鉄道ジャーナル 1978年5月号

キーフレーズ

国鉄 電車 列車 鉄道 岡山 近郊 東京 運転 昭和 車両 輸送 指定席 000 編成 形式 特急 115 急行 新幹線 100 プレーキ 通勤 秩父鉄道 グロス 運賃 カラチ 値上げ 現在 300 113 番台 クロスシート 使用 客車 区間 日本 横須賀線 一日 小田急線 電気機関車 計画 1000 急行列車 ドイツ 編集部 都市 200 貨物列車 ホーム 111 料金 500 ラッシュ時 % 大阪 気動車 本線 工事 走る 開業 場合 シート 私鉄 東北 利用者 秩父 熊谷 貨物 山陽 小田急 時刻表 秩父セメント 年度 機関 座席 高崎 新性能電車 快速 装置 時間 利用 広島 普通列車 投入 明治

目次

整備 , 見直し , 施行準備手続や契約執行の迅 ■、レール & ドライプ、乗車券を発売 速化などについて検討を行なう・ 限られている . 旅行センターと主要旅行社で ローラ , スプリンターなど 1 , 400CC クラスに となる . ただし , 多客期は除かれ , 車種もカ 運賃が 20 % , 駅レンタカーが最高 28 % の割引 定地駅から駅レンタカーを利用すると , 鉄道 利用することが条件だが , 全国 106 ヵ所の指 プの発売を始めた . 鉄道を往復 201 以上 けた新しい特別企画乗車券、レール & ドライ 国鉄は 3 月 1 日から , 駅レンタカーを結びっ 発売される . ⑩ ■スキー客でにぎわった連休輸送 国鉄首都圏本部の調べによると , 2 月 11 日・ 12 日の連休に東京・上野・新宿の 3 駅から出 発した行楽客は , 当初予想のほば前年なみ , 62 万人を大きく上回り , 対前年 123 % , 約 76 万人に達した . その多くはスキー客で , 10 日 夜のくとき〉くあさま〉はいすれも定員の 2 倍を 越えた . ■気仙沼線が好調 ⑩ たるのは , 大阪ターミナルビル株式会社で , 国鉄と大阪市 , 地元財界の協同出資 . 駅ビル は地下 3 階 , 地上 25 階 , のべ 12 万 m2 で , 地 下 2 階・ 3 階を駐車場 , 地下 1 階から地上 15 階までは大丸が入居し , これを百貨店と飲食 店にあてる . また , 16 階・ 17 階を貸室とし , 18 階から 25 階は交通公社を中心とした新会社 によるホテルとする計画である・建設費は約 500 億円で , 58 年 3 月に完成の予定 . ⑩ ■成田線を複線化 成田空港アクセスルートとなる , 東京ー成田 間は , 佐倉以西の総武本線についてはすでに 複線以上となっているが , 成田線は酒々井駅 を中心とした本佐倉 ( 信 ) ー並本 ( 信 ) 間の 6 km を除いて単線となっている . このため , 国鉄 はさきごろ , 残り区間の複線化をきめ , 55 年 7 月の完成を目標に工事が進められることに なった . 工事区間は佐倉一本佐倉 ( 信 ) 間 4.0 と , 並木 ( 信 ) ー成田間 3. lkm の計 7.1 だ が , うち佐倉駅構内の 1 畑と成田駅構内 0.6 は構内の配線変更により増設されるので , 実際の工事区間は 5.5 . 現在線に腹付線増 となる . 工事費は約 90 億円 . ⑥ NEWS FILE ハンプの勾配をゆるくして低速で転送を ら , 行ない , リターダやスクリュープースターは あくまで補助として使っているのが ■今秋鳥取駅が面目を一新 鳥取駅と周辺の山陰本線 , 因美線 , 計 5. 6km の高架化工事が 10 月の完成をめさ・して急ビッ チで進められている . 鳥取駅は県都鳥取市の 玄関口であるが , 駅舎は昭和 12 年製と古いう えに狭く , また , 市の中心街が駅によって分 断されているため , 鳥取県が事業主体となっ て高架化することになり , 47 年 5 月に着工さ れたもの . 