週刊現代 2016年11月10日号

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無用で皆殺し。奉行はよはど焦って て いやがるようだ。そんな野郎が、 コ - めえの醜態を知る田舎役人を江戸に 》なんて連れてくもんですかい。真面 目に勤めりや勤めるほど馬鹿をみる 0 だけで」 「うぬら : : : 一体何者だ」 「人でなし奉行のツラの皮を剥いで やりたいってだけのもんですよ」 「戯れ言を」 刀を振り上げた壱右衛門の背中 に、お炎がコルトの銃口を突きつけ 壱右衛門が息を呑んで硬直する。 「背中のこれがなんなのか、いくら 酔ってたって見当くらいはつくはず さ。だったらそのなまくらをお腰に しまって、もうちょいとばかり話を 聞きな。酔っ払いに刃物は怪我の元 だよ」 さすがにコルトの威力は耳にして いたのだろう。壱右衛門は蒼白にな って抜き身を鞘に収めた。 とも、その前に一仕事してもらいや若いに似合わず、音次郎の手練手管足るだけの条件を引き出さねば踏み 「そう、それでいいんだ : : : さ、音すがね。金が足りねえってんなら、 はなかなか堂に入ったもの。 切ろうにも踏み切れまい さん、続けておくれ」 要るだけ用意させてもらいやすぜ」 「いやいや、その手には乗らぬ。た そうした心の動きさえ、お炎と音 「へい」 「 : : : 本当か」 とえ一時の金をもらったとしても、次郎の予測したうち。 「ええ、本当ですとも」 音次郎は再び壱右衛門に向かい、 御役目を捨てたらこの先わしはどう 「そこはどうか御心配なく。旦那の 「ともかく、あんな奉行についてた もともとがたやすく酒色に溺れるやって暮らしていけばよいのじゃ。 身の振り方は、四海屋がちゃあんと ってろくなこたアねえ。第一、旦那弱い男だ。そうした性根を見抜いたのう、そうは思わぬか」 お世話させて頂きますよ」 は今すぐにでも借金をなんとかしな からこそ奉行も彼を疎んじたのであ しかし壱右衛門も抜け目がなかっ 「なんと、するとうぬらは本当に四 くちゃ、遅かれ早かれ御役御免。だろうが、そんな本音はおくびにも出た。と言うより、必死であった。出海屋の手の者であったのか」 ったらその金を持って、今のうちにさず、音次郎は甘言を弄する。 し抜けにこの上なく重大な選択を迫「まあ、そんなところで」 島を出るのが利ロってもんだ。もっ与四松に見込まれただけあ、って、 られているのだ。己を納得させるに 「四海屋が佐渡で何を企みおる」 る。

探検家、角 一歳の事情 「それで、わしに何をせよというのます」 「御意」 じゃ」 「なに、四海屋の船だと」 「この機を待っておったのだ。一人 あさましく下生えの草をかき分け真宰は筆を置いて顔を上げ、 たりとも逃がしてはならぬそ」 ている壱右衛門を見下ろしながら、 「間違いはないか」 「おそれながら、新式の鉄砲を備え 音次郎が慇懃無礼に告げた。 「は、漁師の話に拠りますれば、帆おるほどの相手。万全の用意を整え 「なあに、大したことじゃあござい に升四、すなわち四海屋の屋号が大るには、相応の時間がかかるものと ません。ちょいとばかり地獄の道案きく記されていたとのこと。まず間愚考仕ります」 内をお願いしたいだけで」 「ならばこれよりすぐに手配にかか 違いはございますまい」 壱右衛門は目を剥き、次いではっ 「沢崎の浦目付役は誰じゃ」 り、明朝、夜明けとともに海に出る すすきさんばちろう としたよ , つに、 というのはどうじゃ」 「鈴木賛八郎にございます」 「もしや、うぬらは公儀の御用で奉行所の書院にて執務中であった「む、その者では心許ない。その方「それならば、まずなんとか」 奉行中島真宰のもとに、腹心の鹿内が沢崎浦目付所に出向いて采配をと即答した玄蕃に、奉行は満足げに 「さあて、そこら辺はどうでしよう玄蕃が駆け込んできたのはそろそろれ」 かね。ま、どっちにしても、旦那に申の刻になろうかという頃であっ 「はつ」 「できることなら一味の頭目は生か とってはまたとないお話だと思いまた。 「沢崎浦目付所を陣として、近辺のして召し捕れ。彼奴らの後ろで糸を すがね」 「申し上げます。沢崎の漁師が西の船と捕り方を残らず集めて包囲を固引く者が誰か、余直々に確かめた 音次郎は否定せず曖昧にごまかし沖合にて停泊中の船影を見つけ、密めるのじゃ。、 しや、捕り方だけでは い」 た。駆け引きの呼吸を心得ている。 かに近寄りましたるところ、四海屋ない。漁師どもにも船と人を出すよ「御意」 「相分かった」 の船であると知り、急ぎ引き返したう命じよ。よいか、彼奴らに悟られ「それが無理なら、一人残らず斬り 心を決めた途端、壱右衛門は足許との届けがあった由、ただ今、浦目ぬよう心せい。船手役、御船水主に捨てい。此度の件、万が一にも御公 の小判を夢中で拾い集め始めた。 付所より知らせが参りましてござい も沢崎に向かうよう申し伝えよ」 儀に知られることがあってはなら マラリア青春記 原始人のニオイ 忘れ物列伝 不惑 , 爿しつは私こんなに 三当 毒 ~ 不ケナ手人間なのてす」シ体 三妻子をも 0 た探検家のヂ 人間とイヌ小市民的日常。 田 極位位下 生肉と黒いツアンバ 北五ニ一 レト M 1847 羽衣 無賃乗車い 母牛の怨念 文藝春秋 〒 102-8008 東京都千代田区紀尾井町 3 -23 http://www.bunshun.co.jp

