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検索対象: 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて
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1. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】アッ 壓 ( 圧 ) 【訓】おすおさへる 【語】敵を壓倒する熱帶低氣壓社會運動に彈壓を加へる展示品の壓卷は「モナ リザーだ 【蘊蓄】壓の字は、「厭世」の「厭」の字に「土」を加へたもので「おさへる , 意に用ゐる。 新字「圧」は省略形による。 くわんおさ 「壓卷」は詩集などの「卷を壓へる」意。むかし、科擧で最優等の答案を、積み上げ た他の答案の上に、「おさへる」形にのせたことから言ふ。 【例文】輻田恆存「芥川龍之介」 ( 『作家の態度』昭和一一十一一年 )

2. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

乘 ( 乗 ) 【音】ジョウ 【訓】のる 【語】乘車乘船乘馬騎乘試乘乘除の計算 【蘊蓄】例によって成立には諸説あるやうだが、いづれにせよ人間が何かの上に乘るの意の文 字。ちなみに「載」は車にのせる意。「乘」には人の「油斷に乘するーとか、「三に五 を乘する」とか「調子に乘る、とかの用法もある。 「乘」の要素を持っ常用漢字には「剰ーがある。 【例文】額田王『萬葉集』卷一

3. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【語】大江戸繪圖伴大納言繪卷の研究塗り繪を樂しむ繪馬を奉納する繪畫 敎室に通ふ 【蘊】いとへんに「會」。もと五色の絲を集めて刺繍する意から「ゑ、の意味となった。日 本語には元來繪を表す語がなかったのだらう、古來「ゑ , といふ漢語を使ふ。「會」 ひのき を持っ字は、鱠 ( クワイ ) 、檜 ( クワイ ) 、など。 【例文】オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肯像』輻田五存譯 ゑづ なます

4. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ヨ 餘 ( 余 ) / 【訓】あまる 【語】週末の餘暇を過す宴會の餘興颱風の餘波で海はまだ荒れてゐる名演奏の 餘韻が耳に殘る紆餘曲折を經て著工にこぎつける 【蘊蓄】「餘」の字は「食」 + 「余」で食物があまる意。新字「余」は俗に「餘」の略字として 用ゐられたものによる。一人稱「われ」の意の「余」は本字の「余」であって、「餘ー の略字ではない。 【例文】『古事記』上卷 上屋文明『旅人と憶良』昭和十七年 23 )

5. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

車車【訓】ころぶめぐるまろぶうたた 【語】伊豆に轉居する營業職に轉職する食品販賣に轉業する配置轉換で窓際族 となる自轉車自動車の運轉 ころがる意の古語。音符 【蘊】「まろぶ」の訓を擧げたが漢和辭典にはあまり出てゐない の「專 ( セン・テン ) ーはめぐる意。「專」を持っ字には、傳 ( 伝 ) 、囀 ( さへづる ) などがある 【例文】『太平記』卷第三十九 注・原文はカタカナ。化け物出現の場。 19 ノ、

6. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ショウ ( セウ ) 堯 ( 尭 ) 吹 . 吹 . 【訓】やく 【語】本堂は燒失をまぬかれた ごみの燒却爐ご燒香ください の茶碗鰻の燒やきもちを燒く 靜岡縣の燒津港 【蘊】音符の「堯」の原義はよくわかってゐないやうだ。これを持っ字は多い。曉 ( 暁 ) 、 たわ 翹望の翹、僥倖の僥、饒舌の饒、圍繞の繞、撓む、など。 【例文】森川許六『風俗文選卷之六』 ぜうぜっ ゐぜう 燃燒實驗樂燒 ら′ . 、やき

7. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

價 ( 価 ) 言】 メーカ 1 の希望小賣價格市價の半額で販賣する定價百圓 【語】價値が高い あたひ 高價な買物聲價がとみに高まってゐる價はおいくら しゃうこ あきな 【蘊蓄】音符は「賈」で、商ひの意。「商賈」は商賣また商人のこと。「貝」がついて商活動に かかはる字といふことがすぐわかる。新字「価」は「賣」を「売」にしたのと竝んで 最もたちの悪い字體のひとっと言へる。 【例文】大伴旅人『萬葉集』卷第三 【訓】あたひ

8. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ヨ 譽 ( 誉 ) 【訓】ほまれほむ ( ほめる ) 【語】名譽ある地位優勝の榮譽を稱へる 【蘊】音符になってゐる「與」は手を寄せ合ってものを持ち上げる意。「與」の項を見よ 譽は言葉で人を持ち上げる意。「與」を持っ字にはほかに、擧 ( こし ) 、歟 ( か ) など がある。ちょっと古い文にはよく出てくる。また擧がある。あげる意。「擧」の項を 見よ。 【例文】風來山人 ( 平賀源内 ) 『根無草後編四之卷』 注・三ケの津Ⅱ京・大坂・江戸。菊之丞Ⅱ江戸中期の人氣女形二代目瀬川菊之丞 237

9. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】ソウ 肉い公い 妙妙市【訓】すぶ ( すべる ) すべてふさ 【語】總理大臣警視總監總裁選擧總務部長に任する全員の總意によって推 しもふさ 擧する下總の國 【蘊】「總合」といふのは「綜合」の書き換へ字である。また「總領」は「惣領」の書き換 へ。糸偏に「惠」 ( たばねる意 ) 。 「總角ーはソウカクと讀むが、この髮形はわが國の「あげまきと似てゐるので「あ げまきと訓ずる。『源氏物語』の卷名にある。 【例文】谷崎潤一郎『文章讀本』昭和九年

10. 舊漢字 : 書いて、覺えて、樂しめて

【音】チ 遲 ( 遅 ) 【訓】おくる ( おくれる ) おそい 【語】授業に遲刻する召集を受けて遲參する最近郵便の遲配が多い遲々として 仕事がはかどらない 【蘊】遲の字はシンニュウ + 「犀」。犀は「のろい」の意で、のろい動物「犀」。遲と遅は字 よくできた新字だ。もちろん古くからの 畫はかなり違ふが、あまり違ふ印象がない 略字である。 これもりみやこおち 【例文】『平家物語』卷第七「維盛都落」 これもり 注・平家の西國都落の際、維盛は妻子があまりに別れを悲しむので、いろいろなだめ てゐるうちに皆に遲れてしまったと言ってゐる場面。 17 )