三島由紀夫 - みる会図書館


検索対象: 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて
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1. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】コク 國 ( 国 ) 【訓】くに 【語】國語の授業國歌は君が代、國旗は日の丸日本國憲法三島由紀夫の「憂國 忌」愛國心祖國を捨てる 【蘊蓄】「國」の字はロに「或、を加へたもの。新字「国」は俗字「国」に點を加へたもの。 「國ーの別體に德川光圀の「圀」があるが、これは則天武后が自らの權威づけのため にこしらへたいはゆる「則天文字」。 作家江國香織さんは「國」の字。「江国ーとは書けない。 【例文】山田孝雄『國語學史』昭和十八年 よしを

2. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

鹽 ( 塩 ) 【語】鹽分をひかへる鹽田の開拓鹽加減このジャムの味はいい鹽梅だ鹽引 の鮭 【蘊蓄】徒然草に面白い話が出てゐる。ある醫師がしきりに自慢して、自分は食品關係のもの ならどんな語も文字も完璧に知ってゐる。なんなら聞いてみよ、といふことを言ふ。 そこで意地悪な公卿が「しほといふ文字はいづれの偏にか侍らん」 ( シホといふ字は なに偏か ) と尋ねる。醫師は「上偏に候」と答へる。そこで皆、大した學でもないぢ ゃないかと言って笑った、といふ話だ。たしかに「鹽」は土偏でない。當時もふだん は「塩ーと書いてゐた。 【例文】三島由紀夫『潮騷』昭和二十九年 【音】エン 【訓】しほ あんばい しほ・ひき

3. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

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4. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【語】 砂防林が砂の擴散を防いでゐる寫眞を擴大する守備範圍を擴張する最近 沙漠が擴がってゐる つくり 【蘊】「擴」の字の旁は「廣」。「廣」の旁は「黄」。當然「擴」にはコウの音もあるが、その 音でわが國で使はれる熟語はないのではないか。「黄」を含む文字には「礦 ( コウ・ しゃうへいくわう あらがね ) 」、「鑛 ( コウ・あらがね ) 」、昌平黌の「黌」、それに「横」などがある。 「横 ( オウ・よこ ) 、の字にもコウの音はあるが日本語で使ふ機會はないやうだ。 【例文】三島山紀夫『潮騷』昭和二十九年 注・「擴げたまま」の部分は原文「ひろげたまま」。他は原文通り。

5. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

ごろくさむし すぐろく 一二の目のみにあらす五六三四さへありけり雙六 さえ の頭 ごすぐろく つれづれ慰むもの、碁、雙六。物語。三つ四つの ちごの、ものをかし、つ言ふ。 竹什隹 巧 2

6. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

舉。舉。舉。舉。舉。 さんが そのなか か、る繁花の其中に、三ケの津にて一人と呼ば ほむ そのすがた れし、菊之丞が其容貌、譽るにも詞なく、譬へん だんご てう とするに物なし。のお仙小指をくはヘ、銀杏の せつけい おかんはだしにて迯げ、雪溪が花鳥も色を失ひ、 はるのぶ す 春信も筆を捨つ。 っ いちにん 236

7. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】チュウ ( チウ ) 蟲 ( 虫 ) 【訓】むし 【語】今年は蟲害で不作だ一寸の蟲にも五分の魂蟲の居所が悪い 好き好き泣き蟲娘に蟲がついたやうだ 【蘊】「虫」は古くから「蟲」の略字として使はれてゐた。新字はそれによる。ただもとも と「虫」は「まむし」の意味のやうだ。三つ重ねて「蟲 , となると多くの小さな生き 物、ひいてはむしの意味になる。 【例文】島木健作『ジガ蜂』昭和十九年 蓼喰ふ蟲も 179

8. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ヨ 譽 ( 誉 ) 【訓】ほまれほむ ( ほめる ) 【語】名譽ある地位優勝の榮譽を稱へる 【蘊】音符になってゐる「與」は手を寄せ合ってものを持ち上げる意。「與」の項を見よ 譽は言葉で人を持ち上げる意。「與」を持っ字にはほかに、擧 ( こし ) 、歟 ( か ) など がある。ちょっと古い文にはよく出てくる。また擧がある。あげる意。「擧」の項を 見よ。 【例文】風來山人 ( 平賀源内 ) 『根無草後編四之卷』 注・三ケの津Ⅱ京・大坂・江戸。菊之丞Ⅱ江戸中期の人氣女形二代目瀬川菊之丞 237

9. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ジョウ ( デフ ) 疊 ( 畳 ) 【訓】たたむかさぬ ( かさねる ) 【語】千疊敷の大廣間四疊半襖の下張疊敷きの部屋 【蘊蓄】古典を讀んでゐると「疊紙 ( たたうがみ ) , が盛んに出てくる。重ねた紙をふところ に入れておき、和歌を書き記したりする。 新字「畳」は「疊」の「品」の田三つを一つにしたものだが、やや珍しい新字體だ。 壘は塁だし、澁は渋、攝は摂、區は区、燒は焼、といふ具合にいろいろだが、疊↓畳 は蟲↓虫、參↓参としたタイプになる。 【例文】志賀直哉『暗夜行路』第二の一一大正十一年 127

10. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

かこふこふ とあれば假名を見ただけである程度見當がっきます。その點で舊假名の方がこの場合分り やすいのです。 そんなことで舊假名でやってみました。、、 へつに抵抗はないだらうと思ひます。最初の一 ページぐらゐは少し氣になるかもしれませんがすぐ慣れます。ご安心ください。ではどう ぞ舊漢字の世界へ。ぞんぶんにお樂しみください。 ちょっとその前に あ、その前にいはゆる舊漢字の字體、字形といふことについて一つ二つ、あるいは三つ ふ ほど、觸れておきたいことがあります。 ごぞんじのやうに「新字体といふのは昭和二十一年十一月に出された「当用漢字」に ついて、昭和二十四年四月になって告示された「当用漢字字体表」の字體をいひます。私 のこの本で最初の見出し字は「惡」三二頁 ) ですね。これを「悪」の形に變へた。隨分 め じ形が變ってゐます。次の見出し字「壓」などは「圧」と、原形をとどめぬばかりに變形さ せられてゐます。