目次 : 篠田一士 8 綠雨の呼吸 : 内務省時代の忍月 : : 山本健吉報 都 2 : 石丸久 高山君來書 : 京羽 魯庵はも 0 と讀まれていい : 小田切秀雄月講 東音 題字・谷崎潤一郎 るというような經驗は一度だってなかった。 ともかく綠雨の文學が他人事でなくなったのはこの縮刷版の『全 集』を手に入れてからだ。當時のぼくは海外からどっと押し寄せて きた未知、未見の文學に夜も日も明けぬ爲體で、一日に一度は銀座 篠田一士 か、新宿の洋書屋へでかけていって、強奪するように新着の本を手 綠雨を本氣に讀みだしたのはいっ頃だったろうか。いま手元にあに人れては、讀みふけるのを日課みたいにしていた。目のまえでは、 るのは例の博文館の『縮刷・綠雨全集』で、奧附をみると、大正十衰えを見せたとはいえ、いわゆる「戦後派」文學があいかわらず隆 三年八月の第七版となっている。出版當時どのくらい讀まれたもの盛をきわめていたが、どうにもこれは横目で見るしかなかった。「戦 か、ぼくには見當もっかないが、この便利な本をいまでも古本屋の後派」文學の仕事と正面から對峙しようという氣持になったのは、 棚でよく見かけるところをみると、かなり流布したようにも思うが、もう少しあとになってからである。 あるいはそうでないかもしれない。 しかし、いくら海外の新文學に血道をあげ、その意味合いを自分 正確な年月はどうもはっきりしないが、この本を買った場所だけなりに眞面目に考えてみても、やはり隙間風が吹きぬけるような空 は、いまでもあざやかに記憶に殘っている。近頃はすっかり變ってしさにはたえずおびえていたのである。むしろ讀めば讀むほど、マ しまったが、武藏野館のまえの通りを東〈ずっと行って、新宿驛の一フルメの《 La chai 「 9 ( 〔 ( e 》 hélas 一 et j'ai lu 一 9 liv 「 (s) の 南ロの陸橋から下ってきた大通りにぶつかる一寸手前のところに、 一行がたまらなく身にしみる思いだった。それにしても、手近かに ワリと小ぎれいな古本屋が一軒あって、そこで、この綠雨の『全ある日本の文學はいかにも安つにく、その日本語はスカスカして、 集』を買った。もちろん戦後もいいところで、あれこれ思い合せてまったく頼りがなかった。あの頃酒といえば、どういう文字を書く みると、たしか昭和二十五、六年の頃ではないかという氣がする。のかはいまだに知らないが、キンミャという銘柄の燒酎しか飮めな いまとちがって、戦中から戰後にかけて、岩波文庫の在庫本にはかったけれども、その安酒の方がぼくには手應えがあったように思 綠雨の作品が二、三點あって、いくらでも買えた。しかし、この場う。本當にピリッとくる日本語が讀みたい、身體も心も同時に醉わ 合は小説が主で、一應目を通していたものの、とくに心を動かされせてくれるような日本の文學を讀まないと、自分は駄目になるとい 綠雨の呼吸
齋藤綠雨集目次 卷頭寫眞 由也諛 : 、冫士「 かくれんぼ 門三味線・ わたし舟 : づ言 / 宗・ 正直正太夫死す・ おぼえ帳 : ひかへ帳 : ・ 眼前口頭・ 靑眼白頭 : : 圭 イ品説・ 齋藤綠雨入門 1 一 = ロ 參考文獻 : ・ : 稻垣逹郎四一一一 : 瀬沼茂樹四ズ : 四四三
石橋忍月集目次 卷頭寫眞 筆蹟 蓮の露 : 惟任日向守 : まだ櫻咲かぬ故にや : 妺と脊鏡を讀む : 浮雲の褒貶 : 浮雲第一一篇の褒貶・ 夏木立 : 新著百種の「色懺悔」 篁村氏の「むら竹」第一卷・ 新著百種第五號風流佛 : ・一六四 : ズ四 新著百種第六號殘菊・ 舞姫 : 墨染櫻・ 葉末集・ 一口劒に對する予の意見・ うたかたの記 : 鵐外の幽玄論に答ふる書・ 新著百種第十一一號文づかひ・ 外漁史に答ふ : 再び鴎外漁史に答ふ : 三たび鵐外漁史に答ふ : 作品解説 : 石橋忍月人門 二 = ロ 參考文獻 : ・ : 稻垣逹郞四一一一 : 瀬沼茂樹四ズ ・ : 一九四
高山樗牛集目次 卷頭寫眞 瀧ロ入道・ 人生終に奈何 : 一葉女史の「たけくらべ」を讀みて = ・一亶 わがそでの記 : 明治の小説・ 月夜の美感に就いて・ : ・毛四 文明批評家としての文學者 : 平家雜感 : 美的生活を論ず : 日蓮上人とは如何なる人ぞ : 作品解説 : 高山樗牛人門 年譜 : ・ 參考文獻 : ・ : 稻垣逹郞四一一一 ・ : 瀬沼茂樹四ズ : 四一盍
内田魯庵集目次 卷頭寫眞 筆蹟 くれの廿八日 : 文學一斑・ 作品解説 : 内田魯庵人門 : 年譜 : ・ 參考文獻・ : 稻垣逹郞四一一一 ・瀬沼茂樹四ズ : 四四六 ・ : 0
日本現代文學全集 齋藤綠雨・石橋忍月 高山樗牛・内田魯庵 8 集 編集 整郎夫謙吉 一光健 村野本 井 伊龜中平山 印刷 昭和 42 年 11 月 10 日 發行 昭和 42 年 11 月 19 日 定 ◎ KODANSHA 1967 りよく さい とう 齋 綠 雨 藤 にん げつ いし ばし 卞喬 忍 石 月 やま ちょ ぎゅう たか 山 樗 高 牛 ろ うち だ 田 魯 庵 内 間 省 野 發行者 北 島 織 衛 印刷者 株式會社講談社 發行所 東京都文京區音羽 2 ー 12 ー 21 電話東京 ( 942 ) 1111 ( 大代表 ) 振替東京 3 9 3 0 あん 大日本印刷株式會社 刷 印 寫 眞 製 株式會社興陽瓧 版 印 本 大製株式會社 製 函 株式會社岡山紙器所 製 皮 小林榮商事株式會社 背 日本クロス工業株式會社 表紙クロス 日本加工製紙株式會社 ロ繪用紙 本州製紙株式會社 本文用紙 安倍川工業株式會社 函貼用紙 三菱製紙株式會社 見返し用紙 神崎製紙株式會社 扉用紙 落丁本・亂丁本はお取りかえいたします。