情報力 - みる会図書館


検索対象: 意思決定入門
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1. 意思決定入門

思決定は個人的にも組織的にも完全に情動だけに左右されてきます。 こういう情動の支配を防ぐ方法は、情報によって判断するという習置を身につけることだと 思います。「話せば分かる」ということもあるように、情報が豊かなときは、 かなり情動が抑 えられ、理性的な判断が働くようになります。相手をよく知り、自分の状況をよく分析すれ ば、優越感や利己的な自負心は抑えられるはずです。そして情動のよい側面ーー思考の活性 意志の明確化ーーなどが引き出されるはずです。もっとも、そう簡単に機械のようにいか ないのが人間という非合理的存在の特質ですが

2. 意思決定入門

らの情報には、大統領補佐官や各閣僚も部分的に触れることはできますが、その全容を知るこ とができるのは大統領だけです。「知はカなり」といったのは、イギリスの哲学者べーコンで すか、現代は「情報はカなり」というわけでしよう。 もちろん、現代のビジネス社会でも、意思決定力と情報力は切っても切れない関係にあるこ とはいうまでもありません。 情報力の一方で、意思決定には思考展開力も重要な要素です。ただ情報力と思考展開力のど ちらにウェイトを置くかというと、私は七対三で情報力が優先されると思います。前にもいっ たように、情報かないと、考えようにも考えようかありません。 私は七対三で情報力を重視したいとお話ししましたが、もちろん個人的な意思決定の場合に は、こういった情報重視の姿勢は、かなり守られます。冒頭に紹介した私の友人のケースで は、意思決定にいたる時間はすべて情報収集・分析にさかれています。個人の場合は、問題も カ しいことですから、質のいい情報さえ集まれ 情それほど複雑でありませんし、自分で決めれば、 定ば、そんなに考えることもなく、意思決定はすばやく終わるわけです。 しかし、組織の場合はなかなかそうはいきません。たとえば、ダラダラと続く長い会議で いいアイデアやいい す。みなさんもご経験だと思いますが、うんざりするほど長い会議から、 いい結論が出ないから長くなるのです 意思決定が出ることはないと思います。逆にいえば、

3. 意思決定入門

①はじめての客には、必ずマスターがあいさっする ②常連客とは、盆暮にあいさつ状を出したり、ゴルフコンべを開くなど、密接なコミュニ ケーションがある ③明朗会計が徹底していること こういった成功の条件を彼はさっそく自分の店に取り入れたところ、その後、客足は順調に 伸びているそうです。 この話は、あらためて「意思決定」における「情報」の重要性を痛感させます。意思決定と いうと、なにやら「決断力」や「指導力」の問題と考えられているところがあります。たしか に、それも重要なのですが、簡潔にいうと、意思決定力は情報力と思考展開力によって構成さ れています。この二つのなかでも情報力は重要です。どんなに思考展開力や決断力にすぐれて いても、情報が乏しいときに正しい意思決定を下すことはできないからです。 アメリカ大統領に就任した人物は、誰しも最高権力者だけが手にできる情報の量と質に驚く そうです。ホワイトハウスには毎朝、アタッシュケースを下げた o—< の情報担当官が現れま す。最高意思決定者の大統領に、国内外の最新機密情報をプリーフィングするためです。これ

4. 意思決定入門

Ⅱ 意思決定と情報カ 意思決定には情報が欠かせません。思考能力と情報カ は 3 対 7 で情報力の方が重要です。 情報収集には , まずどういう目的で情報を集めるのか 決めなければなりません。 次に , 自分が何を知るべきなのかをはっきりさせる必 要があります。これには関心事の手法が役に立ちます。 この手法の基礎は , 常に現場を見ることです。

5. 意思決定入門

この青年の話はいささか極端な例ですが、要するに「無目的に情報を集めるだけでは、知的 生産には役立たない」ということでしよう。私たちも、ときおりこの青年と同じような過ちを 犯しています。たとえばルーティン化した業務報告会議です。こういう会議では、無目的に情 報を交換し合うため、お互いの感想をてんでに述べるだけで、意味のある情報にはなってきま せん。「へえ、そんなことがあるのか」で終わってしまうわけです。 意思決定の場合、情報収集の目的はいうまでもなく「意思決定の目的」そのものです。たと えば、「セールス体制を強化したい」という意思決定の目的があるときは、そのための情報を 集めればいいわけです。こういう情報収集の目的があるときは、必要な情報収集の効率は格段 に上がります。 意思決定には多くの場合、時間的制約があります。また日進月歩の世の中ですから、ダラダ ラと時間をかけて情報を集めていますと、その間に状況が動いてしまって、集めた情報に意味 がなくなります。意思決定のためには、正確な情報を集めることも重要ですが、最短距離で集 めるということも同様に重要なことなのです。 情報の集め方 正確な情報を最短距離で集めるために、何をすれば ) しい力とい、つと、まず自分か「何を知る