新駅は現在地から約 50m 南へ移設 され , 駅舎は高架下に設けられる . ホームは 現在の 3 面 5 線から留置線を含めた 2 面 6 線 となるが , 高架化にともない , 貨物駅施設は 湖山駅付近に移設される . 総工費は約 167 億 ■無人駅にステーションビル ( ? ) が 円で , うち県が 153 億円を負担 . 室にあてる予定で , キップも同ビルの委託発 売部 , 2 階を待合所と農協支所 , 3 階を会議 貸出のうえ 3 階建てのビルにする . 1 階を購 中に待合所部分などを入手し , 熊毛町農協に ルを建てることになった . 計画では , 今年度 の熊毛町が敷地の一部の払下げを受け , 駅ビ 岩徳線の勝間駅は無人駅であるが , 近く地元 昨年 12 月 11 日に全通した気仙沼線は当初 , 多 くのローカル新線がそうであるように , 開業 時の、体験乗車が終われば利用者数も落ち込 むと予想されていたが , 仙台鉄道管理局がま とめた 12 月の利用状況によると , 全区間直通 列車の平均乗車率は下り 93 % , 上り 91 % と , かなりの実績をあげている . とくに一日 1 往 復の仙台直通列車は , 志津川一前谷地間で下 り 127 % , 上り 201 % を記録し , 関係者を驚か せている . 気仙沼線の予想外の健闘に気をよ くした仙鉄局では , 車両の増結を検討中との ことだが , 今後の利用状況が注目される . ⑥ ・私有貨車もカラー化 国鉄の貨車は大半が黒一色に塗装されている が , 最近ではワム 800000 形のトビ色 , ホッパ ー車のクリーム色をはじめ , さまざまに塗装 された貨車がふえている・しかし , 2 万両を 数える私有貨車は , 一部のタンク車を除いて 黒一色のままであり , とくに食品関係のユー ザーから塗色変更の要望が強くなった . 国鉄 ではさきごろこれに応じる方針をきめ , その 第 1 号として日清製紛所有のタンク車をグリ ーム色に塗り替えた . 今後も食品関係の貨車 を中心に明るい色に変替 , イメージチェンジ ーー施設・建設 輸大臣に許認可の申請をした・建設運営にあ 国鉄はさきごろ大阪駅ビルの建設を決定 , 運 ー大阪駅を駅ビル化 を図る . ■ 53 年度の新幹線工事運休予定がきまる 新幹線東京ー新大阪間の長大間合工事は , 52 年度は 8 回計画され , 3 月 8 日に最後の工事 が行なわれたが , 53 年度も引続き , 5 月 24 日 , 6 月 28 日 , 9 月 6 日 , 11 月 8 日 , 11 月 29 日 , 12 月 13 日 , 1 月 17 日 , 2 月 21 日の 8 回が計画 されている . 工事にともなう輸送計画は 6 月 28 日までのぶんしか発表されていないが , れについてはほば従来どおり , 東京ー新大阪 間では運転予定本数 196 本のうち 40 % , 79 本 を運休 , 新大阪ー博多間でも 10 本を運休する . このため , 在来線ではく銀河 51 号〉く東海 51 号〉 く比叡 51 号〉を運転 , ハイウェイバスも増便さ 売になる・ ( 山口県・藤原弘達 ) その他ーー れる . ⑩ ■周防富田ャードの改良が進む 山口県の山陽本線周防富田ャードの改良工事 が 10 月の開業をめざして急ヒ・ツチで進められ ている . 