レト M 1847 羽衣 緊張の中にも殺気を漲らせた面持ちなった。だが大きな声を出す者は一敵が早いか、こちらが早いか で、一様に押し黙っている。日頃は人もいない。誰も口を開くことな - いずれにしても夜明けまでの勝負だ 「心得ております」 0 「一味の者を一人斬るごとに報賞を豪放で陽気な漁師達とも思えぬそのく、また必要があれば囁き交わすよ 波濤さえも闇に沈む重苦しい夜。 うな小声で話す。 コ , 遣わす。頭目を捕らえた者にはその沈黙は、なにやら不気味でさえあっ 銛や荒縄を手にした荒くれ男達が砂を踏んで歩きながら、砂の音をま 1 倍じゃと捕り方、漁師どもに伝え置た。 ったく立てない。玄人ならではの足 やがて一同の前に、浦目付役の鈴集められ、船が次々と並べられてい く。夜の漁や寄り合いに必須の松明取りで進んでいた与四松は、突然ぎ 「ははつ」 木賛八郎が隣室から顔を出した。 主の儀右衛門がすぐさま上座を浦は一本も点されていない。漁火、篝よっとしたように立ち止まった。 奉行中島真宰の指図により、すぐ 火はおろか、焚き火の一つもない暗なんだ さま奉行所から役人達が四方へと走目付役に譲る。 そこは漁場でも港でもなんでもな 「今から拙者が申すことはこれすべ闇の作業だ。 て御奉行様よりの御申し付けにて、 そうした様子を、海岸に迫った林 。背後を崖にふさがれた、普段近 の中から窺っている男が三人。 寄る者さえないはずの場所である。 沢崎から南東に十町ほど進んだ所固く他言無用のこと。よいな」 まずそう言い置いてから、賛八郎与四松率いる玄人衆である。 何かいる に深浦という漁師町がある。 えもん 網元である深埜儀右衛門の屋敷は謎の一味の拠点と思われる四海屋「どうやら十海丸の場所がばれちま抜かりなく身構えて暗闇にじっと 目を凝らす。 、主だった漁師の頭達が密かに呼の船を急襲する策について打ち明けったみたいですね」 いや違う び出された。 そう言ったのは傍らに控えた吾人か : ついては、各々が男衆を率い助。 波打ち寄せる砂浜に、人間大の柱 南蛮海老、ずわい蟹、烏賊、鰤な のようなものが建っている。 ど、特産品とも言える海産物の豊富て船を用意し、浦目付所からの合図「頭、こいつはまずいぜ」 、つのきち これは宇之吉という与四松と同年文字通りの人形であった。 な佐渡では、各漁場の網元が大きなを待って夜明けとともに漕ぎ出す。 砂を捏ねて固め上げた像の頭部 権勢を持っている。儀右衛門の屋敷一味の者一人討ち果たすごとに奉行配の男。 に、白い幣が頭髪のように理め込ま 「だが連中、俺達が総出で島を探索 も生半な武家屋敷に劣らぬ門構えを所より御褒美が下されるによって、 存分に働くよう。相分かったな」 中だとは御存知なかったようだな」れている。 誇っていた。 そして、左の頬に彫り込まれた大 与四松が不敵に呟く 儀右衛門が平伏し、 板張りの広間に集まった頭達は、 「承知仕りました。深浦のもんが肝「宇之、吾助、おまえ達は急いで十きな筋。 日に灼けた逞しい体格の者ばかり。 っ玉、佐渡中の漁師に見せてやりま海丸に戻ってすぐに船を出雲崎へ引海辺の微風に揺らめく幣は、海底 しようわい」 き上げさせろ。何があっても四海屋に蠢く海藻の如くに見る者を惑乱へ 漁師の頭達も一斉に低頭する。 の名に傷はつけられねえ。それが俺と誘う。 彼らの中には、左頬に赤い線を描達の仕事だ。後は手筈通りにやって オドロ様の像であった。 くれ。俺は島中に散った仲間とつな いた跡がうっすらと残る者が数多く 声もなくしばし眺めていた与四松 交じっていた。 ぎを取って、例の場所へ向かう」 は、いまいましげに息を吐いて歩み 頷いた二人が闇の中へと消える。寄り、片足を上げて砂の立像を粉々 佐渡の西から南にかけて、すべて与四松も眼前の村に背を向けて、 に蹴り崩した。 ( つづく ) の漁師町は夜を徹して大変な騒ぎと夜の浜を歩き出した。 ぬ」 ふかの ひとがた 0