第作者 トね 4 、マい / 世阿弥 ニ番目物 実盛 しのはら たあみ 【あらすじ】諸国遊行の他阿弥上人が、加賀国 ( 石川県 ) 篠原で、連日説法を行 「エ豕物造 っていますと、一人の老人が一日も欠かさず聴聞に来ます。しかし不思議にもそ人物 の老人の姿は、上人以外の人には見えません。そのため上人がその老人と一一一一口葉をアイー篠原の里人 ( 狂一一〔上下 ) ワキーー他阿弥上人 ( 角帽子、経水衣、 交わしていても、上人が独り一一一口を喋っているようにとれ、土地の人は不審に思い 無地熨斗目 ) ます。今日も、その老人がやって来たので、上人がその名を尋ねますが、なかな 前、ンテーー老人〈化身〉 ( 面笑尉、茶 か明かしません。強いて尋ねると、人を遠ざけた後、斉藤実盛は篠原合戦で討た経示衣、無地熨斗旦 れ、その首をこの前の池で洗ったことを話し、自分こそ一一百余年を経て、なお成後シテ・・・・・斉藤実盛の霊 ( 面 ( 手蔚、白 垂、梨打鳥帽子、法被、半切 ) 仏出来ずにいる実盛の亡霊であると明かしてん失せます。〈中入〉上人は里の男 ー場所 に、実盛の出自、最期の様子、首実検の様などを尋ね、いよいよ先刻の老人は実 加賀国、篠原 ( 現・石川県加賀市篠 盛の亡霊であると認め、その跡を弔っことにします。その夜、上人が池のほとり 原町 ) たむけ で念仏を唱えていると、実盛の霊が、白髪の老武者の姿で現れ、その手回に咸館■時 ひたたれ し、報恩のため、首実検の様、さかのばって錦の直垂を拝領しての出陣の模様、秋 ! 凍能時間 木曾義仲と組もうとして、手塚太郎に討ち取られた一部始終を物語り、なおも回 一一時間 向をたのんでん失せます。 【みどころ】古くは「篠原」また「篠原実盛」などともいっていたようです。世長胡床 ( 観 ) 124
■作者 ′リゅぎようやなぎ 観世小次郎信光 三番目物 遊行 ・素材 【あらすじ】一遍上人の教えを全国にひろめようとしている諸国遊行の聖が、上 野国 ( 千葉県 ) から奥州へと志します。白河の関を越えて、新道を行こうとする第人物 と、呼びかけてくる老人があります。老人は、先代の遊行上人が通ったのは、そワキー遊行上人 ( 角帽子、経水衣、 白大口 ) 、またそこには朽木の柳と の新道ではなく、古道とよんでいる昔の街道だといい ワキツレー従僧 ( 角帽子、縷水衣、 いう名木があると教え、聖をします。もついまはあまり人の通わなくなった 白大口 ) 古道は、草が生い茂り、古塚の上に柳の老木があります。聖がこの柳の名木たる前シテー老翁〈化身〉 ( 面阿古父尉 謂れを問うので、老人は、昔、西行がこの地へ旅し、「道のべに清水流るる柳かげ、または翳、茶経水衣、小修 + 厚 しばしとてこそ立ちとまりつれ」という歌を詠んだことを物語ります。そして老板 ) アイー白河辺の者 ( 長上下 ) 人は、聖から十遍の念仏をさずかると、古塚に身を寄せるかのようにん失せま 後シテー老柳の精 ( 面皺尉、白垂、 す。〈中入〉聖は、通りかかった所の者からも朽木の柳の謂れを聞きただし、先程風折子、単狩衣、萌黄大口 ) の老人の話をします。所の者は驚いて、重ねて奇特を見るように勧めます。その■明 夜、聖たちが念仏を唱え、仮寝をしていると、柳の精が、白髪の老翁姿で現れま下野国、芦野 ( 現・栃木県那須郡那 須墅戸野 ) す。そして、非情の草木まで成仏することの出来る念仏の効力を賛えます。更に 柳に因む故事を述べ、喜びのあまり楊柳観音や蹴鞠のこと、更に氏物巴の秋 ■演能時間 柏木の恋の話へと次々と話題をひろげてゆき、最後に報謝の舞を心静かにまい、 ひじり 252