規模としては一日の取扱い能力 1 , 200 両の中規模ャードだが , リニアモーターを使 ったカーリターダ ( 貨車加減速装置 ) や加速用 スクリュープースターを導入 , これらの組合 せで効率的な処理を行なう自動化ャードで , 今後の中規模ャードのモデルとして注目され ている・なお , 従来 , 自動化ャードは統合的 に自動化された武蔵野・北上のほか , ハンプ 仕訳けの郡山・高崎・塩浜でも貨車の速度制 御が自動化されている例もあるが , 周防富田 ャードでは従来のハンプを利用する方法なが ■リニアモーターカーの実験が順調に進む 500 / h をめざして走行実験を続けている国 鉄のリニアモーターカー , M L ー 500 が 2 月 3 日 , 261km / h を記録した . 実験センターでは 3 月にも実験を行なったあと , 実験線の延長 工事や車両の整備にあたり , 4. 7km に伸びる 実験線で 6 月下旬から 300km/h の実験にはい る . 一方 , 日航 H S S T は 2 月 14 日 , 川崎市 の実験場で HSST ー 01 が 308km/h を達成し た . 日航ではこれによって H S S T の基礎実 験はほば完了したとして , 今後は実用化に向 けての実験を行なうことにしている . ⑩ ■新幹線の雪害対策の試験を実施 新幹線雪害対策の一環として , 旭川車両セン ター構内で主電動機雪害対策の開発に関する 定置試験が 2 月 6 日から行なわれている . 同 センターでは 47 年度から , 工作局 , 技術研究 所 , 車両設計事務所などと協力して , ボディ マウントスタイルに改造した客車を走らせ , 車体の着雪状況や雪切り装置の開発と効果確 認などの試験を行ない成果をあげていた . 今 回の試験は耐寒耐雪改造をほどこした新型電 動機 MT201X を持ち込んで , 改造個所の効 果確認を行なうもの・ 9

NEWS FILE ニュースファイノレ 国 鉄 1 ーー車両一一 ■キュニ 28 形が完成 国鉄の郵便・荷物気動車は約 200 両あるが , 10 台形式の車両が多く , 老朽化がいちじるし いため , これの置換え用として新形式キュニ 28 形を製造することになった・これは , キロ 28 形の改造車であるが , ェンジン・台車など を流用しただけ . 車体部分はほとんど新製し たもので , 一般形のホープ , キハ 47 を基本に している . 今回の新造は 6 両で , うち 4 両を 国鉄名古屋工場 , 2 両を幡生工場で担当 . ⑩ ■サロ 165 に珍車が出現 サロ 165 は下降窓だが , 雨水の侵入などによ る外板のがひどいため , 工場入場時には で , 異彩を放っている・東海道本線東京ロで 出現した . 田町区所属のナロ 165 ー 114 がそれ 普通車と同じ 2 段昇降窓に取り替えた車両が よばなかったのか , ついに下降窓をあきらめ 補修が重ねられている . しかし , それでもお 新型 ( ? ) 窓になったサロ 165 ー 114 S53 一 2 ー 26 使用中 . ( グループ・マルミ ) ■流電、引退か ? 戦前型国電の傑作といわれる、流電洋クモハ 52 は飯田線で余生をおくっているが , 東海道本 線の新性能化にともない捻出される 80 系に置 き換えられることになり , 早ければ 10 月にも 姿を消すことになりそう . 52 形は昭和 11 年に ー , 京都ー明石間で活躍したが , 戦後 は阪和線に転進 , 32 年に飯田線入りした . ( 静岡県・大竹敏治 ) ■ EF66 の重連が走る 出力 3 , 900kW と狭軌最大出力をほこる EF 66 が , 回送ではあるが重連となって東海道本 線 ( 品鶴線 ) を走った・運転日は 1 月・ 2 月の 平日であったが , いちおう 2 月 22 日で終了と 8 EF66 堂々の重連 ( 品川で ) S53 ー 2 ー 2 機関車に乗せろ , 乗せない ! で紛糾した . く , のちに行なわれた、線路見習い、のさいは 