの要素が、一種の濃厚 なスープ状を呈していると考えられるのだ。 メタンなどを含む木星大気と同じようなガス室をメリ 1 ランド大学の実験室 これはちょうど、いまから四〇 ~ 四五億年前の原始地球の大気の状能によ につくり、これによって実験を重ねた結果、そうした結論に達したもので、 我 " サイエンス・ジャナル 太系に生命を , る 加藤喬 4
ファンタジイ & サイエンス・フィクション誌特約 表紙絵角田純男 目次・扉中島靖侃 イラスト 金森達中島靖侃 斎物れ明い喜八 岩淵造第農男 宮崎茂月象当 9 F マガジン 4 月号第 ( 第 14 巻 4 号 ) 300 昭和 48 年 4 月 1 日印刷発行発行所東京都 千代田区神田多田 T2 の 2 郵 1 0 1 早川書房 TEL 東京 ( 254 ) 1551 ~ 8 発行人早川清 編集人森優印引所東洋印刷式会社 新連載 3 みもの ( , 特別企画日長期連載 。大河漫画「 - 鳥入大系第 + 二章ミタて 大伴日日司氏の死を悼む t-n でてくたあ サイエンス・ジャーナル . 大陽系に生命を探る 世界みすてり・とびつ 世界 LL 情報 一 1- つみ 人気力ウンター 早川書房刊行満十五年記念企画ーーー ^ 小説〉 ^ 漫画・劇画》 ^ アート〉各部門 三大コンテスト応募規定発表 / 第三回おとぎ歌舞伎と詩 ch コミックスの世界ー第回続・スピリット 統・絵筆の幻視者フィンレイ 現代宇宙詩シリーズ⑧不知 0 岸辺に / 使命 / 膨張する宇宙トーマス・ / ノリス / / ニコルソン ワーレド ファーマーの " ー 浅倉久志 特別掲載、論壇こ一、ユーヨーカーより版権取得 前進と上昇た ' ( 後篇 ) 日本こてん古典 cn LL スキャナー ^ 日本〉石川夭同司《海外〉福島正実 加藤喬 4 てれぼーと すへいす・たいむ・あんてなま : ・ : ・ : : : ・ : 2 ジェラルド・ジョナス 手塚治、虫 横田順弥 0 W ー 122 1 12 1 1 3
19 73 年 4 月号目次 に″。ヴな畔どルなれ。 for 勗“。ルな亟 e に g 娵加 4 : イ火 05E お OR EXCCLESIASTES, ◎の M rcu ヮ P 尾“ . 連載劇画 / ヴェル 、第 ~ 新・幻魔大戦 連作〃白亜シリース〃第五弾 メールシュトロームⅡ 冬の蠅 大使館 ☆ソ連作家競作 奈落の底から クリスタル ☆巻末特選ノウエル 伝道の書に捧げる薔薇 荒巻義雄 時の葦船第 天を支えてそそり立っ世界樹のもと、羊飼少年がものういまどろみの中で見た世界ー 第四章魔人・正雪岔 エムツェフ & ハルノフ 2 セーウエル・カンソフスキー 〈ファンタジイ & IL 詩特約〉 アーサー・ 0 ・クラーク フリツン・ライ ドナルド・ < ・ウォルハイム聞 ロジャー・セラスニイ 8 石森章太郎 3 平井和正 1 5 0 1 3 7