・作者 四番目物 世阿弥 やましなのしようじ ■素材 【あらすじ】白河院の庭の菊作りをする山科荘司という老人が、女御の姿を見て から恋慕しているとの噂に、朝臣は、その老人を呼び出し、美しい布で包み「恋■人物 重荷」と名付けた荷物を持って、御庭を廻れば、その間に女御が姿を見せようとワキー朝臣 ( 風折烏帽子、単狩衣、 白大口 ) の事だと伝えます。老人は、喜んで精魂を傾けて荷を持と、つとしますが、持ち上 もてあそ ツレ。・・・・女御 ( 面小面、天旗赤地唐 がりません。ついにカ尽きて、女御に弄ばれたことを恨み憤って自殺します。〈中 織壺折、緋大口 ) 入〉従者から、老人の死を聞いた朝臣は、女御にその由を告げ、こうした者の一前シテ・・・・山科荘司 ( 面阿古父尉、尉 念は恐ろしいから、一目見てやるように勧めます。女御はさすがに隣れに思われ、髪、経示衣、小格子厚板 ) アイー下人 ( 長上下 ) 重荷の所に行き「恋よ恋、わが中空になすな恋」と悔み、やがて立とうとします ばんじゃく 後シテー荘司の怨霊 ( 面重荷悪尉、 が、磐石に抑えられたように動くことが出来ません。そこへ老人の亡霊が現れ、 白頭、半被、半切 ) 女御に恨みを述べ、激しく責めますが、やがてその心も和らぎ、千代までも女御■場 京都、御所 ( 現・京都市上京区京都 の守り神になろ、つと誓って姿を消します。 御苑Ⅱ北は今出川通、南は丸太町通、 【みどころ】下賤な男が高貴な女性に恋をする、しかも老人が若い女性を、とい 東は寺門通、西は鳥丸通の一構日の うパターンは日本の文芸の中にいくつかあります。この能では、男の恋の執念が 山英北部 ) 主題となっていますが、それまでの、恋をするものの期待、歪女、嘆き、そして 怒り、恨みといった心理のゆれが、短い中に巧みに描き込まれています。能では秋 106
・作者 一番目物 世阿弥 高砂 ともなり ■素材 【あらすじ】肥後国 ( 熊本県 ) 、阿蘇の宮の神主・友成は、都見物を思い立ち旅に 「古今集」仮名序と「たれをかも知 当、ら、ん 出ます。途中播州高砂に立ち寄り、浦の景色を眺めていると、そこへ竹杷 ( 熊手 ) る人にせむ高砂の、松あ友なら す、」、つき なくに」「われ見ても久しくなりぬ と杉箒を持った老人夫婦がやって来て、松の木陰を掃去活めます。友成は、有名 な高砂の松はどれかと尋ね、また高砂の松と住吉の松とは場所が離れているのに、住吉の、岸の姫松いくよ経ぬらむ」 の二首の歌 なぜ相生の松と呼ばれるのかと、その理由を問いただします。老人は、この松こ そ高砂の松であり、たとえ所をへだてていても夫婦のなかは心が通うものだ、現ワキー阿蘇の宮の神主・友成 ( 大臣 にこの姥は当所の者、尉は住吉の者だといいます。そして老人達は、さまざまなⅢ子、袷狩衣、白大 一」とほ ワキツレー従者 ( 大臣Ⅲ子、赤地 故事をひいて松のめでたさを語り、御代を寿ぎます。やがて両人は、実は相生の 袷狩衣、白大口 ) 松の精であることをあかし、住吉でお待ちしていると告げ、小舟に乗って沖の方 ツレー姥〈高砂の松の精〉 ( 面姥、 へ消えてゆきます。〈中入〉友成は、土地の者から、再び相生の松のことを聞き、 縷水衣、無紅庚付 ) 先程の老人夫婦の話をすると、それは奇特なことだから、早速自分の新造の舟に前シテー尉〈住吉の松の精〉 ( 面小 乗って住吉へ行くことを勧められます。そこで、友成たちも高砂の浦から舟で住生唐、茶経水衣、白大 アイー嵩砂の浦人 ( 長上下 ) 吉へ急ぎます。住吉へ着くと、残雪が月光に映える頃、住吉明神が出現し、千秋 後シテー・ー住吉明神 ( 面邯鄲男、里、 万歳を祝って颯爽とまいます。 透冠、袷狩衣、白大口 ) ■場所 【みどころ】脇能は、神を主人公とし、天皇の治める世を聖代として祝福すると たか」ご 158