異例の措置で , 動労千葉地本の反発もはげし びハンドルをにぎらせるというのはきわめて 均 5 年は乗務から離れていた助役に , ふたた 区に配属され , 15 日から研修を始めたが , 平 した・、助役機関士洋は佐倉機関区・成田運転 理局 ) に対し , 2 月 14 日 , 機関士兼務を発令 機関士経験のある助役 38 人 ( うち 18 人は他管 あたって , 動労千葉地本が反対しているため とになった成田空港へのジェット燃料輸送に 千葉鉄道管理局では , 3 月から実施されるこ ・燃料輸送に、助役機関士 増発 , 下り 15 本 , 上り 16 本を運転する . ⑩ る常磐線では , 上野ー成田間快速 ( 103 系 ) を 一方 , 上野からの成田アグセスルートであ 面からの快速電車 8 本がすべて 13 両化された . し , 東京着 8 時 15 分から 8 時 41 分の津田沼方 たが , この編成はラッシュ時に集中して使用 編成とした . このため , 新製車 20 両を投入し 基本編成に挿入 , 基本 9 両 + 付属 4 両の 13 両 ( 113 系 ) は , 10 編成について電動車ユニットを また , 現在 11 両編成の地下線直通の快速電車 誉田と内房線姉ヶ崎が快速停車駅になった . 復中の 2 往復を大原へ延長したほか , 新たに では , 品川・東京ー上総ーノ宮間の快速 5 往 たに都賀にも停車することになった . 外房線 それそれ 1 時間間隔で規格化した . 快速は新 11 分まで , 成田発 10 時 38 分から 21 時 38 分まで し , 17 往復を運転 , 東京発 8 時 12 分から 21 時 では , 品川・東京一成田間の快速電車を増発 ヤ改正を実施した . まず , 総武本線・成田線 便を図るため , 3 月 1 日から関連線区のダイ 成田空港開港にともない , 空港関係の乗客の ■空港輸送関連のダイヤ改正を実施 連の場合も総括制御はできません . ( 編集部 ) ・ EF66 には重連総括制御の設備がなく , 重 ( 愛知県・鈴木雅晴 ) うもので , 汐留ー新鶴見間 971 レで回送された . のこと・回送機連結は、みかん輸送、にともな しかし , 、助役機関士、の乗務は 2 カ月をメド とした暫定措置で , 機関士から検修員までを おさえている動労の協力がえられないかぎり 燃料輸送を行なえないことから , 今後の対策 に関係者は頭を痛めている . 問題の燃料輸送 のほうは , 予定より一日遅れて 3 月 2 日から 、鹿島ルート洋の 1 本が、助役機関士、の乗務で 山陰本線の支線である三江線 , 江津一三次間 ■三江線の直通運転を開始 スタートした . ( 92 ページ参照 ) ー一一総務・営業 広報部次長 , 職員局労働課長らで構成 , 輸送 を検討する . 輸送分室は運転局長を分室長に 料輸送の円滑な推進 , 闘争対策などの諸問題 関係局長 , 広報部長らで構成 , 関連工事や燃 で , 常務理事 6 人と , 旅客・運転・建設など 送対策分室を設置した . 本部長は天坂副総裁 本社内に「成田空港開港問題対策本部」と同輸 送対策や空港アグセス問題に対応するため , 国鉄は 2 月 3 日 , 成田空港開港にともなう輸 ■成田開港に対応して対策本部を設置 「国鉄運賃の変遷と決まりかた」を参照 ) ⑩ た . 