SFマガジン 1975年2月号

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目次

こんな真夜中に、この・ハスそれとも : : : ) ( 二時半か : は、どこへ向かって走っているのだろう ? ) そんなことを考えているうちに、急に恐く ばくは首をかしげ、夜光時計の下を通っなり、・ほくは大急ぎで元の座席に戻った。 元の座席には懐かしいような温みが残って て、・ハスの前部に向かおうとした。 ところが、ぼくの体はそこで何か柔かいもいた。その温みの残りエ合から判断すると、 ・ほくはかなり長いあいだ、その座席に坐りづ のにぶつかって、はねかえされた。 ( おかしいな。通路に仕切りがあるはずはなめだったのかもしれない : ばくは腕組みして、この不思議な状況を解 ・ほくは手さぐりで、目の前の闇をさぐってきほぐそうと努めた。 ( まず最初から思い出してみよう。・ほくは一 みた。さえぎるものは何もない。 体どこから、このバスに乗ったのか ? ) ・ほくはもう一度、前進をこころみた。 けれども、結果は同じだった。何度こころしかし、いくら考えても、それがさつばり みても、ぼくの体はやわらかく押しもどされ思い出せないのだ。 ( : : : そうだ、切符を調べてみれば判る ) るだけだった。 ・ほくはあきらめて、その見えない遮蔽物をそう思いついて、・ほくはポケットに手を突 とおして、・ハスの前部の様子をうかがってみつこみ、切符をさがした。 しかし切符は見つからず、かわりに見つか をしくつかの風船と、半分にちぎれ 前部にも乗客はいないようだった。運転手つたのま、、 の姿だけが、ぼんやりしたシル土、ツトになったチラシのような紙片だけだった。 その紙片を、・ほくは目の前にかざしてみ て浮かびあがっている。 しばらく運転手の様子を観察しつづけたた 0 なにやら字が書いてあるが、暗くてよく : 、変化はなかった。後ろ姿のシルエットだ読めない。 ばくはもう一度立上って、夜光時計のとこ けでは、詳しいことはわからない ( っげ義春の漫画みたいに、運転手が振向いろまで行き、その反射先でチラシの字を読ん たら、ネコの顔をしているんじゃない力な ? ど。 ・ : 待てよ、あれはイヌのお面だったつけ。 こ 0 305

夜のバス 石川同司さしえ☆楢喜八 : 亡びたるものども皆覚えある形して わが眼より数知れす鬣りて出づれば ( ポオドレエル ) 2 と、海沿いの道を走っているのだろうか。そ ういえば、心なしか磯の香りがする。 それにしても、こんな闇の中を、こんなス ビードで、ヘッドライトもつけないで、よく 走れるものだ : ・ ばくの座席は最後部の左の窓際。・ーーここか らは車内がよく見渡せる。 けれども、どういうわけか車内灯が消えて いて、乗客の様子ははっきりしない。どうや ら・ほくの他には誰も乗っていないようにも思 われる。 ・ほくは・ハスに乗っている。 ( なぜ・ハスに乗っているのだろう。どこへ行闇のなかに、かすかに光っているものがあ った。その光るものは、・ハスの震動につれ くのだろう ) て、ゆらゆらと揺れていた。 それがまるでわからない。 ( なんだろう ? ) とにかく気がついたら、・ハスに乗っていた のだ。 ・ほくは目をこらした。かなり大きい円形 夜である。真っ暗な道を、・ハスはかなりので、全面が白っぽく輝いている。 ス。ヒードで走っていた。 ぼくは立上って、その傍まで近付いて行っ た。通路の両側の座席は、全部からつぼだっ ・ハスには暖房が入っていないようだった。 ぼくは震えながら、窓硝子に顔を押しつけぼくはその不思議な光る物体のすぐ下まで て、外をのそいた。 行って、それを見上げた。 視界ゼロというのはこういう状態をいうのそれは、大きな夜光時計だった。・ハスの車 だろう。窓の外は濃密な闇がたちこめている体の中ほどの天井から吊り下げられていて、 ばかりで、まったく何も見えない。 震動のたびに揺れているのだった。 波の音がかすかに聞こえるところをみる時計の針は、二時半を指していた。 こ 0 304