あやのつづみ 四番目物 不明 ( 古作 ) 【あらすじ】則国 ( 福岡県 ) の木の丸の御所には、桂の池という名高い池があ って、いつも管絃の御遊が催されます。ところで、ここの庭掃きの老人が、その■人物 ツレー - ・・女御 ( 面小面、天冠、宙壺 御遊の宴に出られた女御の御姿をふと見かけ、あまりの美しさに恋心を抱くよ、つ 折、緋大口 ) になります。その事が噂となり、やがて女御のお耳に入ります。女御は不便に思 ワキー廷臣 ( 風折烏帽子、単狩衣、 召して、池のほとりの桂の木の枝に鼓を掛けおくから、それを打ってその音が皇 白大口 ) 居の内に聞こえたら、も、つ一度姿を見せようとのお考えである、と廷臣が述べ、 アイー・従者 ( 狂一一長上下 ) 従者に老人を呼び出させます。老人は、その事を聞かされ、喜んで桂の木の側へ前シテ・・・・・庭掃きの老人 ( 面阿古父 ゆき、心をはすませてカ一杯鼓を打ちます。しかし打てども打てども鼓は鳴りま示衣、小格子厚板 ) 後シテ、・・ , 老人の怨霊 ( 面大悪尉、白 せん。その鼓は、綾で張ってあったので、鳴る筈はないのですが、老人はそうと 頭、法被、半切 ) は知らず、望みのかなえられぬことを恨んで、池に身を投げて死んでしまいます。・場明 〈中入〉その事を聞いた廷臣は、女御に報告し、池の辺りに出られるようにすすめ削国、木の丸御所 ( 現・福岡県 ) ます。池の側に来ると、女御は正気を失い、池の水の波打っ音が鼓の音に似てい るなどとロ走ります。ほどなく池の中から、老人の怨霊が現れ、女御を激しく責 ー演能時間 めつけます。そして、恨みの言葉を残して再び恋の淵に身を沈めてゆきます。 一時間一一十分 【みどころ】『三迴に「恋の重荷、昔、綾の大鼓也」とあります。その「綾の第小書 ■素材
五番目物 榎並ノ左衛門五郎原作 ( 世阿弥改作 ) きょすみ ・素材 【あらすじ】安房国 ( 千葉県 ) の清澄の僧が、甲斐国 ( 山梨県 ) への行脚を志し、 いさわがわ 途中、石和川のほとりに着きます。その土地の人に、一夜の宿を頼みますが、旅■人物 の者に宿を貸す事は禁制だと断わられます。その代り、川辺の御堂を教えられ、ワキ・・・・・旅僧 ( 角帽子、経衣、無地 熨斗目 ) そこに泊ることにします。するとそこへ、一人の老人が、鵜を休めるために立ち ワキツレー従僧 ( 角帽子、縷水衣、 寄ります。僧が、老人なのにいつまでも殺生をするのは止めて、他の職業につい 無地熨斗目 ) たらと意見をすると、老人は、自分は若い時からこの仕事で生計を立ててきたのアイ・・・・・石和の里の者 ( 狂言上下 ) で、今更止める訳にはいかないと答えます。従僧が、一「三年前に此地を訪れた前シテ , - 朝使い大 ( 面 ( ) 翕また は朝ム翳、尉髪、経水衣、無地熨斗 時、このよ、つな老人に逢い、 もてなしを受けたと話すと、老人は、その鵜使いは 目、腰蓑 ) 禁漁を犯したため殺されたと物語り、実は自分がその亡者だと明かします。僧の 後シテー地獄の鬼・閻土 ( 面小 すすめで、亡者は罪業消滅のため鵜飼の様を見せてんてゆきます。〈中入〉僧達見、赤頭、唐冠、紅葢板、半切、 は、やって来た先刻の土地の者からも、密漁をして殺された男の話を聞き、以前法被 ) の老人こそ鵜使いの化身であったと信じ、法華経の文句を川辺の石に一字すっ書■場明 、んこ、つ 甲翡箘、石和 ( 現・山梨県八石 いて川に沈めて回向をしてやります。すると、地獄の鬼が現れて、かの鵜使いは 地獄へ堕ちる筈であったが、生前、僧を接待した着打と、法華経の功徳によって 救われ、極楽へ送る事になったと告げ、法華経の有難さをたたえます。 和町 ) 夏の夜