委員は民間各界から 20 人・ ( 詳細は本号 諮問機関として「運賃問題懇談会」が設置され 公正適切なものとするため , 高本総裁の私的 鉄でも , 運賃・料金について広く各界を求め いっそう強化されることになっているが , 国 門調査員を新たに委嘱するなど , その機能が が認可にあたり諮問する運輸審議会では , 専 国鉄運賃の法定制緩和にともない , 運輸大臣 ■運賃問題懇談会を設置 成 , 江津に C T C センターが設置された . ⑩ ることになった . また , 同時に C T C 化が完 2 本 , 上り 4 本の江津 - 三次間直通列車が走 がついたため , いよいよ 3 月 30 日から , 下り 連絡設備の完成などにより直通運転の見通し えを余儀なくされていた . しかし , このほど 通運転は行なわれず , 浜原またはロ羽で乗換 は 50 年 8 月に全通したが , 施設の不備から直 問題を協議する・ 理局長 , 資材局長らで構成 , 工事施行体制の は天坂副総裁 , 常務理事 3 人を副本部長に経 という政府の方針にのっとったもの . 本部長 に資するため , 公共事業の円滑な推進を図る 内需の喚起を図り , 景気の回復と雇用の安定 になった・これは現在の経済情勢にかんがみ 共事業等工事施行推進本部」を設置すること めの基盤づくりを急ぐ目的で , 本社内に「公 工事予算 ( 案 ) の執行について , 施行促進のた 国鉄では 52 年度 2 次補正予算を含め , 53 年度 ■公共事業等工事施行推進本部を設置

、特急時代、の曲がり角 長いあいだ探していた日本交通公社の『旅』昭和 36 年 12 月号 を見つけた . 特集「新特急旅行」とうたい , 表紙は東海道本 線の旧くこだま > だ . DC 特急大増発の 36 年 10 月ダイヤ大改正 を多角的にとりあげ , 特急のすべてをまとめたもので , 目次 には『旅と鉄道』と見まがうようなハシラが , ズラリと並ん でいる . ます、追跡ものの元祖のようなルポが 3 本 . 中屋健一さん の「 21 時間で東北一周 / 3 特急乗りつぎ旅行ー一地図をひら いて自らっくりあげた上野ー青森の駆足旅行・くはっかり〉 く白鳥 > く・つばさ > の率直な乗心地 ! 」はじめ , 秋山ちえ子さん の「はじめて走った山陰への特急くまっかぜ > 」 , 阿川弘之さ んの「特急く白鳥〉の運転士とかたる」と続く・このあと , 駅 弁・愛称・ D C 特急のメカをはじめ , ダイヤ改正のこばれ話 や特急旅行の楽しみ方 , 列車もの推理小説のプロフィールま で , 同誌の半分 , 約 100 第ほどを、特急もの洋にあてていた . この , 第 2 次大戦後はじめての華かな大改正は , わずか 17 年前のことなのだが , まだ特急列車が珍しく , 旅に出る人た ちは特急を文字どおり特別な列車としてとらえていた・旅行 工ージェンシーが本業の交通公社としては , 身近な列車とし て特急を紹介しスピード旅行の雰囲気を盛りあげるととも に , レール・ファンの要望にもこたえようとの企画たったろ う・なにしろ『鉄道ジャーナル』は生まれておらす , 『鉄道 ビグトリアル』に加えて『鉄道ファン』が創刊されたばかり で , 鉄道をテーマにしたファン向けの単行本なども , はとん どなかった・鉄道好きの人たちは , グラフ雑誌などの特集を 心待ちにしていたような時代だった . 面白いことに『旅』誌の「新特急旅行」の中身は , こちら の推定した編集意図とは違い , かなり新ダイヤに批判的であ る・ことに無署名記事として掲載されたコラムにワサビが効 いている . 「ドン行列車よ , さようなら一一一郷愁をうったえ る人々 - ー - ・一」のページを開くと・・ 『この 9 月 30 日の午後 2 時 40 分 , 東京駅 14 番線から , 隣り合 わせのホームにとまっている急行列車とは段違いにみすばら しい長い鉄サビ色の列車がゆっくりと動き出した . 