XXV まえがき あなたは、わくわくするような Linux の冒険の世界に乗り出そうとしています。 Linux は、パソコン時代の開幕期に感じたような興奮と熱情をよみがえらせてくれま す。ハッカーを自認していたころは、自作キットのシステムを組み立てるために、オ シロスコープとはんだごてを抱えて徹夜しましたよね。今ではツールも時代も移り変 わりました ( かってのはんだごては、今ではデバッガです ) が、その感動は変わるこ とはありません。ハッキングの精神は今なお健在で、 Linux という PC 用 UNIX ク ローンの中に実現されています。 Linux は、その起源はどうあれ、もはや夜行性の熱狂的なプログラミングファンだ けのものではなくなっています。そして、 GNU オタクからコンピュータマニアまで、 何千人も Linux をビジネスや教育用の実用オペレーティングシステムとして使おう としています。もちろん、純粋な楽しみのためにも。 Linux は高賃金で雇われた職業プログラマのチームによって開発されたわけではあ りません。それなのに、なぜこれほどまでに強力で人気の高い OS になったのでしょ うか。 FBI でもよんで調べさせたほうがいいかな。 答えは協同作業。それがすべてです。 Linux は、無料であり、自由であるという意 味でフリーです。この自由は、完全に動作する UNIX クローンの夢を抱くプログラ マ間の積極的な交流を促します。開発者に、なぜ Linux のようなものにそんなに時 間をかけるのか尋ねてごらんなさい。彼らはみな、単に、純粋にハックする価値があ るからだと答えるでしよう。 気づいていないかもしれませんが、 Linux を単に使用するだけでも、自由なソフト ウェアの世界規模での成長と開発をサポートしていることになるのです。ソフトウェ アを制限なしに変更したり配布し、ソフトウェアを自由に使用できるというのは、多 くの人にとってコンピュータューザの基本的人権なのです ( 生存権や自立権、ディス ということは、低レベルのデバイスドライバからユーザインタフェースに至るまで、 ピュ ータを使用するかを決定づけます。 OS はその最たるものです。 OS を選択する ク容量増加請求権にも匹敵する重要な権利です ) 。ソフトウェアは、 どのようにコン
付録 D 用語集 文献目録 索引 目次・ xxiii 407 417 431 SAGE : システム管理者組合ーー 405