・作者 世阿弥 五番目物 【あらすじ】出羽国 ( 山形県 ) の羽黒山からやって来た山伏が、大峰葛城山へ参 「奥儀越「袖中越など る途中、大和国 ( 奈良県 ) 春日の里につきます。そして誰か人がやって来たら、ー人物 このあたりの名所について聞きたいものだと思っていると、丁度一人の老人がやワキー山伏 ( 兜巾、経水衣、白大口、 って来ます。そこで、近くにあったいわれのありそうな池について尋ねます。す 前シテー野守〈化身〉 ( 面笑尉、茶 ると老人は、私のような野守が姿を写丁ので、 " 野守の第といっているが、本当 経水衣、無地熨斗旦 の〃野守のというのは、昼は人となり、夜は鬼となってこの野を守っていた アイー春日の里人 ( 長上下 ) 鬼神の持っていた鏡のことだと答えます。更に「はし鷹の野守の鏡、得てしがな、後シテ」塁神 ( 面小 ~ 覺、赤頭、唐 思ひ思はず、よそながら見ん」という歌は、この池について詠まれたのか、と山冠、法被、半切 ) 伏が聞くと、老人は、昔この野で御狩のあった時、御鷹を逃したが、この水に姿 大和国、春日里 ( 現・奈良市春日野 が写ったので行方がわかったから、その歌が詠まれたのだと語ります。山伏がま町 ) ことの野守の鏡を見たいものだというと、鬼の持っ鏡を見れば恐ろしく思うであー時 ろうから、この水鏡を見なさい、といいすてて老人は塚の中へ姿を消します。〈中 ー演能時間 入〉丁度来合わせた土地の人から、野守の鏡の名の由来などを再び聞かされ、先 一時間一一十分 の老人は、野守の鬼の化身であろうと告げられます。山伏はこの奇特を喜んで塚第 - ハ書 の前で祈っていると、鬼神が鏡を持って現れ、天地四方八方を写して見せたのち、天地之声 ( 観 ) 、白頭 ( 観・宝・剛 ) 、 198
■作者 世阿弥か ( 但し古作の改作 ) 四番目物 雲林院う《 & ん きんみつ 【あらすじ】津の国 ( 兵庫県 ) 芦屋の里の公光は、幼いときから『伊勢物巴を 「伊造とその古註 愛読していましたが、ある夜不思議な夢を見たので、従者を伴って都へのばりま■人物 す。都は紫野の雲林院につくと、桜の花が今を盛りと咲いています。公光がそのワキ戸屋の公光 ( 掛素袍、段熨斗 一枝を折ると、一人の老人が現れて、それを咎めます。それから一一人は互いに桜目、白大口 ) ワキツレー従者 ( 無地熨斗目、素袍 を詠んだ古歌をひいて、問答します。そして、公光は老人の尋ねに答えて、『伊勢 上下 ) 物巴に対する熱愛ぶりを語り、霊夢にひかれて都へ来た由を告げます。すると前シテー老人〈業平の化身〉 ( 面阿 老人は、自ら業平であることを暗示して、タ霞の中にんてゆきます。〈中入〉そ古父尉、小格子厚板、経水衣 ) アイー北山辺の者 ( 狂言長上下 ) のあと、北山辺に住む人が、雲林院に花見に来ますが、公光に尋ねられ、業平や 後シテー・・在原業平の霊 ( 面中将、初 『伊勢物巴について物語り、その老人こそ業平であろうから、ここで一夜を明か きどく 冠、単狩衣、指貫 ) し、重ねて奇特を見られては、と勧めます。公光と従者 A 」は、花の木陰で仮寝を・場明 します。すると、その夢の中に殿上人のよそおいの業平が現れて、『伊勢物巴の京都、紫野・雲林院 ( 現・京都市北 中にある業平と一一条の后の恋を物語り、更に昔を偲んで夜もすがら舞をまいます区紫野雲林院町 ) が、やがてその夢も覚め、業平の姿もんてゆきます。 【みどころ】在原業平の霊が『伊勢物巴について語り、昔を偲んで舞をまうと ■演能時白印・ いうのが、この能の主題です。前段の『伊勢物巴を愛する男と業平の化身の老一一時間
