も管理することになります。 0 「倉庫マスタ」の設計 それでは「倉庫マスタ」を設計します。倉庫は、大きく「製品倉庫」と「資材倉庫」 に分かれます。図 9 にその内容を示します。 「製品倉庫」と「資材倉庫」は「倉庫区分」 ( 1 : 製品倉庫、 2 : 資材倉庫、 3 : 仕掛倉庫 ) で区別します。また、「製品倉庫」には、「工場ごとの製品倉庫」や「営業所の倉庫」あ るいは「物流倉庫」があります。「資材倉庫」は、「工場ごとの資材倉庫」などがあります。 さらに「部門コード」で、その所属部門により区別します。 「モノ」を管理するための補助的なマスタ 愈庫マスタ 倉庫コード 倉庫区分 倉庫名 部門コード 更新日時 更新者名 図 9 : 「倉庫マスタ」 0 「部門マスタ」と「資源マスタ」の設計 続いて「部門マスタ」の設計です。「部門マスタ」も部門の基本的な情報のみの管理 で十分です。図 IO では、「上位部門」と「部門階層」で「組織」を表現できるようにし ています。それ以外は名称と住所の情報です。 部門マスタ 部門コード (FK) 適用開始日 適用終了日 上位部門 部門階層 部門名 部門略称 カナ名 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 FAX 番号 更新日時 更新者名 図 10 : 「部門マスタ」
0 「場所マスタ」の設計 次の第 4 章で説明する予定の所要量計算 (MRP) にとって、「部門マスタ」と「取引 先マスタ」はともに、製造や調達を行なう「場所」の情報ですから、「場所マスタ」と して統合しましよう。図 15 の ER 図を参照してください。 更新者名 更新日時 FAX 番号 電話番号 住所 3 住所 2 住所 1 郵便番号 カナ名 部門略称 部門名 部門階層 上位部門 適用終了日 適用開始日 部門コード 部門マスタ 場所マスタ 場所コード 場所名 場所種類コード 取引先コード (FK) 部門コード (FK) 適用開始日 (FK) 更新日時 更新者名 図 15 : 「場所マスタ」の ER 図 取引先マスタ 取引先コード 適用開始日 適用終了日 取引先名 取引先カナ 取引先担当部門 取引先担当者名 更新者名 更新日時 FAX TEL 住所 3 住所 2 住所 1 都道府県 郵便番号 就業日バターンコード (FK) 「場所種類コード」 ( 1 : 部門、 2 : 取引先 ) で、「部門マスタ」と「取引先マスタ」を 切り分けています。「 1 : 部門」の場合には、「部門マスタ」と「部門コード」および「適 用開始日」をキーとしてリンクします。また、「 2 : 取引先」の場合には、「取引先マスタ」 と「取引先コード」と「適用開始日」をキーとしてリンクします。 44
部門マスタ 部門コード 適用開始日 適用終了日 上位部門 部門階層 部門名 部門略称 カナ名 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 FAX 番号 更新日時 更新者名 図 13 : 「部門マスタ」「資源マスタ」の ER 図 0 「取引先マスタ」の設計 続けて「取引先マスタ」を設計しましよう ( 図 14 ) 。生産管理で必要となる「取引先」は、 前述のとおり、部品の購入先や外注先となります。これを合わせて「仕入先」として管 理します。「仕入先」の情報として、「生産管理だからこの項目が必要」という項目はなく、 名前と住所が分かれば十分です。外注先の日程管理ができるように、カレンダーとの関 連付けを行なうための「就業日パターンコード」を設けることにしましよう。 取引先マスタ 取引先コード 適用開始日 適用終了日 取引先名 取引先カナ 取引先担当部門 取引先担当者名 郵便番号 都道府県 住所 1 住所 2 住所 3 TEL FAX 就業日バターンコード ( FK ) 更新日時 更新者名 図 14 : 「取引先マスタ」 資源マスタ 資源コード 適用開始日 適用終了日 資源名 就業日バターンコード (FK) 作成者 作成日時 更新者 更新日時 資源一部門 部門コード (FK) 資源コード (FK) 適用開始日 (FK) 適用終了日 作成者 作成日時 更新者 更新日時 「モノ」を管理するための補助的なマスタ 43
