SFマガジン 1984年9月号

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0 0 0 0 3 ニッキー・シコロフは、二度も同じ手を使うほ ど馬鹿ではなかった。 ()n のサービスマンにな りすまして、集計回線に手を加えるのは、一度限 りだ。既に当局が動き出している今、集計機に盗 聴器をとりつけることは不可能と思ったほうがい 。やや均整を欠くが、次善の策で行くより仕方 あるまい。 法務省には、金でやとったおとりを送り出して 早おいた。とつつかまえるか泳がせるかは、奴らの 好みのままた。 ニッキーは、クレアポイント市内のマンション 一階を借りた。一階は、ネットワーク集合情報回 線のターミナルが設置してある地下室に最も近 。法務省の回線集計センターより、はるかに危 AAAAA 険は少なく、当面の目的にと「ては充分だ。 ニッキー・シコロフは、目立たないグレイのト レ 1 ニング・ウェアを着て、地下室へ降りるステ イ 1 ル・ドアにすべり込んだ。職業的犯罪者にと って、この手の電子錠など、子供だましに等し 彼はこれから、次の標的の選別にかかるのだ。 ーワルタ ー . シュミツツの時よりも、はるかに易し い作業となるたろう。 「警部、えらいことです ! 」 低速ドアを、もどかしけに両手で引きあけて、 ダーゲット 5

小柄でハンサムな刑事が駆けこんで来た。 スキツ。フ警部は、ひっくり返った灰皿を、。フラスフォームの床に 「何だ ? 」 はらい落とした。 一瞬、ビンチョンが戻って来たのかと思って立ち上がりかけたス ロドリゲスが話を続ける。 キップ警部は、ロドリゲスの浅黒い顔を見ると、再びずるずると椅「最後の回答者もわかりましたーー」 子の中に落ちこんだ。 「最後の回答者 ? 」 「警部、法務省のコンビュータが盗聴されていたのを御存知です ロイ・ミラーが眉を上げた。 「秤の針を押し上げた男ですよ。三十九・九九九九パーセントか イン・ロドリゲスは、一「三のデスクにつきあたりながら、スキら、四十パーセントへの橋わたしをした人間。決定的瞬間に、賛成 ップの所まで突進した。 投票をした男ーー言うなれば、シーグの起訴を決めた一本の藁で 無論、スキップはそんなことは御存知ではなかった。 「集計機に、データ送信器がとりつけられていたんです。一週間前 「そうか , ーー勿論、そうに違いない」 ちょうど、シーグの起訴投票があった頃に、です」 スキップ警部は、ひとりうなすいた。 今度こそ、スキツ。フ警部は立ち上がった。 ロドリゲスが、いよいよ運命の男の名を告げようとした時、。ヒン 「何だと ? それが、今になってわかったのか ? 」 チョン刑事が、薄いファイルを小わきにかかえて、しめつぼいオフ 「情報五課が、この件を極秘扱いに イスにとびこんで来た。 「馬鹿が ! 」 ・シュミツツのどこをたたいて 「お手あげですよ、警部。ワルター スキツ。フは、こぶしでデスクをたたいた。派手な金属音とともも、シコロフとのつながりなんか出て来ません。十いくつの情報タ に、銅の灰皿がひっくり返る。 ナルとアクセスしましたが、全くわからんのです。こいつはー 「けちなマスコミ・ ス。 ( イが、そこまでするものか。シコロフの奴ー」 らだ ! 」 べらべらしゃべりながら入って来た。ヒンチョンは、彼の横で、あ 「あたしも、そう思いました。で、情報源に確認してみたところがんぐりと口を開いているロドリゲスに気づいて、言葉をとめた。 「どうかしたんですか ? 」 ロイ・ミラーは、皮肉な目付でロドリゲスを見やった。ニュース 「おまえ、どこからその、ワルターの名前を拾い出した ? 」 ・ソースは、例によって、不器量な女秘書か何かだろう。 「名前 ? 」 「盗聴されたのは、投票時のネットワーク回線、しかも、シーグの スキップは、煙草に火をつけた。 起訴承認回答がちょうど四十パーセントに達する前後の時間です」 「ロドリゲス、シーグを起訴した一本の藁はな、三日前にニッキー 6

ー・シコロフは、交換局にしかけた発信器からの。ハルス ・シコロフに殺されたんだ。ビンチョン、もういいそ。つながりは を、高速光学レコーダに記録した。記録できたのは百通話前後。今 わかった。報復だ。ロイーー」 回の目的には、それで充分だ。一人か、二人の社会保険ナン・ハ 手に入れば、それでいし 「あと、どのくらいだ」 ニッキ 1 は、レコーダを動かし、情報を引き出しにかかった 「三分足らずですな。投票がさつぎのペースで進んでいるとする 天皿に置いたマリファナが、一本灰になる前に、十人の番号が手 ニッキーは、レコ イエス″と答えた十人の連中 スキツ。フ警部は、カンガルーもかくやというストライドで、情報に入った。″ 】ダの出力端子を、汚れたデスクの上のユニコムにつないだ。 端末にとびついた。 これでよし。あとは、ナイハーを選び出すだけだ。短くなったマ 「どうする気です ? 」 狂ったようにキイボードを操作し始めた警部に、。ヒンチョンが説リファナが天皿からころげ落ち、くすんだ灰色のデスクの上で消え るのを、ニッキーは冷たい目でながめた。 「どうする ? 決まってるだろう。投票を延期させるんだ。さもな こんなものだ。何だって、これと同じだ。 いと、また一人、ライフルで殺られることになる」 ニッキーは、中央データ・ハンクを呼び出し、住所・氏名の照会を ロイ・ミラーは、ものうげに日本製のフィルム・デジタルをのそ始めた。社会保険番号は、別に秘密でも何でもない。個人の暗唱コ ードに用はなかった。ニッキーは金を引き出そうとしている訳では いた。こいつはひどい。ひどすぎる。シコロフ兄弟は、仲間がアゲ られた責任を、端末のキイをたたいただけの男に負わせたのだ。そない。彼が欲しいのは、住所と名前だけだ。 の男のキイが、厳密に言えばシーグの訴追を決定したのだという訳実に単純だ。この単純さこそ、シーグの仇をうっと同時に、ニッ で。 キーの命を救うものなのだ。 命と、そして自由。二つは、一緒でなければ意味がない。 ニッキー・シコロフは、ターミナルの表示部にずらりと並んだ、 「ネットワーク投票システムは、民主々義の最も困難な課題ーーー司 法への国民の参画という課題に対すゑ一つの究極的な回答と言う銀色の数字とアルファベットの列をながめると、にんまり笑った。 シーグを殺した奴ら ことができる。言うまでもなく、真の民主々義の実現には、立法 府、行政府に対する、国民の積極的介入に加えて、司法権への参与右手をデスクの抽斗につつこみ、折りたたんだ武器をとり出す。 ニッキ 1 ・シコロフは、仕事の前に、必す道具の手入れをするの ということが、不可欠になって来るのだ」 ライツ・。フレントン ( 前掲書 ) と」 7