た。途中でふたつに分かれるとこなんかもおもし というわけで、一度連絡を下さい。では。 惑」の士、四十歳過ぎての道楽はやめられないと ( 鳥取県米子市上後藤高木亮 ) ろい。でも恐ろしいですね。最後の方、ゾーとし か、私も多分棺桶までを抱いてゆくことに ます。少なくともコンテストの入選作よりはよか なるでしよう。若い方の同好の士は多いようで ったと思うんです。『夏の旅人』もよかった。 ミツル・、なに読んでらあ」 す。私ごとき年輩が投書までしたいということさ「おー そこで、何の関係なしにふっと思うんですけ え恥さらしであるのに、実はもうひとっーーこれ「あ、マガジンだよ」 0 : スケベ工、オメ、こんたの読んでるのかど、かんべさんってどんな顔してるんだろう。 まで、私の地方のファンとなんとか話合う機「ン : ー田さんや山田 ゃいやかんべさんだけじゃない。月 会はないものかと考えておりましたが、ついにそあ、どれ、見しえれ」 のチャンスなく、思いがつのってとうとうテレポ「あれ ? なんでえ、なんもスケ・ヘでねしや、正紀さんや : : : それにべテランの作家たちについ ートに名前を出すことにしました。 ( もっとも面だねか、でねえのかあ、ミツル、なんても非常に興味があります。だから・ Z さんに 白くないから没にしちゃえと編集部が決定されたておもしえか、あっマンガっこついてらあ、びやお願い。これからに小説を載せるときは作 っこ読ましえれ」 ( 注、びやっこというのは、ち者の顔写真もいっしょに載せましよう。それも一 らだめですが ) 番新しいのを : : : お願いします。 ・さて、当地方ーー米子市近辺、大体半日行程のよっととか少しの意 ) ところなれば対面できますねーーのファンのあー、これが私たちの言葉なのです。ひどいもあーあ、くだらないことを書いてしまったな 皆様、一度連絡をくれませんか。書店のはんだ、こうやって文字にしてみるとよけいひどあ、最後に私の高校には、を読むキチガイが い。でもあの桜田淳子ちゃんだって秋田に住んで存在しなくて寂しい想いをしております 9 誰でも 一月半ばには、ほ・ほ無くなるようですが、こと十一 月号については現在まだかなりあるようです。がたころは、こんな言葉を使ってたかもね。 ( ファ いから私に手紙でも書いてくださいな。 一んばってファンを増やしつつ、ひとっオッチンの方ゴメンネ ) ( Ⅲ秋田県大曲市白金町 6 の 7 佐々木充 ) ャンと遊んでみませんか。 私、高一の自称キチガイ。本棚には ;-k の 広告ーー・ いささか自己紹介をしますと、幼少の折ーー多本がみっちり詰まってるんだけど読んでないのが ファンダム・ニュース会員募集 かなりある。私にも一月号『てれ。ほーと』の桑野 分″こてん古典″でも紹介されると思いますがー ー海野十三、山中峯太郎などの科学軍事小説類、クンのように、ろくに読みもしないで本を買いこ 日本初のニュース専門誌「ファンダム・ とくに『火星兵団』なんてすばらしいものもあつむくせがあるようだ。要するにツン読なのです。 ニュ 1 ス」も四年目をむかえます。ファンダム た、あの頃にその物心をつけられ、成人してから さて一月号に載ってた、かんべむさしさんの『決のニュースから出版界のニュースまで、いよい はいささか多忙で十年程前に、ちらっと小松左京戦・日本シリーズ』、あれですか ? ちょっ よ充実した内容でお届けします。 6 氏の『タイムマシン』を見、古いで同氏のと疑問に思います。でもサイコーにおもしろかっ ※体裁版タイプ ( 一部タイ。フ・オフ ) 広告ーー 『自然の呼ぶ声』をはじめ『夜来る』『生きてい ※内容ニュース・新刊リスト・ る銀河』それから『時間と泥』などで、ふたたび 大阪のファンの皆さんー マーケット・全国グルー。フ紹 欲望が燃えあがり、以後はーーまあ大して分量と 大阪 ;-u ファンクラブ 介・全国集会案内・他 しては多くを読みこなしたとはいえませんが、セ ′ライン″ ※会費年額五百円 ( 送料共 ) ンス・オプ・ワンダーのなんたるかは分からずと に入会してみませんか ? ※刊行年七回 ( 本誌六冊、別冊一冊 ) ・も人後に落ちず、持てあましている次第です。現 自分の書いたを回し読みし批評しあいま ※発行日本ファングルーブ連合会議 在はソビエトにレーダーを向けております。 せんか ? その気になったら往復葉書で左記ま 御興味をおもちの方は、左記まで返信用切手 今年から″イスカーチェリ″を購読しております で連結を。なお入会金はゼロー を御送り下さい。詳しい案内状と、「ファンダ ・が、まだ目次を読んだだけで内容までは手が、い 3 大阪府大阪市住吉区杉本町 1 の ム・ニュース」の見本を一冊進呈します。 0 や頭がまわりません。ほんとに若い方で、よし僕 山本恵子 3 〒東京都保谷市柳沢 6 の 2 の が読んでやるという人でもあれば、こりやもう : 〔 1 0 ー、 6 3 3 ーっひ 10 8 加藤義行