0 原価計算の進め方 ( 配賦について ) それでは具体的な原価計算の進め方について、実際の原価計算を例に見てみましよう。 原 価 0 費目別計算 理 図 6 は実際の原価計算の流れです。まず、生産管理システム、会計システムから材 料費 / 労務費 / 経費の情報を受け取ります。生産管理システムからは材料費 / 外注加 基 礎 工費 / 工数実績 ( 直接労務費 ) など、主に直接費関連の情報が得られます。会計シス の テムからは間接費関連の情報が得られますが、会計システムにおいては部門別勘定科目 礎 別に費用が集計されているので、これを原価管理の費目に振り替えることが必要です ( 勘 定科目と原価費目を紐付けるマスタが必要になります ) 。 このようにして得られた費目ごとの情報を、さらに直接費と間接費に分類します。 れらの一連のステップは「費目別計算」と呼ばれます。 仕入 情報 材料費 製造部門費 直接費 金報 賃情 財務会計 ( 財務諸表 ) 原価計算 労務費 費報 経情 個別 原価計算 補助部門費 間接費 生産システム情報を・一一、原価計算処理 - 会計システム 図 6 : 原価計算の流れ ( 実際原価計算 ) ( 東洋ビジネスエンジニアリング編日本能率協会マネジ メントセンター発行『図解でわかる生産の実務原価管理」より ) 0 部門別計算 次のステップは「部門別計算」です。ここでは特に、費目別計算で得られた部門別費 目別の費用のうち、間接部門の費用を直接部門に「部門間配賦」することがポイントに なります。 181
工場の建物の償却費を例に考えてみましよう。この工場には①加工部、②組立部、③ 生産管理部、④調達部、⑤物流部、⑥業務部があり、③から⑥が間接部門であるとします。 配賦の方法はいろいろありますが、工場の建物なので面積 ( 占有率 ) で配賦することに しましよう。分かりやすいように、①②の製造部門は 30 % すっ、③から⑥の間接部門は 10 % ずっとします。償却費が 1 億であれば、間接部門のトータルの費用負担分は 4 開 0 万円となります。 これを直接部門である①と②にさらに配賦します。配賦の仕方は、①と②の工程が並 列 ( 例えば違う製品を作っている ) ならば生産数量なども考えられますが、 こでは部 門名の示すとおりに工程が直列につながっていると仮定し、それぞれの部門の総作業時 間数で配賦することにします。それぞれが 2 Ⅸ )( ) 時間、 30 開時間であるとし、先の 4 ( 万円をこの比率で割り当てると、①は 16 開万円、②は 248 万円が負担分となります。 よって、①、②の負担分は合計で 468 万円、 54 開万円 ( 合計で 1 億円 ) となります。 このように、「部門別計算」は 2 段階で行なわれることが一般的です。 0 製品別計算 最後のステップが「製品別計算」です。 「製品別計算」は、「部門別計算」で直接部門に集計された費用をさらに製品ごとに配 賦する作業になります。 製品に配賦する方法としては、表のような方法があります。 製品の費用を求めたら、その費用を生産数量で割った値が製品の原価となります。 「製品別計算」には「個別原価計算」と「総合原価計算」の 2 種類があります。 表 : 「製品別計算」の配賦例 製造数量配賦 売上金額配賦 投入数量配賦 購入数量配賦 購入金額配賦 182 各製品の生産数量の割合で配賦する 各製品の売上金額の割合で配賦する 各製品の直接作業時間の割合で配賦する 各製品の原価の割合で配賦する 。。指定した品目の投入数量の割合で配賦する 購入数の割合で配賦する ( 購入品対象 ) 購入金額の割合で配賦する ( 購入品対象 )
0 したがって、一般的には場所コード ( 部門 ) が変わるようなところでは別の「品目コード」 をとることになります。 作成指示データ 作業指示番号 オーダ番号 作業指示日 品目コード ( FK ) 作業指示数 場所コード (FK) 開始予定日 完成予定日 完成済み数 総良品数 総不良数 完了フラグ 備考 作成者 作成日時 更新者 更新日時 品目マスタ 品目コード 使用開始日 使用停止日 品名 規格 図番 / メーカー 版数 品目区分 品目グループコード 単位コード 場所コード リードタイム 安全リードタイム 安全在庫数 歩留率 最小口ット数 刻みロット数 最大口ット数 有効期間 作成者 作成日時 更新者 更新日時 場所マスタ 場所コード 場所名 場所種類コード 取引先コード (FK) 部門コード (FK) 適用開始日 更新日時 更新者名 取引先マスタ 取引先コード 適用開始日 適用終了日 取引先名 取引先カナ 取引先担当部門 取引先担当者名 郵便番号 都道府県 住所 1 住所 2 住所 3 TEL FAX 就業日バターンコード 作成者 作成日時 更新者 更新日時 部門マスタ 部門コード 適用開始日 適用終了日 上位部門 部門階層 部門名 部門略称 カナ名 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 FAX 番号 工賃 更新日時 更新者名 工程管理 ( 製造指図 / 製造実績 ) を学ぶ 作業指示明細データ 作業指示番号 ( FK ) 工順 工程コード (FK) 作成者 作成日時 更新者 更新日時 工程マスタ 工程コード 工程名 図 5 : 「作業指示情報」の ER 図 とはいっても、「ねじ切り」や「穴あけ」の加工工程と、「メッキ」などの表面処理工 程では使用設備もまったく異なります。