日本教養全集〈5〉 (1974年)自殺について 虚無と絶望 生と死とについて 現代の不安と苦悩

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目次

苦悩を死によって脱れる方法であるが、ただそれが治應し がたいものであるかどうかという断定が本人一人の判断に かかっている点で、医師の客観的判断による安楽死とは違 うことになる。苦痛、苦悩が精神的なものである場合、本 人の転身とか、時間の経過によって忘却しうる可能性は一 層多い。未遂者が生きながらえる例も多いのである。然し たとえ本人が忘却しようと、本人を苦しませた原因が無く なったということにはなるまい。原因を忘れるか、それに 触れまいとするだけで、原因は残っているという場合があ る。こういう場合、第三者の客観的判断といったところで、 それは当人の転身や忘却の可能性に対する期待が混入する まえがき だけで、当人を自殺にまで導いた原因の除去、従って治癒 癌で苦悶する一婦人に一族の懇望によって一〇 3 の空気ということには立入りえないだろう。 を注射し、これに安楽死 ( オイタナジイ ) を与えたという 事件で裁判所の取調べをうけていたアメリカのサンダー博敗戦後、自殺者の数は相当に増したようである。もちろ 士は、このごろ無罪ときまったようである。輿論は大体博ん生活苦とか、病苦とか、厭世とか、あてつけとか、自棄 士に同情的であったらしい。そうして、いままで医師界のとか、自尊心をきずつけられたとか、そういう一般的な原 内部で論議されていた安楽死の問題は、これを契機として因によるものが多いだろう。また戦場で多くの人の死をみ に世間一般の関心をひき、安楽死協会が組織されたところもたことによる生命蔑視や、人格無視になれた人々が軽々と 自あれば、安楽死法案が州議会に提案されたところもあると自らを殺す場合もあり、無軌道な頽廃のはてに疲れ死ぬ者 もあろう。一般に戦後社会の経済的、精神的荒廃はどこの し一つ 自殺も、自らの手で行う一種の安楽死であろう。苦痛、国においても自殺の数を増すのが例である。しかし、僕が 自秘について 日本の断層と重層

現代の不安と無常 憎きもの 汚きもの かわゆきもの 無事ということ あとがき プしノ、区日 九五

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