■作者 一番目物 不明 ( 金寿 ) も ) 竹生島 【あらすじ】延喜帝 ( 醍醐天皇 ) に仕える朝臣が、竹生島明神に参詣を志し、琵 琶湖畔までやって来ます。丁度、老人が若い女をともなって釣舟を出しているの人物 で、それに、声をかけて便船をたのみます。老人は央く彼を舟に乗せ、のどかなワキー朝臣 ( 大臣烏帽子、袷狩衣、 浦々の春景色を楽しみながら、竹生島に向かいます。竹生島に到着すると、老人白大口 ) ワキツレーー従者 ( 大臣鳥帽子、赤地 は朝臣を則にします。朝臣は、連の女も一緒に来るので、この島は女人禁 袷狩衣、白大口 ) 制と聞いているがと、不審がると、老人と女は、弁才天は女性の神であるから、 前ツレー浦の女〈化身〉 ( 面小面、 女人を分け隔てはしないと、こもごもこの島の明神の由来を語ります。やがて一一霹 ) 人の者は、実は人間ではないといって、若い女は社殿の扉の内に入り、老人は波前シテー漁翁〈化身〉 ( 面朝倉熨 茶経衣、無地熨斗目 ) 間にその姿を消します。〈中入〉そのあと、弁才天の社人が出て、朝臣に宝物を見 アイー竹生島明神の社人 ( 梨打に せます。そうしているうちに、社殿が鳴動し、光輝き、音楽も聞えたと思うと弁子、上頭縷水衣、、脚半 ) 後ツレー・・弁才天 ( 面小面、里、天 才天が出現し、舞をまいます。つづいて湖上が波立っと見るや、龍神が水中より 出現して、朝臣に金銀珠玉を捧げ、激しい舞を見せます。そして、弁才天と冠、長絹、白大口 ) 後、ンテー、、 ( 面黒髭、赤頭、、 とは、仏が衆生をっための一一つの形であるといい、国土鎮護を約東し、弁才天 法被一攪、赤地半切 ) は再び社殿に入り、は湖水へと飛んで入ります。 【みどころ】竹生島弁才天の霊験を示す能です。脇能としては位は軽く、それだ近江国、竹生島 ( 現・滋賀旧策浅井 あそん 168
・作者 竡 ( 羽 3 , ・・ーーー五番目物 ・素材 【あらすじ】舞台は中国、長江 ( 揚子江 ) の上流、烏江のほとりです。烏江の野 原典は「史起だが、亠には「太 辺で草を刈っていた男が、家へ帰ろうと川辺で便船を待ちます。するとそこへ、 平起巻一一八「漢楚合戦の事」に拠 一人の老人が舟を漕ぎ寄せてきます。男が乗ろうとすると、老人が船賃を請求すったと思われる るので、自分らのように毎日この川を渡っている者は、船賃を払った事はない、 ワキ・・・・草刈男 ( 経水衣、白大口 ) と上の瀬へ廻ろうとすると、老人はそれでは、まず乗れとすすめます。ところが ワキツレ。・・・・草刈男 ( 縷水衣、白大口 ) 向、 2 序について降りようとすると、またもや船賃をくれといいます。男が約東が前シテー老船頭〈化身〉 ( 面笑尉、 ちがうと怒ると、老人は、いや銭でなくてもいいのだ、あなたの持っている美人茶経示衣、無地熨斗旦 ものごい アイー鳥江の露寸 ( 狂一一「口上下 ) 草が一本欲しいのだといいます。男が、それは優しい物乞だと、その理由を問い きさキ」に、し ツレー・、。虞氏の霊 ( 面小面、、側 ただすと、老人は、むかし項羽の后虞氏が身を投げて死に、その死骸を埋めた塚 次 ) から生えたのがこの草だと説明します。男が更に、項羽が漢の高祖と戦った時の後シテー項羽の霊 ( 面三日月、里饋、 しめん 様子を尋ねると、始めは項羽の方が連戦連勝だったが、裏切者が出たため四面唐旗法被、半切 ) 楚歌を聞く状況となり、虞氏は悲しみに泣き伏して自害した。項羽も、愛用の名ー場明 中国、鳥江のほとり ( 現・中国宀姦 馬が膝を折ったので、今はこれまでと自ら首をかき落とし、この烏江の露とん 、んこ、つ 省相県島江浦 ) たと詳しく物語り、自分こそ項羽の幽霊だとあかし、回向をたのんでん失せま す。〈中入〉草刈男が読経して、その後世を弔っていると、夢に項羽が、虞氏を伴秋 108