特に表面処理の多くは外注委託しますが、一連 の工程として「品目コード」が割り当てられないケースがほとんどです。「どうしてだ ? 」 と突っ込まれても明確に回答できないのですが、「一連の作業だから」ということでしょ 127
作業指示明細データ 作業指示番号 (FK) 工順 工程コード (FK) 作成者 作成日時 更新者 更新日時 工数実績データ 工数実績番号 作業指示番号 ( FK ) 品目コード ( FK ) 工順 (FK) 工程コード 部門コード (FK) 担当者コード (FK) 作業日 工数 作成者 作成日時 更新者 更新日時 担当者マスタ 担当者コード 担当者名 カナ 部門コード メールアドレス 適用開始日 適用終了日 更新日時 更新者名 部門マスタ 部門コード 適用開始日 適用終了日 上位部門 部門階層 部門名 部門略称 カナ名 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 FAX 番号 工賃 更新日時 更新者名 品目マスタ 品目コード 使用開始日 使用停止日 品名 規格 図番 / メーカー 版数 品目区分 品目グループコード 単位コード 場所コード リードタイム 安全リードタイム 安全在庫数 歩留率 最小口ット数 刻みロット数 最大口ット数 有効期間 作成者 作成日時 更新者 更新日時 図 8 : 「エ数実績」の ER 図 0 まとめ 132 設計は大きく異なるものになってしまうということです。 て実績計を計上するという関係では同じですが、それぞれの業務の特徴によって DB の 合には「発注→入荷」に対して、工程管理では「作業指示→完成計上」と指示があっ 一方、実績の計上についての DB 設計では、かなり相違点があります。外注委託の場 扱えるようにしておく必要があるということです。 行なえるシステムにしておく必要があります。社内も社外も、単なる場所の違いとして ても外注に委託する場合があります。よって MRP は、社内 / 社外の切り替えが柔軟に 製造現場では、製造ラインや設備の状況によって、通常は社内で作業する工程であっ
それでは、具体的な組織例で考えてみましよう。図 11 は製造関連部門に絞った組織 図の例です。 本社 製造本部 関西工場 生産管理部 関東エ場 生産管理部 製造部 製造部 資材課 購買課 生産管理課 生 製 産 購 資 管 貝 材 2 理 課 課 課 課 課 図 11 : 製造関連部門の組織図 図 11 の例では、 2 つの工場と、それぞれの工場に 2 つの製造課があります。また、 製造 1 課には 2 つの組立ラインがあり、製造 2 課には複数台の加工機械があることにし ましよう。このラインや機械をどのように表現すれば良いでしようか。機械やラインを 組織図に加えるには違和感があります。ラインや機械は製造するための資源ですから、 「資源マスタ」として管理することにしましよう。 「資源マスタ」として管理する項目を図 12 に示します。 「就業日パターンコード」を入れてカレンダーに関連付けることで、資源の稼動日程を 把握できるようになります。 こで、「部門マスタ」と「資源マスタ」の ER 図を図 13 に表わしてみます。複数の 部門で使用する共通資源もあるため、「資源一部門マスタ」という別工ンティティとして 独立させ、複数の部門で共有できるようにしてあります。 資源マスタ 資源コード 適用開始日 適用終了日 資源名 就業日バターンコード 作成者 作成日時 更新者 更新日時 図 12 : 「資源マスタ」 製造 2 課 製造 1 課 1 42
