【音】デン 專 ( 云 ) イイ【訓】ったへるったはるって 【語】傳言を賴む傳説的映畫女優原節子騎馬戦は本校の傳統竸技だ箱根驛傳の 覇者宣傳弘報活動傳家の寶刀を拔く『古事記傳』經書の注解『春秋左 って 氏傳』傳傳手 【蘊蓄】新字は日本で使はれてゐた俗字による。 【例文】文部省唱歌「鎌倉ー明治四十三年 佐藤春夫「秋刀魚の歌」 ( 『我が一九二二年』大正十二年 ) 193
うみ 七里ケ濱の磯傳ひ稻村ヶ崎、名將の劍投ぜし 古戰場 男あり あはれ秋風よ情あらば傳へてよ ゅふげ て今日のタ餉にひとりさんまを食ひて思 ひにふけると。 こころ 192
コ周 私はいま机の上に、東洋の地圖をひろげながら、 古代印度や古代シナの傳道者達の歩いた道を偲ん でゐます。東洋の聖者達は大漂泊者であった、ま づこの感にうたれます。 リ 4
【音】コウ ( クワウ ) 廣 ( 広 ) 【訓】ひろしひろがる 釧路から根室にかけての廣大な原野醉った勢ひ 【語】廣場で遊ぶ廣告宣傳部門 で廣言を吐いてしまった廣津さん廣澤さん廣島縣 【蘊】音符は「黄」。「黄 , ではなく「黄」。 「広」の字は「弘報ーの「弘」、「曠野」の「曠」の書き換へに用ゐられることがあっ て「広報ー「広野」となる。 【例文】中村光夫『異邦人論』昭和一一十七年
車車【訓】ころぶめぐるまろぶうたた 【語】伊豆に轉居する營業職に轉職する食品販賣に轉業する配置轉換で窓際族 となる自轉車自動車の運轉 ころがる意の古語。音符 【蘊】「まろぶ」の訓を擧げたが漢和辭典にはあまり出てゐない の「專 ( セン・テン ) ーはめぐる意。「專」を持っ字には、傳 ( 伝 ) 、囀 ( さへづる ) などがある 【例文】『太平記』卷第三十九 注・原文はカタカナ。化け物出現の場。 19 ノ、
【音】ジュウ ( ジフ ) 止此 ( 軣 ) ぐイぐイ【訓】しぶいしぶるしぶ 【語】交通澁滯に卷き込まれる澁面をつくる苦澁の選擇澁谷センター街澁 い演技 【蘊蓄】「澀」が本字だからこの字が使はれることもある。讀み方は知らなくてはならない 外の史傳に出る澀江抽齋などはこの字しか使はないのだらう。 とど ) ほ 旁の「止ーは足の象形で、足がもつれて滯ることを意味するのだといふ。 【例文】葛西善藏「奇病患者」大正六年 注・「とうとう」は正しくは「たうとう」。
をはりに はば生れつきの ( ? ) 傳統派なのですが、學生のころ輻田恆存氏の『私の國語敎室』が出 て、それを熱讀して自信を深めたものでした。こんにち舊字舊假名はますます整然として 美しく、かっ合理的なものと感じてゐます。 それにしても、ご存じとは思ひますが、いまどき舊字舊假名の本、少し居ずまひを正し て言ひ替へると「正字・正假名ーの本、を出すといふのは、讀書界・出版界の諸事情から して極めて難しくまた稀なことです。この度は實に幸ひなことに、西尾幹二先生のお勸め とご紹介により文藝春秋の新書編集局長細井秀雄さんと接觸することができ、このお二方 のお勵ましを得てこのやうな本ができました。感謝のほかはありません。 ど、つもありかた、つございました。 平成十九年六月 萩野貞樹 2 ) )
【音】トウ ( タウ ) 當 ( 当 ) 【訓】あたるまさに : 當日は朝から外出してゐた 【語】選擧で當選する當時の事情はよくわからない 坪内逍遙作『當世書生氣質』正當な理由當然 ( マサに然るペシ ) 【蘊蓄】「當」の字は、「尚」と「田」とから成る。「尚」の意味は辭書によって説明がいろい ろだが、 「ねがふ ( 願 ) ーとか「みあふ・相當する」の意味のやうだ。そこで「あた る」の意となるといふ。 「当」は省略形の俗字による。 たいま たいまのけはや 「當麻」は奈良縣の地名。「當麻蹴速」は相撲の祖とされる傳説的人物 たぎの 「當藝野ーは『古事記』ほかに見える地名 ( 岐阜縣 ) 。 【例文】『太平記』卷第十九 あざむか 注・原文はカタカナ。「欺ん事」とあるのは「あざけられること」の意。
っとめる勉 ( 勉 ) 一ティ 遞 ( 逓 ) 一 ティ つね恆 ( 恒 ) 男 程 ( 程 ) 一 つのる募 ( 募 ) 一テキ適 ( 適 ) 一 つばさ 翼 ( 翼 ) 一テッ 鐵 ( 鉄 )E つぶら圓 ( 円 迭 ( 迭 ) 一 つほ 坪 ( 坪 ) 一 點 ( 点 ) 2 つましい 儉 ( 倹 )z 轉 ( 転 ) つらなる 連 ( 連 ) 一 傳 ( 伝 ) つる 釣 ( 釣 ) - 圖 ( 図 )± 兼つるぎ劍 ( 剣 ) 途 ( 途 ) 一 ティ 體 ( 体言 戸 ( 戸 ) 一 舊ティ 呈 ( 呈 ) 一 當 ( 当 )h 195 191 トウ黨 ( 党プ 冬 ( 冬 ) 一 燈 ( 灯 ) 一 逃 ( 逃 ) 一 唐 ( 唐 ) 一 盜盗 ) 一 再 ( 塔 ) 一 トウ 搭 ( 搭 ) 一 稻 ( 稲 ) 糖 ( 糖 ) 一 28 ー
【音】イ ( ヰ ) 【訓】かこふかこむ 【語】周圍に氣を配る自分のできる範圍はここまでだ圍爐裏ばたで昔話を聞く 圍ひ女郎 【蘊】「韋ーはヰの音を表す。緯度、偉人、違反など。 かこひ 「圍ひ」は遊女の位の名 ( 〔圍ひ女郎〕 ) 。上から順に、太夫、天紳、圍ひ ( 鹿戀 ) 、半 さんちゃうめちゃ や 夜 ( 主に京で ) 、などがある。また、太夫、格子、散茶、梅茶などと井べることもあ る。座敷持ち、部屋持ち、廻り女郎、といった格づけのしかたもある。これは時代別、 遊廓別でいろいろな型がある。特に高級遊女を「よびだし」「書三」などと呼ぶこと まさやす もある。これらについては山東京傳や柳亭種彦といった文人、また宮川政運、山中共 古などの國學者が、それこそ蘊蓄を傾けてゐる。 【例文】森外『雁』大正一一年 圍 ( 囲 ) かこ ち・つさん ん 2