日本現代文學全集・講談社版97 平野謙 本多秋五 荒正人 佐々木基一 小田切秀雄集

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目次

ホ袋學集 目次 平野のこと : ・藤枝艀男 、本多秋五君のこと・ ・ : 山室 荒さんの姿勢 : ・ : 中田耕治 見知らぬ隣人・ : ・安岡章太郎 小田切秀雄さんのこと・ ・ : 佐多稻子 月 題字・谷崎潤一郞 うかな、家〈來ると素直でいい子だがね」、 . と云うと「なるほど、兄 貴も他人の受けは隨分よかったらしいから」 ' としきりにうなずいて いた。そと面ばかりよくて、家、歸ると弟たちに威張り散らす、親 藤枝靜男にも有無を云わせない、それでいてお父さんの方では平野が中學に 入っても「坊、坊」と可愛がっていたそうだし、蕃君は五十過ぎた このあいだ久しぶりで平野の二つちがいの弟の蕃君に會った。蕃今でも話の合間にうつかり「朗兄さん」 ( 本名 ) などとロ走る、そ 君は東北大學の敎授で今回は京都の學會に出席する途中だというこういう弟妺九人に君臨していたのだから、たとえ本人が何と云おう とだったが、 同君の長男が僕の住む濱松の大學のエ學部に四年間在とも、平野の長男性は骨がらみである。 學してチ ' クチ = ク遊びに來ていたので、まあ卒業を機會に挨拶に長男というものはおっとりしているから他人に愛される。しかし 寄ってくれたというわけであった。 同時に何時も家族から立てられて我儘になっているから、外で褒め 蕃君とは、彼が平野の藤澤の例の崖上の傾いた家に居候して農林られて愛想よくふるまった分だけ、家のものに無愛想にするという 省だかに通「ていた昭和二十三年か四年ころ、そこでほんのちょっ傾向がある。どうも供の欽男としての經驗によると、長男というもの と口を利いただけの附き合いで、平野に似あわずモ〉サリとして大は、なりゆきで已むを得ず、ずるずるべったりに愛想よくなるもの 人しい、まず見るからに弟らしい弟だというような印象を受けただらしい。それで一種の自己嫌惡にかられて一番弱い家のものに當た けで、今度はそれから十數年たってやっと第二回目の面會という次り散らすらしい。平野が時無抵抗な若い仲間に向かって、衝動的 第であった。しかし共通の話題にはこと缺かなかったので、半日ばにまったく平野らしくない當たり方をすることがあるのは、この習 かり愴快に喋舌ったのである。 慣の延長のような氣もする。こういうことはたいがい心の通わぬ瓧 この蕃君の長男は東京の朝日新聞の技術研究所に就職したのであ交的な會合を勤めた擧句に起きるようである。もっともこれは思い るが、親爺が上京していっしょに食事でもしようと思って電話をかすごしで、或は齡のせいで氣が短かくなっているだけかも知れない。 けると「今日は忙がしいから駄目だ」などと云 0 て = 。 ( もなく斷蕃君が「兄貴も敎師をこんなに長く勤めるとわか 0 ていたら博士 る、「長男というものはああいうものですかね」と云っていた。「そになって置けばよかったです。學位制の新舊交替のとき論文を提出 平野のこと 報 57 東京都文京區 音羽町 3 の 19 1

平野謙本多秋五 荒正人佐々木基一集目次 小田切秀雄 卷頭寫眞 平野謙集 私小説の一一律背反 : 島崎藤村論・ 新生論 晩年の藤村 : 田山花袋論・ 本多秋五集 天龍河畔の小學校 : 批評の基準はなくてすまされない : ・兊 「人類學的等價」について・ 『白樺』派の文學・ 宮本百合子ーその生涯と作品ー 正宗白鳥の死・

荒正人集 原子核エネルギ 1 ( 火 ) : ・ 宇宙工學 : 化頂とビジネス : 夏目漱石論・ 大審問官とゾシマ長老 : ・ 人間と技術 ( 文學的自傳 ) : 佐々木基一集 現代藝術はどうなるか・ 現代藝術はどうなるか : 藝術と大衆・ : 現代と藝術家の意識・ : マス・コミの逆説 : 近代藝術と小説・ : 記録的方法について : 藝術家の變質・ : 素人作家の間題 : 下からの美學・ : ・ : 一三六 : 一一六四

小田切秀雄集 戦爭下の鬱屈・ 近代短歌史の光榮・ 〃頭が惡い″ということ : Ⅱ戦後文學の出發にあたって : 文學精神のために 絶對の場所 : Ⅲ論爭から : 文學者の責任 : 轉向と世代の問題 : Ⅳ思想論・文學史研究・ 人間の信賴について・ ・ : 三毛 : ・三三六 : 三 0 三 ・ : 三 0 五 : 三 0 五 日本近代文學史序説・ 最近の評論から・ 自我の根源的要求と 現代の文學思想・ 批評におけるリアリズム・ 作品解説 : 平野謙 本多秋五 荒正人入門 : : : 瀬沼茂樹三吉 佐々木基一 小田切秀雄 年譜 : 參考文獻 : 伊藤整三六三 ・ : 三七 皇六 : ・三五 0 ・三吾

奥付

日本現代文學全集 97 平野謙・本多秋五 荒正人・佐々木基ー集 小田切秀雄 編集 昭和 40 年 6 月 10 日印刷 昭和 40 年 6 月 19 日發行 定價 500 圓 ◎ KODANS HA 1965 伊藤 整 龜井勝一郎 夫 中 村光 野 平 山 本健 ロ ん け一三 の ひら 野 平 にん だしゆら 五 本 多秋 まさ あら 著 者 荒 正 人 佐々木基 お だぎりひで 小田切秀雄 野 間省 者 行 發 北 島織衞 者 印 刷 所 株式會社講談社 行 發 東京都文京區音羽町 3 ~ 19 電話東京 ( 942 ) 1111 ( 大代表 ) 振替東京 3 9 3 0 き いち 大日本印刷株式會社 刷 印 眞 製 寫 株式會社興陽社 印 版 本 大製株式會社 製 株式會就岡山紙器所 製 函 株式會社第一紙藝社 革 小林榮商事株式書社 背 日本クロス工業株式會社 表紙クロス 日本加工製紙株式會瓧 ロ繪用紙 本州製紙株式會瓧 本文用紙 安倍川工業株式會瓧 函貼用紙 三菱製紙株式會社 見返し用紙 神崎製紙株式會社 扉用紙 落丁本・亂丁本はお取りかえいたします。