日本現代文學全集・講談社版 89 伊藤永之介 本庄陸男 森山啓 橋本英吉集

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目次

日ホ袋學 目欽 社區幻 愛と怒りのリアリズム : ・分銅惇作 京 ワ 1 田切秀雄 わが本庄陸男 : 都 2 森山啓氏の愛と詩 : : : ・ : 田宮虎彦 ・ : 立野信之 橋本英吉のこと : 東音 月 題字・谷崎潤一郎 一言でいうなら、 < 愛と怒りのリアリズム > とでもいうべきであろ う。「君、文學は愛と怒りだよ」と、ぼくは何度もかれの口から直 接に敎えられた。この ^ 愛と怒りのリアリズム > の立場から理解す るなら、かれが「人貧し」というときの認識には、貧しきものへの 分銅惇作 深い愛情と、貧しさを餘儀なくさせるものへの激しい怒りとが内に 伊藤さんがなくなられて、もう十年である。腦溢血で二階の書齋押しこめられていたはずである。この「人貧し」は、いわば伊藤文 に倒れたのは昭和三十四年七月二十二日の夕刻で、そのまま昏睡を學の一フィト・モチーフと言ってもよいものだ。 續けて息をひきとったのが二十六日の早朝である。急を聞いてかけ伊藤さんが、痛烈に「人貧し」と實感した最初は、おそらく昭和 つけた金子洋文・細田民樹・鶴田知也氏らが、下の部屋に集って病六七年ごろの東北地方の農村恐慌に欽ぐ大凶作の慘状を目撃してで 状を見守っていたが、暗い表情でしきりにハンカチで汗をふいていあろう。かれが農民作家としての姿勢を確立して、本格的な活動を たのを思い出す。すわっているだけで、じっとりと汗ばむほどの暑始めるようになったのは、このころからである。 さが連日續いていた。 葬儀は翌二十七日に神式で營まれ、遺骨は十日祭に鄕里秋田市の伊藤さんの作家活動を三期に分けて考えてみると、第一期は同鄕 八橋にある全良寺墓地に埋められた。その墓地の近くにある高淸水の先輩金子洋文氏を賴って上京し、「文藝戦線」の編集を手傅うよ 公園には、その後文學記念碑が建立されて、「山美しく人貧し」とうになった大正十三年から昭和五年までであり、第二期は昭和六年 いうことばが刻まれている。 から終戦まで、第三期は戦後の活動ということになろう。第一期は 「山美しく人貧し」とは、晩年の伊藤さんが、色紙を乞われたりし文學の模索から、瓧會主義作家としての立場を確立するまでの過程 た時、好んで筆にしたことばである。「人貧し」ときびしく結んだと見ることができる。上京後しばらく「文藝戦線」と「文藝時代」 ところに、農民作家として生きた伊藤さんの本領がうかがわれるよの二つの陣營の間に動搖を續けていた。この時期の小説には「泥 うで、心がひかれるのである。かれほど熱烈に農民を愛し、農村の溝」のように骨格の定った佳作もあるが、新感覺風の文體のものも 問題を追求し續けた作家は他にいないと思うが、伊藤文學の本質はあって、かれの多彩な靑春の動搖をうかがわせる。しかし文壇では 愛と怒りのリアリズム

伊藤永之介集目次 卷頭寫眞 萬寶山 梟・ 雪代とその一家 : ゴロヒ 作品解説・ 伊藤永之介入門・ : 年譜 : ・ : 平野謙四 0 七 ・ : 紅野敏郞四三 : 四一一三 參考文獻 : ・四四三

本庄陸男集目次 卷頭寫眞 失業敎員 水と石 : 白い壁 : 火の物語 團體 : 妻におくるの書 運河の蔭 : 女の子男の子 作品解説・ 本庄陸男入門・ 年譜 : 參考文獻 ・ : 平野謙四兄 ・ : 紅野敏郞四一七

森山啓集目次 卷頭寫眞 筆蹟 遠方の人・ 誰にささげん・ 暮春 萱原 靑春 涙痕・ 風の吹く道 : 綠の袴・ : 毛 0 ・ : 大 0 農婦病 作品解説・ 森山啓入門 年譜・ 參考文獻 : 平野謙四一一 ・ : 紅野敏郞四一九 ・四三三

橋本英吉集目次 卷頭寫眞 筆蹟 眼・ 市街戰 : メキシコ共和國の滅亡・ ところはちぶ・ 欅の芽立 : 三庄大夫・ 天平 : ・ : 三四九 : 三毛 ・ : 三七四 ・ : 哭三 ・ : 三会 ・ : 三三八 : ・三 0 九 作品解説 : 橋本英吉入門 年譜 : 參考文獻 : ・ ・ : 平野謙四一三 ・ : 紅野敏郞四一 = ・・四三へ ・・四四六

奥付

日本現代文學全集 89 ・本庄陸男集 伊藤永之介 森山啓・橋本英吉 編集 整郎夫謙吉 レじ 藤膨 . 予 伊龜中平山 昭和 43 年 7 月 10 日印刷 昭和 43 年 7 月 19 日發行 定價 600 圓 ◎ KODANSHA 1968 1 すけ い とうえいの 伊藤永之介 にん じようむつ 男 本 庄陸 けい やま もり 山 戸攵 林 きち もとえい はし : 本英 橋 [ コ 野 間省 發行者 島織 北 印刷者 株式會社講談社 發行所 東京都文京區音羽 2 ー・ 12 ー 21 郵便番號 112 電話東京 ( 942 ) 1111 ( 大代表 ) 振替東京 3 9 3 0 大日本印刷株式會社 印 刷 寫 眞 製 株式會社興陽瓧 印 刷 版 本 大製株式會社 製 株式會社岡山紙器所 製 株式會社第一紙藝社 革 小林榮商事株式會社 背 日本クロス工業株式會社 表紙クロス 日本加工製紙株式會社 ロ繪用紙 本州製紙株式會瓧 本文用紙 安倍川工業株式會社 函貼用紙 三菱製紙株式會社 見返し用紙 紳崎製紙株式會社 扉用紙 落丁本・亂丁本はお取り替えいたします。