本章では生産管理システムの「時」「人」「場所」に関する、「カレンダーマスタ」「担 当者マスタ」「倉庫マスタ」「部門マスタ」「資源マスタ」「取引先マスタ」「場所マスタ」 を設計しました。ここで設計したマスタを画面に ER 図としてまとめておきます。 本章で生産管理システムのマスタの設計は終了です。次章からはいよいよ、生産計画 0 まとめ では、マスタ設計の終了を祝って「かんば ~ い ! 」。 を皮切りに業務の流れに沿った説明に入ります。 回 SI Obiect 0 物奮 e 【 ER 、 - [5 ラ片第 2 回 Ve れ 3 上 dm ーメインモテ ) 月 ー引ファイル編集表示揮入のモデル圓テータベースツール (I) ウイン崢 言目朝議冨 0 ズ = : 気气夜第、ま鑒論理モデルま、・ 第、物ロロ 2 ロロ 0 \ T ヘルプ ( 印 日ディクショナリ ドメイン デフォルト まゴ工ンティティ づビュー 日、」データモデル を一コメインモデル カレンダー 一三一資源マスタ 目資源マスタ [ 引取引先マスタ 目取引先マスタ を [ 倉庫マスタ 目怠庫マスタ { 担当者マスタ 、一三一部門マスタ 目部門マスタ 生部門系 ER 図 0 ゴ朝第コ デ : : 林接肉 場所マスタ 場所コード 場所名 更新者名 更新日時 用問始日 (FK) 部門コード (FK) 取引先コド (FK) 場所種コード 5 マスタ 適日 上位部門 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 F AX&# 更新日時 更新者名 取引先マスタ 引先コード 適用ド台日 適用了 取引先名 取引先名カナ 取引先担当部門 取引先担当者名 更新者名 更新日時 FAX 住所 3 住所 2 住所 1 都道府県 郵使番号 就業日パターンコード (FK) ヨ朝目 : 盟ロコ シフトコード (FK) 就業区分 就業日パターンコート 就業日マ 更新日時 適用終了 用始日 (FK) 資源コ、一ド (FK) 部門コード (FK) 更新者名 更新日時 言庫名 透用問始日 (FK) 部門コード (FK) 倉庫マスタ 更新者名 更新日時 担当者マスタ 担当者コード 部門 : 1 ード (FK) 担当者名 メールアドレス 適用問始日 (FK) 適終了日 更新日時 更新者名 資源マスタ 源コード 登源名 適用終了 適用問始日 更新者名 更新日時 時則 TO 時刻 FROM シフトコード 就業時問マスタ 更新着名 更新日時 就日パターンコード (FK) 画面 : 「時」「人」「場所」に関するマスタの ER 図 46
怠庫マスタ 倉庫コード 倉庫区分 倉庫名 部門コード 更新日時 更新者名 場所マスタ 場所コード 倉庫コード 場倉庫区分 倉庫名 部門コード 更新日時 更新者名 払出データ ( 統合 ) 払出番号 払出区分 計画区分 作業指示番号 (FK) 工順 (FK) 発注番号 (FK) 発注行番号 (FK) 場所コード (FK) 払出日 払出担当者コード 作成者 作成日時 更新者 更新日時 発注明細データ 発注番号 (FK) 発注行番号 ( FK ) オータ番号 納入場所コード 品目コード ( FK ) 諸ロ品目区分 工程コード 受入予定日 回答納期 発注単価 発注数量 明細備考 入荷済数量 検査済数量 検収済数量 発注金額 消費税金額 完了フラグ 作成者 作成日時 更新者 更新日時 作業指示明細データ 作業指示番号 ( FK ) 工順 工程コード (FK) 作成者 作成日時 更新者 更新日時 在庫管理 ( 受払管理 / 在庫状態 ) を理解する 部門マスタ 部門コード 適用開始日 適用終了日 上位部門 部門階層 部門名 部門略称 カナ名 郵便番号 住所 1 住所 2 住所 3 電話番号 FAX 番号 工賃 更新日時 更新者名 取引先マスタ 取引先コード 適用開始日 適用終了日 取引先名 取引先カナ 取引先担当部門 取引先担当者名 郵便番号 都道府県 住所 1 住所 2 住所 3 TEL FAX 就業日バターンコード 作成者 作成日時 更新者 更新日時 図 9 : 「支給データ」を統合した「払出データ」の ER 図 払出先は「場所マスタ」で統合されます。「発注明細データ」「作業指示明細データ」 へのリンク先は「払出区分」 ( 1 : 作業指示明細、 2 : 発注明細、 3 : まとめ払出 ) で区別 します。テーピング材などの「まとめ払出」の場合には、「払出区分」を「まとめ払出」 として「発注明細データ」「作業指示明細データ」にはリンクしないことになります。 「計画外区分」 ( 1 : 計画払出、 2 : 計画外払出 ) により、計画か計画外での払出かを区 別します。 外注委託先への払出の際は「有償支給」となる場合があります。また、「払出明細デー タ」には「支給単価」と「支給金額」を追加します。 払出明細データ ( 統合 ) 払出番号 ( FK ) 払出行番号 品目コード 払出数 支給単価 支給金額 作成者 作成日時 更新者 作成日時 145