6. 意思決定入門

4 企業の意思決定 : ・ ①意思決定の構造訂 / 戦略的意思決定 / ③組織改革の意思決 定 / ④業務システム改革の意思決定 / ⑤評価システム改革の意 思決定 / ⑥情報システム改革の意思決定 Ⅱ意思決定と情報カ 情報力と思考カ : ・ スナックの教訓 / 図七対一二 2 目的志向型の情報カ・ : ①まず目的をもっこと / 情報の集め方 3 関心事と情報カ ①気にかかること / 質の高い関心事をもつには Ⅲ意思決定と思考カ 1 思考の手順化 : は思考の堂々めぐり思考の手順

7. 意思決定入門

べきなのか」をはっきりさせることでしよ、つ。 「情報収集の目的」と「知るべきこと」は別のものです。たとえば、受験生なら、情報収集 の目的は「〇〇大学に合格すること」で、知りたいことは「その大学の難易度・偏差値」「効 率的な勉強法」「それに向いた参考書」などになってくるわけです。 もちろん、情報収集の第一段階から「知るべきこと」の全容が見えることはまれです。多く の場合は「知るべきこと」を調べるところから情報収集はスタ 1 トします。いいかえれば、情 報収集とは知るべきことを順を追って追求していく過程ということです。 ( しし力というと、意思決定のため では、さしあたってどこから「知るべきこと」を調べれよ ) ) 、 清報収集にあたっての「知るべきこと」は、「意思決定の目的を果たすため」に、自分は、 「何がしたいのか」 力「何をなすべきなのか」 情「現状はどうなっているのか」 定「それはなぜなのか」 思という質問を投げかけてみることです。 意 これを家を建てるというケースで考えてみましよう。 「何がしたいのか」という質問からは、「家族でそろって住める家が欲しい」とか、「都心の

8. 意思決定入門

2 意思決定を強化するヒント 重点志向をする 情報力に強くなればなるほど、解決すべき課題は山積みされてきます。すべてに手をかける 時間も資源もありません。重点志向ができないと、の中の迷い子のようにな 0 てしまいま す。 ある化学メーカーで、もう何年もメガネレンズの開発をすすめてきましたが、い っこ、つに ~ 並 ち上がりません。部長は、腕ききのプロジェクト・マネジャーで、何とかせよと送りこまれ ました。彼が、チーム ・丿ーダ 1 の仕事を見ていると、このリーダーはチーム員をあらゆる課 題に分散して、それらのすべてを解決しようと努力しているようでした。 そこで、部長は、これらの課題をいくつかのプロックに分けて、いっときに一つ以上のプ ロックにはとりかからないように指示しました。「ひずみ」のプロックが解決するまでは、「異 できるようになってきたともいえます。因果を過去にさかのばって正しくとらえれば、真の原 因についての情報が得られるし、将来に向かって推しはかっていけば、予測の情報が得られる のです。 140

9. 意思決定入門

が、こういうことは出席者が情報をもたずに、お義理で座っているときに起こります。ルー ティン化した「定例会議」などに多いのですが、この場合、情報収集への時間配分は、ゼロに ひとしく、堂々めぐりの思考過程にだけ時間がさかれていることになるわけです。 いうまでもなく、私は組織でも、情報と思考での「七三の構え」が必要だと思います。、、 尽くされた言葉ですが、現代は環境激変の時代です。経験則と先入観によるルーティンな意思 決定では生き残っていけません。「ウサギのような長い耳とタカのように鋭い目」。これを備え てはじめて人間の脳は働き始めるのです。 またあるスナック会社での経験ですが、最近出す新商品の売れ行きが、ことごとく思わしく ないとの相談を受けました。そこで、この十年間にヒットしたものとだめだったものを比較し てみたところ、ヒットしたものについては、購買層について、足を使い面接をして、相当突っ こんだ嗜好をつかんでいることがわかりました。ところが、ヒットしていないものについて は、ヒットした商品を少し改良して、他の顧客層に広げようとしているのです。たとえば、中 学生に向けて好評のチョコレートを、半分のサイズに箱をかえて小学生に売りこもうとしたり しています。だが、小学生の最近の嗜好については、情報を直接的にとっていませんでした。 情報のないところで、推定で嗜好を考えているのです。 適切な情報さえっかめば、最良の解決策は自然に生まれるというぐらいの強い信念をもつべ

10. 意思決定入門

2 目的志向型の情報カ まず目的をもっこと しのでしようか。もちろん、 では、意田 5 決定に必要な良い情報をどのように集めていけばい、 情報と名のつくものなら何でも集めればよいというものではありません。評論家の立花隆さん の『知のソフトウェア』 ( 講談社 ) という本には、こんな話が出てきます。 あるとき一人の青年が立花さんの家を訪れました。自分の情報収集法について立花さんのア ドバイスを受けるのが目的です。彼は持参した大きな包みの中から、カード、スクラップブッ カク、ファイリングなどさまざまな道具を取り出して、自分の情報収集・整理法を説明し始めま 情した。その話を聞くと、その青年の収集・整理法は完璧で、立花さんは「こんな青年を一人資 定料整理係として雇えれば申し分ない」と思ったぐらいだそうです。そしてこの青年はこの資料 収集・整理のために、夜眠る時間も借しみ、ついには資料を読む時間まで削っているというの 意 です。立花さんは結局、この青年には「一カ月間だけ、一切の資料整理をやめて、自分はそも そも何をしたいのかをよく考えてみてはどうか」とアドバイスするほかはなかったそうです。 きでしよ、つ。