【音】カイ ( クワイ ) 工 ( ヱ ) 會 ( 会 ) 【訓】あふあつまるさとる 【語】會合は樂しかった英會話の練習に打ち込む株式會社會釋を交す國會 あひづ 打撃の要領は會得した會津地 議員の選擧社會主義政黨が勢力を伸ばした わたらひ 方の歴史渡會さん 【蘊】「会」の字は「會、の省略形による。 「會釋、とか「會者定離」などのやうにヱといふ音があるが、絲偏の「繪 ( 絵 ) 」もや はり〔音〕。「ゑ ( 繪 ) 」はやまとことばではなく漢字音である。だから「ゑ ( 繪 ) 、は 漢語なのだが大和言葉のやうに扱って「畫」を「ゑ。と「訓讀」することがある。お もしろい現象だ。「會得」の「會」は「さとるーの意。 【例文】菊池寬「ゼラール中尉」大正七年 ゑしやく
【音】シ 齒 ( 歯 ) 【訓】はよはひ 【語】齒科醫齒醫者さん齒牙にもかけない 齒・奧齒 【蘊】齒の字はこれだけで年齡 ( よはひ ) の意味もある。齡の字は齒偏。熟語は多くないが しゃうしくわい 「尚齒會」 ( 年齡を尚ぶ會・敬老會 ) は古來盛んでよく使ふ語。唐の白居易 ( 白樂天 ) みなぶちのとしな が最初だがその三十年ばかり後にはわが國でも大納言南淵年名の主催で開催されたと 『古今著聞集』ほかにある。 きた あくせく 齒を持っ字には、年齡の齡 ( 齢 ) 、齟齬を來すの齟・齬。齷齪働くの齷・齪、齒齦 〕っしもく ( はぐき ) の齦、齧齒目の動物の齧 ( かじる ) などがある。 なんほ 【例文】蜀山人 ( 大田南畝 ) 『山百首』 たふと 門齒・大齒・乳齒・永久齒・絲切 しぎん いときり ー 0 ー
【語】大江戸繪圖伴大納言繪卷の研究塗り繪を樂しむ繪馬を奉納する繪畫 敎室に通ふ 【蘊】いとへんに「會」。もと五色の絲を集めて刺繍する意から「ゑ、の意味となった。日 本語には元來繪を表す語がなかったのだらう、古來「ゑ , といふ漢語を使ふ。「會」 ひのき を持っ字は、鱠 ( クワイ ) 、檜 ( クワイ ) 、など。 【例文】オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肯像』輻田五存譯 ゑづ なます
癶豆 ( 正 ) 【音】シ「ウ 【語】證據をあげる次の等式を證明せよ證券會社身分證明書を提示する立 あかし あかし 證する責任がある身の證を立てる愛の證 【蘊蓄】證の俗字による新字體が「証」なのだが、もともとセイと讀む「証ーといふ字があっ て「いさめる」の意。ただ我が國ではその意味で使ふ例はほとんどないと思ふ。 、と思ふのだらう。 證券會社の看板はたいてい證の字を使ってゐる。形がいし 【例文】芥川龍之介『邪宗門』大正十一年 121
アク惡 ( 悪 ) アッ壓 ( 圧 ) イ醫 ( 医 ) イ圍 ( 囲 ) イチ壹 ( 壱 ) ェイ榮 ( 栄 ) エン圓 ( 円 ) / エン鹽 ( 塩 ) オウ歐 ( 欧 ) オウ櫻 ( 桜 ) 和 オウ應 ( 応 ) カ假 ( 仮 ) はじめに 7 字音により、五十音順に配列した。字音は表音式表記による。例へば「會」の字音 は「クワイ」となるが、これは「カイ」として處理した。また複數の音がある場合 は語例・使用例の多いと思はれるものを採った。「會」の場合「カイ ( クワイこ 「エ ( ヱこの字音があるが、「カイ」の方が多いと見て「カイ」の位置に置いた。 カ價 ( 価 ) キ龜 ( 亀 ) 」 ガ畫 ( 画 ) キュウ舊 ( 旧 ) カイ會 ( 会 ) キョ據 ( 拠 ) カイ繪 ( 絵 ) キョ擧 ( 挙 ) カク擴 ( 拡 ) ク區 ( 区 ) ガク學 ( 学 ) ケイ輕 ( 軽 ) ガク嶽 ( 岳 ) ゲイ藝 ( 芸 ) っ カン罐 ( 缶 ) ケッ缺 ( 欠 ) 新 カン關 ( 関 ) ケン縣 ( 県 ) カン觀 ( 観 ) “ ケン儉 ( 倹 ) 田 キ氣 ( 気 ) “ コウ廣 ( 広 ) ” キ歸 ( 帰 ) 硺 コウ恆 ( 恒 ) 80 78 76 74 72 70
【音】ジン 盡 ( 尽 ) 【訓】つく ( つきる ) つくすことごとく 【語】會社再建のため盡力する首切り一邊倒の理不盡な會社再建策盡忠報國不 盡 ( 手紙末尾の語 ) 【蘊蓄】「尽」は省略形の俗字による。作家丸谷才一さんは自著を新漢字で出版する際にも、 昼、芸、証、尽などの新字は許さない。それぞれ、「書ー「藝ー「證」「盡 . と印刷させ てゐる。 「盡ーは、刷毛で淸めた空つほな皿の意から「つきる . 「つくす」の意に轉じたもの。 【例文】長塚節『土』明治四十五年 133
岡田は窓の女に會釋をするやうになってから餘程 久しくなっても、其女の身の上を探って見ようと もしなかった。無論家の樣子や、女の身なりで、 かこひもの しか 圍物だらうとは察した。併し別段それを不快にも ん ( ない。 冂司習月
「議員の罐詰」と言ふ新熟語が流行する、府縣會 議員中の味方のフラフラもの、又は敵方からの捕 虜を料理屋又は待合に押籠め番人を附して、役員 選擧當日まで監禁して置くのを指すのである。 uo 隹
龍華寺の信如、大黒屋の美登利、一一人ながら學 校は育英舍なり、去りし四月の末つかた、櫻は散 りて靑葉のかげに藤の花見といふ頃、春季の大運 動會とて水の谷の原にせし事ありしが、つな引、 鞠なげ、繩とびの遊びに興をそへて長き日の暮 る、を忘れし、 ( 略 ) 128
共産ド義は、マルクシズムの東歐型とも稱すべきものである。 マルクシズムは元來西歐、殊にイギリス資本生義の解剖の上に打 ち立てられた革命理論であったが、 それがロシャその他、資本生 義發達の甚だおくれ、また議會政治といふ形におけるデモクラシ イの訓練の缺けた國々において、一種變則的な成長をした。 廴 .