SFマガジン 1984年8月号

キーフレーズ

スティ ームス アイリーン The 作品 アメリカ llll 自分 ヴァルキリー 早川書房 刹子 ヴォネガット ジョージ 作家 言っ ジョンソン スージー 司政官 日本 神津 思っ ビンダー 雪女 考え ジミー 大尉 人間 コンサルタント 浅倉久志 世界 定価 少尉 美佐子 伊藤典夫 部屋 徹郎 スクリーン 船団 ウイスボア タクシー 警備艦 宇宙 ゲーム ーーー 六百円 エリア 思う ミンガッ 持っ スティームス ノートン 時間 可能性 ウインストン 小説 そして サシエヴラル 二人 金星 ハヤカワ文庫 思い 映画 クラーク キャンベル 長篇 単位系 東京都 入っ 意味 シリーズ タイムマシン 言葉 見え ムアコック スペース・オペラ 存在 母親 知っ できる 最初 物語 タトラデン イギリス ファン ポール

目次ページ

ジョンソン少尉が、つぶやいた。たった今までスクリーンの中を 単位が命中したところで、ほとんどダメージを与えることはできな ビーム長が三〇〇メートルしかないレーザ光東はしかし、目標移動していた五つの輝点が、ほんのまばたきする間に消え失せたの に反射、あるいは吸収されて赤外反応を起こさせる。ダメージは与だ。機器の故障かとセンサー群をいらだたしげに操作したが、消え えることはできないが、目標の赤外反応に混じった命中弾の反応た輝点が再び現われることはなかった。 を、ヴァルキリーのセンサーが〕検出した時、目標は位置を曝露す当惑は、他の二人も同様だった。間の抜けた数秒のあと、ようや る。 く溝ロ大尉が口を開いた。 。五隻とも撃破された。推進剤タンクの内部圧爆散 : 着弾観測の成功と同時に反応までの時間から、命中した点射単位「無駄だ : が逆算され、その位置に向けてさらに濃密な斉射が撃ち込まれる。 ・ : 集中レーザ砲撃をもろにくらった跡がみえる。生存者がいる可能 発射。 性もあるが、なっかしいな。救出は」 第四斉射の一二〇の点射単位のうち、半数近くが命中していた。 「レーザ砲撃だって」 目標の移動速度を修正し、散布界パターンをさらにし・ほり込んだ第 ジョンソン少尉が眼をむいた。 五斉射が、間髪を入れずに発射された。そして、〇・一秒後には、 「そんな : : : 。最接近距離は一万キロ以上あった・せ。五隻とも全部 赤外反応はランダムに、そして一挙に増大した。 なんて : : : 」 第一目標、爆発を認む。目標を第二へ変換。 「どうやら奴らは、長距離レーザ砲撃システムの開発に成功したら 第一斉射から撃破確認まで、〇・五秒だった。ヴァルキリーは、 しいな。俺達の方に来なかったのは、めつけものだ」 すでに次の目標に斉射を始めていた。 それから大尉は、ダッ少尉に言った。 次第に船団との距離が近づくにつれて、斉射回数は少なくなり、 「減速して船団の位置に移動する。散開していた各船の戦道をスャ 最後の目標は初弾で命中弾を得、第二斉射で爆散した。 ャンして、人間が乗ってそうな残骸をさがせ。らしいのがあったら 二秒とかからぬ内に船団の五隻の輸送船はことごとく撃破され、片 0 端から俺の方にデータをまわすんだ。俺は邂逅軌道を算出す 船団との最接近位置のはるか手前で戦闘は終了した。 る。ジョンソン少尉は」 ヴァルキリーは、次の攻撃目標に向かって姿勢制御を開始してい ようやく我にかえった少尉が、視線を向けた。 「君は、戦闘記録だ。生のデータでいいから、撃破の瞬間の記録を 作らにゃならん。それとあれの現在位置と速度はたえずチェックし ておけ。どこに行こうとしているか、確かめて艦隊本部に打電だー 「了解ー 「 0 」 こ 0 「消えた・ : : ・」 ファイア 229

