剣刻の銀乙女3 (一迅社文庫)

キーフレーズ

シルヴィア ルチル ヒース エステル エリナ クラウン シルヴィ テルヌーラ シルヴィアに 言っ 従刻 ーーー ドートレス 自分 円卓の騎士 騎士 エストレリヤ プレギエーラ エリオット 少女 道化師 ュングフラウ シュタインボック 乙女 カタリーナ 思っ けんこく 兵士たち アフナール 考え 思う 気づい 上げ ティーフェ 私たち 確か 向け シュタインポック お兄ちゃん 魔力 背中 王都 ベルト 相手 所持 兵士 封印 言葉 必要 手島史詞 三か月 ニコル 漏らし 守る 失っ 黒竜 存在 意味 上げる 向ける 言わ 魔術 地面 理解 視察団 持っ 助け 魔王 兵営 そんな しよう シュティーア オーメン レーヴェ 一撃 行動 漏らす 部下 巨体 大丈夫 見え 見せ

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なんで、シルヴィまで苦しんでる : : : ? シルヴィアも、肩を押さえて苦悶の吐息を漏らしていた。 まるで、《剣刻》に共鳴するように。 だが、それを問いただす暇はなさそうだった。 「ヒース、刻魔が : 森のざわっきが、次第に大きくなっていた。 おび エステルが、法えるように震えた。 「ふたつ目が、壊れた : ヒースは最初、エステルがなにを言っているのかわからなかった。 だが、次の瞬間、身を押し潰すような重圧を感じて理解した。 〈門〉の次の封印、か : エステルは、破られたのは一番外側の封印 女 〈門〉だと言った。それ以外にも、 乙 銀の封印が重ねられていると。 刻・ 陽は、すでに落ちていた。刻魔が解放されて、すでに丸一日が経過したことになる。 二番目の封印が、砕かれてしまったのだ。 いノ \ つ、か

178 あるいは、刻魔に明確な意志があるからか。 森を見つめていると、慌てた様子のニコルが飛び出してきた。 「た、大変です。森から、魔物が ! 」 ヒースは息を呑んだ。 「なんでだ ? 兵営を通らずに、この村にか ? ドートレスが撤退できないのは、すぐ後ろに村があるからだ。そこにいる息子を守るためだ。 じゅうこくま それが、やすやすと従刻魔に突破させるはずはない。 「恐らく、渓流に阻まれてこちら側に出てしまったのではないかと : ヒースは、エステルを見た。 ふさ まだ顔色も悪く、傷も塞がっていない。 立っているのもやっとといった様子だ。 「俺が行く」 困惑の声を漏らすエステルを尻目に、ヒースは右手を突き出す。 「もう一度、力を貸してくれーー《シュタインポック》」 つむ その手に、金色の槍が紡がれる。左手には、普段から愛用する鋼の槍。 双槍っていうのは、邪道なんだけどな : えもの 槍という長大な得物は、右と左のふたつの腕ーーふたつの点を以て初めて、針の穴を通す精

179 剣刻の銀乙女 3 密にして必殺の威力を持つ。 両手で扱う大剣を、片手で扱っても得物の重さに振り回されるだけだ。 槍も片腕というひとつの点では、腕力にものを言わせた力業となる。それは技ではない。素 人が振り回しているのとなにが違うだろうか そんなの、師匠に見られたら殺されるな。 それでも、ヒースは二本の槍を求めた。 「ちょっとヒース、なに考えてるの ? エステルが抗議の声を上げるが、傷ついた彼女にヒースを止める力はなかった。 「約束は守るよ。ちゃんと、戻るから。ニコル、彼女たちを頼むー そう言って、ヒースは駆け出した。 すっと、守られる側だったからな : 不謹慎かもしれないが、エステルが力を失ったことで、ヒースはようやく彼女を守る立場に 回ることができた。 自信が唯一誇りを持っことができる、槍という技でエステルの力になれるのだ。 さいやく これから押し寄せるのが、三か月前の惨劇を上回る災厄だとしても、血が沸き立つような感 覚を押さえることができなかった。 そんなヒースの背中を見送ったシルヴィアは、ひとり自分の手首に巻いた木の実の腕輪を眺