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検索対象: まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命
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1. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

気持ちが備わっています。近江商人に語り継がれる「三方よし ( 売り手よし、買い手よし、 世間よし ) 」の考え方も、現代の企業の社会的責任 ( 0 ) やーの関係につ ながるとして現代によみがえりつつあります。日本の伝統、風土、歴史に育まれた日本の 文化を、欧米人たちも非常に注目して見ています。われわれはもっと自分たちのアイデン ティティ、オリジナリティを大事にすべきなのではないでしよ、つか 本書では、私がテッセイで行ってきた小さな試みの数々を紹介しています。時にはため らいながら、時には周囲に反対されながら、変化を起こすための小さなクスイッチをカ を込めて押してきました。「私たちは製造業だから、ちょっと違う」「会社が大きいから無 理だ [ などと決して思わないでください。その一つひとつは、取るに足らないちつばけな ものですが、改革や変革はそんな小さなことから確実に起きていくものです。 それらのスイッチが、あなたの周囲の小さな変化につながることを祈って : 矢部輝夫

2. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

気づいたテッセイの女性スタッフが替えの下着を用意するなど、困っていた女性のケア をしました。 落ち着いた頃に理由を聞くと、新幹線内のトイレは男女兼用で自分はそこに入ること ができず、駅で急いでトイレに行ったものの間に合わなかったというのです。 「男女のトイレは分かれているのが普通なのに、新幹線のトイレが男女兼用なのはおか しい」という声がテッセイの女性スタッフからあがりました。 これは彼女の言葉で直接伝えたほうが説得力があると考え、私は東日本の社長や 社員が集まる会議にそのスタッフを連れていきました。当時の社長はその話に真剣な顔 で耳を傾けてくれたのを覚えています。 それからしばらくして、女性専用トイレが設置された系、系という新型が登 場しました。新幹線の車両開発にあたって、とうとうテッセイの意見が反映されたのです。 このように、さまざまな現場スタッフのリアルな意見は、お客様が求めるものをよく 反映しています。会社としては、その声をきちんと拾える環境を整えることが大事なの です。 100

3. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

06 新たなステージを目指して CHAPTER できる限りすべてのことにどんどん挑戦することが大切で、それが結果的に全部役に 立ちます。あらゆる手段を使って「これでもか、これでもかーと挑み続ける。そして「失 敗もすべて成功につながっていくーと自分に思い込ませる。その愚直で継続的な取り組 みこそが、やがて結果に結びついていきます。 0 力を合わせて誇りを育む テッセイで働いている人はさまざまな経験と紆余曲折を経てここにたどり着いた人が 多くいます。 そんな人たちに活き活きと誇りを持って働いてもらうためには、会社や周囲に認めら れることが欠かせません。仕事を通じて認められ、評価され、充実感が積み上げられて いけば、やがてそれが誇りと生きがいにつながるからです。 しかし組織のなかでは、たった一人で「誇りと生きがいを持っぞ , と意気込んでも、 煙たがられて終わるだけです。つまり誇りと生き力し ( 、ミ、よ、一人で持てるものではなく、 みんなが力を合わせてこそ育まれるものなのです。 うよきよくせつ 21 3

4. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

で、誰かに見せたり報告をしたりはしていないとのことでした。 ノートには名前がついていました。その名も「エンジェルノート」。私はこのアイデア ノ 1 トをぜひ有効活用したいと考えたのです。 2 0 0 7 年 4 月から開始した「エンジェルリポート 今ではテッセイの大きな根 幹をなしている取り組みのひとつですが、もともとはスタッフが自主的に始めた活動か らきていたのです。 それでは、「エンジェルリポートとはどのような活動なのか、ご説明しましよう。 0 「スタッフのコッコッ仕事」を拾い上ける 最初に、主任たちのなかから約人を選び、「エンジェルリポータ 1 」に任命しました。 スタッフのいいところを見つけて、報告を行う役割です。彼らには、会社の目指す方向 性や新しいト 1 タルサービスの目標などを 1 日研修で伝えました。 エンジェルリポーターの任期は 1 年。どんなことをリポートするかは、各リポーター に任せます。もちろん、主任としての仕事もしてもらいながらのリポートなので、仕事 中や休憩中に見聞きしたこと、スタッフから報告を受けたことなど、気軽に書けるよう 170

5. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

こういったスタッフの言動をあげたらきりがなく、テッセイに異動した当時の私は毎 日驚かされていました。常にメモを持ち歩いて、それらを細かく記録しておき、彼らの アイデアや発想を忘れないようにしておいたのです。 0 スタッフの意見からコストタウン 清掃会社という職種、スタッフの平均年齢の高さによるところも大きいと思いますが、 テッセイにはさまざまな職業を経験した人たちが集まっています。それは結果的に、多 種多様な得意分野を抱えているということでもあります。 次ページにあげたのは、そうしたスタッフの声を取り入れることで、コストダウンに つながった一例です。テッセイのようにさまざまな経験、いろいろな考え方の人たちが 集まると、お互し。、 、こ遠慮をして自分の意見を口にしない傾向がありますが、普段からチー ムワークをよくし、意見を出しやすい環境を整えることで、気軽なお喋りからよりよい 仕事環境へのアイデアが出ることもあるのです。 また、その人となりをよく知ることにもつながり、「・・さんってすごいねー「よく知っ てるね」とお互い尊敬し合うようになり、人間関係もよくなるような気がします。

6. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

C 0 L U M N 奇跡の。 49 日復興 " 2011 年 3 月 11 日に起こった東日本大震災。東北新幹線 は震災 4 日目に再開しましたが、仙台の車両基地が被 災していたため、まずは東京駅から那須塩原駅間の折 り返し運転となりました。 まず問題になったのが『全般清掃』。当時、全般清掃は仙 台の車両基地で行われていました。そこで、大宮駅の次 の停車駅である小山駅のサービスセンターが、仙台車 両基地の全般清掃を請け負うことになりました。そのう え、他社が担当していた那須塩原駅での清掃もテッセイ が引き受けることになったのです。 そこで立ち上がったのが東京・上野・田端のスタッフ。毎 日人が現地に派遣されました。通常運転している上 越・長野新幹線の要員を確保しながらの、ギリギリの対応 でした。スタッフのなかには、当初、余震で危ないのでは ないかと思った人がいたようですが、延べ 2 人が現 地で対応。テッセイスタッフの使命感が、わずか 49 日間 での新幹線復旧を支えたのです。 8

7. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

05 「認め合う」仲間、「見られる」カ CHAPTER ルリポ 1 トで報告される人々を、可能な限り表彰する仕組みに変え、さらに「ほめられ た人」だけでなく「ほめてくれた人も表彰するーという制度も加えました。 表彰は、個人賞を月間・半期・年間のそれぞれで行います。もちろん賞金も与えられ、 年間優良従業員ともなれば最高額を手にすることとなります。加えて、「おもてなし創造 部長賞ーや「安全企画部長賞ーなど、多種多様なユニークな賞も設定しています。 ただし、これらの表彰は完全に能力べースで行うことにしました。 モチベーション配慮のために、同じ人を何度も表彰しないとか、まんべんなく行き渡 るよ、つにするなどとい、つ温情は一切ありません。フェアにしないとスタッフから文句が 出て、「どうせ出来レ 1 スだ」などと失笑を買うことになりかねないからです。やがて その感情は表彰制度への不信感を生みます。誰が見ても納得できる結果にならなければ、 本当の意味でのモチベーションアップにはつながらないのです。 いずれにしても、テッセイの「ほめる」「表彰する」とは、目覚ましく顕著な成果をあ げた人たちだけのものではありません。会社を育て盛り上げるために、地道に毎日の業 務を積み上げた人たちのためにあります。 177

8. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

05 「認め合う」仲間、「見られる」カ CHAPTER 光の当たらない毎日の業務を「見てくれて いる人がいるー「評価してくれる会社だ」と 思うことでモチベーションを保つことにつ なかっていきました。 彰期 表半 員定 、ト業設 一従も 0 スタッフ同士で護え合う土壌 間る ポ々施 合 ル人実年す いるを 東京駅のようにお客様と接することの多 認張彰彰表っ ジ頑表表をあポ 「目立つ」部署とは違い、 田端サービス んのコ センタ 1 は車両整備を行う「裏方」的な色み半て っこ賞 合いが強い部署です 約褒ぐ 地人よ そんな田端サ 1 ビスセンターは、入り口 から事務所まで長い廊下になっています。 その両側の壁には、スタッフの努力を紹介 する写真やイラスト、リポートがところ狭 しとびっしり貼り出されています。 ( 件数 ) 12000 10000 8000 6000 4000 2000 H24 H23 H22 H21 H20 H19 H27 H26 H25 179

9. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

「コスト削減をとるか、お客様の信用をとるかーといわれたら、後者をとるのは当然の ことです。広く正社員への門戸を開くことは、お客様への質の高いサービス提供につな がります。テッセイで働く誰もが、キャリアパス ( 人材が目指すべき最終地点までの道 筋モデル ) を公平に持てるようにして、自分の将来像を描けるよう採用制度を大幅に改 正しました。 この制度改革によって、スタッフに働く意欲が芽生えて離職率も減り、仕事のクオリ テイもアップしました。当時の世の中の流れとはまったく逆方向ではありましたが、狙 い通りサービスの質は向上し、お客様満足度 (oc) もアップするというべストな結果 につなかりました。将来的には、ヾ ート率を % に持っていくことを目標にしています。 0 受験者全員を面接する「社員採用試験」 社員採用試験は年に 2 回、 4 月と川月に実施されます ( 時期が多少前後する場合も ) 。 現在でもテッセイに入社した人は、すべてパ 1 トから始まりますか、パ ートを 1 年以上 経験すれば受験資格ができるため、多いときには一度の試験で人前後が受験します。 試験は筆記試験 ( 一般常識・業務知識・作文 ) と面接を全員に対し実施します。 206