鳴らす汽 ・笛が心なしかかばそく悲しげにきこえたのも道理である . の門司行普通列車 , 東京から九州へ直通するただ 1 本のドン 行は , この日かぎりで姿を消すことになっていた・翌 10 月 1 日からの新ダイヤでは準急以上の高速列車が大増発されるた め , 足の遅い長距離普通列車は貴重なレールをふさぐ邪魔物 としてどしどし廃止されたのである・・・・・・』 そして国鉄が積極的な営業政策を展開した意欲を買いなが らも , 効率が悪いという理由でのんびりしたドン行が減り , 列車を選ぶ自由が減ったことを嘆いたあと , 『・・ ・・ともあれ , 消えてしまったものは仕方がない・しかしこれ以上ドン行を 減らすことはぜひともやめてもらいたい・もしも国鉄が , 長 距離普通列車をいずれ全廃するという方針ならば , 少くとも 準急料金だけは同時に廃止してほしい・その時 , 準急は即普 通列車となるわけなのだから』と結んでいる・ いつの時代でも , 同じようなことを考える人がいるものだ . この欄などで , 数年来 , 何度か特急や急行についての要望や 意見を述べてきたが , この文のドン行または普通の文字を急 行と置き換えてみると , そのまま使える・念のためお断わり しておくが , 同誌を読んだのは初めてで , 筆者の心当たりも ない . また「特急にムードなしと嘆く人々ーー非情のレール を走る非情の車」という項は , 特急の停車時間がみじかすぎ て駅弁が買いにくくなったと悲しみ , , こにいたってわれわれ凡愚の民もはじめて岡博士 ( 筆 者注 ; 岡潔氏 , 先ごろ他界された奈良女子大名誉教授・この 文のアタマに岡氏が文化勲章受章のため奈良から上京すると き , いろいろな土地をゆっくり見れるから普通列車でゆきた いと夫人を困らせた話が引用してある ) の「普通列車はいい」 という超俗の言葉に心からの同感を覚えるのだが , もう時す でに遅い・いったん乗ってしまった以上は国鉄御自慢のヴィ スタ・カー ( 筆者注・旧くこだま > 形のパーラーカーをさして いる ) に引かれるまま終着駅まで座っていくほかないのであ る・特急はまさしく非情のレールを走る非情の車だ . 汽車は 出てゆく煙は残るうんぬんの情緒はどこを探しても見当らな い・御用とお急ぎと団体旅行でないお方の乗るべき性質のも のではない・・ この小文など , ハスに構えた文明批評のような感じがする . ともあれ , 最初の特急大増発ダイヤ改正にあたって , 伝統の ある旅の雑誌が , グールな目で特急群を眺めていたことは注 目される・その後 , 新幹線開業 , ョン・サン・トオのダイヤ 改正 , 新幹線岡山・博多延長とエル特急・寝台特急増強と , 特急中心のダイヤづくりが続いたことはご承知のとおりだ . この間 , 日本経済は高度成長で急激な発展をとげ , 輸送需要 もどんどんふえて , 特急が利用者に歓迎されたことも , 事実 である . ところが不況をむかえ , 国鉄の大幅運賃・料金値上げが繰 り返されると状況が変わった・新幹線を含む特急列車の輸送 人キロは , 50 年度の 854 億人キロをビークに , 51 年度は 800 億 ことに新幹線が 10 % 人キロと , 初めて 6 ・ 5 % 少なくなった・ も減り , 新幹線時代を謳歌した関係者にショックを与えた・ こうした背景で , 今年 10 月 , 3 年半ぶりのダイヤ大改正が 行なわれるが , 北日本と紀州で持急増発がある半面 , 西日本 では効率の悪い特急、が若干減り , くひばり > くとき > のスピード ダウンも見込まれる・列車体系全体はさほど変化がないよう だけれど , 長期的には現在の特急・急行・普通の性格を , 原 点にもどって見直す必要にせまられるときがこよう・ つぎの、新特急時代をより実りあるものとするため , 私た ちも折りにふれて利用者の声をまとめ , むずかしい曲がり角 に立たされている国鉄をパッグアップしてゆきたいと思う・ ( 直 ) 7