二人が答え終わらない内に姿勢制御の横がコクビットをゆさぶった。沈められるまでに対空レーダーは装備されたみたいだが、 ーダー射撃をやったかどうか、よく知らん」 った。それが停止した時には警備艦の主機点火によるが乗員に上 下感覚をよみがえらせた。 それから大尉は少し考えたあと、続けて言った。 誰もがデータ処理に忙殺されていた。そんな中で、輸送船団の残「その当時の戦艦、正確には第一次世界大戦前のドレッドノート級 くつか発見された。だが、 骸の中から生存者のいそうな部分が、い から大和級まで、いろんな型の戦艦が作られては沈められていった 救難信号らしいものは、全くキャッチできなかった。それらの残骸 が、基本的な設計方針はどれも同じだ。八門ないし十門、時には六 と邂逅する軌道を算定し、セットしてしまうと、緊急にやるべき仕門や十二門なんてのもあったらしいが、それだけの数の主砲を同一 事はなくなってしまった。邂逅・生存者救出ということになると、 口径でそろえて、ドレッドノート以前の戦艦にあった中間口径の砲 、刀 それこそ戦場の忙がしさになるのだろうが、それまでの間は。ほっ、 は一切廃止した。副砲というのもあるにはあったが、主砲の半分か りと開いた空白のような時間が残されていた。 ら三分の一くらいの口径しかない。そして、主砲の八〇パーセント は、左右どちら側にいる敵に向けても撃てるように配置されてい 何となく沈黙に耐えかねたように、ダッ少尉が言った。 た。大和級の場合は、一八インチ砲九門が、三門三砲塔にまとめら 「レーザ砲撃に間違いないんでしようか ? あれは」 れて艦の中心線上に縦列配置されていたから、常に全門を片舷に向 だが、二人はその質問を無視した。他にどんな兵器があるのか、 想像もっかないし、答えようもない。ダッ少尉もそれは充分にわかけて斉射できた。わかるか ? 」 っているようだった。少しばかりの沈黙のあと、再び彼は誰に聞く 二人は黙って聞いていた。二人とも大尉が何を言おうとしている ともなく言った。 のか、よくわからないものの、長距離砲戦の話を熱心に理解しよう 「レーザ砲撃だとすると、射撃管制にレーダー以外のシステムを開としていた。大尉は続けた。 発したんじゃ・ 「つまり、戦艦の主砲は一斉射撃を前提にして搭載されているん 「うるせえな ! 考えてるんだから黙ってろ」 だ。大和級の場合、四〇キロ以上の射程距離を主砲は持っている いきなりジョンソン少尉が、さえぎった。それからしばらくのが、この距離をレーダーなしで砲戦をやろうとしたんだ。もっと 間、ジョンソン少尉はふすりとしていたが、やがて溝ロ大尉に向かも、レーダーが実用化されたのは第二次大戦中のことだから、ドレ って言った。 ッドノート級以後の戦艦は全部、光学測距儀だけで長距離砲戦がで 「その、昔のなんとかって言う戦艦の射撃管制は、どんな手を使っきるようなシステムになっていた。戦艦に限ったことじゃないが。 てたんですかね。さっきから気になってたんだが、そのころからレ いいか、敵に対して常に同一口径砲で一斉射撃をするというの ーダーはあったんですか ? 」 は、ここなんだ。単一の目標に一斉射撃をしても、同じ場所に着弾 「レーダーは一応あったが、大和級の竣工時には装備されていなかすることはあり得ない。砲の精度誤差、炸薬のばらっき、砲架のエ レ 230

作精度の差や艦体のねしれによって、幅と奥行きを持った楕円の。 ( ターンの中に着弾する。このパターンのひろがり、主砲散布界で敵 艦をつつみ込むのが、戦艦の一斉射撃の意味なんだ。 初弾は、光学測距儀によって決められた距離と方囲に発射され る。そして発射の約一分後の着弾が観測されて距離と方位が修正さ れ、第二斉射が行なわれる。散布界パターンは、幅より奥行きの方 がずっと大きいが、距離測定誤差も同じように大きい。だから初弾 の弾着が近弾なら砲の仰角を増し、遠弾なら下げてやる。この間の 弾着観測は、全部光学望遠鏡で行なわれる。 戦艦が中間砲を持たずに、副砲も口径がずっと小さい理由は、こ れだ。射程の短い中間砲が同じように砲撃すれば、途中の海面に水 煙が上がって弾着観測ができなくなるからだ。 そして、もし初弾が命中しなくとも、何度か修正を加えればやが て着弾は敵艦を挾む。挾錯弾だ。そうすれば被我の速度と進行方向 だけの修正で同じ位置に撃ち込めば、多数の命中弾が得られる。 艦隊同士の戦闘でも、これと同じだ。艦隊司令の指示した目標を 各艦がそれぞれ射撃し、発射と同時に時間を計れば、対敵距離から 着弾の瞬間が予想できて、他の艦の弾着と区別がつく。 何十キロも先を全速で航行している目標に、砲弾を命中させる方 法は、これだ。主砲一斉射撃、弾着観測、修正、このくり返しを決 定的なダメージを与えられるまで続けるというわけだ」 「つまり、フィード・ハックか」 ジョンソン少尉が独り言のように言った。 ・ハックはなかっ 「レ 1 ダーで射撃管制するレーザ砲には、フィード た。たぶん、あの敵艦は何らかの形で弾着観測を行なっていたんだ ろう」 カート・ヴォネガットの世界 チャンピオンたちの朝食 浅倉久志訳定価 1600 円 モン←・ハウスへようこそジェイル / ←ド 浅倉久志訳定価 1200 円 伊藤典夫・他訳定価 1700 円 ハヤカワ文庫 SF 猫のゆりガご プレイヤー・ピアノ 伊藤典夫訳定価 360 円 浅倉久志訳定価 580 円 ロースウォーターさん、 タイタンの妖女 あなたに神のあ恵みを 浅倉久志訳定価 420 円 浅倉久志訳定価 380 円 スローターハウス 5 スラップスティック 伊藤典夫訳定価 340 円 浅倉久志訳定価 340 円 早川書房 単行本 2 引